小説・文芸 - 創元推理文庫作品一覧
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4.0青年ピアニスト、アルトゥアは気がつくと見知らぬカフェにいた。どうやら死んでから50年後の世界に蘇ったらしい。そしてひょんなことから音楽大学の学生ベックと知り合い、浮世離れした学生たちと共同生活をはじめることに。常に古風な舞踏会用ドレスを着ている少女や、ブルガリア人の双子の霊媒たちと過ごす新しい人生には、どうして不思議な事件ばかり起きるのか。無気味な“怪人”の出現、リサイタルの妨害、そして殺人。そもそもなぜ蘇ったのか? 謎を解明するためアルトゥアと音大生たちは走る走る! 再会の秘密をめぐる傑作ミステリ。
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4.0予言された12番目のタイムトラベラーであることが判明したグウェンドリンは、タイムトラベル能力の調整のために行う“時間消化”中に、若き日の祖父に出会った。絶好のチャンスとばかりギデオンや〈監視団〉のメンバーには内緒で、ルーシーとポールがクロノグラフを盗んで逃亡した謎を解明しようと画策する。クロノグラフが12人のタイムトラベラーの血を読みこんだとき、いったい何が起きるのか? そしてグウェンドリンに固執するサンジェルマン伯爵の思惑は? ドイツで100万部突破。大人気のタイムトラベル・ファンタジー3部作、第2弾!
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4.0理想の王子さまは、なんと本物のプリンスだった! ガラスの靴とロイヤルウエディングの物語を主食に育った女の子たちがたいていそうであるように、わたしもかつて、プリンセスは生まれながらにプリンセスなのであって、あとからなるものではないと思っていた。そう、あの日までは……。わたし、エイミー・ワイルドはロンドンで庭師をしている。植物を愛することにかけては人に負けない自信とプライドがある。彼氏はいないけど、気の合うルームメイトにも恵まれ、充実した毎日だ。だが、その同居人のパーティーが、すべての始まりだった。スウィートでビターな、これぞ現代版シンデレラストーリー。
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4.0寒さで凍えそうな老いた郵便配達夫を見かねて、自宅であたたかいココアをふるまったナンシー。ところが親切があだとなり、玄関先に置いた配達中の手紙がまるごと盗まれてしまった。中にはロンドンからの謎の手紙や、父のカーソンあての書留も入っていた。ナンシーは手紙を取り戻すべく調査を開始する。一方盗まれた中にあった謎の手紙が、ナンシーと同姓同名の別人を捜しているとの内容だったことが判明。ふたつの謎をめぐり、おなじみベスとジョージの親友ふたりにボーイフレンドのネッドも加わって、ますます好調、少女探偵シリーズ第8弾。
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4.0バラクラヴァ郡の地元紙記者クロンカイトは、105歳の誕生日をひかえた女性ヒルダのインタヴューに農場を訪れたあと、近くにあるルーン石碑を見にいこうとして、偶然、作男の怪しい死亡事故に遭遇する。その後、彼がくだんの石碑のことを大々的に報じるや、やじ馬が大挙して押しよせ、農場一帯は混乱の極みに。さらに第二、第三の“事故”が起き、石碑をたてたヴァイキングの呪いか? とささやかれるなか、シャンディ教授はまたしても右往左往するはめになりつつも、事件解決をめざす。温かなユーモアが満載の、心の底から楽しめる傑作ミステリ第3弾。/解説=宮脇孝雄
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4.0ふるさと祭りの最中に突発する、ブラスバンドの男たちによる集団暴行事件。秘密結社イルミナティにかぶれる男子寄宿学校生らの、“生け贄”の生徒へのいじめが引き起こす悲劇。何不自由のない暮らしを送る主婦が続けてしまう万引き。麻薬密売容疑で逮捕された孤独な老人が隠す真犯人。――弁護士の「私」は、さまざまな罪のかたちを静かに語り出す。刑事事件専門弁護士の著者が、現実の事件に材を得て描きあげた15の奇妙な物語。世界各国を驚嘆せしめ、2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた『犯罪』を凌駕する至高の連作短篇集!/解説=杉江松恋
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4.01922年、ロンドン近郊。戦争で男手を喪い、母とふたりで暮らすフランシスは、生計のため広すぎる屋敷に下宿人を置くことにする。広告に応じたのは若い夫婦、レナードとリリアンのバーバー夫妻だった。家の中に他人がいる生活に慣れないフランシスだが、ふとしたきっかけからリリアンと交流を深めていく。公園でのピクニック、『アンナ・カレーニナ』の読書、そして互いの過去を知りあうことで……。いつしかふたりの女性に芽生えた感情は、この物語をどこへ運んでいくのか? 心理の綾を丹念に描いて読む者を陶酔させる、〈このミス〉〈週刊文春〉第1位作家・ウォーターズの傑作!
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4.0相も変わらずの天才的なテナーサックスの演奏と、鮮やかな推理を披露するいっぽうで、世事にはうとい永見緋太郎だが、クインテットを活動休止にして、海外で原点を見つめ直すという唐島に同行することになった。ニューヨークを皮切りに、シカゴ、そしてジャズの聖地ニューオリンズで永見と唐島が出合った不思議な出来事。あこがれのミュージシャンが遺した楽器を手に入れた唐島を襲った災難、ニューヨークで管楽器の盗難事件に巻き込まれた永見が見いだした真相など、全7編を収録。ジャズと不思議に満ちた、日本推理作家協会賞受賞シリーズ第3弾。/解説=法月綸太郎
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4.0オー・フィジェンティの大族長が、和平協定締結のために、モアン王国を訪れたその時、大族長とモアン国王を何者かの矢が襲った。どちらも命に別状はなかったが、襲撃がモアン側の陰謀だというオー・フィジェンティの主張に、両国は一触即発の危機に。モアン国王は自国の潔白の証明を、妹で法廷弁護士でもある修道女フィデルマに託した。襲撃者はすでに殺されていた。フィデルマはわずかな証拠を頼りに、相棒エイダルフ修道士と共に、襲撃に使われた矢の出処と思われるクノック・アーンニャに向かう。美貌の修道女が名探偵。好評シリーズ、長編第7弾。
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4.0ファーシーア一族を恨むパイボルド一派から、デューティフル王子をとりもどしたフィッツ。赤船の乱で六公国に大惨事をもたらした外島人とのあいだに平和を築くべく王妃ケトリッケンがとりまとめた神呪字諸島の族姫との婚約の儀は、つつがなく執り行われることになった。バックキープにやってきた族姫エリアニアはまだ十一歳。だが並々ならぬものを内に秘めた少女だった。華やかな婚約の宴の陰に潜む外島人の思惑は? かつての暗殺者兼間諜のフィッツはなんとか探りだそうとするが……。圧倒的スケールの異世界ファンタジー〈道化の使命〉第二部。
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4.0“およそ信じがたい異様な体験をした。それにつきご相談申しあげたし”――退屈に苦しむ名探偵ホームズに持ちこまれた、怪奇な雰囲気が横溢する事件「〈ウィステリア荘〉」。大英帝国の命運がホームズの推理にゆだねられる「ブルース=パーティントン設計書」。ワトスンが目にした、ベッドに横たわるホームズの衝撃的な姿「瀕死の探偵」。そしてシリーズの異色作の表題作のほか、全8編を収録する短編集。登場から一世紀以上がたったいまでもなお、さまざまなかたちで映像化されるなど、世界じゅうの人々を魅了する名探偵の事件簿。/収録作=「〈ウィステリア荘〉」「ボール箱」「赤い輪」「ブルース=パーティントン設計書」「瀕死の探偵」「レイディー・フランシス・カーファクスの失踪」「悪魔の足」「シャーロック・ホームズ最後の挨拶 ──ホームズ物語の終章」「解題=戸川安宣」「解説=日暮雅通」
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4.0六公国を危機に陥れた外島人の“赤い船団”が撃退されて十五年。王ヴェリティが去ったあと、王妃が一粒種の王子を守り育てながら、なんとか平穏に国を治めてきた。一方、ヴェリティの兄であった第一王子の庶子フィッツ、暗殺者の弟子で、今やファーシーア一族の〈技〉を継承する唯一の生き残りとなった彼は、絆を結んだ狼と、訳あって育てている孤児の少年とともに、隠遁生活を送っていた。だが、かつての師シェイドの突然の来訪が、彼を再び運命の渦に投げこむことに……。圧倒的なスケールの異世界ファンタジー〈ファーシーアの一族〉続編、壮大な三部作、堂々開幕。
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4.0アフガニスタンへの従軍から病み衰えて帰国した元軍医のワトスン博士。ロンドンで下宿を探していたところ、偶然に同居人を探している男を紹介され、共同生活を送ることになった。下宿先はベイカー街221番地B、相手の名はシャーロック・ホームズ――。ホームズとワトスン、永遠の名コンビの誕生であった。ふたりが初めて手がけたのは、空き家でのアメリカ人旅行者の奇妙な殺人事件。いくつもの手がかりから、ホームズの精緻な推理によって浮かびあがった驚きの真相の背景には、長く哀しい物語があった……。名探偵ホームズ初登場の記念碑的長編!/解題=戸川安宣、解説=高山宏
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4.0科学知識を駆使した奇想天外なミステリを描き、日本SFの先駆者と称される海野十三。鬼才が産み出した名探偵・帆村荘六が活躍する推理譚から、精選した傑作を贈る。麻雀倶楽部での競技の最中、はからずも帆村の面前で仕掛けられた毒殺トリックに挑む「麻雀殺人事件」。身元不明の美女の轢死事件に端を発した、神出鬼没の怪人“赤外線男”との対決を描く「赤外線男」。異様な研究に没頭する夫の殺害を企てた、妻とその愛人に降りかかる悲劇を綴る怪作「俘囚」。密書の断片に記された暗号と、金満家の財産を巡って発生した殺人事件の謎を解く「獏鸚」など、10編を収録した決定版。
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4.0一月四日の夕刻、ジェームズ・アンズウェルは結婚の許しを乞うため恋人メアリの父親エイヴォリー・ヒュームを訪ね、書斎に通された。話の途中で気を失ったアンズウェルが目を覚ましたとき、密室内にいたのは胸に矢を突き立てられて事切れたヒュームと自分だけだった――。殺人の被疑者となったアンズウェルは中央刑事裁判所で裁かれることとなり、ヘンリ・メリヴェール卿が弁護に当たる。被告人の立場は圧倒的に不利、十数年ぶりの法廷に立つH・M卿に勝算はあるのか。法廷ものとして謎解きとして、間然するところのない本格ミステリの絶品。/座談会 ジョン・ディクスン・カーの魅力=瀬戸川猛資、鏡明、北村薫、斎藤嘉久、戸川安宣(司会)/本座談会と『ユダの窓』について=戸川安宣
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4.0「盗まれたんです。家族を」1846年の真冬。創設まもないニューヨーク市警の警官ティムは、黒人の血が混じった女性ルーシーから助けを求められる。妹と息子が悪辣な逃亡奴隷捕獲人に拉致されたのだ。ティムは兄ヴァレンタインの助けを得て彼女たちを助け出し、兄の家に匿った。だが翌々日の朝、その家で首にローブの紐が巻きついたルーシーの死体を発見してしまう。兄に嫌疑がかかることを恐れたティムは死体を移動し、犯人を追って捜査を開始する。弱者への暴力や黒人奴隷売買が横行する苛酷な時代に、青年警官はただ一人真実を求め奔走する。/解説=酒井貞道
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4.06月2日早暁、久喜駅近くの線路沿いで男の射殺屍体が発見された。列車の屋根に乗ってそこまで運ばれた男は、労使抗争に揺れる東和紡績の西ノ幡豪輔社長と判明。敗色濃厚な組合側の妄動か、冷遇の憂き目に遭う新興宗教かと囁かれる中、最右翼と目される容疑者を追っていた当局は意外な線から彼の行方を知ることに。膠着する捜査を引き継いだ鬼貫警部は西ノ幡社長が貸金庫に預けていた写真に着目、あるかなきかの糸を手繰って京都から大阪へ、そして忘れじの九州へと足を運ぶ。そこで鬼貫が得たものは? 緻密なアリバイトリックを駆使し、第13回日本探偵作家クラブ賞を受賞した雄編。/解説=有栖川有栖
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4.0不気味なわらべ歌が残る英国中西部の炭鉱の村で、夫婦と幼児が突如失踪した。ロンドン警視庁のディ警部補とハマースミス巡査部長が捜索に派遣されたが、与えられたのはわずか二日間。採掘による坑道のため沈みつづけ、やがて滅びゆく運命にある村を襲う春の吹雪。原因不明の奇病が蔓延し、不気味な目玉が発見される中、正義を固く信じるディ警部補、我が身の危険を顧みないハマースミス巡査部長、愁いを帯びた法医学検査官キングスリーの苦闘が始まる……。迷信と因習に満ちた村の犯罪の闇と、刑事たちの光がせめぎ合う、ノンストップ警察小説。シリーズ第2弾!
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4.0きっかけは、高級老人ホーム〈海の上のカムデン〉の入居者向け娯楽活動が、どれもこれもつまらなくなったことだった。協議会で話し合いが持たれた結果、アンジェラ発案のスペイン語講座が始まり、さらには紆余曲折の末、“生きたスペイン語に触れるための”メキシコ旅行が実現のはこびとなる。アンジェラとキャレドニア以下参加者一行11人は、バスで行く添乗員つきツアーをおおむね楽しんでいた……初日の夜に、新入り入居者が突然の死に見舞われ、またもや事件の気配が漂いだすまでは。老人探偵団が異国の地で大騒ぎする、人気シリーズ第8弾。
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4.0高校時代「ルピナス探偵団」を称し様々な事件に遭遇してきた彩子、キリエ、摩耶、そして博学の少年・祀島。卒業から数年後、四人のうち、一人が不治の病で世を去った。久々に顔を合わせた三人に残されたのは、彼女が死を前にして百合樹の林に造らせた、奇妙な小路の謎だった。探偵団“最後の事件”を描く第1話「百合の木陰」から順に時を遡り、高校卒業式を目前に殺人が起きたルピナス学園で、彼らが授かった“祝福”を描く第4話「慈悲の花園」まで、物語は戻らぬ時間への郷愁を紡ぎ上げる。奇蹟のような輝きに満ちた少女探偵の“その後”を描く、〈ルピナス探偵団〉のシリーズ第2作。
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4.0古の神の眷属と信じられている『神王』一族が治めるシオン神王国。その最北に位置するラダッカでは、原因不明の死病が流行していた。極北での任務から帰還した〈蛇の目〉団の若き長ソローは、神王家から派遣された地形官の護衛と監視を命じられる。百二十年ごとに繰り返される吹雪と死病の原因は、神王国の根幹に関わる秘密にある、と地形官は語る。ラダッカを襲う異変はソローのみならず、彼の幼なじみ――騎士を目指す少女エネミアと、神王国を守護する〈剣の天使〉の後継者という宿命を負うゼンの未来をも変えようとしていた。圧倒的筆力で描く、ヒロイック・ファンタジーの傑作。解説=三村美衣
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4.0長閑なフランスの小村、サンドニ。村の唯一の警官にして警察署長であるブルーノは、狩猟仲間であるエルキュールから、トリュフ市に粗悪な中国産トリュフが紛れ込んでいる問題について調査を依頼される。だが聞き込みを始めた矢先、エルキュールが何者かに殺害されてしまう。彼はかつて、情報部に所属する伝説の秘密警察官だった。犯行に及んだ者はその過去を知っていたのか? さらに彼の友人であるヴェトナム人夫婦まで中国人犯罪組織に襲撃され……。圧巻の取材力と緻密な構成、そして驚愕の真相。ベテランジャーナリストが放つ傑作ミステリ!
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4.0酔った元小児科医がマンホールにはまって死亡。市会議員が山道を運転中にエアバッグが作動し、運転をあやまり死亡。どちらもつまらない案件のはずだった。事故の現場に、ひとりの娘の姿がなければ。片方の案件を担当していた先輩弁護士が、謎の死をとげていなければ。一見無関係な出来事の奥に潜むただならぬ気配。弁護士エヴェリーンはしだいに事件に深入りしていく。一方ライプツィヒ警察の刑事ヴァルターは、病院での少女の不審死を調べていた。オーストリアの弁護士とドイツの刑事、ふたりの軌跡が出合うとき、事件がその恐るべき真の姿をあらわし始める。ドイツでセンセーションを巻き起こした、衝撃のミステリ登場。
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4.0JFLから昇格して3年目、今年こそはJ1へと意気込んでみたものの、わがビッグカイト相模原は現在最下位。新人ストライカーだった元気くんはたくましく成長したはずなのに、絶不調で今シーズンはいまだノーゴール。試合を観戦しにくる女性が気になるらしい。ホペイロの僕はといえば、相も変わらず洗濯三昧。いえいえ、クラブのではなく。実はある女性と暮らしてます。でも、いつも慣れているからと掃除洗濯が僕の役目。プロサッカークラブのホペイロ(用具係)を務める坂上栄作のドタバタを、ユーモアと愛嬌たっぷりに描いた、ほのぼの連作ミステリ。第2シーズン、キックオフ!
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4.0窓ガラスいっぱいに、口紅を使って描かれた落書き。無言の電話。白紙の手紙。冷たい視線。そして彼女は悲鳴を絞り出した。きちんと揃えてあった彼女の靴が五、六足、今はことごとく、裏返しにされて置かれていたのである――そういえば先生、最近六本木界隈で流行っている噂、知ってる? お墓から少し離れた場所に一枚の紙が落ちているのを見つけ、何だろうと思って拾ってみると、それには謎々が書かれてあって――土砂崩れのせいで、地中に埋まっていた屍体が見つかったんだってさ。おや、屍体はふたつだ――いったい何が進行しているのか? 五里霧中の展開に眩暈を覚える異様な力作。少年探偵・牧場智久、第二の事件。
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4.0親友のベスとジョージが滞在しているシャドー牧場で、休暇をすごすことになったナンシー。ところが牧場では物が壊れたり事故が起きたり、伝説のアウトローの呪いがかかった幽霊の馬が出現したりと、気味の悪いことが続いていた。さらには、空港でナンシーの荷物が盗まれかけ、ベスとジョージが乗ってきた車は砂漠で立ち往生と、ナンシーの牧場行きを妨害しているかのようなことが次々と起こる。だが、そんなことでひるんでいては少女探偵の名がすたる。がぜん闘志をかき立てられたナンシーが、シャドー牧場の謎に挑む! 大人気シリーズ第5弾。
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3.9「われわれの契約は、これで終わりだ」彼が主人公のミステリを書くことに耐えかねて、わたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは探偵ダニエル・ホーソーンにこう告げた。翌週、ロンドンの劇場でわたしの戯曲『マインドゲーム』の公演が始まる。初日の夜、劇評家の酷評を目にして落胆するわたし。翌朝、その劇評家の死体が発見された。凶器はなんとわたしの短剣。かくして逮捕されたわたしにはわかっていた。自分を救ってくれるのは、あの男だけだと。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作!/解説=三橋曉
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3.91891年、英国で創刊したばかりの〈ストランド・マガジン〉が掲載したシャーロック・ホームズ譚は、爆発的な好評を博し、雑誌の売行きは一挙に数倍にはね上がった。この異常人気に他誌が黙っているはずはない。かくして陸続と独自の個性を誇る名探偵たちが登場し、名推理を競い合うことになった。彼らを通称して《シャーロック・ホームズのライヴァルたち》といい、名探偵の世紀が開幕する。本巻はアメリカの生んだ名探偵《思考機械》の活躍を描く名作を選りすぐった本格派ファン垂涎のコレクション第1巻!/【目次】《思考機械》調査に乗り出す/謎の凶器/焔をあげる幽霊/情報洩れ/余分の指/ルーベンス盗難事件/水晶占い師/茶色の上着/消えた首飾り/完全なアリバイ/赤い糸/解説=戸川安宣
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3.9僕の姉は怪談作家だ。本名にちなんだ呻木叫子というふざけた筆名で、専攻していた民俗学でのフィールドワークの経験を生かしたルポルタージュ形式の作品を発表している。ある日姉の自宅を訪ねた僕は、密室の中で両瞼を己の髪で縫い合わされて昏睡する姉を発見する。この常識を超えた怪事件は、彼女が取材中だった旅館〈影踏亭〉に出没する霊と関連しているのか? 姉を救う手掛かりを求めて宿へ調査に出向くことにした僕は、宿泊当夜に密室で起きた殺人事件の容疑者となってしまい……第17回ミステリーズ!新人賞受賞作ほか、全4編を収録。/【目次】影踏亭の怪談/朧トンネルの怪談/ドロドロ坂の怪談/冷凍メロンの怪談/解説=朝宮運河
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3.9江戸の片隅で養い子の千吉と暮らす青年弥助は、実は妖怪の子預かり屋。夜な夜な妖怪達が子供を預けにくるのだった。そんな弥助の家の外にそっとたたずむひとりの妖怪、人恋しそうな彼女を弥助は家に招き入れるが……「軒先にたたずむもの」、石地蔵そっくりの妖怪が子供を預けにきた。だが三人の兄弟は仲が悪く喧嘩ばかり……「仲の悪い三兄弟」、へちまそっくりの貸し道具屋の若旦那が拾った手鏡、そこには……「迷子のへちま」等、妖怪達のにぎやかで不思議な日常を描いた短編9編を収録。可愛くてちょっぴり怖いお江戸妖怪シリーズ第3弾。/【目次】プロローグ/軒先にたたずむもの/仲の悪い三兄弟/迷子のへちま/蛍狩り/秘密の茶飲み仲間/蛙達の家探し/冬の訪れ/年末の餅つき/鼓丸(つづみまる)の毛/あとがき
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3.9かつてはナチの残党を、現在は独裁者や犯罪者を標的としてきた暗殺組織〈美術館〉。社会に害を為す人物の抹殺に40年を捧げてきた60歳のビリーたち女性暗殺者4人は、引退の日を迎えた。それを記念するカリブ海クルーズに出かけたが、彼女たちを殺すため、組織から刺客が送り込まれたと判明する。生き延びるには、知恵と暗殺術を駆使して組織に反撃するしかない。もはや若くはない肉体と輝かしくもほろ苦い思い出を抱え、ビリーたちは殺すか殺されるかの危険な作戦を練りはじめる──。MWA賞候補作の著者が贈る、極上のエンターテインメント!/解説=村上貴史
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3.9オリーヴ・マーティン――六年前、母親と妹を切り刻み、それをまた人間の形に並べて、台所の床に血みどろの抽象画を描いた女。嫌悪と畏怖をこめて彫刻家と呼ばれるこの無期懲役囚について一冊書け、と版元に命じられたライターのロズは、覚悟を決めて取材にかかる。まずはオリーヴとの面会。並はずれた威圧感に震え上がったが、相手は意外にも理性の閃きをのぞかせた。かすかな違和感は、微妙な齟齬の発見をへて、大きな疑問に逢着する……本当にオリーヴがやったのか? 謎解きの興趣に恐怖をひとたらし。その絶妙な匙加減が、内外で絶賛を博した、ミステリの新女王の出世作。MWA最優秀長編賞に輝く、戦慄の第二長編!
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3.9黒いダイバースーツに身を包み、浴室で首をくくっていた男。赤ん坊を死なせた夫の罪を肩代わりし、3年後に出所の日を迎えた母親。静寂の中で余生を暮らし、夏の終わりに小銃に弾を込めた湖畔の住人。犯罪組織のボスとして人身売買の罪で起訴された男と、彼を弁護することになった新人弁護士。──唐突に訪れる犯罪の瞬間には、彼ら彼女らの人生が異様な迫力をもってあふれだす。刑事専門の弁護士として法廷に立つ傍ら、デビュー作『犯罪』で本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた当代随一の短篇の名手が、罪と罰の在り方を鮮烈に問う12の物語。/【目次】参審員/逆さ/青く晴れた日/リュディア/隣人/小男/ダイバー/臭い魚/湖畔邸/奉仕活動(スボートニク)/テニス/友人/訳者あとがき/解説=千街晶之
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3.9千吉は大好きな兄、弥助を守るための力がほしいと、共に育った半妖の双子と一緒に妖怪奉行所西の天宮の奉行、朔ノ宮に弟子入りした。ところが仕事は雑用ばかりで一向に術らしい術を教えてくれない。ようやくひとつだけ教えてくれた術もなんの役に立つのかわからぬ始末。楽しそうな双子とは対照的に、千吉の苛立ちはつのるばかり。そんなある日、弥助に子妖を預けた化け獺が、期日を過ぎても迎えにこない。兄との時間を邪魔されて腹が立った千吉は、双子を巻き込んで化け獺を捜す決心をした。大人気の〈妖怪の子、育てます〉シリーズ第2弾!
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3.9『メインテーマは殺人』の刊行まであと3ヵ月。プロモーションとして、探偵ダニエル・ホーソーンとわたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは、初めて開催される文芸フェスに参加するため、チャンネル諸島のオルダニー島を訪れた。どことなく不穏な雰囲気が漂っていたところ、文芸フェスの関係者のひとりが死体で発見される。椅子に手足をテープで固定されていたが、なぜか右手だけは自由なままで……。傑作『メインテーマは殺人』『その裁きは死』に並ぶ、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊!/解説=若林踏
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3.9皇帝の末娘アルスルは、特別な才能もなく人づきあいも苦手で、いつも皆にがっかりされていた。そんなある日、舞踏会に出席していた彼女の目の前で、父が何者かに暗殺されてしまう。アルスルは皇帝殺しの容疑で捕えられ、無実の訴えも空しく帝都での裁判で死刑を宣告される。部族の裁判を受けるため、一族の所領である城郭都市ダーウィーズに護送されたアルスルを待っていたのは、鍵の城の城主リサシーブ。だがその正体は……。人よりも優れた能力をもつ獣、人外が跋扈する世界を舞台に、変わり者と言われた少女の運命を描く異世界ファンタジイ。
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3.9「ちょっと待ってほしいのだが」私はトムという名の猫に話しかけた。猫に喋りかけていること自体、眩暈を覚える思いだったが致し方ない。前には猫がおり、自分は身動きが取れず、しかもその猫が私に理解できる言葉を発しているのは事実なのだ。目を覚ましたら見覚えのない土地の草叢で、蔓で縛られ、身動きが取れなくなっていた。仰向けの胸には灰色の猫が座っていて、「ちょっと話を聞いてほしいんだけど」と声を出すから、驚きが頭を突き抜けた。「僕の住む国では、ばたばたといろんなことが起きた。戦争が終わったんだ」――伊坂幸太郎、十冊目の書き下ろし長編は、世界の秘密についてのおはなし。野心的傑作。/解説=松浦正人
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3.9管内の美術館から子どもがひとり消えた。愛称はドド、バットマンのフィギュアを片時も離さない十歳の少年だ。激高しやすいロマーノと気取り屋アラゴーナのコンビが初動捜査を進めるうち、事件は誘拐らしき様相を呈してくる。いっぽうロヤコーノ警部が担当するのは、スポーツジム経営者夫婦の自宅が空き巣にはいられた一件。室内は荒らされているものの、金品が盗られた様子はない。さらに副署長が独自に調べる一連の自殺案件にも新たな展開が……。ナポリの街で同時進行する事件をP分署の型破りな刑事たちが追う、〈21世紀の87分署〉シリーズ!/解説=川出正樹
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3.9短編を書かせては随一の巨匠の代表的作品集を新訳でお贈りします! 雪の上の足跡をめぐる謎を描いた「笑う肉屋」、緊迫感溢れる「叫べ、沈黙よ」、人間の想像力を巧みに利用した「世界が終わった夜」、江戸川乱歩編の名アンソロジー『世界推理短編傑作集』に選出された「危ないやつら」、夫婦間の秘密を描いた表題作まで、さまざまな逸品が揃っております。奇抜な着想、軽妙なプロットで結末の一行まで先を読ませない、まさに名作ばかり! どこから読まれても結構です。ただし巻末の「後ろを見るな」だけは、ぜひとも最後にお読みください。/【収録作】笑う肉屋/四人の盲人/世界が終わった夜/メリーゴーラウンド/叫べ、沈黙よ/アリスティードの鼻/背後から声が/闇の女/キャスリーン、おまえの喉をもう一度/町を求む/歴史上最も偉大な詩/むきにくい小さな林檎/出口はこちら/真っ白な嘘/危ないやつら/カイン/ライリーの死/後ろを見るな/収録作原題/解説=小森収
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3.9下町の小さなフレンチ・レストラン、ビストロ・パ・マルはカウンター七席、テーブル五つ。フランスで料理修業をしてきた変人シェフ三舟さんの気取らない料理が大人気。実はこのシェフ、客たちの持ち込む不可解な謎を鮮やかに解いてくれる名探偵でもあるのです。消えたパティシエが残したことば「マカロンはマカロン」の意味するものは? 蝶ネクタイが似合う素敵な大学教師が経験した悲しい別れの秘密とは? 豚足をめぐる少年と母親の再婚相手との物語等々、胸を打つ話ばかり。メインディッシュもデセールも絶品揃い。きっとご満足いただけます。【収録作】「コウノトリが運ぶもの」/「青い果実のタルト」/「共犯のピエ・ド・コション」/「追憶のブーダン・ノワール」/「ムッシュ・パピヨンに伝言を」/「マカロンはマカロン」/「タルタルステーキの罠」/「ヴィンテージワインと友情」/解説=若林踏
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3.9アクランド英国軍中尉は、派遣先のイラクで爆弾によって頭部と顔面に重傷を負い、片目を喪失する。昏睡から目覚めた彼は他人にふれられると暴力的になり、極端な女性嫌悪を示して看護師や精神科医を戸惑わせていた。退院後、除隊した彼はロンドンに住むが、暴力事件を起こしたことがきっかけで警察に拘束されてしまう。近隣では、軍歴のある一人暮らしの男性ばかりが自宅で殴殺されるという事件が続発しており、警察の捜す犯人像に合致しているアクランドは尋問されるが……。〈現代英国ミステリの女王〉が巧みな心理描写で紡ぐ傑作サスペンス。/解説=三橋曉
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3.9その白骨は干上がった湖底で発見された。頭蓋骨には殴られたらしい穴があり、壊れたソ連製の盗聴器が体に結びつけられている。30年以上前の事件らしいことから、エーレンデュル捜査官の手に捜査が委ねられた。丹念な調査の末、ある失踪事件が浮かび上がる。アイスランド全土をまわっていた農業機具のセールスマンが、婚約者を残し消息を絶っていたのだ。男の名は偽名で、彼の身分証明記録は一切なかった。男は何者で、何故消されたのか? 捜査が浮かびあがらせたのは、時代に翻弄された哀しい人々の真実だった。北欧ミステリの巨人渾身の大作。ヨーロッパミステリ大賞、バリー賞受賞!
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3.9「わたしたちはこれから、新しくオープンしたお店、パティスリー・コギ・アネックス・ルリコに行って新作マカロンを食べます」その店のティー&マカロンセットで注文できるマカロンは三種類。しかし小佐内さんの皿には、あるはずのない四つめのマカロンが乗っていた。誰がなぜ四つめのマカロンを置いたのか。それ以前に、四種の中で増えたマカロンはどれか。「ぼくが思うに、これは観察力が鍵になる」小鳩君は早速思考を巡らし始める……。心穏やかで無害で易きに流れる、誰にも迷惑をかけない小市民になるべく互恵関係を結んだあのふたりが帰ってきました! お待ちかねシリーズ十一年ぶりの新刊、四編収録の作品集登場。/【収録作】「巴里マカロンの謎」/「紐育チーズケーキの謎」/「伯林あげぱんの謎」/「花府シュークリームの謎」
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3.9正当防衛とはいえ、人を殺したことに苦しむヴァランダー。このまま警察官を続けるか否か、長期休暇を取りデンマークの海岸で悩む彼のもとへ友人の弁護士が訪ねてきた。同じ弁護士の父親が交通事故で死亡したが、腑に落ちない点があると言う。しかしヴァランダーに他人の悩みに力を貸す余裕などなかった。ついに警察を辞める決心をし、イースタに戻った彼が見たのは、自分が助力を拒み突き放した友人の死亡記事だった。他殺である。急拠、意を翻して復職し、事件を追い始めた彼の身に、犯人の魔の手が迫る。ゴールドダガー受賞人気シリーズ第4弾。/解説=関口苑生
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3.9浅草にある老舗おもちゃ会社で働く富田宝子は、楚々として控えめな外見とは裏腹に、好きなものに対するパワーと想像力の豊かさを以て、敏腕プランナーとして活躍している。彼女は取引先のデザイナー西島に恋をしているが、5年も想いを伝えられずにいた。何の因果か次々に災難に見舞われる彼のため、持ち前の機転と自社のおもちゃを駆使しSPのごとくトラブルを解決していく宝子。けれど西島は宝子の奮闘にはまったく気がつかず?! 同僚や同居人も巻き込んで、宝子の恋が向かう先は――。ひとりの女性が大切な気持ちと向き合うまでを描く物語。/解説=松井ゆかり
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3.97年ぶりに、「盛綱陣屋」の微妙役への出演依頼があった老歌舞伎俳優・中村雅楽。しかし、雅楽は子役の配役が気にいらず、出演をなかなか快諾しない。そんな中、法要のため大阪を訪れた雅楽は、友人の竹野記者とともに帰京する新幹線のグリーン車で、一人の幼い少女と隣同士になる。東京へ到着する直前に「陣屋」への出演を決意した理由とは? 《中村雅楽探偵全集》第二巻は、第29回日本推理作家協会賞を受賞した「グリーン車の子供」を含む全18編。日本推理作家協会賞受賞時の著者の言葉など、資料も併録。【収録作】「ラッキー・シート」/「写真のすすめ」/「密室の鎧」/「一人二役」/「ラスト・シーン」/「臨時停留所」/「隣家の消息」/「美少年の死」/「八人目の寺子」/「句会の短冊」/「虎の巻紛失」/「三人目の権八」/「西の桟敷」/「光源氏の醜聞」/「襲名の扇子」/「グリーン車の子供」/「日本のミミ」/「妹の縁談」/徳間ノベルズ版『グリーン車の子供』 あとがき=戸板康二/受賞の言葉=戸板康二/創元推理文庫版解題=日下三蔵
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3.9江戸川乱歩に見いだされ、旧「宝石」誌に掲載された「車引殺人事件」にはじまる、老歌舞伎役者・中村雅楽の推理譚。複雑な人間模様の歌舞伎界、芸能界を中心に起こる様々な事件や謎を竹野記者が持ち込むや、鮮やかに解き明かす。美しい立女形の失踪事件を解決する「立女形失踪事件」。旅先の旅館で自刃を遂げた八代目市川團十郎の謎を読み解く、第42回直木賞受賞作「團十郎切腹事件」など全18編。立風書房版作品ノートをはじめ、講談社文庫版後記なども併録。ミステリ史に燦然と輝く、中村雅楽の名推理の数々を完全収録する《中村雅楽探偵全集》堂々開幕!【収録作】「車引殺人事件」/「尊像紛失事件」/「立女形失踪事件」/「等々力座殺人事件」/「松王丸変死事件」/「盲女殺人事件」/「ノラ失踪事件」/「團十郎切腹事件」/「六スタ殺人事件」/「不当な解雇」/「奈落殺人事件」/「八重歯の女」/「死んでもCM」/「ほくろの男」/「ある絵解き」/「滝に誘う女」/「加納座実説」/「文士劇と蠅の話」/河出書房新社版『車引殺人事件』 序=江戸川乱歩/旧「宝石」所収各編解説=江戸川乱歩/立風書房版『團十郎切腹事件』 作品ノート=戸板康二/立風書房版『奈落殺人事件』 作品ノート=戸板康二/講談社文庫版『團十郎切腹事件』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵
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3.9高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。週刊深層編集部の都留は、フリージャーナリストの太刀洗と合流して取材を開始するが、徐々に事件の有り様に違和感を覚え始める。太刀洗はなにを考えているのか? 滑稽な悲劇、あるいはグロテスクな妄執――己の身に痛みを引き受けながら、それらを直視するジャーナリスト、太刀洗万智の活動記録。日本推理作家協会賞受賞後第一作「名を刻む死」、土砂崩れの現場から救出された老夫婦との会話を通して太刀洗のジャーナリストとしての姿勢を描く「綱渡りの成功例」など粒揃いの6編。第155回直木賞候補作。/解説=宇田川拓也 ※本作品は 2018年3月22日まで販売しておりました単行本電子版『真実の10メートル手前』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。
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3.9FBI特別捜査官のヴィクターは、若い女性の事情聴取に取りかかった。彼女は〈庭師〉と呼ばれる男に拉致された10名以上の女性とともに警察に保護された。滝や小川があり、蝶が飛びかう楽園のような〈ガーデン〉――完全防音で随所に監視カメラが設置され、外界から隔離された秘密の温室に、彼女たちはコレクションとして軟禁されていたのだ。女性の口からじわじわと明かされていく事件の全貌に、恐ろしい犯罪に慣れているはずの捜査官たちが戦慄する。おぞましくも美しいこの地獄でいったい何が起きたのか。一気読み必至、究極のサスペンス!
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3.9しとしとと雨降る梅雨の夜、太鼓長屋で養い親の千弥と暮らす弥助のもとに、一人の客が訪ねてきた。化けいたちの宗鉄と名乗る男は、妖怪の子預かり屋の弥助に、八歳になる娘を預けたいという。山奥で、他人と接することなく暮らしていたのだが、母親が亡くなり男手ひとつではどうにもならなくなったのだ。女の子の名はみお。母親が亡くなる少し前から、父に対して心を閉ざしていた。白いお面をつけ、ひたすら周囲を拒絶するみお。だが、弥助のもとに預けられる子妖怪達と接するうちに、みおに変化が……。大人気のお江戸妖怪ファンタジー第4弾。
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3.9俳優を夢見てNYにやってきたエミリーは、念願かなって舞台で主役を獲得し脚光を浴びたその晩、忽然と姿を消してしまった。だが、姉のソフィーにはわかっていた。妹は妖精にさらわれたのだ。なぜならソフィーはかつて妖精の世界を訪れ、踊りを教えてもらったから。今頃になってあのときの対価を支払えというのか? とはいえ、警察に話しても信じてはもらえまい。ソフィーは、エミリーの友人の親切な刑事マイケルの追及をかわしつつ、妹を捜し始める。『ニューヨークの魔法使い』の著者が贈る、ロマンティックな現代のフェアリーテイル開幕。
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3.9ピレネーの旧家デュ・ラブナン家のイヴォンは、スペイン戦争の際レジスタンスに参加し、失踪する。同家の小作人、ジョゼフ・ラルースはイヴォンと行動を共にするが、単独で帰国後、イヴォンから山を贈与されたと主張し、そこに鉱脈が発見されたため裕福となった。二十年後、死んだはずのイヴォンから手紙が届き、裁きが行なわれるだろうと無気味な予告をしてくる。それが現実となって、ジョゼフの次女オデットの首を切り取られた惨殺死体が発見される……。司法警察のモガール警視の娘ナディアと不思議な日本人青年矢吹駆は真相究明を競い合う。日本の推理文壇に新しい一ページを書き加えた笠井潔の華麗なるデビュー長編。
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3.9女は裸で波間にただよっていた。脳裏をよぎるのは、陵辱されたことではなく、手指の骨を折られたことだった。――そして小石の浜に打ち上げられた遺体が発見される。被害者は長時間泳いだ末に力尽き、溺死していた。一方、死体発見現場から二十キロ以上離れた港町では幼女が保護される。彼女は被害者の三歳になる娘だった。なぜ犯人は母親を殺したのに娘を無傷で解放したのか? 海を恐れ船に乗らなかった女性がなぜ溺死したのか? 凄惨きわまりない事件は、被害者をめぐる複雑な人間関係を暴き出す。現代英国ミステリの女王が放つ稀代の雄篇。/解説=杉江松恋
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3.9魔導士が差別され、虐げられている国ラバルタ。田舎で私塾を開いている三流魔導士レオンは、魔導士の最高機関〈鉄の砦〉からひとりの少年を託される。幼くして家族をラバルタの騎士に殺され、桁違いの魔導の潜在能力がありながら、学ぶことを拒む少年ゼクス。頑なだった少年は、レオンの辛抱強い指導の下で才能を開花させていく。やがてその力を認められ〈鉄の塔〉に召還されたゼクスだったが、貴族の魔導士アスターとの出会いが彼の、そして王国の運命を大きく変えていく。第1回創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞の本格異世界ファンタジイ。/解説=三村美衣
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3.9ぼくが1年A組の幽霊になって、一月が経過した――高校に入学したばかりのころの失敗によってクラス内で孤立し、いまでは幽霊扱いされている一居士架(いちこじかける)。惨めな日常を過ごしながらも限界を感じていた架は、十月の席替えで前の席になった玖波高町(くばたかまち)に突然話しかけられる。それは彼の苦しみに満ちた毎日に変化をもたらす、小さくも確かな予兆だった。時を同じくして、校舎の周辺では蝶結びのメッセージを残した動物の死骸が相次いで発見され、休みがちになった高町は何かに思い悩むような様子を見せはじめる……。圧倒的な筆力と繊細な技巧が紡ぎ出す、静謐な感動に満ちた青春ミステリ。/解説=大森望
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3.9名ヴァイオリン職人ジャンニのもとに一挺のグァルネリが持ちこまれた。天才演奏家パガニーニ愛用の名器“大砲(イル・カノーネ)”で、コンクールの優勝者エフゲニーがリサイタルで弾く予定だった。修理を終えた翌日、リサイタルに来ていた美術品ディーラーの撲殺死体が発見される。彼はホテルの金庫に黄金製の箱を預けていた。中にはエリーザという女性がパガニーニに宛てた1819年の古い手紙があり、彼女がパガニーニに何かを贈ったことが書かれていた。殺人事件解明の手がかりなのか? 名職人にして名探偵が“悪魔のヴァイオリニスト”をめぐる謎に挑む!/解説=青柳いづみこ
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3.9弥助は十二歳。養い親である按摩、千弥と共におんぼろ長屋暮らしをしている。貧乏ながらも平和な毎日を過ごしていたが、ある夜、いきなり恐ろしげな烏天狗にさらわれ、妖怪奉行所に連れていかれる。悪夢を見た弥助が鬱憤晴らしに割ってしまった石が、子預かり妖怪うぶめの住まいだったというのだ。妖怪の御奉行に、「罰として、新たな住まいが見つかり、うぶめが戻るまで、うぬが妖怪子預かり屋になれ」と命ぜられる弥助。それからというもの、次々と家にやってくる子妖怪達に振り回される日々が始まるが……。心あたたまるお江戸妖怪ファンタジー。
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3.9比類なく美しい庭園オーブランの女管理人が殺害された。犯人は狂気に冒された謎の老婆で、犯行動機もわからぬうちに、次いで管理人の妹が自ら命を絶つ。彼女の日記を手にした「私」は、オーブランに秘められた恐ろしい過去を知る……楽園崩壊に隠された驚愕の真相とは。第7回ミステリーズ!新人賞の佳作となった表題作の他、醜い姉と美しい妹を巡るヴィクトリア朝犯罪譚「仮面」、昭和初期の女学生たちに兆した淡い想いの意外な顛末を綴る「片想い」など、異なる場所、異なる時代を舞台に“少女”という謎(ミステリ)を描き上げた、瞠目のデビュー短編集。/解説=瀧井朝世
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3.9一生愛しつづけると誓った妻を殺めた老医師。兄を救うため法廷中を騙そうとする犯罪者一家の末っ子。彫像『棘を抜く少年』の棘に取り憑かれた博物館警備員。エチオピアの寒村を豊かにした、心やさしき銀行強盗。――魔に魅入られ、世界の不条理に翻弄される犯罪者たち。高名な刑事事件専門の弁護士である著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを鮮やかに描き上げた珠玉の連作短篇集。クライスト賞ほか文学賞三冠、2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた傑作。単行本より改訂増補された最新決定版!/解説=松山巖
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3.91154年、グラストンベリー一帯を襲った地震の直後、ひとりの老修道士が息を引き取った。アーサー王の埋葬を見たと甥に言い残して。そして月日は流れ1176年、話を聞きつけたイングランド国王ヘンリー二世の命により、町ごと大火で焼失した大修道院の墓地から、二体の骨が掘り出される。遺骨は伝説のアーサー王とその妃グウィネヴィアのものなのか? 住み慣れたケンブリッジを追われた女医アデリアは国王の依頼により、供を連れ骨の鑑定に赴くが、その途上で友人エマの身に異変が起きたことを知る……。CWA最優秀歴史ミステリ賞シリーズ第3弾。/解説=千街晶之
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3.9十六歳の「あたし」ことグウェンドリンが“めまい”に襲われたのは高校のカフェテリア。それがすべての始まりだった。そもそもタイムトラベラーとして期待され、準備万端ととのえていたのは、いとこのシャーロットだったのだ。ところが実際に過去に飛んだのは、何の準備もしていないあたし。相棒になったギデオンは気絶しそうにステキなんだけど、鼻持ちならない嫌なやつで、あたしのことなんかバカにしてる。あたしだって好きでタイムトラベルしてるんじゃないのに。ドイツで百万部突破。大人気のタイムトラベル・ファンタジー三部作、第一弾!
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3.9この地方で、かつて隆盛を極めたエアーズ家は、第二次世界大戦終了後まもない今日では斜陽を迎え、広壮なハンドレッズ領主館に逼塞していた。かねてからエアーズ家に憧憬を抱いていたファラデー医師は、ある日メイドの往診を頼まれたのを契機に、一家の知遇を得る。物腰優雅な老婦人、多感な青年であるその息子、そして令嬢のキャロラインと過ごす穏やかな時間。その一方で、館のあちらこちらで起こる異変が、少しずつ、彼らの心をむしばみつつあった……。悠揚迫らぬ筆致と周到な計算をもって描かれる、たくらみに満ちたウォーターズの傑作。ブッカー賞最終候補作。
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3.9名家バスカヴィル家の当主チャールズが怪死を遂げた。激しくゆがんだ表情を浮かべた死体の近くには巨大な犬の足跡があり、土地の者は全身から光を放つ巨大な生き物を目撃していた。それらが示唆するのは、忌まわしい〈バスカヴィル家の犬〉の伝説……。相続人ヘンリーがバスカヴィル家を継ぐことになったが、その身を案じた医師の依頼で、ホームズとワトスンは捜査にあたることに――。寂莫とした荒れ地(ムーア)を舞台に展開する、恐怖と怪異に満ちた事件の行方は? ミステリ史上最高峰の傑作長編。/解題=戸川安宣、解説=小山正
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3.9【第13回鮎川哲也賞受賞作】帝ご寵愛の猫はどこへ消えた? 出産のため宮中を退出する中宮定子に同行した猫は、清少納言が牛車につないでおいたにもかかわらず、いつの間にか消え失せていた。帝を慮り左大臣藤原道長は大捜索の指令を出すが――。闇夜に襲われた中納言、消え失せた文箱の中身。縺れ合う謎に挑む紫式部を描いた第一部「上にさぶらふ御猫」。『源氏物語』が千年もの間抱え続ける謎のひとつ、幻の巻「かかやく日の宮」――この巻はなぜ消え去ったのか? 式部を通して著者が壮大な謎に挑む第二部「かかやく日の宮」。紫式部を探偵役に据え、平安の世に生きる女性たち、そして彼女たちを取り巻く謎とその解決を鮮やかに描き上げた華麗な王朝推理絵巻。
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3.9ジャズバンド、唐島英治クインテットのメンバー、永見緋太郎は天才肌のテナーサックス奏者。音楽以外には関心を示さないのが玉に瑕だが、ひとたび事件や謎に遭遇すると、フリージャズを奏でるように軽やかに解決していく。反対に展示された絵画の謎、連綿と受け継がれたクラリネットの秘密、消えたトランペット奏者の行方など、永見の推理は――。鮎川哲也も絶賛した、著者のデビュー短編「落下する緑」にはじまる、洒脱で軽妙な本格ミステリ連作集。各エピソードの雰囲気に合わせ、著者が自らチョイスしたジャズCD、レコード紹介のおまけ付。/著者あとがき=田中啓文、解説=山下洋輔
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3.9宮野隆也のクラスに転入してきたのは、二足歩行のロボット、IMMID‐28だった。病気で通学できない一ノ瀬梨香という少女を、遠隔操作で動くロボットを通じて学校生活を送れるようにする実験だという。隆也たちは戸惑いつつも“彼女(ロボツト)”の存在を受け入れ、実験は順調なすべりだしを見せた。しかしある放課後、校内で級友が撲殺され、彼女の背中が被害者の血で染まっているのが発見される。殺害の動機は? ロボットと、事件の関わりとは?! そもそも“彼女”は本当に一ノ瀬梨香なのか――。「今から遠くない未来」を舞台に描く、青春本格ミステリ。
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3.9数寄屋橋近くの三番館ビル六階にバー〈三番館〉がある。落ち着いた雰囲気の、いい店だ。少し早い時間に行くと、達磨大師然としたバーテンがひとりグラスを磨いている。常連の私立探偵は、依頼された仕事を持て余すたび、雑学の大家であるこのバーテンに知恵を借りに来る。どんな事件も、たちどころに解き明かしてくれるのだから!本格ミステリの巨匠が生んだ安楽椅子探偵、ここに登場。最終行の切れ味が素晴らしい「竜王氏の不吉な旅」など5編を収録。収録作品=春の驟雨/新ファントム・レディ/竜王氏の不吉な旅/白い手黒い手/太鼓叩きはなぜ笑う/解説=白峰良介
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3.9医師のノートン・ペラムは、海岸の遊歩道で美貌の女性に出会い、一瞬にして心を奪われた。彼女の名はダイアナ、あだ名は“コマドリ”――。ノートンは、踏みだしかけていた成功への道から外れることを決意し、燃えあがる恋の炎に身を投じる。それが予測不可能な数奇な物語の始まりと知るよしもなく……。さながら美麗な万華鏡を覗くかのように、目まぐるしくその姿を変える事件。『赤毛のレドメイン家』の巨匠フィルポッツの魅力が凝縮された、ミステリ史に残る名編が、読みやすい新訳でここによみがえる。この結末に、あなたは驚かずにはいられない!
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3.9出張帰りの夫の目に飛び込んできたのは、妻の無惨な死体。ふつうならこれだけでトルケル率いる殺人捜査特別班が呼ばれることはない。被害者が自宅の寝室で縛られ、首をかき切られていたのでなければ。その状況は、かつてセバスチャンがつかまえた連続殺人犯ヒンデの手口に酷似していた。だが、ヒンデはレーヴハーガ刑務所で服役中のはず。一方、ある動機で、ふたたび殺人捜査特別班に加わろうと企むセバスチャンは、渋るトルケルに売りこみをかけた。凄腕だが自信過剰の迷惑男セバスチャンの捜査が始まる!
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3.9キングとツァラプキン。ふたりの若きテニス世界ランカーは、キングの地元オーストラリアの大会で初対戦した。プレースタイルも境遇も異なるふたりは、しかし試合を通じて意気投合する。その友情は、ツァラプキンの身をキングが一家総出で守ったことで揺るぎないものとなった。やがてふたりはともに、ウィンブルドン選手権への出場を果たす。だが、そのテニス世界最高峰の大会では、ある大胆な犯罪計画が実行されつつあった――。青年たちの友情を軸に、白熱する試合と犯罪の行方を描いて手に汗握らす、極上のスポーツ小説にして大傑作ミステリ!
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3.9埠頭で荷揚げ中に落下事故が起こり、珍しい形状の異様に重い樽が破損した。樽はパリ発ロンドン行き、中身は「彫像」とある。こぼれたおが屑に交じって金貨が数枚見つかったので割れ目を広げたところ、とんでもないものが入っていた。荷の受取人と海運会社間の駆け引きを経て樽はスコットランドヤードの手に渡り、中から若い女性の絞殺死体が……。次々に判明する事実は謎に満ち、事件はめまぐるしい展開を見せつつ混迷の度を増していく。真相究明の担い手もまた英仏警察官から弁護士、私立探偵に移り緊迫の終局へ向かう。クロフツ渾身の処女作にして探偵小説史にその名を刻んだ大傑作。
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3.9バシンデール団地、通称アシッド・ロウ。教育程度が低く、ドラッグが蔓延し、争いが日常茶飯事の場所。そこに引っ越してきたばかりの老人と息子は、小児性愛者だと疑われていた。ふたりを排除しようとする抗議デモは、彼らが以前住んでいた街で十歳の少女が失踪したのをきっかけに、暴動へと発展する。団地をバリケードで封鎖し、石と火焔瓶で武装した二千人の群衆が彼らに襲いかかる。往診のため団地を訪れていた医師のソフィーは、暴徒に襲撃された親子に監禁されてしまい……。血と暴力に満ちた緊迫の一日を描く、英国ミステリの女王の新境地。
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3.9優等生の委員長と不良少女の淡い恋。できすぎたシチュエーションかもしれないけれど、すべてはそこから始まった。彼女が自力で自分の人生を立て直すことができたなら、十年後、あるものを渡そう――そして十年が過ぎ、約束の日がやってきた。しかし彼女は姿を見せず、代わりに彼女の夫と名乗る人物が現われる。彼女は三年前から行方がわからなくなっていた。居場所を捜し出そうと考えたとき、協力者として僕の脳裏にひとりの同級生が思い浮かぶ。かつて僕に、ブックマッチの恰好良い火の点け方を教えてくれた男が――。約束を果たすため、ニューヨークの〈暗闇〉から帰ってきた青年が巡り合う少年少女たち、そして最高の「相棒」。『東京バンドワゴン』で脚光を浴びた名手による、約束と再会の物語。
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3.9千九百四十九年も押し詰った鬱陶しい日の午後、汐留駅前交番の電話のベルが鳴り、事件の幕が切って落とされた。トランクに詰められた男の腐乱死体。荷物の送り主は福岡県若松市近松千鶴夫とある。どうせ偽名だろう、という捜査陣の見込みに反し、送り主は実在した。その近松は溺死体となって発見され、事件は呆気なく解決したかに思われた。だが、かつて思いを寄せた人からの依頼で九州へ駆けつけた鬼貫の前に青ずくめの男が出没し、アリバイの鉄の壁が立ち塞がる……。巨星、鮎川哲也の事実上のデビュー作であり、戦後本格の出発点ともなった里程標的名作。綿密な校訂による決定版!