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Posted by ブクログ
雅彦は、少年時代に自分の力が全く及ばなかったこの天女がいま、ふいに羽衣を脱ぎ捨て、生身のまま自分の腰掛けている椅子へ舞い降りてきて人間になったのを見ているような、奇妙な愛しさに貫かれた。言葉の選び方と組み合わせは作詞作曲と同じような感覚なのだろうか?読み進める中で情景とリズムがリンクしていくような気持ちになり知らず知らず涙が溢れます。さださんがこれまで歩まれてきた中で温かく接してくれた大切な人を思う気持ちが優しい言葉となっていると感じました。さださんの小説は全部読みたくなりました。また、映像化された作品と歌も是非聴いてみたくなりました。
Posted by ブクログ
マジで泣いた…。
さだまさしさんは有名だし、多才である事は知っている。
確か弟さんが事務所の社長をやられているみたいだけど、インタビュー記事に『兄は破天荒だからその後始末が大変だ』みたいな事が書いてあり意外に思った。
でも何処かで兄を尊敬してるような響き(文章だけど)もあって何か魅力のある人なのかも知れないなーと思った覚えがある。
さださんが長崎出身である事は知ってる。『がんばらんば』という曲を出してらっしゃるけど、それが教育テレビで流れていた(中学生くらいの時かな?)結構耳に残るし、九州弁はどこか安心感がある。
この小説も所々に長崎弁が使ってあり、私は九州出身なので普通にスラスラ読めるがそうじゃない人は苦労するのかも知れない。
さださんは私の父と同世代の人で戦争が終わって数年後に生まれている。
この小説はさださんの自伝的小説らしいが、お父さんの事やお母さんの人生をここまで細かく知って覚えているのは凄い。それだけコミニュケーションをしっかりしていらしたんだと思う。
そういうところでも愛というか人情というか…今では忘れてしまった人の美しさが見えてくる。
長崎と言えばやはり『原爆』を連想してしまう。
さださんは経験していないけど、直に経験した人の話を聞いているし、被曝した人を見たりしている。
そういう事をちゃんとカタチとして残したいと思ってこの小説を書いたのだなぁ。
今はスマホで簡単にやり取り出来てしまうし便利ではあるけれど、情報も多く詐欺等もあり田舎の人でも知らない人には警戒してしまい人と人の間に大きな壁が出来たと感じてる。
そこで、この小説を読んだ時に(ああ、こんな時代もあったんだな…)と涙を流してしまった。
無くなってしまったんじゃなくて出せなくなってしまったんだと私は思ってる。
人には愛がある。絶対。
Posted by ブクログ
仲良しだった読書家の先輩が大学を卒業する時、ごり押しと共に私にくれた本。
最初に読んだ時も「好きだな」って思ったけど、最近再読してみて更に思うのは、私だったら絶対自分の手元に置いておきたいと思うのに、先輩はよく私に譲ってくれたなぁ、と。
挙げればきりがないんだけど、大なり小なり親や地元の期待を背負って故郷を離れたことのある人なら、じーんとくるものがあるんじゃないかな。
後半は、はやり反戦のメッセージが強く感じられました。原爆を経験した方の貴重なお話が、登場人物を通して語られています。
また、タイトルにもなっている「精霊流し」の章では、その行事、というか慣習そのものの切なさが感じられて、何度読んでも泣いてしまう章です。
こういう本にあとどれくらい出会えるのでしょう。
Posted by ブクログ
さだまさしさんの自伝的小説で、主人公、雅彦の子供時代から、アーティストになった後までの家族や友人とのいろんなエピソードが描かれている。
時代があちこち飛ぶので、初めはちょっとわかりにくかったが、ほとんどは別れに関するもので、人の縁のようなものを感じさせる話も多く、かなり泣けた。
個人的には、雅彦が子供の頃、誕生日に祖母が自分の好きなおにぎりをたくさん作ってくれたのに、プレゼントとしては不満で、それを態度に出してしまい、後でそれがお金がないせいだと思い当たり、後悔して謝ったときの祖母の対応や、長崎のお盆の行事、精霊流しに込める人々の思いが描かれたシーンなどが響いた。
Posted by ブクログ
歌手のさだまさし氏による、おそらく自伝的小説。長崎県出身で、バイオリンを習った主人公とプロフィールが重なる。
テーマは別れ。主人公雅彦が経験した大切な人たちとの別れを中心に、いろいろな時代背景で、ストーリーが進む。ところどころ時代が前後したり、登場人物がたくさんいるので混乱するが、さだ氏特有のやわらかな文章で優しい気持ちで読み進められる。
本書で初めて知った、長崎の精霊流し。手作りの小舟に灯篭を載せて川に流すイメージを勝手に想像していたが、もっとずっとスケールが大きいものだった。そしてそれは現在でも続いているようだ。一隻ずつ、その年に亡くなった故人の魂を送り流すように、長さ5メートルもの舟(型の神輿のようなもの)に、提灯をたくさんともし、爆竹を鳴らしながら町の目抜き通りを海に向かって運んでいくのだ。
大切な人たちとの別れは、温かく切ない。さだ氏の同名の曲もあるそうなので、今度聞いてみようと思う。
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