遮断地区

遮断地区

小説・文芸
1,152円 (税込)

5pt

バシンデール団地、通称アシッド・ロウ。教育程度が低く、ドラッグが蔓延し、争いが日常茶飯事の場所。そこに引っ越してきたばかりの老人と息子は、小児性愛者だと疑われていた。ふたりを排除しようとする抗議デモは、彼らが以前住んでいた街で十歳の少女が失踪したのをきっかけに、暴動へと発展する。団地をバリケードで封鎖し、石と火焔瓶で武装した二千人の群衆が彼らに襲いかかる。往診のため団地を訪れていた医師のソフィーは、暴徒に襲撃された親子に監禁されてしまい……。血と暴力に満ちた緊迫の一日を描く、英国ミステリの女王の新境地。

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遮断地区 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    「この社会には煽動家が多すぎるのよ。そして調停する人はあまりにも少ない」

    愚か者たちの饗宴といったところかな

    それにしてもミネット・ウォルターズ相変わらず字が多いw
    原書で読んでもそう感じるのかな?英語もっとちゃんと勉強しておけば良かったな

    そして相変わらず設計図が緻密すぎる
    緻密すぎる設計図の果てにどこに連れて行かれるんだろうって心配しながら読み進めていました

    世の中には自分の考えなしな行動で悲惨な結果を招いたとしても、非は自分にはないって自分を簡単に納得させることができる愚か者が多すぎて、小さな善意は愚かな煽動家たちの行軍に踏み潰されていく…

    そんなどうしようもない結末を思い描いていました

    んでもそこはミネット・ウォルターズ!ちゃんと救いのある明るい結末が用意されていました
    彼女の物語では世の不条理と持てる力を振り絞って闘ったヒーロー、ヒロインは必ず報われるのです
    ごめん、途中ちょっと疑ってたよ
    どんなに陰鬱な事件の結末にも「あなたも闘え!」ってちょっとだけ背中を押してくれるのがミネット・ウォルターズという作家なのだ!

    0
    2022年11月14日

    Posted by ブクログ

    「氷の家」と同じ作者だったので。

    パニック小説とか、非常事態とかあまり興味がないので、
    最初は小児愛者をめぐっての貧困地区の騒ぎは、
    少女の行方不明の背景だと思っていた。

    だが、ジミーが登場してから、がぜん暴動の動きの方が気になっていく。
    刑務所から出たばかりで、
    自分が指紋を残して犯人と思われるからと、怪我した女性のために救急に電話し、
    彼女を助ける手伝いをすることに。
    女が殴られることには、たとえそれが警官だとしても我慢できないジミー。
    老女に助けられ、子供たちが逃げる手伝いをし、囚われた女医の救助へ向かう。
    巨体に暖かい心を持つジミーの行動が胸を打つ。

    男はみてくれじゃないのよ、何をしたかなのよと最後に老女に言われていたが、
    本当にその通りだと思う。
    人は何を語るかではなく、何を知っているかではなく、その行動で判断されるべきだ。
    この作品はミステリーではなく、英雄譚なのだ。

    0
    2018年04月07日

    Posted by ブクログ

    すっごく面白かった!
    さすが、英国ミステリーの女王の小説だわー。

    ストーリーも構成、スピード感、キャラクターの設定など上手く組み立てられてて、読むのを飽きさせない。
    翻訳も上手く訳されて読みやすかった。

    みんなそれぞれが、良けれとやったことが裏目にでて酷いことになったなぁーと。
    そんな中、やっぱり秀でていたのはジミー。
    かっこいーーー!
    ジミーとアイリーンの最後のシーンは、こういう話の中で唯一心の温かくなるシーンで、読んでよかったなぁと思わせくれた。

    0
    2017年02月06日

    Posted by ブクログ

    星4つにするか、5つにするか迷った!迷って星5つにした理由は全体に途切れることなく続いた疾走感がたまらなく良かった。謎解きではないが、ハラハラドキドキが止まらない作品でした。

    0
    2014年07月22日

    Posted by ブクログ

    設定が日本ではちょっと想像がつかないような状況なのだが、ありきたりの社会に潜む病巣のようなものが描かれていてぞっとした。まかり間違えば、暴動など簡単に起きてしまうのではないかという思いにかられるほど説得力がある。
    登場人物が多いが、個性的な人物造型で、魅力的だった。

    0
    2014年04月25日

    Posted by ブクログ

    ミネット・ウォルターズの本は初めて読んだが、最後に救いがあって良かったと思う。
    悪意のある一言が引き金になってもたらされた事件。
    悪いことに悪いことが重なって、落とさなくてもいい命を落としてしまったことは、とても残念。
    他の著書も読んでみたい。

    0
    2013年12月11日

    Posted by ブクログ

     団地で起きた暴動と少女の誘拐の話が平行して語られる。

     いかに人はいい加減かということや、集団の怖さが、それぞれの立場で緻密に描かれていてとにかく濃いです。
     小説版「24時間」って感じ。

     きっかけは、無責任な人の一言だったんだけど、それが転がっていくというか延焼していくさまがとにかく怖い。
     救いが全く見えない状況で、団地の、そして家の中の、閉塞感が半端なかった。

     だからこそ、最後がいきてくるんだけどね。
     
     いやあ、ウォルターズ、やっぱりすごいです。

    0
    2013年10月18日

    Posted by ブクログ

    英国ミステリの女王の新作。といっても翻訳の上でですが。
    推理小説というよりパニックものだからか、翻訳する順番が後になったようです。
    スリルと爽快感があり、面白かったですよ。

    低所得層が暮らすバシンデール団地。
    1950年代に建てられた団地は、しだいに孤独な老人や未婚の母と父親のいない子供でいっぱいになっていた。
    通称アシッド・ロウ(LSD団地)というのは、麻薬がすぐに手に入るという意味なのだ。

    医師のソフィーは、金持ちが住む街での診察よりもむしろ生きがいを感じていた。
    同じような悩みを抱えつつも必死でそれを隠そうとする上流の人間よりも、あっけらかんとたくましい人々に必要とされるほうが付き合いやすかったのだ。
    ソフィの患者の一人で未婚の母のメラニーは白人だが、恋人ジミーは黒人で以前の罪で服役して出所したばかり。
    大男のジミーは育ちから当たり前のようにぐれて、今も見た目は黒服にゴールドのアクセサリーでいかにも犯罪者だが、メラニーとの間に子供が出来てから1年は改心して真面目に働いていた。

    バシンデール地区に小児性愛者が引っ越してきたと情報をもらした人間がいて噂が広まり、近くの団地で10歳の少女エイミーが行方不明になったことから、抗議のデモが始まる。
    小さな子供の多い地域から危険人物を追い出そうとするのだが、実際には大人しく、未成年との交際があっただけで、そういう危険のある人物ではまったくなかった。
    暴動は酒に酔った2千人の若者が押しかけてバリケードの中に立てこもる状態に発展してしまい、最初にデモを思いついたメラニーらが止めようとしても止まらない。
    ソフィーは事情を知らないまま診察に行って、暴徒に囲まれた父子の人質にとられてしまう。

    一方、少女エイミーを待ち続ける母のローラ。
    弁護士でずっと年上の支配的な夫とは離婚したが、恋人とも別れ、別な男の元に身を寄せている。
    ローラとエイミーの家庭の破綻ぶりも、なんともリアルで複雑。
    エイミーの周囲の怪しい人物も、危険人物と目された息子と息子よりずっと危険なその父親も、一筋縄ではいかない屈折を抱えた人間たち。
    予想される胸の悪くなるような話にはならないのがさすがウォルターズだが、これはこれで軽くはないというのがまた。

    天使のような顔をした不良少年ウェズリーは、薬で興奮した状態で暴動をあおる。
    恋人メラニーを助けようとして暴動に巻き込まれたジミーは、携帯で警察と連絡を取り、事態を救う重要な役目を期待されることに。
    血だらけの大男ジミーを救うか細い老婦人(元看護師)の活躍も。

    第7作「蛇の形」と第9作「病める狐」の間に発表されています。
    ほぼ毎年、こんな力作を発表しているとは。
    2001年の発表当時、犯罪を起こした小児性愛者の名前を公表するという問題が起きていたんですね。
    混同された無関係な人が攻撃される事件が、現実にも起きたばかりだったよう。
    骨太な作品ですが、緊迫した様子がテンポよく描かれ、ユーモアもあり、気丈なソフィーと気のいいジミーの活躍で、読後感はいいですよ。

    0
    2013年07月12日

    Posted by ブクログ

    ミステリーって感じではなかったけどスリルと疾走感があって良かったです。私は「女彫刻家」しか読んでないけど、こちらの方が好きです。

    0
    2025年08月28日

    Posted by ブクログ

    パワーがある。ミステリとしては予定調和的だが、次、何が起こるのか? という緊張感が519頁に渡って描かれている。
    息が詰まりそうな低所得者層の町の様子がまず惹き込まれる。小児性愛者と疑われる人物が一致団結して追い出そうとする人々の狂熱と、その結末には目を覆いたくなった。熱狂によって正義感を得た人々は自分たちの町を守るスーパーヒーローで、なんだってやるのだ。
    何と言っても終盤のある描写、これには胸を打たれた。誰かの言う事を鵜呑みにして、真実に迫る事を忘れていないか? そんな声はしないのに、確かな形でそんな声が聞こえてきた。

    0
    2025年08月23日

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