鉄の枷

鉄の枷

資産家の老婦人、マチルダ・ギレスピーは、血で濁った浴槽の中で死んでいた。睡眠薬を服用した上で手首を切るというのは、よくある自殺の手口である。だが、現場の異様な光景が、その解釈に疑問を投げかけていた。野菊や刺草で飾られた禍々しい中世の鉄の拘束具が、死者の頭に被せられていたのだ。これは何を意味するのだろうか? 事件を背景に語られていくのは、秘められたギレスピー家の物語とマチルダの知られざる生涯。デビューと同時に絶賛を集めたウォルターズが、更なる飛躍を遂げた第三長編。英国推理作家協会ゴールドダガー賞受賞作。

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鉄の枷 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2013年03月24日

     ミネット・ウォルターズの長編第三作。原題の『Scold's Bridle』というのは、昔の英国で使用されていた舌を押さえる金具の付いた拘束具のことで、口うるさい女性に罰として被せていたものなのだそうです。
     事件は、ある資産家の老婦人、マチルダが手首を切って浴槽で死んでいたことから始まり...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年11月03日

    すごい好みのミステリー。
    というか、気合の入ったおばあちゃんの話は大体好みなのだけど。
    故人の日記が不意に挿入される文章の構成は、話自体の雰囲気ともあっていて面白い。
    「彼女は、少しの哀憐に値する。ひとは皆そうなんだよ」というジャックの台詞と、「私のこの、男たちに対する侮蔑の念。やはり異常なのかもし...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年04月04日

    ミネット・ウォルターズ3作目で、一番お気に入りです。
    興味をそそるユニークなモチーフ、リアリティがありながら意外な展開、複雑で味わい豊かです。
    印象的な老婦人が謎の死、知り合いというだけで遺産を譲られたヒロインは遺産争いに巻き込まれ、老婦人の真意を知ろうとします。
    94年CWA(英国推理作家協会)賞...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    そうかあミステリはこうやって面白いのかとしみじみ思った一冊。ヤバイ。事件ミステリってようするに探りあいだと思うけど、緊張感があって秘密があって、そこにウィットやユーモアを利かせていくという会話の妙。密度がヤバイ。っていうか嫁さんが欲しくなった。

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    Posted by ブクログ 2021年05月22日

    資産家の老婦人が中世の鉄の拘束具スコウルズブライドルを付けて浴槽で死んでいた。自殺か殺人か。現代ミステリの女王ミネットウォルターズもここ10年くらい新作が出てないがクリスティと違ってハズレがない。現代だけあってどんでん返しや人間描写が半端ないストーリーテーラーだ。猜疑心と絶望からの希望と愛情のラスト...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年02月07日

    「氷の家」と同じ作者だったので。

    それほど複雑な人間関係でもなかったのに、
    途中で混乱してしまった。

    シェイクスピアの台詞に精通している訳ではないが、
    少なくともクーパー刑事よりは作品を知っていたので
    そのせいではないと思う。
    作品の要とも言うべき鉄の枷、
    「スコウルズ・ブライドル」の実感がない...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年07月05日

    ロンドン郊外の村で資産家の老女が死んだ。頭に鉄製の轡(くつわ)をかぶって。遺産は縁もゆかりもない彼女の主治医に渡った。果たしてこの事件はシェイクスピアに似せた自殺なのか、それとも村中から嫌われていた彼女を憎んでの殺人だったのか。

    ストーリー展開も生前の彼女の日記をところどころはさんで現在と過去を入...続きを読む

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2011年05月27日

    ウォルターズ作品として認識して読んだのは、これが最初です。インパクトの強い鉄の枷や、今とは異なる時代に生きた女性の生きざまが、衝撃的で、一気に読みました。

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