石丸元章のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
青春小説を読んでるような…と言ったらだいぶ誤解を受けそうだけど。
読んでいる時はめちゃくちゃ楽しい。笑える。
後半で一気にダウンする。アップダウンの差が激しすぎる。そして語られる陰鬱な結末。
途中まで読んでる時は面白おかしく読んでいて、つられてギャグみたいでこちらも笑えてきて、そんな面白い非日常が砂で作っただけのものでしかないと後半で気付かされる構成。
読み終わって2時間してふと思い出した時に猛烈に怖さが押し寄せてくる。
途中の、吹き出したあのシーンが薬物で作られた幻覚なのだからとてつもなく怖いと思う。
不謹慎だけど途中まで薬物に少し興味を持ってしまった。
笑い転げた彼らは確実に破滅に向かって -
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Posted by ブクログ
30万円の北朝鮮ツアーに参加した作者が、北朝鮮によって提供される数々のエンターテイメント(?)をドンギマリの状態で体験し、皮肉と挑発、そしてほんの少しの哀愁を込めて描く。
我々が知らない国『北朝鮮』の姿、感覚は、たとえ観光といえど、主体思想というフィルターを通じてしか外部に伝えられることはない。そんな4泊5日でさえ、ちょっと面白そうに思えるのは、ドラッグでぶっ飛んだ作者がラリっているからなのか、それとも金成日•金日正親子がラリっているからなのか、まさに「世界は矛盾に満ちている。」
一緒にツアーに参加した、キムやイジリー、関東軍のじじぃ達といった脇を固める登場人物も個性豊かで面白い。特にキム、こ -
Posted by ブクログ
東京で麻薬ルポに挑んだライター石丸元章が取材という建て前でジャンキーになり、好きなようにキメまくって、逆に麻薬中毒者Aとして取材される立場に成り下がるばかりか、あとがきを書いている時点で拘置所にいるというすばらしいオチがつく記録。
石丸の麻薬に対する考え方は、社会的なモラルの枠組みからは絶対に語られない。石丸にしても中島らもにしても、それからバロウズにしたってそうで、彼ら表現者にしてみたら敗退的ライフスタイルそのものが存在意義のようなところがあるから、こちら側からすると”腹をくくった人たち”としての憧憬こそあれ、尊敬はできない。
この人はそういう尊敬してしまうわけにはいかない偉人の一人である -
Posted by ブクログ
北朝鮮の旅行ツアーに参加した著者が、平壌で見てきたものを1冊にまとめた紀行文。まず入国の段階で厳しい審査が課せられる。具体的にいうと、ポルノ雑誌、金日成、金正日に批判的な本などは、持ち込みが禁止される。著者によると、北朝鮮のツアーに参加したいのであれば、北朝鮮に関する勉強を最低でも80時間は必要だという。またガイドの人たちは平壌外国語大学出身のインテリ層で、日本でいう外務省専門職レベルに相当する。さらに北朝鮮の食事について触れるが、ビールは日本のようにキンキンに冷やさずに炭酸が弱い、長時間かけて煮込んだ犬の肉を北朝鮮では夏の時季に食べられるなど、日本ではあまり想像がつかない出来事に出くわす。
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Posted by ブクログ
薬物中毒者を取材するうち、自ら覚醒剤に手を出すようになり、
逮捕→実刑判決――という、脛に傷持つ身(失礼☆)のライター兼ラジオDJが
近くて謎だらけの国を旅した紀行本。
何故、北朝鮮へ行ったのかといえば、ビザの問題で、
受け入れてくれる国が他になかったから(?)とか、
かの地には「平壌(ピョンヤン)ハイ」なる幻のドラッグが
あるとかないとか……そんな嘘か誠かタリラリラ~ンなルポ。
あの国で外国人旅行者がどのような対応を受けるか、など、
興味深く読める部分もあるが、
著者が、よく言えば極めて楽しそうに、
悪く言えばふざけて書いている印象を受けるので、
人によって評価は大きく分かれると思う。
私は -
Posted by ブクログ
ドラッグをきめながらの北朝鮮ツアー記。
著者曰く「作品発表から文庫落ちまでの数年の期間の内に、作品中の記述が事実に反することが明らかになった場合でも、その内容を書き直すことはすべきでない」。それがノンフィクションを書くにあたっての原則であり美学らしく、それはまったくその通りだと思う。著者が責任を負えない領域を恣意的に脚色するっていうのは普通ないことだとは思うけど、そうでない部分はおもしろおかしく脚色してオッケーである。そこで思うのはこの人は脚色アリの部分ではそうとう脚色しているだろうなあということ。そもそも平壌ハイなんちゅうドラッグは存在したのか。本当にマリファナを吸いながら観光したのか。ドラ