Posted by ブクログ
2014年07月04日
大好きな帝国ホテル。
本当にお世話になっているホテルです。
ロビーで人待ちしている時にも、ピアノの生演奏が聴けたり、素敵な内装と空間には美しい季節のお花が活けられていたりと帝国ホテルらしいゆったりとした
時間が流れています。
飛び交う外国語は今に始まったことではなく、ずっと前から国際的な場所でも...続きを読むありました。
エレベーターに乗れば、レストランで食事を摂れば有名人と鉢合わせになり、どのスタッフの方も心づくしのおもてなしをしてくださる。このホテルの絶妙な緊張感は、リッチに気分にして下さるだけではなく、そこに相応しく存在するように私なんぞでも引き上げてくれるような力があります。
たまに帝国ホテル内を散歩する私ですがw、ライトの設計のなごりや四季折々の展示物や装飾が思い出に変わります。桃の節句の頃には、いくつのひな壇が見れるでしょうか。また宿泊中の深夜、Xmasの飾りつけを眺めたりしたこともありました。そしてロビー各所と、エレベーターにまであるお花で心が華やぎます。これは庶民ならではの感覚かもしれませんが、帝国ホテルが大好き過ぎてそうした仕掛けをして下さるスタッフの皆々様にお礼を言いたくなってしまう私です。
さて前置きが長~くなりましたが、裏舞台を見たいような想像な世界にしておきたいような、そんな理由で読み遅れていた本書。結論的には、読んで良かったです。
著者の松村氏が帝国ホテルに敬意を払って書いているところ、取り上げたスタッフの背景にも焦点をあてている愛情に共感できたところが大きいです。またどの方もお客様に叱られたことや失敗の経験がいかされて現在に至っていて、たとえクレームであっても前向きにお客を思って取り組む積み重ねと努力が尊敬できました。帝国ホテルで働くというプライドがあって、どのスタッフもがホテルの一部となっていて形成されているところにも感銘を受けました。そんな真摯でprofessionalな職場。とてもとても憧れます。そして、次回帝国ホテルに行く日が楽しみでならなくなりました。
~備忘録
◆総支配人
あなたの将来は?帝国ホテルの総支配人
◆総料理長
電車とヘラブナ釣りが生む傑作メニュー
◆客室果マネージャー
バスタブに体を横たえると、トイレの内側の汚れがよく見える
◆ドアマン
両替用五千円札、千円札をポケットに用意
◆ベルマン
人工呼吸器マウスピース携帯
◆フロント
部屋割りのコントロールは神秘のパズル
◆スターター
エレベーターの中に行ける一輪の生花
◆ゲストリレーションズ
何処へ行ったらいい?何したらいい?
◆ロビーマネージャー
ロビーサービスの潤滑油たる何でも屋
◆オールドインペリアルバー
千の顔を持つ表面張力的フェイル・セイフ
◆オールドインベリアルバー
魅力的な大人の坩堝たる「柿ピー」発祥の場
◆インペリアルラウンジ アクア
酸味三体の舞台空間で学ぶ人間学
◆ソムリエ
ワイン好きより、人間好き
◆レ セゾン
レストランという舞台装置の妙
◆ルームサービス
雨、雪、台風?ウェルカムです
◆ゴールデンライオン
奥殿で弾きつづけるピアニスト、永遠の存在感
◆ランデブーバー・ラウンジ
ロビーラウンジの人間模様
◆氷彫刻
消える芸術にいそしむ氷彫刻の左甚五郎
◆ベーカリー
パンと日本人という巨大で厄介な問題
◆ブッチャー
肉は化けるし出世もする
◆ペストリー
うっかり、ちゃっかり成長するバスケ流バティシエ
◆神主
ホテル結婚式事始の継承
◆婚礼クラーク
人生の岐路に立ち会う「幸せのお手伝い」
◆宴会チーフ
白鳥、水面下の足掻きを愉しむ
◆シューシャイン
キンチャン
映画、ジャズ、そして靴
オーバーシューズ
◆プロトコール
接遇という伝統の隠し味
◆オペレーター
帝国ホテルでございません
◆ランドリー
百年の伝統を誇る、目で洗うランドリー
セーターの計測
しみ抜き
ご希望で3時間仕上げ
洗濯ものを投げない
◆施設部長
ハード面でホテルを支える、骨太で柔軟なセンス
◆施設・情報システム
数学の天才少年、ついに義理人情にいたる