【感想・ネタバレ】Phantom ファントムのレビュー

あらすじ

FIREの先は薔薇色なのか? 幻影に覆われた現代を巧みに描いた傑作小説

外資系食料品メーカーの事務職として働く元地下アイドルの華美は、
生活費を切り詰め株に投資することで、
給与収入と同じ配当を生む分身(システム)の構築を目論んでいる。

恋人の直幸は「使わないお金は死んでいる」と華美を笑うが、
とある人物率いるオンラインコミュニティ活動にのめり込んでゆく。
そのアップデートされた物々交換の世界は、
マネーゲームに明け暮れる現代の金融システムを乗り越えゆくのだ、と。

やがて会員たちと集団生活を始めた直幸を取り戻すべく、
華美は《分身》の力を使おうとするのだが……。

高度に発達した資本主義、その欠陥を衝くように生まれる新たな幻影。
自らの価値観と生き方を問われる、いま読まれるべき傑作小説!

※この電子書籍は2021年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

そうだな、お金としてとっておくから今が空虚になるわ。ある程度使うことが今を生きることってその通りだな。金遣いの荒い家族は今を生きてるんだな。私ももう少し今を生きてもいいかもと思った。でも投資も続けたい。

配当の再投資でさらなる配当を呼ぶ、マネーマシンがファントム。利確するまではあくまで幻…

0
2025年07月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

投資や節約を始めた人で、真面目な人ほど、この本の主人公のようにケチになってしまうところがリアルだった。自分もこの主人公ほどではないが、帰省するときや友達と遊ぶときなどにこのような思考に陥ってしまうことがあるので、共感できた。また、少しケチったせいで、結局余計な時間やお金を使ってしまうことにも心当たりがあった。
また、いくら貯めても将来の自分がお金を使い切らずに一生を終えることも想像できる。主人公が自分のロールモデルの老人たちに会って、生活保護のような生活をしていることを知り、今の自分のお金の使い方に疑問を持つところも良かった。

投資や節約を始めた人に読んでもらいたい一冊。

0
2024年12月29日

Posted by ブクログ

推しの出てる映画でご本人と本が登場していたので読んでみた。あまり自分が進んで読むジャンルの本ではなかったので良き出会い。金に対する価値観の違い、どちらも共感できるところとできないところがバランスよく描かれていて主人公のように「こういう考え方もまあ、アリか」みたいに思えた作品だった。

0
2025年11月23日

Posted by ブクログ

主人公とほぼ同じ投資をしてるので、ちょっとゾッとしました。羽田さんの作品は1作品しか読んだことないのですが、その時も、あー、こういう人たちいるなぁと思ったので、まさか自分がこういう人たち、の方になるとは…びっくりです。
いわゆる株クラというか、そういう人たちを言語化してくれているなあと思いました。コスプレや新興宗教的な集団、外人部隊とネタ満載で面白かったです。

0
2025年03月01日

Posted by ブクログ

経済的自立のため米国高配当株へ投資している30代女性が主人公。出費を考えるたび、この金を投資に回したら年利何パーだと何年後にいくらに増えている…と計算するのがおかしい。目先の金をケチったために友人からの信頼を失うのはお約束か。30代で手取り年収250万円の正社員というリアルさがいい。

配当収益による分身、いわば一人ダブルインカムを実現できたとしてもその先にどんな生活を送りたいかのビジョンはあるのか。金融資産1億円を持っている高齢男性たちと会い、彼らが貧乏くさい配当生活を送っているのを知って投資一辺倒な人生の虚しさを悟るあたりまでは面白かった。

後半は金の代わりに信頼をやりとりして暮らすカルト団体の話になる。前半との対比なのだろうが失速した感あり。

0
2025年02月15日

Posted by ブクログ

おもしろかった。

小説読み切れたことなかったけど、初めて読み切った小説

主人公の境遇や登場する彼氏の設定も共感できる内容だし、後半は若干創作物感すごかったけど前半部の心理描写とかは面白くてさくさく読めた

0
2025年01月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

節約や投資にはまった気持ちがとてもリアル。一万円やそこらを節約するために友達をなくすのも現実のどこかにありそうな話。そんなケチケチ、ギスギス、計算たかくなってしまった子が自分や周りのためにお金を使えるようになっていくのが、なんだか救済に思えた。
また、今どきのSNSで初めて知った系の情報が、じつは過去に使い古された手で、界隈の人たちがバカにするテレビや新聞などのオールドメディアも見ている人からするとヤバイものなのに、知らずに取り込まれておかしくなっていく様も、怖いけど現実味はある。
知ることは本当に大事だ。自分の興味がないことも、知りたくなかったことも。怒りや不安を煽られて、誰かに搾取されないでいるために。

0
2024年11月25日

Posted by ブクログ

面白い。お金というものが、人によっていかに捉え方や意味、価値観が全く異なるかについて改めて意識させられる作品だった。

主人公の華美は可処分所得のほとんどを投資に費やし、毎晩米国株式市場の取引時間をチェックしたり頭の中ですぐ複利計算する癖がある程の投資ガチ勢。毎年の配当金が自分の年収と同等になるだけの投資資産=「分身」を作ることを生き甲斐にしている。その為には切り詰められるところはできるだけ切り詰める生活を送っていて、現在の人間関係や小さな快適さを犠牲にしていたりする。
自分も投資はしているし、普通の貯金だけでは蓄えられない富を得たいと思っているけど、ここまでは徹底できない。
そんな彼女が目指す理想の生活を達成した老人達に会うシーンが実に風刺的で良かった。

いかにもなオンラインコミュニティにハマっていく彼氏との対比も鮮やかで分かりやすい。けど後半の非現実的なドタバタは少し違和感を覚えなくもなかった。作者はこういうオンラインコミュニティ運営者が個人的に嫌いなんだろうか?モデルはこの人なんだろうなと浮かぶ人はいるけど…。

最後に余談だけど華美さんの実写化は菜々緒さんのイメージだ。

0
2025年05月06日

Posted by ブクログ

私も分身を作りたい
(お金使うのは得意だから…)
人間関係をお金に換算はしないけど
新しいと思っていたことは過去にあったこと
無知だから新しいと思い込んでる

0
2025年04月10日

Posted by ブクログ

主人公が資産運用の原資となる資金を捻出するために、生活を切り詰めていく中で、彼氏や友人、その他の人との関わりを通じて、お金や資本主義社会と向き合っていく物語。
今と将来、節約と豪遊等、対立する価値観が出てくる中で、自分は何に重きをおくべきか、向き合うきっかけをくれる本。

0
2025年04月06日

Posted by ブクログ

お金の使い方のお話。
金を死んだ後に使うことはできない。ただ、金がないと、将来の生活が立ち行かなくなってしまうかもれない。ようは、貯金、投資、浪費はバランスが重要なのだと再認識した。

インフルエンサーにのめり込む彼氏と、投資にのめり込む彼女の対比は素晴らしかった。ただ、最後のカルト的な展開は、少々受け入れられなかった。

0
2025年03月23日

Posted by ブクログ

株式投資による資産形成を「人生の正解」と信じ、毎日を投資行動優先で生きる女性と、「お金はただの手段」と考え、そんな彼女を馬鹿にしながら徐々にカルト集団にのめり込んでいく彼。

カップルの二人は地方都市の外資企業(米国)の工場で働き、年収は低く、「ただ真面目に働いているだけでは豊かな生活は望めない」という点が共通している。

真逆な二人の価値観が交錯するも、ラストの展開は決してハッピーエンドとはいえない。

お金とは何なのか。自分は人生の何に幸福を感じ、追究していくのか。

正解は無いが、極端な行動に出ることの危うさを気づかせてくれる。

と同時に、どんな境遇にある人も、幸福かどうかは「捉え方次第」であることを、登場人物の発言やライフスタイルから感じ取ることができる。

もし自分の子どもが金銭面で人生に行き詰まったら、ぜひ読んでみて欲しいと思う。

0
2025年03月10日

Posted by ブクログ

数字が漢字で読みにくい笑
生活保護のシーンは考えさせられる。
Die with zeroを読んでから読むと面白いかも。
個人的にストーリーの展開にのめり込めなかったので星3で。

0
2025年02月16日

Posted by ブクログ

面白かったけど、分量に対しての中身は薄かったような気がする。
リアルに描こうとしているのか分からないが無駄な描写とか話が多かったような。主人公の感情というか内面をもっと深く描いてほしかった。それぞれの人物にあまり愛着はわかなかった。

0
2025年02月02日

Posted by ブクログ

インフルエンサーが起こしてるムラの話と聞いてこの現実の世界のどこかで行われてるやつだなと思い手に取ったが、展開に意外性はなかった。期待しすぎたかなぁ

0
2025年01月16日

Posted by ブクログ

最近お金の勉強を初めて、投資に興味を持ち出して色々やっている上で、友達や家族にその話をした時に自分のどこかうさんくささを感じ、投資に否定的な小説と聞いてぜひ読んでみたいと思った。
月極今を大切にするか、将来を大切にするかの話だと思うが、健康には気を遣うべきだなとは強く感じたし、お金は手段であって人と人との人間関係こそがより、人間の本質的なものになるのではないかという示唆には共感できた。ただやっぱり私は一人が好きで、人間関係を強固にしたいとは思えない。 

お金を貯めることに意識しすぎて目の前の楽しみを奪わないようにしようとは思った。

ただそれ以上のメッセージ性は感じなかったかな...。

0
2025年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

YouTuberが絶賛していたのでどんなものかと読んでみた本。
主人公は高配当株への投資により、自分と同じだけの収入を稼ぐ「システム(分身)」を作ることを目論んでいるが、投資セミナーで知り合った資産家である高齢者たちの生活ぶりに衝撃を受ける。彼らは日々の倹約により資産1億円以上を築いたが、その生活レベルは生活保護受給者と同じようなもので、主人公は将来このような生活を送るために今節約や投資に励んでいるのかと疑問を抱く。

健康で文化的な最低限度の生活レベルであったとしても、生活保護受給者と資産家では心のゆとりが違うのだろうし、服装に興味がなく、株主優待を活用することが彼らの幸せなのであればそれで良いと思うが、私もお金があるならある程度小綺麗な格好をしたいし、株主優待を優先するがあまり飲み屋の選択肢が限られるのは嫌だな。

個人的にはこの投資セミナーの気付きがこの小説のハイライトで、その後の宗教チックな団体からの彼氏奪還の話はあまり興味が持てなかった!

0
2025年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

将来のためにお金を貯めることと、今を楽しむためにお金を使うこと。これらのバランス?考えさせるというテーマはとても面白かったし、ところどころ考えさせたれた。
一方、途中でそんなに好きでもなかった彼氏を助けるために大金を使ったり、元彼に連絡して助けてもらうところは、少し理解できなかった。
後半はお金とは別の話になっていて、それはそれで目が離せなかった。

0
2024年09月16日

「小説」ランキング