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Posted by ブクログ
仇討ちは江戸幕府に認められた法だった。
現代に「復讐法」として認められたなら
現在 法で裁くために被害者や被害者遺族は
悲しみを追体験させられる。
被害者を罵る大衆の偽正義感の声に苦しめられる。
いじめやすい人を選んだ加害者が悪いのに
なぜ責任も押し付けられるのか。
加害者のために被害者が手をかけなければ
また世に放たれる矛盾。
私の知らない遠いところで✖︎んじゃえばいいのに。
そう心で罵るのが私の限界。
関わりが無かったことには出来ない事実に
吐き気がする。
加害者と被害者遺族が向き合うシビアな状況が
応報監察官の語りで丁寧に描かれていた。
InstagramのKengo-book2さんの本紹介をきっかけに読んだ本なのだが
正解のない問いを抱え続ける忍耐力を試されている。
Posted by ブクログ
殺された人の代わりに、被害者に近しい人が犯人に同様の危害を加える事ができる「復讐法」が成立した世の中のお話
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大切な人を殺された者は言う。「犯罪者に復讐してやりたい」と。
凶悪な事件が起きると人々は言う。「被害者と同じ目に遭わせてやりたい」と。
20××年、凶悪な犯罪が増加する一方の日本で、新しい法律が生まれた。
それが「復讐法」だ。目には目を歯には歯を。この法律は果たして
被害者たちを救えるのだろうか。復讐とは何かを問いかける衝撃のデビュー作!
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復讐法は、犯人が被害者に対して行った行為を刑罰として執行することを認める法律
裁判の結果、復讐法が適用が認められた場合は、被害者、またはそれに準ずる者は「復讐法の選択権利者」として旧来の法に基づく刑罰か、復讐法による刑罰を執行するかを選択することができる
復讐法を選択した者は、自らの手で刑罰を執行する
物語は、復讐法執行の立会人「応報監察官」鳥谷文乃の視点で描かれr
復讐法を執行する「応報執行者」の傍らで、彼女は何を思うのか?
全五話
・サイレン:4日間に渡るリンチ殺人を行った4人組の主犯格の未成年と、殺された男の子の父親
・ボーダー:同居する祖母を牛刀で殺した孫と、その母という直系の3人
・アンカー:無差別通り魔殺傷事件を起こした心神喪失者と、死亡した3人それぞれの執行者の合議
・フェイク:孫を守るために子供をビルの屋上から突き飛ばした有名霊能力者と、母子家庭だった被害者の男の子の母
・ジャッジメント:実母とその内縁の夫の虐待によって餓死した幼女の兄で小学生の男の子
復讐刑は、必ずしも死刑の代替ではない
有期刑や心神喪失者の場合でも適用される
また、犯人が未成年でも適用されるのと
執行者が未成年に対しても適用される
ただ、この物語で描かれている事例では、少なくとも人は殺している
読んでいて、精神的に辛かった……
もし自分が復讐する役割を指名されたとして
「殺された家族が、私が犯人に手を下すことを望むだろうか?」と考えたら、私の家族は誰もそんな事を望まないだろうと思ったし
逆に私が誰かに殺されたとして、家族の誰かにその役割を果たして欲しいかと問われると、そんな事は望まない
でも、死刑という制度を私は容認していて
これって、刑の執行を当事者ではない誰かに肩代わりさせているだけなのでは?という疑問も湧いた
作中では、この法律に反対する人や団体もいるし
逆に「そんな犯人を許すな。殺せ」と執行者が復讐法を選択するように強要するような意見もある
1話を読むだけで、執行者の心理的な負担が容易に伺える
執行者の中には「この法があってよかった」と感謝する人もいるが、本当にそれでよかったのだろうか?とも思う
執行をしたことで、同時に自分も犯人と同じく人を殺してしまったという思い十字架を背負う人もいる
執行の直前や執行中に何もできなくなる人もいるし
執行中に自らの命を絶つ人もいる
執行者の心理的重圧はどれほどのものだろうか?
日本では昔、「仇討ち」が公式の制度化されていた
主君や尊属を殺害した者に対して私刑としての復讐
ある意味で、被害者家族の生きる望みにもなっていた可能性もある
または、義務か
読んでいて、応報の結果としての若干の爽快感もあるが、それ以上に執行者の苦しみが伝わってくる
意地の悪い私としては、最初のケースだと殺す一歩手前のところまで全部やってから復讐刑をやめて、生き地獄を味わわせるという事もできるなと思ってしまったが
実際に自分がそれを行えるかと問われると、できない気がする
最初の話は女子高生コンクリート詰め殺人事件をモチーフにしているだろうしし
三話は秋葉原通り魔事件
虐待死なんかは嫌なことではあるがちらほらとニュースでも目にする
死刑反対の意見や、犯人への憎悪や呪詛の言葉はネットに溢れかえっている
そう考えると、やはり現代と地続きの物語だなと感じる
心神喪失者に対する法的な扱いがちょっと気になった
執行者が現行法を選んだら不起訴となる理屈がわからない
「責任能力がないから罪に問わない」であって、起訴そのものがなかった事になるのはどんな理由があるんだろ?
実際は心神喪失者として無罪になってもそのまま社会に戻ってくることはないのだけれどね
ただまぁ、物語の中では責任の有無にかかわらず復讐するかどうか、という判断を執行者達に問いかけるためにそんな設定にしたのだろうな
執行者の判断により両極端な結果になる仕掛けになっている
刑罰の本質は「応報刑」か「目的(更生)刑」かという問いは前から考えてはいるが、自分の中で未だに結論が出ない
現行の制度では、更生を目的としており、被害者や被害者家族への配慮はされていないように感じる
一人を殺していながら、犯人はまず死刑にならない現行の制度は納得いかない人がいるのはわかる
復讐法では、執行する過程で、関係者への配慮がされている
ただ、被害者家族は報いる事はできるかもしれないが、いずれにしても救われない
人にとっては違う地獄の幕開けになる。
どうやらこの作品が作家さんのデビュー作のようだ
設定と文章や心理描写に、拙さや今一歩と感じる部分もある
けれども、この設定で最後の結末まで書ききったのは評価したい
映像の脚本家出身のようなので、その辺の設定のリアリティや心情描写に関しては書き慣れていないのかもと思った
Posted by ブクログ
なんか、こういう作品好きだぁ…ひたすら読んでいて苦しいけれど、個人的には好き!!
20XX年、凶悪犯罪増加に歯止めをかける目的で施行されたのが「復讐法」。被害者遺族は加害者に今まで通り旧法により裁かれるのを望むか、それとも自らの手で復讐をするのかを選択することができるというもの…。執行を見届けるのは応報監察官の鳥谷文乃…「復讐法」を選んだ被害者遺族の5つの短編集がこの作品です。
〇サイレン
未成年の少年にリンチ殺人された息子
応報執行者は父親
〇ボーダー
祖母を殺害した孫娘
応報執行者は母親
〇アンカー
心神喪失と偽り、無差別殺人を犯した青年
応報執行者は被害者たちの、母親、弟、婚約者の3名
〇フェイク
孫の危険を察知した予言者が、孫の友達を殺害
応報執行者は被害者の祖母
〇ジャッジメント
暴力、ネグレクトで餓死した幼女の実母と内縁の父
応報執行者は幼女の兄で10歳の少年
大切な人の命が突然凶悪な犯罪者の手で摘み取られてしまった時、どんなことを思うでしょうか?復讐にかられる?それでも赦す??私なら…嘆きますが、ビビりなので応報執行者にはなれないとは思います。でも、復讐したからって、応報執行者の気持ちが晴れるのか…そもそも、被害者が戻るわけではないのに…ね!読んでいて一番苦しかったのは最終話、表題作の「ジャッジメント」で泣きそうになりました。ここまでレビュー作っててわかったこと、この作品の加害者クズばっかりでしたよ!
Posted by ブクログ
ハンムラビ法典のごとく「復讐法」という新しい法律が制定された架空の現代が舞台です。
著者のデビュー作ということですが大変センスのある発想力だと感じました。
大切な人を理不尽に凶悪な事件で喪った人達が、その犯人に同じ手口で合法的に復讐するという物語です。
その復讐の場面に立ち会う応報執行官という立場の若い女性職員が主人公です。
連作短篇集となっています。
復讐を望む人達の深い苦悩と悲しみが押し寄せてくる内容です。
私はとても涙脆いので、よくある展開だと思いながらもめちゃくちゃ泣いてしまいました。
どの事件も現実でよく起きているものです。
特に目新しい事件はありません。
それが逆に恐ろしいです。
よくある事件、よく聞く物語、と片付けてしまうのは心が麻痺している証拠でしょうか。
決して起きてはいけない凶悪犯罪を無くすにはどうしたらいいのでしょうか。
私はきっと復讐を望むタイプの人間です。
それに気付かされたことも少し怖いです。
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