硝子戸の中(新潮文庫)

硝子戸の中(新潮文庫)

374円 (税込)

1pt

硝子戸の中から外を見渡しても、霜除けをした芭蕉だの、直立した電信柱だののほか、これといって数えたてるほどのものはほとんど視野に入ってこない――。宿痾の胃潰瘍に悩みつつ次々と名作を世に送りだしていた漱石が、終日書斎の硝子戸の中に坐し、頭の動くまま気分の変るまま、静かに人生と社会を語った随想集。著者の哲学と人格が深く織りこまれている。(解説・石原千秋)

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硝子戸の中(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    漱石のエッセイです。兄弟のこと、母のこと、自分のこと、友達のこと、飼い犬のこと・・・・・
    身辺に起きたことを語るその描写は、真面目に言っているのに妙におかしく思えたり。何だろう、このおもしろさみたいなものもあり。それだけでなく、さりげない優しさも文章全体にしみわたっています。

    人との会話の中で、自

    0
    2025年09月19日

    Posted by ブクログ

    変わりゆく心が鮮明に映し出されている。表現が手に取るように分かるでもなく、私に溶け込むように沈んでくるはような言葉が多々ありました。

    0
    2024年08月24日

    Posted by ブクログ

    小学生の頃に『吾輩は猫である』で挫折して以来の夏目漱石。薄い本なので読めるはずと思い手に取った。

    病で床に伏し、閉じこもっている漱石の随筆。何処か志賀直哉の『城の崎にて』を連想させる。解説を読んで気付いたが、テーマが時間や死だったからかもしれない。

    この時代の文化に根ざしているので、現代しか知ら

    0
    2023年07月05日

    Posted by ブクログ

    病に臥す。
    硝子戸を隔てた内と外。
    そこは生と死の暗喩ではないか。
    「死は生より尊い」は建前であり、本音の死生観は他にある。母との記憶、人々との回想は、生への後悔・執着とも云える。
    「雲の上から見下して笑いたくなった..」
    作者の自我が開け放たれた瞬間だった。

    0
    2021年10月28日

    Posted by ブクログ

    漱石晩年に執筆された回顧談、追想、随想集とよべるもの。漱石の人生への鋭い洞察が随所にちりばめられる。以下、印象に残った箇所。

    不愉快に充ちた人生をとぼとぼ辿りつつある私は、自分の何時か一度到達しなければならない死という境地に就いて常に考えている。そうしてその死というものを生よりは楽なものだとばかり

    0
    2020年01月01日

    Posted by ブクログ

    漱石を、こんなに身近に感じたのは初めて。読んでよかった。もっと早く読めばよかったのかもしれないが、若い頃に読んでも、この随筆を面白くは感じなかったように思う。

    漱石が晩年、病気がちになってからの随筆。過去や懐かしい人を振りかえる内容が、とても多い。年齢を重ねた今だからこそ、漱石の寂しさもなんだか共

    0
    2019年02月04日

    Posted by ブクログ

    今はまだ感想をちゃんと言葉で表現できませんが、この後に道草を書いたのはなんだかなるほどな〜繋がってるなーと思いました。
    9,10のOとの話が、作者が一緒にいて心地の良い関係を彼と持っているのだなということが伝わってきて好きです。2/12

    0
    2025年01月25日

    Posted by ブクログ

    つい先日のことですが、知人を駅まで送った折に、駅ビルの本屋さんに立ち寄り……決して懐の寂しさを隠すためではなく……「ワンコイン一本勝負」として500円玉を握りしめて本棚の海を回遊しました……狙い目としては小説の文庫本ですね……流行りの作家や作品に関しては例え小品でも税込500円を切るものを探すのは難

    0
    2023年10月29日

    Posted by ブクログ

     お彼岸も近くなり、なんか漱石が読みたくなり手にした随筆。一つが約3ページの39篇から成る作品。大正時代前期に書かれた文豪のブログを読んでいるよう。さすがに今は見慣れない単語が多いです。
     12、13の失礼な男の話が秀逸。些細な事を気にしては悩み、胃潰瘍になり、それらを紛らわすかのように小説を書いた

    0
    2023年11月18日

    Posted by ブクログ

    「死は生よりも尊(たっ)とい」p23

    晩年、漱石先生が辿り着いた死生観だそうです。
    しかし、人に対しては
    「もし生きているのが苦痛なら死んだら好いでしょう」と助言ができない自分をもどかしくも思っている。そうして
    「もし世の中に全知全能の神があるならば、(中略)私をこの苦悶から解脱せしめん事を祈る」

    0
    2023年09月09日

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