小説作品一覧

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  • 手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)
    3.8
    鬼才歌人と異才画家、渾身のコラボ歌集。 2001年の刊行時、短歌界の内外にセンセーションを巻き起こした問題の歌集が電子化。キャバクラ嬢「まみ」と、やっぱりキャバクラ嬢であるその妹の「ゆゆ」、そしてウサギの不思議なトリオの、詩的でほわほわしていて乱れていてストイックな生活と、まみとゆゆを巡る恋人や友達や隣人たち、そして切なくふるえるまみの心、愛、祈り。 手紙魔「まみ」は「ほむほむ」こと歌人穂村弘に大量の手紙を送り、穂村弘はその手紙の中のフレーズを変形させて使ったり、そこからインスパイアされてまったく違う短歌をつくりだしたりしつつ、「手紙魔まみ」という、実在するくせに虚構でもあるあやうい存在を歌集の中に生成する。 装丁・挿画には、センシブルな若い女性に熱烈なファンを持つイラストレーター、タカノ綾(カイカイキキ所属)を起用、ポップでキッチュな部分とはかなさや切なさのあやういバランスを、ビジュアル的にも訴求する。 【ご注意】※この作品はカラーイラストが含まれます。
  • 夏目家順路
    3.2
    北海道在住の元ブリキ職人の夏目清茂、74歳。ある日、若い友人とスナックで1杯やっていたところ突然脳梗塞の発作を起こし、昇天。その死を悼む娘・息子、遠い昔に別れた元妻、そしてさまざまな友人・知人たち……。葬儀の日まで、そして葬儀の際に彼らが思い出す清茂の姿は、機嫌がよく、優しく、世話好きで――謎の部分もあった。清茂の葬儀を中心に、いくつもの人生が追憶と回想の中で交差する。『田村はまだか』で吉川英治文学新人賞を受賞した著者の傑作長篇小説。
  • 蛇を踏む
    3.7
    藪の中で踏んでしまった蛇が女になり、わたしの部屋に棲みついた。夜うちに帰ると「あなたのお母さんよ」と料理を作り、ビールを冷やして待っている──「蛇を踏む」。うちの家族はよく消えるが、上の兄が縁組した家族はよく縮む──「消える」。背中が痒いと思ったら、夜が少しばかり食い込んでいるのだった──「惜夜記(あたらよき)」。神話の骨太な想像力とおとぎ話のあどけない官能性を持った川上弘美の魅力を、初期作ならではの濃さで堪能できる、極上の「うそばなし」3篇。
  • 白いメリーさん
    3.6
    まっ白な帽子に白いスーツ、白いストッキングに白いハイヒール。髪もまっ白という「白いメリーさん」。誰を殺してもいいという年に一度の「日の出通り商店街 いきいきデー」――など、怖すぎて、おもしろすぎる9編を集めた珠玉の短編集。ナニワの奇才・中島らものユニークな世界に思わず引き込まれる一冊!
  • 碑・テニヤンの末日
    -
    幕末から維新にかけての激動期に、剣の道ひとつに賭けた武士の人生の哀歓と誇りを描く「碑」。二人の若き軍医を主人公に、テニヤン島が敵襲を受けて陥落するまでの凄絶な日々を追う「テニヤンの末日」。異常性格で色気と欲気の餓鬼でありながら見事な厚物咲の菊作りに成功した後横死する老人と、その友人の堅気な人生とを対照させて描く芥川賞受賞作の「厚物咲」など7編。歳月の流れの中に浮沈する人間の運命を香気豊かに描く中山文学の代表作選。
  • 魚河岸ものがたり
    3.8
    だれもが「かし」と呼ぶ隅田河口のまちに、ひとつの秘密を抱いた青年が住みついた。そこに住む人にとって、「どこの誰か」よりも「どんな誰か」が大切なまち。そんなまちの心優しい人々とともに彼は暮らし、〈秘密〉から解放される日の来るのを待っていた。心ならずも魚河岸の町に身をひそめた青年と、まちの人々との人間模様を情感こまやかに描き出した長編小説。直木賞受賞作。
  • 運転士
    3.3
    時刻ヨーシ、方向切替ヨーシ、発車。電車はスピードを急速に上げ、間もなく軌道が緩やかに下り始め、徐々に傾斜がきつくなっていく。傾斜角1000分の35。都市と都市生活者の様々な貌(かお)をトンネルの闇と駅の輝きが妖しく繋ぐ。カミソリのように光る二本のレールの上に現代を官能的に描く。第107回芥川賞受賞。
  • 恋紅
    3.6
    遊女屋の愛娘ゆうは大勢の花魁や男衆の中で、華やかな郭の裏も表も見て育った。ある日、芝居見物に出かけたゆうは、升席にいる男を見て衝撃を受ける。五年前、雑踏で途方にくれていたゆうを救い、優しさで包み込んでくれた旅役者だった。一緒になれるなら滅びてもいい――。そう心に刻んだ幼い日の記憶を頼りに、無名の役者に縋りついていく女の情念の世界を描く、直木賞受賞作。
  • コンクールシェフ!
    4.5
    日本最大の料理コンクールで最終審査に残った6人。 テーマは「10年ぶりに会った友人との食事」。 わずか45分の闘いを制し、世界に羽ばたくのは誰だ!? 大人気TV番組『料理の鉄人』に携わった著者渾身の料理バトル! 邸 浩然 Tei Kozen…8大中華を修行した一匹狼 川縁伶奈 Rena Kawabuchi…フレンチ料理界のサラブレッド 里中 海 Kai Satonaka…不思議な魅力のポルトガル料理人 浅倉 薫 Kaoru Asakura…シャイだが天性の勘を持つイタリア料理人 和田拓実 Takumi Wada…ミシュラン二つ星レストランのスターシェフ 山科一人 Hitori Yamashina…脱サラして和食の板前を目指す最年長
  • 三億を護れ! 上
    3.7
    1~2巻550円 (税込)
    うだつのあがらない、サラリーマン河内はひょんなことから宝くじで三億をゲット。だが、世の中、甘くない。妻の文江の態度が急に変わっただけじゃない。娘の彼氏までもが擦り寄ってくる。さらに非情な詐欺師集団がその金に群がってきたのだ。

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  • 私生活
    -
    「都会生活の哀愁を、巧みに切りとってみせた」と高く評価された第90回直木賞受賞の短篇集である。この世の中、どこの誰にも一枚めくれば、あやしげな私生活があるものだ。人それぞれにおなじ悩みも濃くまた淡く……いささか暗い人生の哀歓と心理の機微を、登場人物それぞれの何気ない会話のうまさと洗練の筆で、さりげなくしかし奥深く捉えた名人芸。「つぎの急行」「たねなし」「丘の上の白い家」「ご利用」「六日の菊」など17の「私生活」を描く。
  • スクープ(スクープシリーズ)
    3.8
    TBNテレビ報道局社会部の布施京一は、看板番組『ニュース・イレブン』所属の遊軍記者。素行に問題はあるものの、独自の取材で数々のスクープをものにしている。時には生命の危機にもさらされるが、頼りになるのは取材ソースのひとりでもある警視庁捜査一課の黒田裕介刑事の存在だ。きらびやかな都会の夜、その闇に蠢く欲望と策謀を抉り出す。
  • それぞれの終楽章
    2.5
    自殺した同級生の葬儀に故郷秋田を訪れた作家がふりかえる自らの生の軌跡。友と聴いたクラシック、仲間と励んだ雪の中の野球……万引事件や生家の破産を越えて胸に迫るのは懐しい思い出の数々。人生の終楽章を迎えて、自分を支えてくれた友人、父の愛、妻の献身に気づく。胸を打つ感動的な直木賞受賞作。
  • 八月の路上に捨てる
    3.4
    30歳の誕生日に、妻と離婚する予定の敦。暑いさなか、自動販売機に飲料缶を補充する仕事に回る車内で、同僚のシングルマザー・水城さんに、敦は結婚生活の顛末を尋ねられるまま語りはじめる…。ほんの僅かずつ掛け違っていく夫婦を描いた、第135回芥川賞受賞の表題作。ほか、働く男女の暮らしを淡々と描き出す「貝からみる風景」、妊娠中の娘が実家に戻ってきたのを機に煙草との離脱を決意した男の進行形禁煙小説「安定期つれづれ」を収録。
  • 放課後美術室
    4.5
    「私には色がない――」高校に入学した沙希は、母に言われるがまま勉強漬けの毎日を送っていた。そんな中、中学の時に見た絵に心奪われ、ファンになった“桐谷遥”という先輩を探しに美術室へ行くと、チャラく、つかみどころのない男がいた。沙希は母に内緒で美術部に仮入部するが、やがて彼こそが“桐谷遥”だと知って――。出会ったことで、ゆっくりと変わっていく沙希と遥。この恋に、きっと誰もが救われる。
  • 魔都の婦人記者
    -
    1930年代、人々を魅了するアジア一の大都市・上海。スキャンダルを背負って死んだ父の汚名を漱ぐため、身一つで上海に降り立った高峰虹子は、到着早々すべての荷物を掏られ途方に暮れていた。そんな時に出会ったのは、大衆誌「上海モダン」を発行する作家・佐木と、記者の不破。佐木に頼み込み、記者として働きはじめた虹子は、街を賑わす様々な事件に触れつつ、父の事件の真相を追うが・・・・・・。繁栄と退廃、侵略とテロ、富と貧困。すべてを内包する「魔都」上海で、雑誌記者・虹子が見た陰謀と真実とは!?
  • 三浦綾子 電子全集 塩狩峠
    4.1
    明治42年に実際に起こった鉄道事故を元にした人間のあり方と愛と信仰の物語。三浦綾子の代表作であり、多くのファンに愛される大ベストセラー作品! 東京で、父と厳格な祖母に育てられた信夫は、祖母の死後、キリスト教徒であったために家を出されていた母親とも暮らすようになる。母と妹、そして父までもが信じるキリスト教に違和感を抱きながらも、まっすぐに成長していく信夫。やがて、少年時代からの友人・吉川に誘われ北海道に渡り、鉄道会社で働くようになる。この地で信仰に目覚めた信夫は自らも洗礼を受け、吉川の妹・ふじ子との結婚を決意する。結納のために汽車で札幌に向かうが、塩狩峠の頂上にさしかかったとき、信夫の乗った客車が突然汽車から離れ、暴走を始めた……。 「三浦綾子電子全集」付録として、夫・三浦光世氏による「創作秘話」などを収録!

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  • 現代語訳 竹取物語
    4.7
    光る竹から生まれた美しきかぐや姫をめぐり、五人のやんごとない貴公子たちが恋の駆け引きを繰り広げる。日本最古の物語をノーベル賞作家による美しい現代語訳で。川端自身による解説も併録。
  • 羽衣伝説の記憶~吉敷竹史シリーズ12~
    3.5
    1巻517円 (税込)
    警視庁捜査一課の吉敷竹史刑事は、ふと足を止めた銀座の画廊で、作者名のない“羽衣伝説”と題された彫金を目にした。これは、別れた妻・通子の作品では!? 彼女への思いをかきたてられた吉敷は、ホステス殺しの真犯人を追いつつ訪れた伝説伝承の地で、意外にも通子の出生の秘密に行きあたる! 好評吉敷シリーズ異色のラブ・ストーリー。
  • 退職刑事3
    3.0
    話半ばで目を閉じ、眠ってしまったかに見える父だが、油断はできない。こうしているときに思考回路はめまぐるしく動いているに違いないのだ。それが証拠に、私にはおよそ目鼻をつけられなかった事件が、鮮やかに解きほぐされていく……。ダイイング・メッセージから犯人を割り出す「乾いた死体」や暗号もどきを解読する「筆まめな死体」など、現職刑事の手に余る難題に往年の辣腕を揮う、退職刑事の事件簿7編を収録。国産の《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第3集。/【収録作】「大魔術の死体」/「仮面の死体」/「人形の死体」/「散歩する死体」/「乾いた死体」/「筆まめな死体」/「料金不足の死体」/解説=新保博久
  • 退職刑事2
    4.3
    退職後も刑事かたぎが抜けない父親に、捜査一課の現職刑事である息子の五郎は、親孝行を兼ねて今日も目下の懸案を語り始める。時に水を向けられ、時に相談を持ちかけて口火を切り、事件を詳述していくと退職刑事の眼光は鋭さを増し、やがて意想外の真相を浮かび上がらせる。団地の四階で父子が対話する基本形式に加え、「四十分間の女」「真冬のビキニ」では、第三者が持ち込んだ地方都市の謎に現職退職両刑事が挑む。国産の《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第2集。【収録作】「遺書の意匠」/「遅れてきた犯人」/「銀の爪きり鋏」/「四十分間の女」/「浴槽の花嫁」/「真冬のビキニ」/「扉(ドア)のない密室」/解説=新保博久
  • ハリネズミは月を見上げる(新潮文庫)
    4.0
    あなたも最低。許せない――。高校二年生の鈴美は逆上した痴漢から守ってくれた比呂に感謝するが、予想外のきつい言葉を返され戸惑う。周りから浮くことを恐れる鈴美は、独りでも毅然とふるまう比呂と接するなかで次第に変化してゆく。だが比呂もまた、誰にも言えない悩みを抱えていて……。両親の離婚、中退した幼馴染み、壊れてしまった心。まばゆい出会いが胸に響く青春小説の新たな傑作。(解説・藤田香織)
  • 恋愛仮免中
    3.6
    人の数だけ、恋の形はある。 奥田英朗、荻原浩、原田マハ、窪美澄という実力派の直木賞・山本賞作家に、新鋭の中江有里を加えた、豪華執筆陣によるアンソロジー。テーマは“恋愛”。 28歳の彩子は、付き合って3年の恋人が相談もなく会社を辞めたことにショックを受ける。女友達は条件のいい男を紹介してくれ、彩子は恋人との別れを考え始めるが……。(奥田英朗「あなたが大好き」) 16歳の僕は、夏を海で過ごすためにばあちゃんの家に来た。夕暮れの砂浜で、その人は子守歌を歌っていた。……とても悲しそうな声で。(窪美澄「銀紙色のアンタレス」) 1969年、中学生だった僕と彼女は50年後に一緒に宇宙に行く約束をした。その年まであと4年のいま、彼女は病院のベッドの上にいる。(荻原浩「アポロ11号はまだ飛んでいるか」) 生まれも育ちも京都の善田は、半年前に妻を亡くし、会社を追われ、タクシー運転手となった。ある日、ボストンから来た老婦人をタクシーに乗せ京都を案内することに……。 (原田マハ「ドライビング・ミス・アンジー」) 両親が離婚したミサトは、クラブを経営する母親行きつけの美容院のシャンプーボーイと、偶然海の家で会うが……。(中江有里「シャンプー」) 人の心が織り成す、甘くせつない物語を集めました。
  • アメリカの夜 インディヴィジュアル・プロジェクション 阿部和重初期代表作1
    -
    1~2巻924円 (税込)
    自意識は、暴走を始めた 現代日本文学の「特別な存在」の、原点 すべては、阿部和重から始まった 群像新人文学賞受賞のデビュー作、90年代「J文学ブーム」の象徴的作品を収めた新編!(解説=佐々木敦)
  • ある漢の生涯 安藤昇伝
    値引きあり
    4.0
    若くして特攻隊に志願した時、人生は終わったと覚悟した。終戦を迎えて生き残った時、残りの人生は余禄だと思った。頰を切られた時、一生をヤクザで終わると腹を決めた――。特攻隊、愚連隊、安藤組組長、そして映画俳優へと身を転じた安藤昇。ハジキか女を抱いて寝るような、その破天荒な生き様をモノローグで描く圧巻のノンフィクションノベル!
  • 鬼手 世田谷駐在刑事・小林健
    3.5
    日本有数の高級住宅地にある学園前駐在所を守るのは、山手西警察署の小林健(たけし)だ。彼が全国に名を馳せる暴力団捜査のエキスパート“鬼コバ”であることは、まだあまり知られていない――持ち前の機動力と情報力で、芸能人やIT長者と暴力団の繋がりを摘発した小林が遂に挑んだのは、未解決の「一家殺人事件」だった。
  • 忘れない男 ~警視庁特殊能力係~
    4.2
    警察学校を卒業したばかりの麻生瞬。憧れの捜査一課に配属されたが、そこは「特殊能力係」という部署。どうして自分が? 戸惑う瞬だったが、上司の徳永に言われて気がついた。一度見た顔は忘れない、というのはどうやら普通ではないらしい…? 瞬はその記憶力で早速成果をあげはじめるが、なぜか命を狙われるように――。15年前の代議士死亡事故との関係とは!?
  • 刑事の灯
    3.4
    新進気鋭、豪華執筆陣による警察小説アンソロジー。男の遺体に残された謎の傷痕とは……「星の傷痕」(麻見和史)。新人の女刑事を助ける不思議な派出所……「道案内 警視庁捜査一課・小野瀬遙の黄昏事件簿」(沢村鐵)。犯人の心が読めちゃう美人刑事の登場……「読心刑事・神尾瑠美」(藤崎翔)。首相夫人腹上死事件に公安刑事2人が挑む……「ファーストレディの黒子」(吉川英梨)。傑作4編を収録!
  • 屍の街・半人間
    4.5
    真夏の広島の街が、一瞬の閃光で死の街となる。累々たる屍の山。生きのび、河原で野宿する虚脱した人々。僕死にそうです、と言ってそのまま息絶える少年。原爆投下の瞬間と、街と村の直後の惨状を克明に記録して1度は占領軍により発禁となった幻の長篇「屍の街」。後遺症におびえ、狂気と妄想を孕んだ入院記「半人間」。被爆体験を記した大田洋子の“遺書”というべき代表作2篇。
  • 「超」怖い話 辰
    3.0
    三体の文楽人形を妻とする男 旧家に伝わる一子相伝の儀式 竜神から預かった約束の皿 新築の家に隠された呪い面 闇を覗く愉悦! 令和の聞き書き怪談集 2024年の始まりに大増ページで贈る「超」怖い話、最新刊。 ・無人の山小屋で録音した自然音に混じっていた恐怖の声…「ヒーリング・ミュージック」 ・禁じられた川で遊んでいる最中、川面に映る少年の顔が突如老人に変化して…「川遊び」 ・7歳になる前に亡くなった初孫が死ぬ前に遺した不気味な言葉…「待望」 ・旧宅の屋根裏にあった陶磁の皿。竜神様からの預かり物だというが…「老人と川」 ・紋様が老人の顔に見える楕円の石。表情が変わると凶事が…「蒐集家」 ・動物が家の周りで死に、畳が腐る新築の家。床板を剝がすと土で作られたお面が…「瘴気」 ・竜の字が入った男と関わってはならぬ。警告のお告げを破ると…「関係」 ・商家の亡くなった三人娘を象った文楽人形。一家繁栄の守り神というが…「サタメ」 他、怒涛の恐怖全36話!
  • 「超」怖い話 巳
    -
    【紹介文】 市井の怪談を聞き集めて12年。 「超」怖い話 干支シリーズ完結! 「あのダム、疑似餌で人を釣るんだ」 釣り人が転落死するダムに浮かぶのはウキのような人魂で… ――「疑似餌」より 入居すると双子を孕む部屋 蛇が因縁の鍵となる忌み家 …ほか怖気だつ現代怪奇録! 東に祟られた人がいれば駆けつけ、西に呪われた人がいれば行って話を聞き、 南に取り憑かれた人がいれば心の丈を吐き出してもらい、北に力尽きた人の遺したものがあればそれをできるだけ具に拾い集めていく(巻頭言) ――本書はそうして世に生まれた聞き書き怪談録である。 ある人が臨死体験で見た世界…「問い」、古民家の庭に放置された空の檻から聞こえる唸り声…「売り物件」 母を襲う蛇を必死で殺す夢の意味…「蛇」 廃屋の撮影中に鳴る笛の音と押入れから出たリコーダー…「魔境の笛」 転居先で出会った少年に連れられて行った長屋で見た四人の不気味な母…「母ちゃん」 旅館に掛けられた動く少女絵…「日の丸構図」 他、生々しい恐怖が息づく46の怪! 午年から始まった「超」怖い話 干支シリーズが1周回り、巳年にて完結。 しかしウロボロスの蛇の如く、本書は終わりであり始まりである。 25歳以下の怪談作家を募集する大会「超-1/U-25」より見出された若い血が二人、本書にそそがれた。 ひとつの終焉とともに新時代の到来をここに宣言したい。
  • 東京娼女
    3.9
    1巻1,540円 (税込)
    これほど狂おしく、残酷な破滅の物語があったとは!新堂冬樹氏、岩井志麻子氏絶賛!知的で誇り高く、美しい令嬢がたどった数奇な運命。圧倒的筆力で魅せる狂気の乱舞。期待の大型新人! 天使か?魔物か?こんな女、見たことない! めくるめく狂気の乱舞を見逃すな!――新堂冬樹氏 こんな情熱的な愛憎があったとは! こんないじらしい悪女がいたとは! そして、こんなカッコいい破滅の物語があったとは……――岩井志麻子氏
  • ナナイロノコイ
    3.4
    愛をおしえてください――恋の予感、別れの兆し、はじめての朝、最後の夜……。恋愛にセオリーはなく、お手本もない。だから恋に落ちるたびにとまどい悩み、ときにおおきな痛手を負うけれど、またいつか私たちは新しい恋に向かっていく。この魅力的で不思議な魔法を、いまをときめく七人の女性作家がドラマティックに贅沢に描いた大好評恋愛小説アンソロジー。
  • 残り全部バケーション
    4.3
    当たり屋、強請りはお手のもの。あくどい仕事で生計を立てる岡田と溝口。ある日、岡田が先輩の溝口に足を洗いたいと打ち明けたところ、条件として“適当な携帯電話の相手と友達になること”を提示される。デタラメな番号で繋がった相手は離婚寸前の男。かくして岡田は解散間際の一家と共にドライブをすることに――。その出会いは偶然か、必然か。裏切りと友情で結ばれる裏稼業コンビの物語。
  • 元カレの猫を、預かりまして。
    4.1
    1巻660円 (税込)
    仕事にお疲れな34歳独身OL・まさきのもとに、突然元カレからの電話が。「しばらく預かって欲しい」と頼まれたのは、ふてぶてしい一匹の雄猫だった。猫は「しばらく面倒みたってや」と関西弁を喋りだし、まさきに対して人間顔負けの恋愛指南をはじめて…!? 恋に不器用な女性とわがまま猫が繰り広げる、もふもふラブコメディ。
  • うたかたモザイク
    3.9
    甘くてスパイシーで苦くてしょっぱい、人生の味わいを詰めこんだ17の物語。どんな人にも、どんな日々にも、凸凹や濃淡、裏表はかならずあるから、そんな欠片を集めたこの本のなかに、自分に寄り添う物語がきっとある。文庫化に際し「魔法少女ミラクルミルキー」「大阪の叔父さん」「前夜」「ムーンライダー」を収録。 sweet / spicy / bitter / salty / tasty 第171回直木賞受賞作『ツミデミック』で話題の著者、 一穂ミチの色とりどりの欠片をちりばめた、味わい豊かな作品集 あなたの思いや生きかたが きらめき、翳(かげ)り、     揺らいで、にじむ。
  • シンデレラ城の殺人
    3.9
    死刑か逆転無罪か。童話×リーガルミステリ! 怪しい魔法使いにガラスの靴を渡され、言葉巧みに王城で開かれる舞踏会へと誘われたシンデレラ。 お城に到着するやいなや、シンデレラはさっそく王子様の目にとまりダンスを踊る。しかしその後、王子様の死体が発見されたことで華やかな舞踏会の空気は一変。 シンデレラは王城の兵士によって殺人の現行犯として捕まってしまい、臨時法廷で裁かれることに。何もしなければ死刑になる大ピンチを前に、シンデレラは自身の手で無実を証明しようと決意する――。 王子様の死は事故か他殺か、それとも……。西洋童話とリーガルミステリが融合した大傑作、ここに開廷! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『シンデレラ城の殺人』 の文庫版となります。
  • O嬢の物語
    -
    フランスの前衛的な文学賞「ドゥー・マゴ賞」を受賞した本作品は、古くてしかも新しい、人間性の奥底に潜む非合理な衝動をえぐり出した、真に恐るべき恋愛小説の傑作である。女主人公Oは恋人ルネに導かれ、自由を放棄し、男たちに強いられた屈従と涙と拷問のさなかで訓練を積み、奴隷の境遇を受けいれ、ついには晴れやかな精神状態に達するという、それはある女の情熱的な愛の告白であり、フランス伝統文学を受けつぎながら、新しい文学を目指した真の名作と言って過言ではあるまい。
  • リトル・バイ・リトル
    3.6
    ふみは高校を卒業してから、アルバイトをして過ごす日々。家族は、母、小学校2年生の異父妹の女3人。習字の先生の柳さん、母に紹介されたボーイフレンドの周、二番目の父――。「家族」を軸にした人々とのふれあいのなかで、わずかずつ輪郭を帯びてゆく青春を描いた、第25回野間文芸新人賞受賞作。
  • 永遠のとなり
    3.8
    部下の自殺をきっかけにうつ病に罹り、損保会社を辞め、妻子とも別れ、何もかも捨てて故郷・博多に戻った青野精一郎。煙草も吸わないのに40歳の若さで肺がんを発病し、死の恐怖から逃れようとするかのように、結婚と離婚をくりかえす、津田敦。48歳になって故郷の町で再会し、せいちゃん、あっちゃんと呼び合う小学校以来の親友のふたり。人生の幸せとは、本当にかけがえのないものとは何なのか? やるせない人生を、共に助け合いながら歩んでいく、感動の再生物語。
  • 1R1分34秒(新潮文庫)
    3.8
    デビュー戦を初回KOで華々しく飾ってから、3敗1分けと敗けが込むプロボクサーのぼく。そもそも才能もないのになぜボクシングをやっているのかわからない。ついに長年のトレーナーに見捨てられるも、変わり者の新トレーナー、ウメキチとの練習の日々がぼくを変えていく。これ以上自分を見失いたくないから、3日後の試合、1R1分34秒で。青春小説の雄が放つ会心の一撃。芥川賞受賞作。(解説・町田康)
  • ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)
    4.2
    1巻539円 (税込)
    血なんか繋がってなくても大丈夫。魔法のことば「お帰りなさい!」を大きな声で叫んだら、大好きなあの人は、たちまち大切な家族に変わるから。離婚し親にも勘当され、親友の父子家庭宅に居候しながら、家事と子育てに励む元シェフ渡辺毅と、再婚にも失敗し、愛情を注いで育てあげた前夫の連れ娘と引き離されたキャリアウーマン児島律子。それぞれの奮闘に温かな涙がとまらない2つの物語!
  • 恋になるまで、あと1センチ
    値引きあり
    4.4
    第9回ネット小説大賞受賞作。階段から、天使が降ってきた――高校1年生の楢崎颯太は、階段から落ちてきた篠先輩を助けた。これ以降、なぜか颯太は篠先輩に懐かれるようになる。助けてもらったことをきっかけに、篠先輩はぐいぐいアプローチしてくる。戸惑いつつも颯太は先輩の相手をしていく。いつの間にか心の距離が近づき、互いが想い合っていく……。天使のように純粋で、だからこそ危なっかしい篠先輩と、彼女に振り回されながらも心惹かれていく颯太。ピュアで愛おしいラブストーリー。
  • 婚礼、葬礼、その他
    3.9
    大学時代の友人結婚式に出席中、上司の親の通夜手伝いに呼び出されたОLヨシノ。 二次会幹事とスピーチを相方に押し付け、喪服に着替えて急きょタクシーで葬儀場へ。 既に大多数の社員が集まり、打ち合わせを重ねるなか、ヨシノを猛烈な空腹感が襲う。 「マジマ部長の親父とやら、間が悪すぎる…もう一日ぐらいなんとかならなかったのか」 ヨシノのてんやわんやな一日はまだまだ続く。芥川賞候補作。 09年に「ポトスライムの舟」で芥川賞、11年に「ワーカーズ・ダイジェスト」で織田作之助賞を受賞し、 いまもっとも乗っている女性作家の傑作中篇。「冷たい十字路」を併録。 解説・陣野俊史
  • 車輪の下
    4.1
    ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通った。だが、そこでの生活は少年の心を踏みにじる規則ずくめなものだった。少年らしい反抗に駆りたてられた彼は、学校を去って見習い工として出なおそうとする……。子どもの心と生活とを自らの文学のふるさととするヘッセの代表的自伝小説。
  • 白いしるし(新潮文庫)
    3.8
    女32歳、独身。誰かにのめりこんで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていた夏目。間島の絵を一目見た瞬間、心は波立ち、持っていかれてしまう。走り出した恋に夢中の夏目と裏腹に、けして彼女だけのものにならない間島。触れるたび、募る想いに痛みは増して、夏目は笑えなくなった──。恋の終わりを知ることは、人を強くしてくれるのだろうか? ひりつく記憶が身体を貫く、超全身恋愛小説。(解説・栗田有起)
  • モノレールねこ
    3.8
    小学生のぼくは、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日、ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えてしまったが…。表題作の「モノレールねこ」ほか、ザリガニの俺が、家族を見守る「バルタン最期の日」など、夫婦、親子、職場の同僚など、日常にさりげなく現れる大切な人との絆を描いた8篇。
  • やぶへび
    3.7
    「金なし、女なし」で迎えた40歳の年末。だが元刑事・甲賀悟郎にとっては悪いことでもない。運命の分かれ道には、かならず最悪の選択をしてきたからだ。そこに「奥さんを保護しました」という警察からの電話。借金苦で戸籍を売り偽装結婚した中国人女性が、怪我をしたうえ記憶喪失の疑いがあるという……嗚呼。初対面の"夫婦"が巻き込まれる、と、と、と、とんでもない事態。いったいどこの誰が絵図を描いたのか。
  • 愛の年代記
    4.1
    かくも激しく美しく恋に身をこがし、生きて愛して死んだ女たち――歴史資料の片隅に、わずかに残されたその華麗な生の証しをもとに、欲望・権謀の渦巻くイタリアの中世末期からルネサンスにかけて、《恋の歓び、哀しみ、憤り》など、さまざまな愛のかたちを抽出する。『大公妃ビアンカ・カペッロの回想録』『ドン・ジュリオの悲劇』など、胸ときめく恋の物語9編を収録。
  • 禁忌
    値引きあり
    5.0
    元刑事で今は人材派遣会社の調査員として働く星村真一はある日、厄介な交渉役を頼まれた。銀座のクラブへ派遣した女が自殺し、クラブ側から損害賠償を要求されているという。早速、自殺の真相を探る星村だが、接触したホステスが何者かに射殺され、自身も襲われてしまう――。何故、女は非業の死を遂げたのか?人間の欲と業を炙り出した傑作長篇。
  • コンジュジ
    3.3
    1993年9月2日未明、11歳のせれなは恋に落ちた。テレビ番組で偶然見かけた伝説のロックスター・リアンに。母に捨てられ、父から性虐待を受けるせれなにとって、その愛しい人は唯一の生きる理由となった。彼女は苦しみのたび、リアンとの妄想世界にトランスする。甘美な夢と凄惨な現実。その境界線は次第に曖昧になっていき――。過酷な現実を生きる一人の少女による自らの救済の物語。圧巻のデビュー作にして、第44回すばる文学賞受賞作。川上未映子氏絶賛!!
  • 新釈 走れメロス 他四篇
    4.2
    芽野史郎は全力で京都を疾走していた――無二の親友との約束を守「らない」ために!(「走れメロス」) 表題作の他、近代文学の傑作四篇が、全く違う魅力をまとい現代京都で生まれ変わる! こじらせすぎた青春は、こんなにも阿呆らしく、そして気高い!! 滑稽の頂点をきわめた、歴史的短編集!
  • ジーキル博士とハイド氏
    3.8
    医師ジーキルは自ら発明した秘薬によって凶悪な人物ハイドに変身するが、くり返し変身を試みるうちにやがて恐るべき破局が……。人間の二重性を描いたこの作には天性の物語作家スティーヴンスン(一八五〇―九四)の手腕が見事に発揮されており、今も変わることなく世界中で愛読されている。映画化されることに実に七十回という。

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  • デッドライン(新潮文庫)
    3.7
    2001年の春、僕は大学院に進んだ。専門はフランス現代思想。友人の映画制作を手伝い、親友と深夜にドライブし、行きずりの相手とセックスをする日々を送りながら、修士論文の執筆が始まる。テーマはドゥルーズ――世界は差異からできていると唱えた哲学者だ。だが、途中までしか書けないまま修論の締め切り(デッドライン)が迫ってきて……。気鋭の哲学者が描く青春小説。芥川賞候補、野間文芸新人賞受賞作。(解説・町屋良平)
  • 言い寄る
    3.9
    160万人が愛した女主人公(ヒロイン)乃里子が帰って来た! 乃里子、31歳。フリーのデザイナー、画家。自由な1人暮らし。金持ちの色男・剛、趣味人の渋い中年男・水野など、いい男たちに言い寄られ、恋も仕事も楽しんでいる。しかし、痛いくらい愛してる五郎にだけは、どうしても言い寄れない……。乃里子フリークが続出した、田辺恋愛小説の最高傑作。
  • 秘密の花園(新潮文庫)
    3.5
    私は、なにをしているんだろう。どうしたら「私」でいられるんだろう? カトリック系女子高校に通う、三人の少女、那由多、淑子、翠。性格の異なる三人の「私」は、家族、学校、男たちの中にあって、それぞれが遠いはるかを、しずかに深くみつめている。「秘めごと」をかかえる彼女たちの微笑の裏側の自由。甘やかな痛みの底に眠る潔くも強靭な魂。自分を生き抜いていくために「私」が求めていたことは――。記念碑的青春小説。(解説・穂村弘)
  • 平凡(新潮文庫)
    3.8
    妻に離婚を切り出され取り乱す夫と、その心に甦る幼い日の記憶(「月が笑う」)。人気料理研究家になったかつての親友・春花が、訪れた火災現場跡で主婦の紀美子にした意外な頼みごと(「平凡」)。飼い猫探しに親身に付き添うおばさんが、庭子に語った息子とおにぎりの話(「どこかべつのところで」)。人生のわかれ道をゆき過ぎてなお、選ばなかった「もし」に心揺れる人々を見つめる六つの物語。(解説・佐久間文子)
  • 穴

    3.9
    仕事を辞め、夫の田舎に移り住んだ私は、暑い夏の日、見たこともない黒い獣を追って、土手にあいた胸の深さの穴に落ちた。甘いお香の匂いが漂う世羅さん、庭の水撒きに励む寡黙な義祖父に、義兄を名乗る知らない男。出会う人々もどこか奇妙で、見慣れた日常は静かに異界の色を帯びる。芥川賞受賞の表題作に、農村の古民家で新生活を始めた友人夫婦との不思議な時を描く二編を収録。
  • 切羽へ
    3.5
    かつて炭鉱で栄えた離島で、小学校の養護教諭であるセイは、画家の夫と暮らしている。奔放な同僚の女教師、島の主のような老婆、無邪気な子供たち。平穏で満ち足りた日々。ある日新任教師として赴任してきた石和の存在が、セイの心を揺さぶる。彼に惹かれていく──夫を愛しているのに。もうその先がない「切羽」へ向かって。直木賞を受賞した繊細で官能的な大人のための恋愛長編。
  • 虹

    -
    1950年敗戦直後の大阪。四国の田舎町から、広島から、名古屋から、丹波から天王寺駅界隈にすみついた戦災孤児たちはたくましく生きる。そのひとり、虹を見るといつも泣き出すカズヒコと交番の巡査との暖かい心の交流を、独特の大阪の匂いにのせて描いた第53回直木賞受賞作。表題作ほか「風土」「善界」「牧歌」「世染-私版・夫婦善哉」を含む珠玉短編集。
  • 猫弁と星の王子
    4.3
    あの「猫弁」が、帰ってきた――! 百瀬太郎は亜子と結婚の約束を交わしたものの、個人的な事情でまだ結婚には至っていない。二人が喫茶店でご飯を食べていると、「ちょっと見ていてください」と百瀬の腕に……渡されたのは、赤ちゃんだった! 一方、地方から上京してきた正水直は入学金詐欺に遭い、途方にくれていた。行くところがない直も、百瀬の事務所にたどり着き……。さらに、「死なない猫」の相談まで舞い込んで――。事務所は大賑やか、百瀬は大忙し。亜子との関係は、いったいどうなる!?
  • 緑の窓口 樹木トラブル解決します
    3.9
    「全ては樹木が語ってくれました」 『闇に香る嘘』『生還者』で注目の乱歩賞作家が挑む新境地。 樹木トラブルの裏には、人の“想い”が隠れている! 笑って泣ける、人の心と樹木をつなぐ6つの連作ミステリー 新設された「緑の窓口」への異動を言い渡された区役所職員の天野優樹。 えっ…、それって切符を買うところじゃ……。 疑問を抱いたのも束の間、「庭にあるスギの伐採をめぐって家族仲がギスギスしています。なんとかしてください」との依頼が届く。 そう、ここは市民の樹木トラブルを解決する部署だった! 花粉症で樹木嫌いの先輩・岩浪とともに依頼先に向かった天野。 しかし、そこにはスギを愛でる先客が。 「柊紅葉といいます。樹木医です。」 清楚な美人の登場に胸をときめかせる天野だったが、事態は意外な展開を見せ……。
  • 無印不倫物語
    4.0
    あこがれの彼に超ブスの奥さん。仕事はぼんくらでも浮気はマメ。清楚な美人が実は……。誠実そう、優しそうで始まる恋が、意外な奥行きを見せてくる――。恋にトラブルはつきものと、覚悟はあってもまさか!の事態。恐怖と陶酔で盛りあがる、明るい略奪愛の物語。大人気無印シリーズ愛情編。
  • ルーキー - 刑事の挑戦・一之瀬拓真
    3.7
    「マニュアルのないのが不満か?」ベテラン教育係VS「足で稼ぐなんて古くないですか」新人刑事。一之瀬拓真、二十五歳、交番勤務から千代田署刑事課強行犯係に転属した新人刑事。管轄はビジネス街――このエリアは窃盗犯中心だと聞いたが、初日から殺人事件が起きる! 被害者に恨みをもつ人物はなかったが、不審な入金が発覚し、捜査陣は色めきたつ。一之瀬は教育係の藤島の薫陶の下、第一歩を踏み出す。新シリーズ、始動!
  • 春のこわいもの(新潮文庫)
    3.5
    世界が一変してしまったあの春、私たちは見てはいけないものを覗きこんでしまった――。持てる者と持たざる者をめぐる残酷なほんとう。死を前にして振り返る誰にも言えない秘密。匿名の悪意が引き起こした取りかえしのつかない悲劇。正当化されてゆく暴力的な衝動。心の奥底にしまい込んだある罪の記憶。ふとしたできごとが、日常を悪夢のように変貌させていく。不穏にして甘美な六つの物語。
  • 陰翳礼讃/吉野葛 〈大活字版〉
    値引きあり
    3.0
    1巻499円 (税込)
    大きな文字で読みやすい! 大活字版で登場! 今だからこそ、読まずにはいられない。 文豪・谷崎潤一郎の傑作。 闇に浮かび上がる日本の伝統美を流麗な筆致で描く名随筆「陰翳礼讃」 文豪の中期を代表する小説として名高い「吉野葛」 時代を超えてなお燦然と輝く谷崎文学の最高峰を大きな文字でお楽しみいただけます。 (本書は2016/10/22に小社より刊行された書籍を電子化したものです)
  • カラマーゾフの妹
    3.7
    カラマーゾフ事件から十三年後。モスクワで内務省未解決事件課の特別捜査官として活躍するカラマーゾフ家の次男、イワンが、事件以来はじめて帰郷した。兄ドミートリーの無罪を証明し、事件の真相を確かめたい――再捜査を開始するイワンの前に新たな事件が起こる。十三年前の真犯人は誰なのか。新たな事件は誰が、何のために起こしているのか、そして、謎解きの向こうに見えてくるものとは。息詰まる展開、そして驚愕の結末!
  • さがしもの
    4.1
    「その本を見つけてくれなけりゃ、死ぬに死ねないよ」、病床のおばあちゃんに頼まれた一冊を求め奔走した少女の日を描く「さがしもの」。初めて売った古本と思わぬ再会を果たす「旅する本」。持ち主不明の詩集に挟まれた別れの言葉「手紙」など九つの本の物語。無限に広がる書物の宇宙で偶然出会ったことばの魔法はあなたの人生も動かし始める。『この本が、世界に存在することに』改題。
  • 赤い館の秘密
    3.9
    長閑な夏の昼下がり、田舎の名士の屋敷、赤い館で一発の銃声が轟いた。死んだのは、オーストラリアから15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた兄ロバート。死体を発見したのは館の管理を任されているマークの従弟ケイリーと、館に滞在中の友人を訪ねてきた青年ギリンガムだった。発見時の状況から一緒にいたはずのマークに疑いがかかるが、肝心のマークの行方は杳として知れない。興味を惹かれたギリンガムは、友人ベヴァリーをワトスン役に、事件を調べ始める。『クマのプーさん』で有名な英国の劇作家ミルンが書いた長編探偵小説、新訳決定版。/解説=加納朋子
  • オードリー’s  レディの格言
    -
    アンティークのソファから現れ出たのは、オードリー・ヘップバーン? はじまる。一生に一度の、プレシャスなレッスン。 リビーの唯一の癒しは家でひとり好きな映画を観ること。仕事をクビになり、憧れの人を妹にとられた最悪の日、リビーはしょんぼりと家に帰った。『ティファニーで朝食を』でも観ながら寝てしまおう……買ったソファが今日あたり来るはずだから。ところが届いたのはまったく覚えのないおんぼろソファ! 心底落ち込むリビーだったが、この古家具には大女優の守護霊(!?)が取り憑いていて――。
  • 夜想曲
    値引きあり
    3.5
    同期会が催された山荘で三日三晩に三人のメンバーが絞殺された。俳優の桜木も会に参加していたが、なぜか、その間の記憶を失っていた。ただひとつ、誰かの首をロープで絞めた生々しい感触をのぞいては……。
  • 塀の中の美容室
    3.8
    『ご』と入力すると『ゴメン』と出てきて……『ゴメン。今日も仕事でダメになった』の一文ができあがる――。激務が続く番組制作会社で働く芦原志穂。彼女は今日も恋人にデートのキャンセルを告げるメールを打っていた。最近では「次はいつ会えそう」というメールすら届かない。そんな中、志穂は上司からの命令で、刑務所の中の美容室を取材することになるのだが――。彼女たちは、なぜそこに髪を切りにいくのか。刑務所の中で営業を行う美容室を舞台にした、感動の連作短編集。
  • 青葉の旅
    -
    愛別離苦――たまさかの出会いに垣間みる人生の断片、愛の余情を描き、男と女の哀しみとわびしさを浮き上らせる珠玉集。結婚20年を迎えた妻の哀愁にみちたひとり旅を描く表題作のほか「波の音」「良夜」「トランプ占い」「別れの旅」「冬の外套」「一年契約」「春の入り江」「城あと」の八編を収録。
  • いかさま
    4.5
    1巻495円 (税込)
    ダニどもに手加減無用、浪速の快男児が大暴れ!  行方不明になったガールフレンドの手掛りは、アダルトサイトにあった。開いたページに現われた正視に耐えないモザイク画面。少女を拉致監禁したうえ暴行し売春させるという悪辣なチンピラ集団の餌食になっていたのだ。  大阪鶴橋によろず相談所をかまえる命知らずのマッチョ野郎・藤堂廉治が、凶悪犯に非情の制裁を加える!  痛快クライム・アクション小説の傑作が電子で復刊。 ●矢月秀作(やづき・しゅうさく) 1964年兵庫県生まれ。種々の職業に従事する傍ら、一般書を執筆。文芸誌編集を機に、小説へ転向。ハードアクションを中心に、官能、サスペンス等の作品も発表し、劇画原作、ゲームノベライズ、アニメ脚本等、多岐に亘る創作分野で活躍。『もぐら』シリーズ、『リターン』『獄の極』(中央公論新社)、『闇狩人』(学研)、『狂犬』(廣済堂)、『D1 警視庁暗殺部』(祥伝社)など著書多数。
  • 白い牙
    -
    “わたしの憧憬。わたしの夢。わたしの悲願。わたしの生命。……”ガラスの破片のようなきらめきと危うさを持つ沙夷子の愛は、療養中の妻ある学究の徒・康之へはげしく傾斜する。乱脈な父母の生活、大人の愛欲の世界への嫌悪から、純粋で観念的に育ってゆく少女の愛のかたちを、リリックに描いて、幼い愛の終りを予見する。
  • 夏花
    -
    著者のもっとも多作だった時代の秀作を集めた短編集。鋭い感性と美貌ゆえに奔放に生きた女性が、自ら崩れていく薄幸な宿命を描いた「傍観者」「夏花」。青春の清冽で一途な恋愛を、谷間の自然の中に描いた「伊那の白梅」、「石の面」「かしわんば」「薄氷」「騎手」「失われた時間」「暗い舞踏会」の九編を収録。愛ゆえに数奇な運命をたどる男女を淡々と描いた名作選。
  • 眠れないほどおもしろい信長公記
    値引きあり
    3.0
    「歴史書探訪」シリーズ累計13万部!第六天魔王・織田信長の激しすぎる生涯を描いた一代記にして、一級史料の『信長公記』をわかりやすく、おもしろく読み解きます。頭脳も切れるが、気分もキレる!こんな人物、もう二度と現われない!?◇悪童上等! “ヤンキー仲間”は小姓の前田利家◇濃姫に「偽情報」をリーク! 閨房での狡知な計略◇桶狭間――伝説の奇策で「勝ち目ゼロ」からの限界突破!◇宿敵の首を「金ピカ髑髏」にあつらえて酒宴!◇第六天魔王のスイッチON! 霊峰比叡山を焼き討ち◇京都御馬揃え――“超ド派手な軍事パレード”で権力を誇示◇「集めた茶器を見せびらかしたい!」その心は…?◇究極のワンマンが招いた劇的な幕切れ「天下布武」を邪魔するヤツは容赦しない――「第六天魔王」と呼ばれた男の真実がわかる本!

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  • 鳩の栖
    3.9
    水琴窟という、庭先に水をまくと珠をころがすような安らかな音が鳴る仕掛け。操がそれを初めて知ったのは至剛の家の庭だった。孤独な転校生だった操を気遣ってくれた爽やかな少年至剛。しかし、快活そうに見えた彼には、避けがたい死が迫っていた。病床の至剛の求めるまま、操は庭の水琴窟を鳴らすのだが……。少年たちの孤独と淡い愛情、儚い命の凛々しさを描く表題作など珠玉の短編五編。
  • 犯罪調書
    4.0
    犯罪はその時代の意匠である。新聞の結婚案内欄を利用した連続殺人事件。イギリスの大国主義が生みだした「ピルトダウン人偽造事件」。農商務省の官吏がおこした本邦初のバラバラ殺人事件など、世界を騒然とさせた古今東西の犯罪を収集、軽妙な筆で事件の謎と人間のドラマをさぐった犯罪調書。
  • 冬の月
    -
    過ぎ去った日々のきらめく記憶の断片、懐かしき伊豆の海、山……。数十年を経て相見える旧友との交情、ふたたび蘇って来る若き日の情熱。少年の頃の肉親や、新聞記者時代の体験から生まれた、著者のロマネスクな世界を淡く、涼やかに描きだす珠玉集。表題作のほか「土の絵」「ある交友」「明るい海」「海の欠片」「四角な石」など九編を収録。
  • 無明長夜
    3.0
    “御本山”の黒い森をみつめて、白い闇の道を歩いた女の20年……。一種底の知れない、暗く混沌とした世界の中で、病める魂の咆哮を聞く芥川賞受賞作『無明長夜』。“捨てる”ことを根源に、自らの道を開こうとした著者の、戦後の出発を語る『豊原』。ほかに『寓話』『終りのない夜』など、新しい世代の世界とイメージを持って、多様な才能を遺憾なく発揮した作品群。ほか『静かな夏』『生きものたち』『わたしの恋の物語』全7編を収める。
  • 楼門
    -
    出世欲も捨て、名聞とも隔てられた男の孤独、倦怠、憂悶、諦念が、古都の楼門を冴え冴えと照らす白い月に浮かび上がり、凄絶な絵画のように描かれた「楼門」ほか、人生のさりげない側面を淡々とした筆致で描き、垣間見る一瞬に生の真実をとらえた「ある日曜日」「北国の春」など心に沁みる珠玉の十編を収録。
  • 悪の五輪
    4.5
    1963年3月21日、翌年の東京オリンピック開催を前に、公式記録映画の監督を務めることになっていた黒澤明が降板した。博打をしのぎにしている白壁一家の人見稀郎は、親分からの指示を受け、中堅監督の錦田を後任にねじ込んで、興行界に打って出るべく動き出す。オリンピック組織委員会には政治家、財界関係者が名を連ねており、その下には土建業者や右翼、ヤクザ、さらには警察までもが蠢いており、あらゆる業種が莫大な利権に群がっている。稀郎は記録映画の監督選定に権限を持つ委員たちの周辺を洗い、金や女を使って言うことを聞かせようとする。東京が、日本が劇的に変貌を遂げた昭和の東京オリンピックをモチーフに、現代エンターテインメント小説の旗手が放つ、長編社会派クライムノベル。
  • 嫌な奴
    4.0
    学生時代に杉本の「親友」だった、粗暴で自己中的な男、三浦。病に臥せる三浦を、杉本は十二年ぶりに病院に見舞う。そこから再び始まった二人の奇妙な関係は、不本意な同居生活まで発展する。これはいったい、友情か、愛情か、執着 か……。傑作BL『箱の中』の作者が、執拗かつ理不尽な同性同士の愛を描く。 カバーイラスト:丹地陽子
  • トウェイン完訳コレクション マーク・トウェインのジャンヌ・ダルク ジャンヌ・ダルクについての個人的回想
    5.0
    ジャンヌ・ダルクの幼なじみであり、小姓兼秘書を務めたルイス・コントの個人的回想という形で、マーク・トウェインがジャンヌ・ダルクの波乱に満ちた人生を、深い共感を込めて、詩情豊かに語りかける壮大な叙事詩。 装画:アングル「シャルル7世の戴冠式でのジャンヌ・ダルク」ルーヴル美術館蔵
  • 目薬αで殺菌します DISINFECTANT α FOR THE EYES
    3.7
    関西で発見された劇物入りの目薬の名には「α」の文字が。同じ頃、加部谷恵美が発見した変死体が握り締めていたのもやはり目薬「α」! 探偵・赤柳初朗は調査を始めるが、事件の背後にはまたも謎のプロジェクトが? ギリシャ文字「α」は「φ」から連なる展開を意味しているのか? Gシリーズ第7作!(講談社文庫)
  • 海は見えるか
    3.9
    東日本大震災から一年以上経過しても復興は遅々として進まず、被災者はいまだに“普通の生活”すらできずにいた。だがそんな町で、自らも阪神・淡路大震災で妻子を失った教師・小野寺は、子どもたちの胸に希望を灯すため、奮闘し続けていた……。被災地の現実と祈りを見つめ、生き抜く人々の勇気を描き切った珠玉の7篇、連作短篇!
  • 新装版 断絶
    3.7
    閉塞的な故郷で起きた怪事件。 血脈、正義、そして権力闘争が絡み合う。 小説だからこそ描ききれた、圧倒的人間ドラマ 堂場瞬一、作家としての原点〈汐灘サーガ〉第2弾 地方都市・汐灘の海岸で発見された女性の変死体。県警は散弾銃による自殺と結論づけたが、捜査一課の石神謙は他殺の線で独自捜査を続ける。一方、地元政界は、引退する大物代議士・剱持隆太郎の後継指名を巡り混迷を深めていた。石神と剱持、交わるはずのなかった二人の運命が今、交錯する――。 〈解説〉渡辺祐真
  • 新訳 ナルニア国物語1 ライオンと魔女と洋服だんす
    完結
    3.8
    全7巻649~1,056円 (税込)
    【全世界1億2千万部以上! カーネギー賞受賞シリーズ第1弾】 児童文学の金字塔! 新訳&挿絵付 装画・挿絵:ソノムラ ※本書は、既刊の角川つばさ文庫版の表記や表現を大人向けに【【大幅に】】加筆修正し、全ての漢字にふられていたルビをへらしたものです。 ●あらすじ 両親と離れ、田舎の風変わりな教授の家に預けられた4人の兄妹。ある日末っ子のルーシーが空き部屋で大きな洋服だんすをみつけるが、扉を開くとそこは残酷な魔女が支配する国ナルニアだった! 「4人の人間がナルニアを救う王になる」という予言のせいで、子どもたちは魔女に命を狙われることに。4人は聖なるライオン“アスラン”と共に魔女に戦いを挑むが…。カーネギー賞受賞シリーズ第1弾。不朽の名作が新訳でよみがえる! ●新訳のここがポイント 翻訳にあたって、原作の英語の格調高さをくずさぬよう、配慮されて訳されています。「英米の子どもたちが原文を読んで味わうとおりの「楽しさ」――知らない世界に出会うときのわくわく感や(略)好奇心もふくめて――を大切にしました」「とくに原文の解釈には最新の注意をはらいました」と、この本の底本となった角川つばさ文庫版の訳者あとがきに記されています。 ・第十三章で、魔女が「深遠なる魔法のことを忘れたのか?」と問われ、先行訳ではアスランが「忘れてしまったようだな」や「どうかな、忘れてしまったかもしれない」と答えていたが、アスランがそんな大事なことを忘れるはずがないので、原文の「Let us say(と仮定しよう)」を活かし、「忘れていたということにしよう」に。 などなど、注意しないと正しく訳せないくだりが今の日本語で美しく訳されています。
  • 列島融解
    3.8
    東日本電力社員を経て衆議院議員となった小川正人は、未曾有の大震災後、日本が直面するエネルギー問題に真っ向から取り組んでいた。原発の行方と、代替エネルギーの可能性は。停滞した経済は復調し、安全は守られるのか。日本自由党政権となり激動する政財界を見つめながら、この国のかたちを描き直す意欲作。(講談社文庫)
  • 雨の塔
    3.9
    その岬には資産家の娘だけが入れる全寮制の女子大があった。衣服と食べ物は好きなだけ手に入るが、情報と自由は与えられない。そんな陸の孤島で暮らす4人の少女――高校で同性と心中未遂を起こした矢咲、母親に捨てられた小津、妾腹の子である三島、母親のいない都岡。孤独な魂は互いに惹かれあい、嫉妬と執着がそれぞれの運命を狂わせてゆく。胸苦しいほど切なく繊細な、少女たちの物語。
  • 江戸川乱歩全集 少年探偵団シリーズ
    -
    日本の推理・探偵小説の巨人・江戸川乱歩の代表作「少年探偵団シリーズ」を一冊に網羅し、読みやすく編集した電子版ならではの江戸川乱歩全集です。 ●目次 怪人二十面相 少年探偵団 妖怪博士 大金塊 青銅の魔人 虎の牙 透明怪人 怪奇四十面相 宇宙怪人 鉄塔の怪人 灰色の巨人 海底の魔術師 探偵少年 黄金豹 魔法博士 天空の魔人 サーカスの怪人 妖人ゴング 魔法人形 まほうやしき 赤いカブトムシ 奇面城の秘密 夜光人間 塔上の奇術師 鉄人Q ふしぎな人 仮面の恐怖王 電人M おれは二十面相だ 怪人と少年探偵 妖星人R 超人ニコラ かいじん二十めんそう(「たのしい二年生」版) かいじん二十めんそう(「たのしい一年生」版) 自作解説 怪人二十面相と少年探偵団
  • 鍵のない夢を見る
    3.7
    望むことは、罪ですか? 誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったDV男との逃避行──。普通の町に生きるありふれた人々に、ふと魔が差す瞬間、転がり落ちる奈落を見事にとらえる五篇。現代の地方の閉塞感を背景に、五人の女がささやかな夢を叶える鍵を求めてもがく様を、時に突き放し、時にそっと寄り添い描き出す。著者の巧みな筆が光る傑作。第147回直木賞受賞作!
  • 紙細工の花嫁
    5.0
    女子大生亜由美のところに誤配された一通の手紙。それは〈殺人予告〉の脅迫状で、中には花嫁をかたどった紙細工の人形が入っていた。亜由美は駆けつけた殿永刑事と共に宛先の家を訪れるが、なんとその本人は翌日が結婚式だという。持ち前の好奇心に火がついて強引に式場に潜入した亜由美たちの前で結婚式は進み、いよいよケーキカットが始まろうとしていたが、その華やかなケーキの上にまたしてもあの紙細工の花嫁が……!? 名コンビの推理が冴える人気絶頂“花嫁”シリーズ!
  • 記憶の中の殺人
    4.0
    春分の日の午後、僕は軽井沢のセンセから平塚亭(ひらつかてい)に呼び出された。春のお彼岸に内田家の墓に花を飾る女性がいるので調査してほしいという。ひと月後、内田家の隣の墓の持ち主が殺された。兄・陽一郎(よういちろう)は被害者とは旧知の仲らしい。それは幼少時の僕だけが憶えていない、軽井沢の事件につながっていて……。 浅見光彦(あさみみつひこ)自身の言葉で語る、過去と現在を結ぶ殺人事件!

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  • グリーンライン
    3.7
    公園で襲われた不幸な夜から7年。そのショックで眠り続けた秋川裕果は突然めざめた。長い眠りからさめたとき、常に安全ゾーンを歩くようにしつけられていた女子高生は25歳になっていた。病院のベッドで、ただ茫然とする彼女の前に現れた刑事の話を聞くうちに、あの夜の記憶が甦ってきた。やがて不審な出来事が起こり始める。時効直前、忘れられていた犯罪が再び目をさます…。
  • 殺しのバンカーショット
    2.0
    ビッグトーナメント直前に〈この大会中に、あいつを殺してやる〉という脅迫状が届いた。日本ゴルフ連合会理事・吉田は、警察に警備を依頼する。十津川は早速捜査にあたるが、吉田は交通事故で死に、そしてトーナメント中に殺人が起こる。これはトッププレイヤーの有藤を狙ったものなのか。ゴルフ界の複雑な人間関係のなかで、次々と起こる奇妙な殺人の謎に挑む十津川警部の名推理。長編ミステリーサスペンス。
  • 讃岐路殺人事件
    4.5
    母・雪江(ゆきえ)が旅先で交通事故に遭い、記憶喪失になってしまった。ほどなく記憶を取り戻したある日「瀬戸大橋自殺者第1号?」というニュースを見て声をあげた。自殺したという久保彩奈(くぼあやな)が、雪江を轢(ひ)いた加害者だったのだ。事故を苦にした自殺かもしれない、という母の命(めい)により、浅見光彦(あさみみつひこ)は高松の彩奈の家を訪れる。彼女の死には、不可解な点が残されていた!

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  • 三匹の盲目のねずみ
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    田舎の古い屋敷を遺産として受けついだ若夫婦は、慣れない下宿屋を開業した。予約した4人の客は大雪のなか、なんとか宿にたどりつく。その翌朝だった、警察から電話があって、殺人狂がまぎれこんだ可能性が高いという。やがて若い刑事がスキーでやってきた。だが、「三匹の盲目のねずみ」のマザーグースの歌とともに、殺人はやはり起きた。1952年にロンドンで初演されて以来、2012年11月に60周年をむかえ 、世界一のロングラン記録を樹立した戯曲「ねずみとり」の原作!

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  • 色即回帰
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    男の女遍歴を、浮気などといって非難するのは大間違い。そういう気持の強い男こそ、女陰回帰の志、母のもとへも戻りたいという、いわば母を求めて三千里、真実鈴ふり巡礼心の持主なのだ。――山陰は皆生温泉、風呂番の老人が人生哲学を語った「色即回帰」ほか、野坂文学の真骨頂を発揮した作品7編を収録。

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