文春文庫作品一覧
-
4.3累計180万部ファンタジー 珠玉の8編 累計190万部のファンタジー「八咫烏シリーズ」の外伝第二弾! とんでもない意気地なし、と噂の少年・雪哉に剣の指導を頼まれた 腕に覚えのある市柳は、おびえる雪哉に自信満々で打ち込むが、 まもなく違和感を覚え始める――(「ふゆのことら」) 貴族の少年たちが、父の跡を継いだ職人が、全身全霊で守りたい ものとは何か。 山内に生きる人々の幸せを誓った彼、そして、権力闘争のはざまに育つ姫君の 心の奥にある思いとは。 読者の胸を刺し貫く魅力でベストセラーとなった異世界ファンタジーシリーズ、 震撼の第二部へと橋をかける必読の8編。 ※この電子書籍は2021年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.9
-
4.5
-
3.7現代を代表する人気作家たちが、猫への愛をこめて書き下ろす猫の小説集第二弾! 猫が一生に一度だけ、人間の言葉をしゃべる!? 仕事と家事・育児にフル回転の雑誌編集者、九美が余命幾ばくもない猫を引き取ることになり……(村山由佳) 野良出身、いまは堂々の家猫ニャアが野犬に襲われ、まさかの!?(阿部智里) 火事が起きたとき、妻と双子の息子達の明暗が分れた。猫は何を見ていた?(長岡弘樹) 妊娠した姉から預かった猫との生活に、私の人生観が変わりだし……(望月麻衣) ほか、有栖川有栖、嶋津輝、カツセマサヒコらが登場! 話題の前作『猫が見ていた』に続く、謎と企みに満ちたオリジナル・アンソロジー。
-
3.8「お前の居場所は、俺が作るから。泣くな」 ピアノだけが友達の孤独な少女の夏子は、異彩の少年・月島と出会い、振り回され、傷付きながらもその側にいようとする。 やがて月島は唐突に「バンドをやる」と言い出した。 彼は、夏子の人生の破壊者でも創造者でもあった。 大切な人を大切にすることが、こんなに苦しいなんて--。 異彩の少年に導かれた孤独な少女。その苦悩の先に見つけた確かな光。 直木賞候補となった鮮烈なデビュー小説。 「生生しくて、切なくて、痛くて、何度も胸を揺さぶられた。この小説が好きだ。好きだ、と叫び出したくなる」 宮下奈都(解説より) 【藤崎彩織】 1986年大阪府生まれ。2010年、突如音楽シーンに現れ、圧倒的なポップセンスとキャッチーな存在感で「セカオワ現象」と呼ばれるほどの認知を得た四人組バンド「SEKAI NO OWARI」でピアノ演奏とライブ演出、作詞、作曲などを担当。研ぎ澄まされた感性を最大限に生かした演奏はデビュー以来絶大な支持を得ている。2017年に発売された初小説『ふたご』は直木賞の候補となるなど、大きな話題となった。他の著書に『読書間奏文』がある。 ※この電子書籍は2017年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.8自意識過剰、 赤裸々過剰。 この愛すべき、 クソみたいな日常──。 あの『苦汁100%』が濃縮されて待望の文庫化! 人気ロックバンド・クリープハイプのフロントマンであり、 初小説『祐介』が話題をさらった尾崎世界観が赤裸々に綴る、日常と非日常。 文庫化に際し、コロナウイルスに揺れる2020年2月、 50ページ以上の書下ろし最新日記 「あとが記」を追加収録。 ※※※ 〈文庫書き下ろし「あとが記」より〉 2020年2月26日 起きたら 世の中が変わっていた。 大規模なイベントの 自粛要請が出て、 イベントが軒並み 中止になっていく。 積み上げたものが たやすく流れるのを ただぼうっと見てた。 液晶画面に表示された文言は、 どれも何かを押し殺してる。 クリープハイプも 3公演の延期を決めた。 ※※※ 〈本文より〉 2016年11月22日 私は誰の悪口も言わない。 そんな奴は信用できない。 ちゃんと人を好きになったことがないのだろう。 大好きです、愛してる。と、 大嫌いだ、死ね。は 限りなく似ていると思う。 ※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
-「鬼役」の坂岡真、渾身の新シリーズ発進! 火盗改の駆け出し侍が、個性豊かでアクの強い仲間たちと江戸の巨悪に敢然と立ち向かう。 九代将軍徳川家重の治世。越後新発田藩の浪人の息子・伊刈運四郎は、直参旗本・坂巻讃岐守に中小姓として召かかえられるが、出仕初日から御先手筒(鉄砲)組二十四番の手伝いを命じられる。 筒組二十四番は火付盗賊改の助役代理を命じられていて、運四郎も火盗改の見習いになってしまったのだった。 初仕事は、口から鯖の尾鰭が飛び出した血腥い屍骸の検分――。 火盗改本役の弓組二番は優秀な人材が集められたエリート集団。 かたや、筒組二十四番は出世とは無縁な外れ者ばかり。 博打にのめり込んでいる者、金勘定にやたら細かい者、記憶力だけは抜群に良い者、変装に長けた者などなど、個性的でアクの強い連中がいがみ合うが、顔に大きな刀傷がある供頭・杉腰小平太がまとめ上げて、難事件に立ち向かう。
-
3.8シリコンバレーで起業した30代後半、日系3世の女性レイ。 80年代アメリカの小学校時代に周囲から受けた壮絶ないじめの後遺症を今も抱えながら、黒人の同僚とコンビで自社製品のプレゼンに駆り出される日々を送る。 精神安定剤を手放せないレイは、大仕事を前に休暇を命じられ、旅に出る。 日系1世の祖父母が戦中に入れられたマンザナー強制収容所、レイの母がひとり暮らすリトル・トーキョー。自らのルーツを歩いたレイは、目を背けていた本心・苦しみの源泉を知った。 複雑な形で差別の問題が日常にある3世の苦しみ、母親との関係。 日本とは、日本人とは、私とは何か――。 VRや音楽のミキシングアプリを対比させ、問題を鮮やかに巧みに 浮かび上がらせる。「マイノリティとしての私たちのこと」を問いかけた傑作。 第30回三島賞受賞。芥川賞候補。 「一読者として非常に感銘を受けた」平野啓一郎(選考委員) 様々な人種が暮らし、薬物の誘惑も幼児虐待も当たり前に転がるニューヨークで、女子プロレスラーとして働く姉の稼ぎで小学校時代を送った。やがて当たり前のように、一つの悲劇が起こる――日本人青年が、かつての生活を振り返る「半地下」も収録。 解説・鴻巣友季子 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.9新幹線で食べる海苔弁の美味さ、油揚げが人格者である理由、そしてかまぼこ板の美学とは――。 食を愉しみ、食を哲学する。週刊文春の人気食エッセイが電子版で登場! 春の終わり、にょきにょき伸びるアスパラガス。真夏に囓るきゅうりの爽快さ。 目にしみるさんまの煙に秋の到来を感じ、酉の市で手に入れる切山椒は歳末の風物詩。 おつな味、いまの味が記憶の扉を開く。 惜しくも急逝された安西水丸画伯のイラストレーションも、単行本版から大増量して、計60点収録。 食を楽しみ、食を哲学する絶品エッセイ特盛83篇をご賞味ください。 【主な内容】 すいか相手にぶつかり稽古 どうする、目玉焼き れんこん讃歌 パセリを丼いっぱい パパパパパインはいかがです ニッカボッカの男めし 南国おでんの宇宙 「うみねこパン」を盗み喰い かまぼこ板の美学 さよなら、ホットケーキ 二十五年めのハンバーグ ……など。
-
3.8心の痛みに効く、とびっきりのカフェご飯! 東京の出版社をやめ、百合が原高原にカフェを開業した奈穂。 かつてペンションブームに沸いたが、今はやや寂びれ気味の高原にやってきたのは、離婚を承諾しないモラハラの夫に耐えかね、自分の生活を変えるためだった。 そんな背水の陣ではじめた奈穂のカフェには、さまざまな人が訪れる──。 離れた娘を思う父、農家の嫁に疲れた女性、昔の恋に思いを残した経済アドバイザー……。 「ひよこ牧場」のバターやソーセージ、「あおぞらベーカリー」の天然酵母のパンや地元の有機野菜など、滋味溢れる食材で作られた美味しいご飯は、そんな人々に、悩みや痛みに立ち向かう力を与えてくれる。 奈穂のご飯が奇跡を起こす6つの物語。 ジューシーなチキンのコンフィとモミジイチゴをのせたベビーリーフサラダ/ 高原野菜と鶏肉のチーズクリームシチュー/特製さくさくベーコンサンド/ “男前な口どけ”のイチゴ入り泡雪羹/5種類のお豆のカレー/ 蕪と水菜と胡桃のサラダ/百合根のポタージュ/薔薇のシロップに漬けたくずきり…etc. 女性を主人公に多くのベストセラーを輩出してきた著者が、自らレシピを試して「絶対においしいものだけ」がぎっしり詰まった連作集は、読者に栄養をたっぷり届けます。 解説は漫画家の野間美由紀さん。 ──人間の心の機微の中にはいつも謎が隠れている。そんな謎を優しい目線で描いたこの小説も、紛れもなく上質なミステリーなのである。(解説より) 料理研究家の高山かづえさんが作る高原カフェレシピも特別収録!
-
4.5地下アイドル時代、心身に深い傷を負い、鎌倉の祖母のもとでひっそりと生活を送っていた20歳の小松奈々子。そこに突然現れたラジオ局のディレクター黒木から、番組アシスタントにスカウトされる。 初日の生放送は、後に「伝説の十秒回」と呼ばれる神回となり、かつてラジオ界で絶大な人気を誇ったパーソナリティの片鱗を感じさせるものだった……!? 大食いのアナウンサー、演じるキャラに疲れている女性芸人、売れっ子のオネェタレント…。様々な仲間に囲まれ、時に黒木と罵り合いながら、奈々子はラジオの世界に向き合っていく。それは自身の傷や、過去とも対峙しなければならなかったが、奈々子が生き直そうと決めた「小松夏海」の存在は、次第に黒木たちをも巻き込んで、確かなムーブメントとなっていく。そしてその言葉は、子どものできない夫婦や、大人になることの意味を考える高校生など、切実な日々を生きるリスナーたちの、ほんのわずかな未来を動かし始めていた。 「いいか小松、ラジオにはテレビやネット動画と違って映像がない。 映像という明確なものがない分、リスナーはそれを補って想像する。 そうして頭の中で想像されたものは、誰にも否定されないし奪えない。 だから想像させろ。 リスナーに、姿の見えないお前を想像させるんだ」(本文より引用) ラジオの魅力と、傷を抱えた人々が織り成す、あたたかな小気味よさあふれる物語。 150万部を突破した『神様の御用人』著者、浅葉なつの書き下ろし長編!
-
3.7小学生からの殺害予告に引きこもり人間からの告発――。 文通会社に届くワケありの手紙には、手紙で立ち向かえ! 「ねぇ、まめに手紙をくれてた人と急に音信不通になるって、どんな場合だと思う?」 叔母さんが突然切り出した質問にたじろぐ、17歳の岳彦。 叔母さんのむぅちゃんは秘密裏に、ILL(I love letter)という会員制の文通会社をやっている。 年会費を納めると、会員は自分のペースでILLの社員宛てに手紙を書いて出す。 毎日でも、ひと月に一度でも構わないが、姓と住所は本物を明記しなくてはならない。 子供の頃、せっせと叔母さんに手紙を書いていた岳彦はその腕を見込まれ、ILLの臨時スタッフとして雇われることに。 二年間、ずっとILLと文通していた水元さんに何があったのか。 岳彦は叔母さんに変わり、水元さんに手紙を書き始めるが……。 「ぼくはママをころそうと思います」――八歳の少年からの殺害予告や、「どうしても、あの恋文を見つけたい」――大女優からの無茶な依頼などなどの難問に、自分自身の言葉を便箋に書き連ねて向き合う岳彦。 メールや電話では伝わらない想いがある――。 温かくて切なくて、ちょっと怖い六つの物語。 ※この電子書籍は2016年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.5「彼女とセックスできる理由を話して」 性的不能だと信じていた夫の愛人は、醜く太った中年の女だった。 専業主婦の日奈子のもとへ、ある日、夫の愛人と名乗る、太った中年女性がやってくる。 夫のユキは長らく性的不能だったはずで、日奈子とはセックスレスの日々が続いていた。 いったいいつから、私たちの関係は、こんなにも不安定なものになってしまっていたのか――。 日奈子は、衝撃のなかで、ある行動に出る。 どんな夫婦にも訪れ得る、あやうい瞬間。 繊細な描写で、残酷なまでにむき出される心の機微を描く。 解説・東直子 ※この電子書籍は2016年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.1「生まれてきて良かった」と子どもに思わせたい。 絵本で豊かな心の体験をした子は、人生に希望と自信を持ちます。 ロングセラーが待望の文庫化! 巻頭16頁にわたり、撮り下ろしの写真やイラストをカラーで追加しました。子育て中のお母さんお父さんなど、子どもと向き合う全ての方へ贈る名エッセイ。 物心つく頃から本に夢中になり、沢山の本を読んで育った中川李枝子さん。長年務めた保育士時代は、子どもたちに絵本の読み聞かせをしました。「本は子どもに人生への希望と自信を与える」と信じる中川さんが、信頼を寄せる絵本や児童書を紹介し、子どもへの向かい方などアドヴァイスを綴っています。 「ぐりとぐら」でおなじみの山脇百合子さんの可愛いイラストも多数掲載。 小川洋子さんの解説も必読です!
-
3.8稀代のストーリーテラーにして短篇の名手でもある浅田次郎の一球入魂の傑作短篇集。 時代に翻弄される名もなき人々の美しい魂を描いた、心ゆさぶる6篇。 「決して瞋るな。瞋れば命を失う」 父の訓えを守り、檻の中で運命を受け入れて暮らす彼が、太平洋戦争下の過酷に苦しむ人間たちを前に掟を破るとき――。 それぞれの哀切と尊厳が胸に迫る表題作ほか、「帰り道」「流離人(さすりびと)」「九泉閣へようこそ」「うきよご」「ブルー・ブルー・スカイ」を収録。 あの時、あの場所にいなければ降りかかってこなかったはずの過酷な運命に、彼らは勇気をもって立ち向かい、優しさをもって受け入れようとする――。 直球ど真ん中、華と涙の作品集です。 解説・吉川晃司
-
4.1
-
3.9入社2年目の女性編集者が週刊誌に配属された! 殺人事件に、アイドルのスキャンダルに、東奔西走のお仕事小説。 老舗出版社・千石社の入社2年目社員、信田日向子24歳。 体調を崩した同期社員のかわりに、急遽「週刊千石」編集部へ異動が決まる。 「絶対無理!」 怯える気持ちを押し隠し、未解決の殺人事件やアイドルのスキャンダル写真のたれ込みなど、ハードな取材に挑戦する日向子。 日向子は毀誉褒貶かまびすしい週刊誌の仕事に、自分なりの意義を見出していくことができるのか? 週刊文春編集部に徹底取材! 同じ千石社の女性誌編集部を舞台にした『プリティが多すぎる』が2018年10月からドラマ化! 話題のお仕事小説です。 解説・大矢博子
-
4.0商社マンだった父は、かつてアメリカでプロ野球選手だった!? 1963年、カリフォルニアで野球に青春の全てを捧げた男の物語。 作家の本谷要は、亡くなった父親の遺品を整理中に意外なものを発見する。1963年に、マイナーリーグのサクラメント・ゴールドハンターズで野球をする若き日の父・総一郎が写った一枚の写真だった。野球が嫌いだったはずの彼に、いったい何があったのか。商社マンとして仕事一筋の謹厳な父は、作家という不安定な職業を選んだ要は折り合いが悪く、長年に渡って没交渉だった。要は父の過去を知るべく、渡米を決意する。 日本初のメジャーリーガー・村上雅則が誕生する前年に、米プロ野球界の底辺、1A北カリフォルニアリーグでたった3ヶ月間、己の青春の全てを野球に捧げた男の物語。 解説・宮田文久
-
-
-
4.0清張の代表作と遺作に秘められた真実 推理小説の人気作家であると同時に、超一流の歴史研究者でもあった松本清張。 昭和史研究の代表作が『昭和史発掘』だ。 その成果からつながる未完の小説『神々の乱心』は、清張が30年余にわたって「あの話はいつか小説にしておきたい」と繰り返し、死の瞬間まで情熱的に取り組んだ遺作である。 二作に秘められた清張の遺志を解き明かす――。 「100de名著」(NHK)出演著者の話題作! ※本書は、2009年に刊行された『松本清張の「遺言」――『神々の乱心』を読み解く』(文春新書)と、『文藝春秋』2010年4月号に掲載された「『昭和史発掘』を再発掘する」を合わせて一冊にしたものです。
-
4.2ミッフィーとパディントンの訳者が贈る絵本入門 長年、児童文学の翻訳や研究をし、アメリカと日本の図書館で数多の子供たちと接してきた著者が、「子供が読書の楽しさを発見する為に大人は何を手助けできるか」という事を解説したロングセラー。 読み聞かせのコツや優れた絵本を選ぶポイントを示し、子供が喜んだベスト三十四冊も紹介。 子供の成長における絵本の役割を楽しく教えてくれる絵本ガイド。 【紹介されている絵本】 「ぐりとぐら」 「ぐるんぱのようちえん」 「三びきのやぎのがらがらどん」 「ちいさなうさこちゃん」 「てぶくろ」 「あおい目のこねこ」 「かいじゅうたちのいるところ」 「スーホの白い馬」 「ちいさいおうち」 他多数
-
4.0書き下ろし時代小説の雄・上田秀人、文春文庫初登場! 由井正雪の乱の真相に迫る、スリリングな快作。 三代将軍、家光の治世下。水野備後守元綱は父が陪臣に降格されたものの、その処置に引け目を感じた家光に厚遇され奏者番となった。 そんな折、牢人となっていた林右近は水野家に召し抱えられ、足軽並みの低い身分だったがその働きぶりを上司に認められ、奏者番の重要な補佐役、下調べを行う留役に取り立てられる。 水野備後守は、奏者番として失態を犯すが松平伊豆守信綱に助けられ、以後、伊豆守に服従するようになった。 時代は移り、家光が死去。四代将軍家綱の治世となった折も折、由井正雪の乱が起こる。 備後守は、由井正雪の弟子でありながら、その謀叛の計画を密告したことで旗本に取り立てられた者たちの初お目見えの奏者番を担当することになった。ところがそのうちの一人、奥村八右衛門は謁見の場にも病気を理由に現れなかった。不審に思った備後守は、右近に奥村の身辺調査を命じる。だが、彼の仲間も兄弟も、久しく八右衛門の姿を見ていないという……。 由井正雪の遺書、そこに記されていた紀州大納言頼宣の名、そして姿を見せぬ奥村八右衛門。由井正雪の乱の裏には、“知恵伊豆”松平信綱の驚くべき遠謀があったのだった。
-
3.6直木賞受賞作『悼む人』の感動ふたたび! 新聞の死亡記事を見て、亡くなった人を亡くなった場所で「悼む」ために、全国を放浪する坂築静人。死者の周辺の人々から疎んじられ、罵声を浴びせられることもあるが、時には、あなたの行為で救われたと感謝されることもある――。 さまざまな死者や生者との、出会いと別れを繰り返す静人。やがて一人の女性との邂逅が、今度は静人の心にも波紋を生む……。 前書きに、「できるだけ一日に一度、就寝前の時間に〈静人〉となり、空と向き合う。〈静人〉として、星を、星を隠す雲を見上げ、心にわきたつものを書きとめる。」とある通り、直木賞受賞作『悼む人』の主人公の日記という体裁をとった異色の小説は、『悼む人』を読んだ方はもちろん、未読の方にもこの素晴らしい作品世界への格好のイントロダクションになるだろう。
-
4.0相州と上州、それぞれの関所破りの意外な始末。 上州玉村で道案内が殺され、道案内を殺した定次郎は子分を連れてそのまま姿を消した。 同じころ、保土ヶ谷の道案内角太郎を殺した河童の六こと六蔵を追って、 八州廻りの桑山十兵衛は河童の六の出身、相州の松田まで足を延ばす道すがら、 鐘撞き講で金を集める破れ坊主を懲らしめる。 だが、肝心の保土ヶ谷の一件は、わからずじまいとなり江戸へと戻ってきた。 すると、日光例幣使街道の上州玉村宿のそばにある竹田村で、 朝早くに川向こうの穂波村から、鉄砲の玉が飛んできたという訴えが。 玉村では、侠客の定次郎一味が、玉村の道案内を殺し、大戸の関所を破ったとの知らせが。 玉村の道案内の後任を決める必要もあり、十兵衛はそのまま上州へと向かう。 十兵衛は、鉄砲をきっかけに、定次郎一味の足跡を見つけられると考えるのだが……。 破れかぶれになり、関所破りで、せめて名を上げようとする侠客たち。 そして、姿を消した河童の六はいずこへ流れたのか。 人の欲を見つめて関八州を経巡る十兵衛が、侠客の最後にみせる粋なはからい。 そして、二つの殺しは、意外な展開に……。 十兵衛は、首尾よく彼らを捕えることができるのか。 ご存じ、人気時代小説・八州廻り桑山十兵衛シリーズ待望の第9巻。
-
3.5「80だろうが、90だろうが屁とも思っておらぬ」と豪語する著者は、御年89歳。 人生を楽しく迎える気構えを表す珠玉の言葉を、200を越える作品の中から厳選した名言集。 短くて、面白い。でも深くじっくり考えさせられる言葉ばかり集められています。 たとえば、 「苦労は忘れてしまえば、元々ないのと一緒じゃ」 「一人ぐらしの哀れな老人、という偏見に対抗するためにも、最新流行の洋服を身にまとい、きちんとしていなくてはいけない」 「女と年寄りは金の要るもの、ましてや、女であって年寄り、という存在は、人一ばい金が要る。なんのために?プライドと自立を守るためである」 「よく世間には若い人には負けぬ、と力んでいる老人がいるが、私は(負けたかて、エエやないか)と不思議である」 「本当をいうと、グチを吐く人はまだ甘い環境なのである。ほんとうに、たいへんな場で生きている人は、グチも出ないのである」 「手芸の妙手だろうと、実家のしつけが上等だろうと、学歴があろうと、財閥の娘だろうと、共に楽しむ相棒としては、いっしょにいて楽しいか苦痛か、の分類しかない」 「昔のことをいうてもエエが、昔のことで責めてはいかん」 「誰や、女はかよわいもの、なんていう奴。たくましいでェ。すばやいでェ。しかもたのもしいでェ」 結婚、仕事、子育て、人間関係などに悩み苦しんでいるひとには、田辺さんの明るくユーモアにあふれ、深みのある言葉にハッとさせられるでしょう。 年金をもらって楽しく生きるということが困難な時代を生きていく私たちを元気づけてくれる一冊です。
-
3.4
-
3.0人の心のかなしみが“不思議”を生み出すのかもしれない 不思議が不思議のままあり続ける「こよみ村」の中学同窓会で物騒な事件が出来した! ドンパチありUFOありの、青春ファンタジー。
-
3.0
-
4.0昭和11年2月26日、青年将校たちに率いられた約1500名の兵士は、首相官邸、警視庁などを占拠し、高橋是清大蔵大臣ら三人の要人を暗殺した--これが日本近代史上、最大のクーデター、二・二六事件である。 青年将校たちは何を思い、決起したのか。事件から72年後、獄中手記「二・二六事件日本革命史」が発見された。決起将校の中心人物・安藤輝三から依頼され、みずからも決起に参加した当時42歳の予備将校が見た激動の四日間が、そこには詳細に記されていた。 昭和史研究家の第一人者、保阪正康氏の長文の解説つき。
-
3.0「美食の都」にようこそ! 日本海にほど近い小さな町に建つ伝説のレストラン。天才シェフが供する「地場イタリアン」の背景には地方再生のヒントが隠れている。
-
3.8
-
4.1「絶対悪」が、背広をきてソファに座っている……著者が辻政信に初めて会った感慨である。師団によっては76%という絶望的な損耗率のノモンハン事件を扇動しながら、狂いもせず、戦後は国会議員となった男。この戦いを可能にしてしまったのは、いったい何だったのか? 参謀本部作戦課と関東軍作戦課、二つのエリート集団が齟齬をきたし、満蒙国境の悲劇がはじまった。モスクワのスターリン、ベルリンのヒトラーの野望、中国の動静を交えて雄壮に描く、ノモンハン事件の決定版。
-
3.7
-
3.7視える臨床心理士×心霊探偵コンビによる新シリーズ! 臨床心理士の泉宮一華(いずみや・いちか)は、霊が視えることを隠しながら、渋谷の宮益坂メンタルクリニックで働いている。そんな一華の平穏な日常は、彼女の秘密を握る謎の青年・翠(すい)の登場によって崩壊の危機に! 半ば脅される形で、一華は翠に同行し、心霊スポットの「調査」をすることになる。渋谷のスクランブル交差点に、山奥のトンネル、閉鎖した診療所……。キジトラ猫の式神・タマを従えて、二人の怖くて賑やかな幽霊退治がスタートする。 『丸の内で就職したら、幽霊物件担当でした。』『大正幽霊アパート鳳銘館の新米管理人』著者による、書き下ろし新シリーズが開幕!
-
3.7新迷探偵コンビ登場!? 文芸編集者の娘と高校国語教師の父が、出版社の「日常の謎」に挑む! 主人公は大手出版社「文宝出版」に勤める田川美希。 女性誌から晴れて希望の文芸部門への配属がかなうと、 大学時代までバスケットボール部で鍛えたバイタリティを活かし、 仕事に燃える毎日だ。 ある日、文宝推理新人賞の最終候補を決める会議で、 有力な候補作品「夢の風車」の担当となった美希は、 その候補者へお知らせの電話をかけた。が、まさかの返事を聞くことになる。 「――応募していませんよ、私は」、と。 一昨年までは新人賞へ投稿していた候補者の男性だが、 まったく芽が出ずに今回は応募をしていないというのだ。 何とかこの作品を世に送り出したいと願う美希は、さまざまな可能性を探るが、 どこからこの原稿が届いたのかまるで見当がつかない。 ふと、父親にことの顛末を話してみようと思った。 ..高校教師をしている父は百科事典タイプの人間で、 インターネットで分からなかった疑問を解決してくれたりもする。 相談役として誠に便利な存在だからだ。 娘の相談にお父さんが導き出した真実とは果たして? 大作家同士の手紙、スケッチを映した写真、落語の解釈、 マラソン大会でのハプニングなど、中野の実家に住む父は 抜群の知的推理で謎を次々に解き明かす。 「日常の謎」の名手が、自らのフィールドを最大限に楽しみつつ、 新たに送り出したユーモアとけれん味たっぷりの名探偵シリーズ。 解説=佐藤夕子 単行本 2015年9月 文藝春秋刊 文庫版 2018年9月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
-
-ギネス記録は通過点の大人気エッセイ コロナ感染爆発(パンデミツク)も2年目に入り、行動制限も緩和された。 となると、自粛中に溜まったマリコのエネルギーが一気に弾けるのは当然のこと。 ゴルフを再開し、太秦で女優としてドラマに出演、 人生二度目の東京五輪は聖火ランナーも務めて大いに楽しむ。 前だけを見て突き進む、マリコパワーに刮目せよ! 巻末に豪華対談2篇収録! ついに連載41年目に突入! ギネス世界記録、絶賛更新中! 聖火ランナー、相撲観戦、映画出演―― コロナ自粛期間を経て マリコ、再始動! 巻末に豪華2大対談を収録 1、「日本史に学ぶ! 『皇室の縁談』波乱万丈」 ×磯田道史(歴史学者) 2、「運命の一冊に出会うために」 ×藤原正彦(作家・数学者) ※この電子書籍は2022年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
5.0コロナとともに始まった令和。 しかし、戦時下で育った者にとって、コロナ禍などものの数ではないのだ。 他にすることもないので一人外に出れば、 散歩道を極めたダライ・ラマとおぼしき幼児に出会う。 マスク姿で行き交う人々を仔細に観察すれば、 「人間は本来、顔を露出させてはいけない生き物だったのだ!」という 衝撃の新事実を発見。そして、これまた誰も気づいていなかった 令和のレン・チン疑惑に気づいてしまい……。爆笑エッセイはまだ続く。 コロナでも、令和でも、東海林さだお通常運転中です。 「タンマ君」傑作選も併録。 解説=ジェーン・スー ※この電子書籍は2021年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.8
-
4.3名君・保科正之の来歴を、爽やかに描きだす。 生まれた直後に養子に出された徳川秀忠の庶子、保科正之。 不遇にも見える生い立ちの陰には、彼を思いやる多くの人々がいた。 養母となった武田信玄の娘、見性院。 人徳の高さを買われ、養父となった高遠藩主、保科正光。 そして陰に日向に力になってきた老中、土井利勝。 江戸城の外で育った「将軍の子」は、 いかにして稀代の名君と呼ばれるに至ったのか。 今もっとも注目される歴史時代小説の新鋭が、その半生を辿る。 ※この電子書籍は2019年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.7累計130万部突破、大人気「まんまこと」シリーズの第6弾。 札差の娘と揉めて上方へ追いやられた男。その思わぬ反撃とは(「わかれみち」)。盛り場で喧伝された約束が、同心一家に再び波紋を呼び起こす(「昔の約束あり」)。麻之助の亡き妻に似た女にもたらされた三つの縁談の相手とは(「言祝ぎ」)。火事現場で双子を救った麻之助は、新たな騒動に巻き込まれる(「黒煙」)。行方不明の男を探すため、麻之助は東海道へと旅立とうとする。そして新たな出会いが?(「心の底」)。沽券が盗まれた料理屋から、一葉が消えてしまったのは何故か(「ひとめぼれ」)。 いつの世も思い通りにならない、人の生死と色事。泣きたいときほど泣けない、「まんまこと」ワールド、慟哭の第六弾。 解説・紗久楽さわ〈「まんまこと」を自由に漫画で描けた幸福〉 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
4.5現代のロンドン。日本からビクトリア・アルバート美術館に派遣されている客員学芸員の甲斐祐也は、ロンドン大学のジェーン・マクノイアから、未発表版「サロメ」についての相談を受ける。 このオスカー・ワイルドの戯曲は、そのセンセーショナルな内容もさることながら、ある一人の画家を世に送り出したことでも有名だ。彼の名は、オーブリー・ビアズリー。 マクノイア曰く、「とにかく、世界は知ったわけだ。あのオスカー・ワイルドを蹴散らすほどの強烈な個性をもった若い画家が存在するということを」。 保険会社に勤める病弱な青年・ビアズリーは、1890年、18歳のときに本格的に絵を描き始め、ワイルドに見出されて「サロメ」の挿絵で一躍有名になるが、その後、肺結核のため25歳で早逝。 フランス語で出版された「サロメ」の、英語訳出版の裏には、彼の姉で女優のメイベル、男色家としても知られたワイルドとその恋人のアルフレッド・ダグラスの、四つどもえの愛憎関係があった……。 退廃とデカダンスに彩られた、時代の寵児と夭折の天才画家、美術史の驚くべき謎に迫る傑作長篇。 ※この電子書籍は2017年1月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
-
3.0群さんのまわりは、いつも珍事噴出!! 世間の美意識の真逆をいく抱腹絶倒エッセイ集。 電車の座席に自分の「尻拓」が残ってしまったら、どうすべきか? 歳をとったらひじまで梅干し化する現実を踏まえつつ、大股を開いて座っているおばさんに疑問を呈しながら、今日も我が道を歩んでいく。「明日できることは、今日やるな」が信条、世間の美意識の真逆をいく著者が、体について綴った抱腹絶倒エッセイ集! 目次を見てみると、「垢・ぼんのくぼ・すね毛・太もも・小皺・白髪・手相・わきが・痔・おなら・乳房・鼻の下……」と103項目がずらり。読み進めるうちに身をよじらせながら笑いがこみあげてきて止まらないエッセイです。 ●高校生のとき、男子の気を引こうと髪を伸ばしたら、「山伏」と言われる ●人形の展覧会へ行くと、こっそり着物の裾をめくる人がいる ●群さん、眉をいじりすぎて牛若丸のおでこのポッチみたいになる ●「あなたは歯がきれいね。…あ、入れ歯なのか」と言われた母、激怒 ●通った高校の「体育館、マット置き場の秘密」
-
4.2江戸の盗賊たちに「鬼の平蔵」と恐れられている、「鬼平」こと火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵。 火付盗賊改方とは、江戸の特別警察。その長官を務める旗本の平蔵は、いまでこそ人あたりもよく、笑顔を絶やさないが、若い頃は「本所の銕」と呼ばれ、無頼の者からも恐れられた男だった。「悪を知らぬものが悪を取りしまれるか」と言い、人情の機微に通じた鬼平が悪を退治する時代小説の金字塔だ。 中村吉右衛門が鬼平を演じたテレビ版をはじめ、映画、舞台、マンガと様々な形で愛されてきたが、2017年1月からはアニメ「鬼平 ONIHEI」も放送され、大きな話題になった。 2017年は池波正太郎の「鬼平」誕生50周年にあたる。これを記念して人気絶大のロングセラー「鬼平犯科帳シリーズ」全24巻を、ふりがなを増やした決定版で順次刊行。 第一巻収録作品は「唖の十蔵」「本所・桜屋敷」「血頭の丹兵衛」「浅草・御厩河岸」「老盗の夢」「暗剣白梅香」「座頭と猿」「むかしの女」の8篇。 伝説の粋人・ジャズ評論家で晩年は大の鬼平ファンでもあった植草甚一(1908~1979)の解説も収録。
-
3.0正史から抹殺された甲子園大会の「謎」に迫る! 昭和十七年夏の甲子園大会は、朝日新聞主催から文部省主催に変更。さらに、戦意高揚のため特異な戦時ルールが適用され、「選手」としてではなく「選士」として出場することを余儀なくされた。そして、大会後は「兵士」として戦場へ向かった──。球児たちの引き裂かされた青春の虚実を描くノンフィクション大作。 解説・岡崎満義 【目次より】 序章 開幕迄 第1章 満州のハーモニカ 第2章 とある予科練生の憂鬱 第3章 応召した監督 第4章 台湾から来たチーム 第5章 少年航空兵に憧れた主将 第6章 幻のホームラン 第7章 海軍航空隊の現実 第8章 戦時下の大記録 第9章 シベリア抑留 第10章 撃沈 第11章 真の最多得点記録 第12章 焼け落ちた優勝旗 第13章 一通の戦死公報 第14章 キノコ雲の下 第15章 最後の熱戦 第16章 それぞれの青春と戦争
-
4.3
-
3.0ヒョウ柄と飴ちゃんを愛する大阪のおばちゃんが もし日本国憲法を読んだら――。 ・戦争は棄てましてん(9条) ・人権ってええもんちゃう?(11条) ・しあわせってなんやろか?(13条) ・憲法は誰のモン?(99条) はじめからおわりまで、大阪弁のおしゃべり言葉で書かれた本書。 子どものガッコのことから夫婦の生活、集団的自衛権から護憲・改憲問題までを おばちゃん目線の井戸端会議のノリで解説。 著者は、ホンモノの大阪のおばちゃんにして 大阪大学「憲法」講義で“ベストティーチャー賞”を4度受賞した 人気のおばちゃん先生(憲法学者)! TBS番組「サンデーモーニング」レギュラーはじめメディア出演多数。 数千人の会員が所属するFB上の団体「全日本おばちゃん党」代表代行。
-
3.6さんまに鴨に海鮮丼、牛肉弁当にシウマイ弁当! 大好評の丸かじりシリーズ第39弾! 毎年正月、新宿京王デパートで催される「元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」に行くのを楽しみにしている東海林さん。 今年の目標は〈牛肉系〉。頭のなかは牛肉でいっぱい、全身牛肉人間となって、いざ会場についてみると、牛肉弁当のあたりは大人気の長蛇の列。 ふと横を見ると、崎陽軒のシウマイ弁当。思わず1コ購入。 さあ、牛肉人間となっている内臓たちをどう説得するのか?? ほか、「秋刀魚の歌」のさんまは/ブロッコリーはなぜ暗いか/海鮮丼の悲劇/ 改造版「カリフォルニア巻き」/複雑な家庭、鱈一家/目玉焼きに味噌/ それをやっちゃあおしまい蕎麦/味噌汁における「決断と実行」 海苔弁のすっぽ抜け/スマホ時代のポテチ/茶わん蒸し厄介者説/おにぎりをお茶づけに? などなど。 解説エッセイ・たかぎなおこ
-
-
-
3.2昭和史研究家・半藤一利氏と、ベストセラー作家の宮部みゆき氏が、「日本を変えた昭和の10大事件」を選ぶ、昭和史回顧本の決定版。 『日本のいちばん長い日』『昭和史』などで知られる半藤一利氏と、二・二六事件に材をとった歴史ミステリー『蒲生邸事件』の著者・宮部みゆき氏とが、「日本を変えた昭和の10大事件」を巡って徹底討論! 異色の顔合わせは、同じ都立隅田川高校(都立七中)の先輩後輩という間柄から 下町育ちのおふたりならではのザックバランな、歴史をネタにしたおしゃべりです。 二・二六事件や新憲法発布から、半藤氏が参加しそびれたヘルシンキオリンピック、ゴジラ出現、はては日本最初のストリップショーなど、議論は白熱、紛糾。 楽しく読むうちに、「私の10大事件はなにか?」と考えさせられます。 【目次】 1 昭和金融恐慌 2 二・二六事件 3 大政翼賛会と三国同盟 4 東京裁判と戦後改革 5 憲法第九条 6 日本初のヌードショー 7 金閣寺消失とヘルシンキ・オリンピック挑戦 8 第五福竜丸事件と『ゴジラ』 9 高度経済成長と事件――公害問題・安保騒動・新幹線開業 10 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件(宮崎勤事件)
-
4.0【正しい選択】なんて、この世にない。 「武道館ライブ」という合言葉のもとに活動する少女たちが、最終的に“自分の頭で”選んだ道とは――。 様々な題材を通して現代を描き続けてきた著者が今回選んだのは「アイドル」。 視聴者のあいだで物議を醸したドラマ化を経て、待望の文庫化。 解説には、音楽家として多くのアイドルをプロデュースしてきたつんく♂を迎える。 結成当時から、「武道館ライブ」を合言葉に活動してきた女性アイドルグループ「NEXT YOU」。 独自のスタイルで行う握手会や、売上ランキングに入るための販売戦略、一曲につき二つのパターンがある振付など、 さまざまな手段で人気と知名度をあげ、一歩ずつ目標に近づいていく。 しかし、注目が集まるにしたがって、様々な種類の視線が彼女たちに向けられるようになる。 そして、ある出来事がグループの存続さえも危うくしてしまい……。 「人って、人の幸せな姿を見たいのか、不幸を見たいのか、どっちなんだろう」 「アイドルを応援してくれてる人って、多分、どっちもあるんだろうね」 恋愛禁止、炎上、特典商法、握手会、スルースキル、無料文化、卒業…… この数年であっという間に市民権を得た言葉たちの中には、 アイドルという存在から発生したものも多い。 新しい言葉が生まれた場所から見えてくるのは、今を生きる人々の様々な一面。 現代社会での生き方を模索するすべての人へ送る、真摯な物語。
-
3.2これを読まずして貴志祐介は語れない! 『黒い家』『悪の教典』『新世界より』『鍵のかかった部屋』……あの緻密な作品群を生み出した知性の意外な素顔とは。 ホラー、ミステリ、SFなど幅広いジャンルにわたって、挑戦的な作品を書き続けている著者による、デビュー以来の全エッセイから精選したエッセイ集。 作家としての思索や社会への提言のみならず、ある時は、小説もびっくりのホラーな出来事を、ある時はブラックなユーモアを、ある時は謎の日常生活を、ある時は溢れる野球愛を、絶妙な文章で綴っています。 謎多き“エンターテインメントの革新者”を、より知るための一冊。 文庫特別収録として、韓国での講演会の原稿「文学におけるヒューマニズムと悪について」収録。エンターテイメント作品という立ち位置の中で、なぜ大量殺戮などを描くのかが、明晰に述べられた名講演です。 【目次】 悪役の特権/なぜ緑色の哺乳類はいないのか/なぜ、エスパーは、少女でなければならないか/偽ドキュメンタリーの真実/極悪鳥/私は監視されている/スッポンの首/チェスボクシング/下品なスーパーヒーロー/台湾の夜市/思い出の『エクソシスト』/異形のまなざし 等
-
4.3近現代において大きな足跡を残した10人の女性たち。その生涯と業績について、著者が名門女子大で講義した上で、学生たちと徹底討論! 取り上げられたのは以下の女性たち。 ミャンマーの民主活動家アウンサンスーチー 「ザ・ボディショップ」を起業したアニータ・ロディック インドで救済活動に身をささげたマザー・テレサ アメリカの女性解放運動リーダー、ベティ・フリーダン イギリスの元首相マーガレット・サッチャー 近代的な看護の概念を生み出したフローレンス・ナイチンゲール 物理学者・化学者マリー・キュリー 国連難民高等弁務官、緒方貞子 環境保護活動家ワンガリ・マータイ 元GHQ職員ベアテ・シロタ・ゴードン ※このコンテンツは文庫版に使用されている写真の一部が掲載されていません。
-
4.0
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。