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FIREの先は薔薇色なのか? 幻影に覆われた現代を巧みに描いた傑作小説
外資系食料品メーカーの事務職として働く元地下アイドルの華美は、
生活費を切り詰め株に投資することで、
給与収入と同じ配当を生む分身(システム)の構築を目論んでいる。
恋人の直幸は「使わないお金は死んでいる」と華美を笑うが、
とある人物率いるオンラインコミュニティ活動にのめり込んでゆく。
そのアップデートされた物々交換の世界は、
マネーゲームに明け暮れる現代の金融システムを乗り越えゆくのだ、と。
やがて会員たちと集団生活を始めた直幸を取り戻すべく、
華美は《分身》の力を使おうとするのだが……。
高度に発達した資本主義、その欠陥を衝くように生まれる新たな幻影。
自らの価値観と生き方を問われる、いま読まれるべき傑作小説!
※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
フォロワーさんにお勧めされた本。
自分では手に取らないジャンルで、そういう意味ではとてもエキサイティングだった。でも、普段触れないジャンルなので、話がどんな風に展開するのかわからなくて、読んでいる間中、なんかふわふわした、不安定な感じがした。
主人公はある意味ありふれた感性の、少しだけ外見の良い女性である。彼女の置かれている環境も、周囲の状態も、ひとつひとつを拾えばありふれている。それが後半になると、途端に現実味を失い、日常から逸脱する。前半と後半の温度差が極端に思うのだが、その変化はひたすらシームレスだ。綴られている文章が淡々としていることで、状況の割に感情の起伏が抑制的になっているからだと思う。
200頁に満たない文量なので、読むこと自体は難しくないが、色々と考える部分はある。すすめてくれたフォロワーさんには感謝したい。
Posted by ブクログ
経済的自立のため米国高配当株へ投資している30代女性が主人公。出費を考えるたび、この金を投資に回したら年利何パーだと何年後にいくらに増えている…と計算するのがおかしい。目先の金をケチったために友人からの信頼を失うのはお約束か。30代で手取り年収250万円の正社員というリアルさがいい。
配当収益による分身、いわば一人ダブルインカムを実現できたとしてもその先にどんな生活を送りたいかのビジョンはあるのか。金融資産1億円を持っている高齢男性たちと会い、彼らが貧乏くさい配当生活を送っているのを知って投資一辺倒な人生の虚しさを悟るあたりまでは面白かった。
後半は金の代わりに信頼をやりとりして暮らすカルト団体の話になる。前半との対比なのだろうが失速した感あり。
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