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Posted by ブクログ
格闘技ファンの作家というイメージか先行して、今まで読んでなかった村松友視さん。カバーのイラストの猫がなんとも可愛くて買った本なのに本棚にずっと眠っていた。
最初に、アブサンの原点を探しに行くシーン。日比谷公園にはあるある、野良猫がいっぱいいるところ。数多い野良猫の中から縁あって伴侶になり、心を通わせられたと思い込み(人間の勝手な思い込みかも、と思いつつ)、その存在に依存して暮らすようになるのだから、たかが猫、されど猫なのである。猫の素人の奥様よりは、昔、猫と暮らしてきた自分に、よりなつくはず、いう自負を持つ村松さんと奥様のやり取りが微笑ましい。最後の数ページは涙しながら読んだ。感情的な文章ではなく、淡々とアブサンとの別れを描いていて、生き物を伴侶にしている者が、まず必ずと立ち会うであろう訣別を、自分なりに覚悟させられた。
読まず嫌いだった村松さんの本、今後は読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
マルノウチリーディングスタイルで、作家さんの誕生日ごとに並んでいるバースデー文庫を買ったらこれでした。だから最初は内容で読みたいと思ったわけじゃなくて、そもそもあんまり動物が好きではないし、ペットを飼うのもむしろ嫌なほうなんだけど、読んだらほっこり、じんわりしてしまった。解説にもあるとおり過剰な表現ではなく、あったことを書いているという感じなんだけど、確かにそこには誠実な愛情が滲み出ている。そしてあっさりゆったり力の抜けた文章で語られるものだから楽しく油断して読んでいたら、エピローグで泣きそうになってしまった。それでもエピローグも抑えた描写で、ちゃんとアブサンと向き合っていたのだなという姿勢が見える。
先日読んだ「昭和の犬」といい、淡々と抑えめに書かれた動物の話なら読めるなあと思った。それは、「動物の気持ちがわたしには分かる!通じ合っている!」と思い上がることのない誠実な愛情が良いのだなと思う。人間同士だって相手の心など分からないのだから。
Posted by ブクログ
10年ほど前に読んで、部分的に何度か再読していたが、今回ふとしたいきさつで知人のネコをひと月半ほど預かったことで読み直した。
子供の時から家にはネコがいて、ずっとネコを見ながら生活していた。そんなネコを飼ったことのある人なら文中の描写にネコのしぐさがありありと思い浮かび、ニヤリと笑いながら読んでしまうだろう。愛すべきネコへの気持ちがにじみ出てくる文章だ。ネコを飼っている人にたびたびこの本を勧めてきた。
ペット、いや伴侶のネコはいつか死の旅に出る。最後はさすがに湿っぽいが、21年の生涯を全うしたネコへの愛情と家人との暮らしぶりをユーモラスに描いた物語。一気読みだった!
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