韓国が異常だと強く思ったのは日本との問題もそうだが、個人的にはオリンピックで自国選手に不利な採点をされたとかで、相手の選手のSNSなどに韓国人大量の攻撃→相手選手は心身症、この相手国の選手団が抗議をするという事件が複数あったこと。この激情性は何か爆発寸前の鬱々たる不満がみなぎっていないとならないので
...続きを読むは? と感じたがその回答とも言えるのが本書。子供、若者、中年と一部の「勝ち組」になるための競争社会が、次の老人の章では社会保障もなく老人を敬う社会から「嫌老社会」となった現在が描かれる。ここで前の3世代はレールの上でなんとか外れまいと苦労する姿だが老人の世代ではレールからすでに外れた人だ。著者は実例とデータを駆使した説得力あるエビデンスを示しながら、読み物として興味深くまとめている。よく韓国はローンに苦しんでいるという報道があるが贅沢病というより競争で暴騰する教育費という側面が強いのだろう。
この本では負の側面を描いているが、韓国はアジア金融危機でのデフォルト以後、この過酷な競争社会で有史上最高の経済的反映を遂げたことも事実だろう。
周りをみても過酷な教育戦争もあってか「勝ち組」の外国語に堪能でテキパキこなす人材が多いような印象がある。この本の著者も日本留学のあと東京新聞のソウル記者のちフリーになった人だが、これだけの本を非ネイティブの日本語で書く力量は、東京新聞のあの酷い内容を書き連ねる日本人記者よりもはるかに優秀だし、欧米の日本在住記者(多くは特派員と称してまともに日本語ができない)には爪の垢を煎じて飲んでほしい。