あらすじ
大切な人を殺された者は言う。「犯罪者に復讐してやりたい」と。凶悪な事件が起きると人々は言う。「被害者と同じ目に遭わせてやりたい」と。20××年、凶悪な犯罪が増加する一方の日本で、新しい法律が生まれた。それが「復讐法」だ。目には目を歯には歯を。この法律は果たして被害者たちを救えるのだろうか。復讐とは何かを問いかける衝撃のデビュー作!
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Posted by ブクログ
殺された人の代わりに、被害者に近しい人が犯人に同様の危害を加える事ができる「復讐法」が成立した世の中のお話
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大切な人を殺された者は言う。「犯罪者に復讐してやりたい」と。
凶悪な事件が起きると人々は言う。「被害者と同じ目に遭わせてやりたい」と。
20××年、凶悪な犯罪が増加する一方の日本で、新しい法律が生まれた。
それが「復讐法」だ。目には目を歯には歯を。この法律は果たして
被害者たちを救えるのだろうか。復讐とは何かを問いかける衝撃のデビュー作!
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復讐法は、犯人が被害者に対して行った行為を刑罰として執行することを認める法律
裁判の結果、復讐法が適用が認められた場合は、被害者、またはそれに準ずる者は「復讐法の選択権利者」として旧来の法に基づく刑罰か、復讐法による刑罰を執行するかを選択することができる
復讐法を選択した者は、自らの手で刑罰を執行する
物語は、復讐法執行の立会人「応報監察官」鳥谷文乃の視点で描かれr
復讐法を執行する「応報執行者」の傍らで、彼女は何を思うのか?
全五話
・サイレン:4日間に渡るリンチ殺人を行った4人組の主犯格の未成年と、殺された男の子の父親
・ボーダー:同居する祖母を牛刀で殺した孫と、その母という直系の3人
・アンカー:無差別通り魔殺傷事件を起こした心神喪失者と、死亡した3人それぞれの執行者の合議
・フェイク:孫を守るために子供をビルの屋上から突き飛ばした有名霊能力者と、母子家庭だった被害者の男の子の母
・ジャッジメント:実母とその内縁の夫の虐待によって餓死した幼女の兄で小学生の男の子
復讐刑は、必ずしも死刑の代替ではない
有期刑や心神喪失者の場合でも適用される
また、犯人が未成年でも適用されるのと
執行者が未成年に対しても適用される
ただ、この物語で描かれている事例では、少なくとも人は殺している
読んでいて、精神的に辛かった……
もし自分が復讐する役割を指名されたとして
「殺された家族が、私が犯人に手を下すことを望むだろうか?」と考えたら、私の家族は誰もそんな事を望まないだろうと思ったし
逆に私が誰かに殺されたとして、家族の誰かにその役割を果たして欲しいかと問われると、そんな事は望まない
でも、死刑という制度を私は容認していて
これって、刑の執行を当事者ではない誰かに肩代わりさせているだけなのでは?という疑問も湧いた
作中では、この法律に反対する人や団体もいるし
逆に「そんな犯人を許すな。殺せ」と執行者が復讐法を選択するように強要するような意見もある
1話を読むだけで、執行者の心理的な負担が容易に伺える
執行者の中には「この法があってよかった」と感謝する人もいるが、本当にそれでよかったのだろうか?とも思う
執行をしたことで、同時に自分も犯人と同じく人を殺してしまったという思い十字架を背負う人もいる
執行の直前や執行中に何もできなくなる人もいるし
執行中に自らの命を絶つ人もいる
執行者の心理的重圧はどれほどのものだろうか?
日本では昔、「仇討ち」が公式の制度化されていた
主君や尊属を殺害した者に対して私刑としての復讐
ある意味で、被害者家族の生きる望みにもなっていた可能性もある
または、義務か
読んでいて、応報の結果としての若干の爽快感もあるが、それ以上に執行者の苦しみが伝わってくる
意地の悪い私としては、最初のケースだと殺す一歩手前のところまで全部やってから復讐刑をやめて、生き地獄を味わわせるという事もできるなと思ってしまったが
実際に自分がそれを行えるかと問われると、できない気がする
最初の話は女子高生コンクリート詰め殺人事件をモチーフにしているだろうしし
三話は秋葉原通り魔事件
虐待死なんかは嫌なことではあるがちらほらとニュースでも目にする
死刑反対の意見や、犯人への憎悪や呪詛の言葉はネットに溢れかえっている
そう考えると、やはり現代と地続きの物語だなと感じる
心神喪失者に対する法的な扱いがちょっと気になった
執行者が現行法を選んだら不起訴となる理屈がわからない
「責任能力がないから罪に問わない」であって、起訴そのものがなかった事になるのはどんな理由があるんだろ?
実際は心神喪失者として無罪になってもそのまま社会に戻ってくることはないのだけれどね
ただまぁ、物語の中では責任の有無にかかわらず復讐するかどうか、という判断を執行者達に問いかけるためにそんな設定にしたのだろうな
執行者の判断により両極端な結果になる仕掛けになっている
刑罰の本質は「応報刑」か「目的(更生)刑」かという問いは前から考えてはいるが、自分の中で未だに結論が出ない
現行の制度では、更生を目的としており、被害者や被害者家族への配慮はされていないように感じる
一人を殺していながら、犯人はまず死刑にならない現行の制度は納得いかない人がいるのはわかる
復讐法では、執行する過程で、関係者への配慮がされている
ただ、被害者家族は報いる事はできるかもしれないが、いずれにしても救われない
人にとっては違う地獄の幕開けになる。
どうやらこの作品が作家さんのデビュー作のようだ
設定と文章や心理描写に、拙さや今一歩と感じる部分もある
けれども、この設定で最後の結末まで書ききったのは評価したい
映像の脚本家出身のようなので、その辺の設定のリアリティや心情描写に関しては書き慣れていないのかもと思った
Posted by ブクログ
なんか、こういう作品好きだぁ…ひたすら読んでいて苦しいけれど、個人的には好き!!
20XX年、凶悪犯罪増加に歯止めをかける目的で施行されたのが「復讐法」。被害者遺族は加害者に今まで通り旧法により裁かれるのを望むか、それとも自らの手で復讐をするのかを選択することができるというもの…。執行を見届けるのは応報監察官の鳥谷文乃…「復讐法」を選んだ被害者遺族の5つの短編集がこの作品です。
〇サイレン
未成年の少年にリンチ殺人された息子
応報執行者は父親
〇ボーダー
祖母を殺害した孫娘
応報執行者は母親
〇アンカー
心神喪失と偽り、無差別殺人を犯した青年
応報執行者は被害者たちの、母親、弟、婚約者の3名
〇フェイク
孫の危険を察知した予言者が、孫の友達を殺害
応報執行者は被害者の祖母
〇ジャッジメント
暴力、ネグレクトで餓死した幼女の実母と内縁の父
応報執行者は幼女の兄で10歳の少年
大切な人の命が突然凶悪な犯罪者の手で摘み取られてしまった時、どんなことを思うでしょうか?復讐にかられる?それでも赦す??私なら…嘆きますが、ビビりなので応報執行者にはなれないとは思います。でも、復讐したからって、応報執行者の気持ちが晴れるのか…そもそも、被害者が戻るわけではないのに…ね!読んでいて一番苦しかったのは最終話、表題作の「ジャッジメント」で泣きそうになりました。ここまでレビュー作っててわかったこと、この作品の加害者クズばっかりでしたよ!
Posted by ブクログ
著者お初。凶悪な犯罪が増加する日本で、新しい法律が制定された「復讐法」、この法律は被害者家族達を救えるのか?という近未来的なお話。五編からなる被害者家族の様々な葛藤はどれも深く考えさせられるし、「復讐法」で救えているとはとても思えない。作中、五十嵐の「報復できる権利を与えるが、やりたければ、相手と同じように自分の手でやれ、とな。実に残酷な話だ」に大共感。第2章の「ボーダー」はタイトルも秀逸だし、唯一救われた感もあったかな、と感じる。いやー、読み応えも十分だし、これがデビュー作とは、恐るべしであります。
Posted by ブクログ
『目には目を、歯には歯を、その心境や如何に?!』
被害者の家族が、自らの手で同じ手口で復讐できる『復讐法』復讐する人、復讐される人、復讐を監察する人、それぞれの複雑な心境を描く。悪法なのは間違いない…けど…救われる人、いるのかな?とても考えさせられる作品。
Posted by ブクログ
とても深く、考えさせられる内容でした。
よく、やられたらやり返せ とか
自分がされたのと同じようにして返せ と
どこからか聞いたり話したりした
記憶がありましたが、それは違うのかな…と
考えさせられる本でした。
Posted by ブクログ
2011年第33回小説推理新人賞
日本の近未来
「復讐法」が制定される
被害者の親族は自ら加害者に裁きを与える選択肢を持つ
各事件の5章から成り
それぞれの事件の被害者家族の心情と
加害者との関係性を
緊張感と苦悩をもって描かれていきます
復讐で被害者家族は救えるのか
どんなに考えても結論は出ないけれど
新人賞とは思えない作品で
各章の事件と復讐方法がよく考えられていて
それぞれが違った方向から考えさせてくれる
これが事件そのものの抑止力となるのであれば
一つの方法であるし
一部であっても 復讐で救われる被害者家族が居れば 一つの選択肢になるのかもしれない
と、思いました
Posted by ブクログ
悲しくて、やるせなくて、胸が苦しくなるお話だった。
特に最後の話が一番辛かった。
虐待やいじめなど、酷い事件をニュースで聞くたびに「犯人も同じ苦しみを味わえばいい」と何度も思ったことがある。
ただそれが現実に可能になったとしても、神様が罰を与えてくれるわけはなく、結局誰かが手を下さないといけない。
自分の大切な人が酷い殺され方をしたとして、同じことをやり返していい権利をもらったとしても、それを実行して新たな苦しみがプラスされるだけ。
かといって、許すことも忘れることも出来ない。
そう考えたら救われる道なんて何もないのかな、とも思える。
自分だったらどうするか、ずっと考え続けるだろう。
Posted by ブクログ
『復讐法』か…
犯罪者から受けた被害内容と同じことを合法的に刑罰として執行できる!
今って、殺された被害者より、生きてる加害者の方の人権ばかり…
なので、こういうのをテーマにした小説できるんやろな。
自分の子供が、めっちゃな殺され方したら、感情としては、殺してしまいたい気持ちは分かるし、私もそう思うやろうな。
しかし、自分の手で、刑を実施しないといけない(相手を殺す)ので…
加害者と同じで、クズな人殺しになるって事なんで。
その刑が執行されるのを短編集5篇にして描いてる。
どれも、刑を受ける人は、受けるだけの資格がある(要は、思いっきりクズってこと!)ので、同情はしないけど、執行する人、それに同伴する役人さんはツラい。
ほんまに、こんな事してええんかな?って思うもんな。
実際に、刑受けた人の事は、自業自得の面はあるけど、執行する側も、今後、まともに生きていけるとは思えず…
でも、もうその刑の執行を決めた時点で、後のことなんか考えてないんか…
う〜ん…
Posted by ブクログ
※
最終話のジャッジメントを読み終えて、
二の腕には鳥肌が立ち、背中は粟田って
身震いし、言葉では言い尽くしきれない
さまざまな感情に心が震えました。
第1章 サイレン
第2章 ボーダー
第3章 アンカー
第4章 フェイク
第5章 ジャッジメント
凶悪な犯罪に対し法改正で“復讐法“が生まれ、
被害者側が加害者へ合法的に復讐することが
認められるように変わった時代。
ただし、復讐の執行は被害者側が自らの手で
行い、かつ被害者が受けたことと同じことを
加害者に対して応報する。
大切な人を失った悲しみ、怒り、後悔、
憤り、喪失感、虚無感、やり場のない
さまざまな感情を抱えて思い悩む被害者と
関係の深い人たち。
大切な人を失ったとき、法に則って加害者に
復讐ができるとして実際に実行できるのか。
同じ痛みを相手に仕返しし、命を奪えば、
被害者の無念を晴らせるのか。
失った悲しみを乗り越えられるのか。
とても深いテーマでした。
Posted by ブクログ
倫理観に踏み込んだ重いテーマが心にガツンときた。
“目には目を歯には歯を”の「復讐法」は犯罪被害者たちに何らかの救いとなるのではと読み始めたが、五章とも遺族側がより苦悩と悲しみを深めて人間の複雑な心理を思い知る。
何より「復讐法」の刑の執行中でも、蛮行を悔い反省し自分が犯した罪の重さを自覚する加害者が誰一人いなかったことが虚しくてしょうがない。
何も期待せず、娘を殺した相手を黙々と埋めていった長瀬茂美のような執行ができたら「復讐法」を選んで救いと呼べるのかな。
どんな親でも見捨てず慕う子どもたちの無垢さに泣ける。
Posted by ブクログ
どの作品も驚愕のラストを迎える
☆四つは少しインフレかもしれないけれど、殺人に対する復讐が認められる法律制定を背景とする連絡は、どれも驚きの結末を迎える。その切れ味が新鮮で、しかも強烈で、久しぶりに別次元の世界に没頭することができた。
確かに設定そのものは非現実的ではあるものの、そんな法律があってもおかしくないと思うような昨今の世の中だからこそ活きる物語だと思う。それはそれで残念なんだが、大いなる悲劇に直面した時、自身が執行人を辞退する自信は私にはないように感じたなぁ。
Posted by ブクログ
「大切な人が殺された時、あなたは『復讐法』を選びますか?」衝撃的な問いで始まる物語は、復讐法の”残酷さ”を語っているようです。同時に”復讐の意味の無さ”も。
被害者の無念は、どうすれば救われるのだろうか。その家族はどう受け止めればいいのだろうか。加害者はどうすれば赦されるのだろうか。そして、裁判は正当な判断を下せない。ときに、加害者に優し過ぎたり、反省にならなかったり。だが、同害報復が解答とも思えない。きっと、被害者家族の願いはそこにはないのはないかと、と思えてしかたがない。
”復讐”は、選択肢としては「あり」かもしれないが、選んでほしくはない。「人を呪わば穴二つ」にならなければよいと祈る、ばかりです。特に、被害者家族が手を下すことには、…。
最後に考える。主人公をはじめとする応報監査官は、なぜ若手職員なのだろうか、と。この手のデリケート、しんどい業務であるならば、当然ベテラン職員が対応すべきと思う。もし、高齢者の価値が人生経験にあるとするならば、より高齢の職員が担当すべきではないかと。ふんぞり返っている部課長レベルの職員が率先して対応するベキだと考えるのは、私だけ?
Posted by ブクログ
表題作「ジャッジメント」を含む5編収録の連作短編集で、著者のデビュー作。表題作は2011年第33回小説推理新人賞を受賞した。
日本に復讐法というものがあったらという架空の設定だが、実に興味深い内容だった。復讐を実行するのは、殺された被害者遺族。しかも殺された方法と同じ方法で復讐を行うというもの。加害者のことを殺してやりたいとは思うのかもしれないが、それで被害者遺族の悲しみや憤りが救えるのかというと必ずしもそうとも言えない。自分も加害者になってしまうという意識が働くからだ。
人が人を裁くことの難しさや葛藤などを様々なシチュエーションから描き出しており、考えさせられることが多い。読み始めたときは「なんだ?この設定」と思ったが、読み進めていくうちに衝撃を受けてしまう。
Posted by ブクログ
被害者遺族が死刑執行ができる復讐法が施行された日本。
5編の短編集
人が人を裁くこと、人を許すこと、自分を許すこと
どれも難しい。
もっと相手と自分と向き合えば答えは出るのかなぁ…
単純な復讐劇にはならない心の流れにグッとくるところも。
色々と考えさせられる作品でした
Posted by ブクログ
大切な人が殺された時、あなたは『復讐法』を選びますか?ー。
初めての小林由香san。2作目の『罪人が祈るとき』と陳列されていて、罪人~のピエロの表紙に負けそうに(?)になりましたが、約10分間の葛藤の末、読むならデビュー作から!と手に取りました。
20xxに生まれた「復讐法」を担当する、応報監察官の鳥谷文乃を軸にした5つのお話し。復讐法の2つの条件がとてもリアルで、あっという間に読み終わりました。
復讐法
①裁判によりこの法の適用が認められた場合、被害者、またはそれに準ずる者は、旧来の法に基づく判決か、あるいは復讐法に則り刑を執行するかを選択できる。
②復讐法を選んだ場合、選択した者が自らの手で刑を執行しなければならない。
5話全て執行の描写が生々しく、直視できないシーンが多かったですが、受刑者、執行者、それぞれの家族、応報監察官の苦悩が伝わりました。
特に、第5章「ジャッジメント」の執行者の隼人少年と受刑者の母との会話は、胸が締め付けられる思いでした。
死ぬよりも苦しいのは見過ごすこと かも知れません。
【第33回小説推理新人賞】
Posted by ブクログ
死刑制度を国民自らの手で実行することができる日本で、執行者とそれを見守る監察官の繊細な心の動きが非常に詳しく表現されており、ショッキングな展開の連続に引き込まれてページをめくる手が止まらなかった。
霊能者の話はSNS等の匿名での発言が主流になった現代で起こり得る生々しいものだと感じる。誹謗中傷を受けた執行者は心身共に弱り正常な思考ではいられなくなってしまう。表舞台に立つ人間に対するネット上の人間の無配慮さと集団圧力の恐ろしさを痛感できる内容で、著者は主題となるテーマの隙間にこういった話を挟み込むのが非常に上手いなあと感嘆した。
Posted by ブクログ
(第33回小説推理新人賞受賞)
大切な人が殺された時
あなたは「復習法」を選びますか?
そんな帯の言葉に惹かれて買った本です。
20xx年、凶悪な犯罪が増加する一方の日本で、
新しい法律が生まれた。
それが「復讐法」
「復讐法」とは、犯罪者から受けた被害内容と同じ事を、
合法的に刑罰として執行できる法律。
昔で言うなら、「仇討ち」のようなものなのだが、
果たして、それで被害者の家族の気持ちが癒えるのかどうか・・・
窓のない部屋の椅子に座らされ、
鎖でつながれた加害者に対し、
悲惨な復讐が始まる・・・
刑を執行しようとする被害者の家族、
それを見守る応酬監査官という人たちの気持ちを想像するだけで、
心がギシギシと音を立てて痛む・・・
もしも、こんな法律ができたら・・・
衝撃的な秋の夜長の一冊でした。
Posted by ブクログ
この世に復讐法がある世界の話
復讐法の行使を見守る仕事側の目線
とても重くて、とても重かった
5つめの話が個人的に1番好み
兄妹ともに虐待をされてて、妹のみが亡くなった。
そにお兄ちゃんが妹のために復讐方を選ぶ
両親は確かに憎いし復讐したいけど
実は虐待の矛先が妹に向いたことで自分は安全だと安心してしまったその気持ちに苦しんでて、最終両親の解放を望んで自死を選ぶ
主人公が仕事を投げ出して助けようとしたけど最終助からなかった
わずか10歳
読んでて苦しくてどうしようもなかった
実際に復讐法があったらって今まで考えたこともあったけど改めて色々考えさせられた
考えても正解なんてきっとないけど。
復讐は有りか?
表題作で小説推理新人賞を受賞。この短編集がデビュー作となる。
被害者遺族が同じ殺害方法で加害者に対して合法的に復讐ができるという「復讐法」が施行されている仮想世界の話。
山田悠介さんの『復讐したい』が同様のテーマであるが、こちらの作品の方がリアリティーがあり、心情描写の深みがある。
自分は死刑廃止論者だが、自分の家族が惨殺されてもなお極刑を望まずに信念を貫けるだろうか?
ましてや、同じ手口で復讐するなんてことになったら、自分の心が壊れてしまいそうで、とてもできそうもない。
正義とは何か?を考えさせられる小説。
Posted by ブクログ
復讐の連鎖は止まらない。
殺すのは簡単、難しいのは赦すこと。
どんなことがあっても人を殺すのは良くないと言うのは簡単であるが、机上の空論に過ぎず、実際に自分の大切な人が殺された時果たして自分は赦すことができるのであろうか。
色々と考えさせられる小説であった。
Posted by ブクログ
昨日は飲み会でした♪
珍しい人からお誘いを受け、メンバーの中にはお初にお目にかかる関係会社の社長さんもいらしたのですが、その方が九州出身ということで、博多弁だったんです。
博多弁めっちゃいいですね!
その方がめっちゃ上品な方だったからなのか?何だか聞き惚れてしまいました(*´꒳`*)
方言っていいな。
私も遠州弁極めるにぃ〜!!
最近、ウルトラマンさんやおびのりさんが小林さんを読んでおられたので、私も読んでいなかったこの作品を購入してみました。
やってしまった。゚(゚´ω`゚)゚。
また短編だ。
だから当時買わなかったんだ!
最近こればっかり言ってる(-。-;
短編苦痛だわぁ。。。
物語が面白いとか、面白くないとかが分からなくなるくらい苦痛だわぁ。゚(゚´ω`゚)゚。
被害者に復讐してやりたい、被害者と同じ目に遭わせてやりたい。
そんなことが可能になる、復讐法という法律が生まれた。
応報監察官の鳥谷文乃は、被害者遺族の復讐を見届ける。
重たくてキツいお話でした。。。
私みたいなハッピー野郎にはしんどいお話たちでした。
特に子供が不幸に遭うのは、本当に辛いです。
最近読んだ本でも親の虐待やネグレクトの話があったけれど、目を逸らしたくなってしまう自分がいます。
読んでいる間、この物語を何処に着地させるのだろう???と思ったりもしましたが、よくこの物語を書ききったなぁ、、、と感心しました。
Posted by ブクログ
これは凄い作品だわ!
ある意味問題作だわ!
あなたは究極の選択を選べますか!?
もし、、、
もしですよ、、、
あなたの大切な人が殺されたら、、、
あなたは「犯罪者に復讐してやりたい!」と思いますか?
「被害者と同じ目にあわせてやりたい!」と思いますか?
つまり、殺してやりたいと思いますか?
私は、、、
きっと思うでしょう、殺してやりたいと!
そして、実際にそれができる法律が作られたらどうします?
犯罪者を殺すことができる法律、『復讐法』が作られたら、、、
復讐法は、犯罪者から受けた被害内容と同じことを合法的に刑罰として執行できるものである
ただし、復讐法を選んだ場合、選択した者が自らの手で刑を執行しなれけばならない
つまり、合法と言えどもあなたも人殺しになるのです
大切な人のために、復讐のためにあなたは人殺しになる勇気、覚悟はありますか?
そして、後悔はしませんか?
もう一度訪ねます、、、
大切な人が殺された時、あなたは『復讐法』を選びますか?
私は『復讐法』を選びま、、、
Posted by ブクログ
重たい。
事件が起きた真相。
登場人物の葛藤。
自分ならどうするだろう?
誰もが復讐では解決出来ないとは分かっていても、同じ目に遇わせてやりたいと言う思いはあるのではないか?
Posted by ブクログ
表題作は面白かった。
登場人物の苦悩がリアルに伝わる。ストーリー展開も意外性があって小説として面白い。
ただ、作中の拷問描写が読んでいて辛い。このトーンで一冊読み通すのは無理だと思い、途中脱落。
小説としてはクオリティーが高いと思うので、残酷描写に抵抗が少ない人にはおススメ。
Posted by ブクログ
うーーーーん。
この本を紹介されて、どんな復讐を選ぶのか。そんなこと言っても復讐するって相当の覚悟が必要だから本当にできるのかって思いながら読みました
個人的には、復讐には反対です
もし、私が殺されたとしても、家族には絶対に復讐なんてして欲しくない。殺した相手と、同じ立場になって欲しくない
逆は?と聞かれても、私の大事な人を殺した人を同じ様に殺そうとは、私には思えないでしょう
そうしたって、その人は帰っては来ない。悲しくて辛くて赦せなくても、生きることに意味がもてなくても。
結局復讐なんて、悲しみしか生まない
赦す、ということの意味を問われている気もします。相手を殺さないという判断をしたからといって赦すわけじゃない。赦すって難しい
Posted by ブクログ
近未来、凶悪犯罪が増加する中で、新しい法律が制定された。
『復讐法』と呼ばれるその法律は、目には目を歯には歯を、という趣旨で、被害者遺族が犯罪者に復讐するという...
・サイレン
・ボーダー
・アンカー
・フェイク
・ジャッジメント
の5篇
人が人を裁くことの難しさ、人を赦すこと、自分を赦すこと、それぞれのテーマ毎に、苦しみと悲しみが描かれます。
なかなか難しいテーマですね。
Posted by ブクログ
とてもショッキングな話。大切な人が殺された時に復讐法を選ぶか、、選択をすれば、応報執行者となり殺人した同じやり方で執行出来る。受刑者を前にして双方様々な葛藤がある。殺してやりたい程、憎いが自分の手でそれが出来るのか…執行しても心は救えるのか。辛い選択。
Posted by ブクログ
人が人と共生していく為の永遠の課題の一つ。
全員が正解と思う裁きはないだろう、けど人間社会が積み上げてきたのが今の法律や制度。
言える事は、本作の様な復讐はできなくても、被害者の立場にもっと寄り添った法律、制度になって欲しいとは個人的思う。
Posted by ブクログ
法の下、復讐しても救われない遺族。復讐法でまたさらに悩み苦しむ様は読んでいて苦しい。遺族vs加害者だけでなく、遺族同士や世間との葛藤も心が重たくなる。何が正しくて何が間違いかわからない中、選択しなければならないのは試練の場
題材はいいのに、各ストーリーがイマイチ。。。
同じ方法で完全に遂行するストーリーがない。
悩める題材に、悩むストーリー、悩む人たちだらけでちょっとつまらなかったかな。