橘花抄(新潮文庫)

橘花抄(新潮文庫)

781円 (税込)

3pt

両親を亡くした卯乃は、筑前黒田藩で権勢を振るう立花重根に引き取られたが、父の自害に重根が関与したと聞き、懊悩のあまり失明してしまう。前藩主の没後、粛清が始まった。減封、閉門、配流。立花一族は従容として苦境を受け入れるが追及は苛烈を極め、重根と弟・峯均に隻腕の剣士・津田天馬の凶刃が迫る。己の信ずる道を貫く男、そして一途に生きる女。清新清冽な本格時代小説。

...続きを読む

橘花抄(新潮文庫) のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月22日

    葉室麟にはずれなし。今回も本当に面白かった。史実とフィクションが入り混じり、昔の人が活き活きと生活している気配が強い。この本では最後の闘いがいつもよりも長く劇画調だったが迫力満点。大満足だった。相変わらず主人公の女性がとても魅力的で、読み終えると爽やかな気分になる。はずれなし。

    0

    Posted by ブクログ 2015年03月08日

    重根、峯均、卯乃各々の胸に秘めた思いと情が政局の流れに翻弄されながらも強くひたむきで、切なくも心温まる作品。願わくば、峯均の流刑が解かれたあとの描写がもっとほしかった。峯均の覚悟と強い信念に男らしさが満載で、蜩ノ記よりよかったな。

    0

    Posted by ブクログ 2015年02月11日

     両親を亡くしたのち、筑前黒田藩の立花重根のもとに引き取られた卯乃、しかし重根が父の自害に関与したと聞き卯乃は懊悩のため失明してしまう。さらに立花一族に対し藩からの圧力が強まり…

     小説を読んでいて、登場人物の生き方に対し心の底からカッコいい、と思ったりすることってなかなかないと思うのですが、
    ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2014年04月08日

    素敵すぎる。香や和歌、そして武家の生き方。。。重根と峯均の兄弟がほんとに武士らしくしたたかで誠実で、かっこいい。キャラがたっていて、実在したと言われる人物とそうじゃない人物の区別がつかない。
    歴史にファンタジーが溶け合わさって、和風で夢のつまった感動ストーリーになっちゃったかんじ。
    バスの中で涙して...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年07月02日

    現代にも通じる権力者交代に伴う粛清の嵐。藩のために憎まれ役であっても献身した結果が、あまりに酷い。
    父が自害した後、藩の重役である立花重根に引き取られた卯乃は、重根に慈しみながら育てらる一方で、藩主家の騒動と藩政の変換に巻き込まれていく。立花一族に襲いかかる数々の苦難。卯乃は周りの人々に助けられなが...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年02月11日

    日本史に疎いため、どこまでが史実で実在の人物なのか、どこからがノンフィクションなのか分からないが、その分素直に楽しめた。
    多彩な人物を配し、江戸の爛熟期、もはや”武”ではなく”政治”の時代に、己の保身をかけるもの、忠義に生きるもの、それぞれの運命が錯綜する。
    特に女性の姿が、昔の時代作家と違って生き...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年10月19日

    武士としての生き方とそれを支える女性たちの強さに加え、茶道や和歌の精神を織り交ぜた充実した作品でした。決して有名ではない人達を主人公にして、時代小説の定番である江戸の下町人情や捕物帳とは一線を画した葉室氏の作品はどれを読んでも心に響きます。
    黒田藩に関する小説は始めてでしたが、葉室氏は他にも書いてい...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年06月03日

    弟子に「強い」とはどういう事かと尋ねらた峯均(みねひら)は
    それは負けぬという事だと答える。
    「負けぬということはおのれを見失わぬこと。
    勝ってもおのれを見失えば、それはおのれの心に負けたことになる」
    弟子と師匠の話として聞けば深い、と思う。
    ちょっと違うかもしれないけれど
    負けた試合こそ自分が伸び...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2020年12月26日

    著者の小説は、漢詩や和歌を巧みに取り混ぜ、清冽な作品をより格調高く仕上げている。
    この小説も和歌を随所に用い、香道が加わることによって、さらに香(かぐわ)しい読み応えのある作品になっている。
    そして登場人物に
    「あなたは光を失いましたが、人の心の香りを聞くことはできるはずです。いずれ、あなたにとって...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2019年09月15日

    面白かった
    筑前黒田藩での物語
    これも、実際の黒田家のお家騒動を下敷きとした物語。

    両親を亡くした卯乃は黒田藩の藩士・立花重根に引き取られます。しかし、父の自害に重根が関与していたことを聞き、失明してしまいます。
    失明した卯乃は重根の弟・峯均のもとで母親のりくと暮らすことに。
    ここで「香道」を学び...続きを読む

    0

橘花抄(新潮文庫) の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

新潮文庫 の最新刊

無料で読める 歴史・時代

歴史・時代 ランキング

葉室麟 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す