青春小説を読んでるような…と言ったらだいぶ誤解を受けそうだけど。
読んでいる時はめちゃくちゃ楽しい。笑える。
後半で一気にダウンする。アップダウンの差が激しすぎる。そして語られる陰鬱な結末。
途中まで読んでる時は面白おかしく読んでいて、つられてギャグみたいでこちらも笑えてきて、そんな面白い非日常が砂
...続きを読むで作っただけのものでしかないと後半で気付かされる構成。
読み終わって2時間してふと思い出した時に猛烈に怖さが押し寄せてくる。
途中の、吹き出したあのシーンが薬物で作られた幻覚なのだからとてつもなく怖いと思う。
不謹慎だけど途中まで薬物に少し興味を持ってしまった。
笑い転げた彼らは確実に破滅に向かっていたのかしら。薬物でラリってる場面で同じように笑った自分が正直怖い。彼らだけを異常者と呼べない。
ただあの瞬間だけは、誰よりも濃い今を生きていたのかも知れない。
薬物取材のつもりが…ミイラ取りがミイラに…。
明確に意思を持って「ドラッグはダメだよ」とか、「薬物やめますか?人間やめますか?」よりも、面白おかしく笑える分こちらのほうが怖さが伝わる。
読んでて楽しかったもん。こりゃ薬物は無くならないわけだ。
この本の読後感自体がドラッグの追体験のようなのもまた面白い。
副作用のないドラッグ『スピード』(本のタイトル)