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Posted by ブクログ
「わが母の記」には、著者が老耄の母への思いを記した「花の下」「月の光」「雪の面」の3編を収録しています。
著者には、『しろばんば』『夏草冬濤』『北の海』の自伝三部作があり、それらの作品のなかで著者の母は七重という名前で登場しています。おぬい婆さんと激しくやりあっていた気丈な著者の母が、若い頃へ向かって記憶を抹消していき、やがて著者の妹のもとで死を迎えるまでの叙述に、母に対する著者の静かな愛情が染みわたっているように感じました。
「墓地とえび芋」は、著者の作品のなかで個人的にもっとも好きなもののひとつです。京都の骨董屋に田黄の古印を買いに行った著者が、図らずも骨董屋の主人の葬式に参列することになり、田黄を買うはずの金で墓とえび芋を購入することになったいきさつが語られるエッセイ形式の佳品で、清澄な読後感のある短編です。
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