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黒いダイバースーツに身を包み、浴室で首をくくっていた男。赤ん坊を死なせた夫の罪を肩代わりし、3年後に出所の日を迎えた母親。静寂の中で余生を暮らし、夏の終わりに小銃に弾を込めた湖畔の住人。犯罪組織のボスとして人身売買の罪で起訴された男と、彼を弁護することになった新人弁護士。──唐突に訪れる犯罪の瞬間には、彼ら彼女らの人生が異様な迫力をもってあふれだす。刑事専門の弁護士として法廷に立つ傍ら、デビュー作『犯罪』で本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた当代随一の短篇の名手が、罪と罰の在り方を鮮烈に問う12の物語。/【目次】参審員/逆さ/青く晴れた日/リュディア/隣人/小男/ダイバー/臭い魚/湖畔邸/奉仕活動(スボートニク)/テニス/友人/訳者あとがき/解説=千街晶之
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年10月09日
『犯罪』『罪悪』に続く短編集。当初は本書を含めた三部作として構想されていたらしい。
前作および前々作と同様、描写は簡潔で、登場人物の心情はほとんど語られないため、読者の脳内で埋める余白部分が非常に多いのが著者の特徴。
幸せが一瞬のうちに奈落の底に突き落とされるような急転直下の展開が多いが、読んでいて...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月12日
止むに止まれぬ心情から繰り出された犯罪の瞬間を描いた傑作短編集。
短い文章で、ことの顛末を描き出す見事な描写に毎回唸るしかない。その犯罪に対して、司法がどのように対峙したのかも描かれる。ドイツの司法制度ではあるが、法の解釈、考え方を学ぶ場にもなっている。
夢中になって一気に読み切った。今のところ翻訳...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月23日
刑事事件弁護士として活躍する著者が、罪と罰の在り方を問う12編。
デビュー作『犯罪』、第二短編集『罪悪』に続く短編集3作目。翻訳者さんによるあとがきによると、作者さんは当初から三部作を構想していたそうです。
作中でどんな犯罪を描こうとも、書き方は常に淡々としていて心情描写も薄い。それなのに、何...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月14日
やや星新一のようなブラックな読後感の短編集です。
こちらはSFではなく、ミステリですが。
人を殺した、という「罪」を抱く人々が裁判を通して「罰」を受けるというのが法治国家の当たり前の姿ですが、証拠として揃ったものから論理的に判断しているようにみえても、巧妙に真相が隠されていたり、罪を被った人が実は...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月22日
初のフェルディナン・フォン・シーラッハ。
短編集。巻末の解説から、実は「犯罪」「罪悪」との三部作で完結作とのこと。失敗しました。
作品全体にだが、余計な文章が全くない。
登場人物の感情がほとんど描かれておらず、その辺りは読み手が推察することになる。
ここまで徹底するのは凄い。
犯した罪と、その罰...続きを読む
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