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Posted by ブクログ
類い稀なる超一流の才能を持ち、一度は表舞台に立ちながら勝ちきれない5人のアスリートの話。
オリンピックで勝つには実力だけでないことがよくわかる。表舞台に立ち続けられる人は実力だけでないものを持ち合わせる。決してこの5人に限らず、実力を十分に持ちながら消えていったアスリートは存在する、いや、そんな人のほうが多いはずである。「パズルのピース」を合わせるのがどれほど大変なことか。また、そのパズルが崩壊するのがどれほど簡単なことか。それぞれがもがき苦しみながら、今も懸命に立ち向かう姿に安堵する。ノンフィクションはあまり読まないけど、これは秀逸でした。
Posted by ブクログ
スポーツに取り組む以上、本当の一握りのエリートを除いて負けや、引退や不本意な結果を受け入れる経験は必ずあるもの。努力を重ねつつも栄光にめぐり合えなかったアスリートを丁寧に取材したノンフィクション。次の一文にめぐり合えただけで、綺麗ごとだけではないスポーツの世界の本当の一面を感じました。以下抜粋”「どこの監督も言いますけど、強いチームには必ず陰の部分もあるんです。故障で走れなくなったり、練習についていけずに脱落したり。みんなが芽が出ているわけではない。そういうのを見るのが辛かった」がしかし、誤解を怖れずに言えば、勝利を第一義としたチャンピオンスポーツの世界にはそういう面は抜きがたく存在する”
Posted by ブクログ
スポーツノンフィクションやスポーツドキュメンタリーとは、トップアスリートの成功の裏側にある努力譚を記したり、かつて栄光に彩られた選手が困難の中にある様子を描いたりするものがほとんどだと思う。それはそれで興味深いし、読んでいて感動したり、刺激をうけたりするのだけれど、本書あとがきで高橋秀実が語るように、そうしたノンフィクションやドキュメンタリーは「『努力』を軸にした人生訓話」という側面が強く、時に説教めいたりもするので、読んでいて疲れたり、読むこと自体気が引けたりすることがある。
その点、本書『歓声から遠く離れて 悲運のアスリートたち』は、「人生訓話」めいてないので、ノンストレスですいすいと読むことができた。あらゆる不遇な状況に翻弄され、期待されながらも結果がだせなかったということを描く点にこそ、一般の読者としてリアリティを感じたのも読みやすかった理由の一つ。
「〈不運〉と決めつけられるのは決して気持ちのいいものではないかもしれませんが、そうした不遇を経験した人間にしかわからない知恵や、強さを描ければと思っております」と、本書の著者、中村計は書く。単なる訓話や悲劇の英雄譚にならぬよう、丹念に謙虚にアスリートを描こうとする中村計の筆致も一見の価値あり。
Posted by ブクログ
5名の一流アスリートのその後(現役の方もいるが)を追跡し、「悲運」とくくられるゆえんを問う内容にしようとした本と見た。筆者の想定が強烈すぎて、それにそうように勝手に解釈を完成させようとしているのでは?という疑念がまず起きてしまい、途中、いらっとしてしまった。が、総じて客観的ではあるとは思い、特に水泳選手の記事には色々思うところもあり、最後まで通読できた。
まじめな人、感性が独特の人等スポーツという極めて厳しい世界で名を馳せた、馳せることがどんだけのものなのかということを少し感じ取ることができたのではないか、と思っている。いや、やっぱ究極であると思うことしきり。自分の日常にこのような状況はないので、今後どう咀嚼するかは課題になるかもしれない。
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