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江戸老中松平定信から、内室同伴という前例のない宴に招かれた加賀藩主前田治脩。それは治脩の内室が病床にあることを知った定信が、藩を意のままにしようと企てた陰謀だった。窮地に陥ったお国の命運を救うため、選ばれたのは16人の飛脚。彼らの任務は、病の特効薬「密丸」を運ぶこと。行く手には、大雪、荒海、刺客が立ち塞がる――戦う男たちの心意気に圧倒される、骨太の傑作時代長編!(解説・児玉清)
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Posted by ブクログ
唸るス トーリーと筆致力5☆〜。 本作品は飛脚がテーマ。しかも江戸と加賀藩 約570kmをわずか5日で走破、かつ月に三度 往復する強者どもに光をあてる。物語は寛政 の改革で名高い松平定信が推し進めた棄損令 (債権放棄)により年末も越せない旗本が急 増そして不平不満が爆発寸前。この難局を乗 り切るため...続きを読むに定信が考案した奇策。加賀藩が 秘する内儀の病を公に顕にする事で非難を逸 らす事。だが病に効く特効薬は遠く離れた金 沢に。期限は年末までの二週間。藩の危機を 救うために命を賭して立ち上がった精鋭飛脚 達。道中には吹雪や断崖絶壁の海沿いの道そ して薬の運搬を邪魔する公儀。さーて想像を 絶する難局を彼等は乗り越える事が出来るの か!?ハラハラドキドキするテンポの良い物 語の進みは勿論、当時の食事を始め、日々の 鍛錬風景、雪道を歩くかんじき等の製法も含 めて細やかな描写が特徴。そして何と言って も一人一人の心情、心意気や熱気がダイレク トに伝わる。史実にうまくからめて物語を創 造しているので読み手に信憑性を持たせてい るな〜。
山本作品には珍しく闘いのある作品。加賀藩の支援もなく、それでいて、猟師が飛脚を損得抜きで助ける姿に感動を覚えた 。
加賀と江戸をむすぶ飛脚の話。 しかも途中で親不知だの青海だのが出て来て、金沢出身、本籍地青海(親の実家)現在東京勤務の私にはめちゃくちゃゆかりのある地満載でした。
足自慢の飛脚さん.メールや携帯が飛び交い,荷物なんてあっという間に届く現代では,考えられない時間の過ごし方がはらはらする. 書店で平積みになってて,偶然手に取り,山本一力を初めて知った作品.
一力先生の作品の中で最も好きな作品。 ダイナミックで読者を飽きさせず 涙がホロリ。ほほえみもチラリ。 柴錬作品を彷彿とさせます。
何事も人力に依っていた時代に、江戸と加賀の間をつなぐことが、どれほど困難だったか。貴重な情報と物の行き来を担う飛脚と、それを支える人々の、迸る情熱と誇りに圧倒された。 特に、雪の中の息を呑む戦闘シーンは圧巻。
長編でしたが、老中松平定信の陰謀から加賀藩の内室が病床にあることを知れるとまずい状況に陥り、それを打開するために加賀から病の特効薬である密丸を江戸に取り寄せるために、総勢16人の飛脚が大雪、荒波、刺客に立ち向かいながら奮闘して、密丸を江戸まで運び届ける様が良かったです! 飛脚たちの粋な様や絆、飛脚を...続きを読む愛して支える女性陣が清々しく描かれてました。 また龍虎という激痛の特効薬に悶絶する姿も面白かったです。
始まりは微妙・・・でも読み進めていくうちにどんどん面白くなってきました。 臨場感溢れる描写とか流石!
加賀藩の「三度飛脚」が、藩の危機に密命を帯びて江戸と領国を往復する。で、それを阻止せんとする幕府隠密との対決。 いやー、飛脚っていうヒトたちは凄かったんだなぁ。 はじめて知りました。 で、その任務の重要性と過酷さを人々は知っているものだから、すごく手厚く扱われていたのですね。 厳冬の時期の交通の難...続きを読む所の描写も、昔の旅の命がけ具合がよくわかりました。 猟師さんたち、ナイスガイ!
本書は山岳小説ではないものの、マタギの知識などがふんだんに入っているので取り上げました。 『かんじき飛脚』は、江戸時代の三度飛脚が主人公に物語が展開する。 時代は、『銀しゃり』と同じ時期で、棄捐令が出されたときだ。加賀藩と土佐藩のつながりも面白いし、風景が目に浮かんでくる描写が凄い。 飛脚を助ける猟...続きを読む師たちの知恵もとても参考になります。
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かんじき飛脚(新潮文庫)
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