名犬チェットと探偵バーニーシリーズの第二弾。
彼らのデビュー作である、「助手席のチェット」が最高に面白かったので、否が応でも期待が高まります。
一人の男をチェットとバーニーが追い詰め、首尾よく事件を解決したところから、物語は幕を開けます。
相変わらず、探偵事務所の家計は火の車であるものの、少しまと
...続きを読むまったお金が入ったことで、彼らはささやかな祝杯をあげます。祝杯の席では、旧知の間柄のスタイン警部補から、かなり割のいい仕事も紹介してもらい、ここまでは順調だったのですが。
"あれっ、ひょっとしてなにか失敗をしでかしたか?"(本文63ページ)
という失態をチェットがやらかして、割のいい仕事をフイにしたところから、二人は(いや一人と一匹は!?)思いがけない事件に巻き込まれていくことになります。
今回は本筋の事件以外にも、様々な不運やトラブルが連続します。
バーニーが先物取引に手を出す、バーニーが初っ端からスージーともギクシャクする、元上司であったはずのスタイン警部補とは、前作のニックとほどは良好な関係には見えず…
まとめると、バーニーのダメダメな部分が目立つということになるのかな。
そんな彼をとことん愛し、尊敬し、心配するチェットの健気さや可愛さが前作より際立ってみえますね。
でも、やっぱり探偵コンビとしての彼らは最高にクールなんです。
依頼を受けた時のチェットの言葉にしびれます。
"ぼくの頭に一つだけ考えが閃いた。新しい仕事の始まりだ。"(本文32ページより)
ユーモアミステリーという猫を被った、失礼、犬を被った上質のミステリー、皆様もお楽しみください。