黒いトランク

黒いトランク

660円 (税込)

3pt

千九百四十九年も押し詰った鬱陶しい日の午後、汐留駅前交番の電話のベルが鳴り、事件の幕が切って落とされた。トランクに詰められた男の腐乱死体。荷物の送り主は福岡県若松市近松千鶴夫とある。どうせ偽名だろう、という捜査陣の見込みに反し、送り主は実在した。その近松は溺死体となって発見され、事件は呆気なく解決したかに思われた。だが、かつて思いを寄せた人からの依頼で九州へ駆けつけた鬼貫の前に青ずくめの男が出没し、アリバイの鉄の壁が立ち塞がる……。巨星、鮎川哲也の事実上のデビュー作であり、戦後本格の出発点ともなった里程標的名作。綿密な校訂による決定版!

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黒いトランク のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    購入済み

    新鮮なミステリー

    本の半分くらい(たぶん)を主人公が頭の中で推理していく話なのですが、こういうタイプのミステリーを読むのははじめてだったので新鮮でした。自分も主人公と一緒に推理してるような気分にひたれて楽しかったです。しかし!トリックは理解できませんでした。僕の頭が悪いのでしょうか?

    1
    2014年01月26日

    Posted by ブクログ

    緻密に組み立てられた論理が美しく、また文章も読みやすいため一気に読み進めた。
    アリバイトリックもので、派手さはないけれど非常に引き込まれる作品。こんなに真剣に時刻表とにらめっこしたのは初めてかもしれない。
    本編も素晴らしいですが、解説の座談会に愛を感じました。

    0
    2016年07月06日

    Posted by ブクログ

    字ちっさ(泣)ややこしいけど面白い('◇')ゞ
    まさに推理の醍醐味が味わえるんじゃないかと。じっくり整理しながら読まないとごちゃごちゃしてくるけどね。
    風見鶏の話もいい例えだなと思った☆

    0
    2011年10月10日

    Posted by ブクログ

    読み応えがあって面白かった。
    登場人物の描写や会話が少なく、謎解きの記号として使われているので、今読んでもそれほど読みにくさを感じず読めた。

    0
    2024年01月31日

    Posted by ブクログ

    戦後、間もないころの香りが漂う物語

    作者は鮎川哲也
    その名は東京創元社主催の推理小説新人賞「鮎川哲也賞」でおなじみ。
    彼の1956年の出世作で、今もって名作とされる物語。

    ようやく復興の進んだ東京の汐留駅に、異臭を放つ黒いトランクが届けられた。
    事件は九州での捜査により一旦解決を見るも、とある依

    0
    2022年12月13日

    Posted by ブクログ

    面白かった。とことん論理的思考。トリック関係は頭がこんがらがるくらい複雑な印象受けたけど、読んでいて楽しかった。

    0
    2019年10月10日

    Posted by ブクログ

    名作と誉れ高いが、まだ読んだことがなかったので。
    トランクに関する論理や、容疑者のアリバイを地道に崩していくのは、今読んでもとても面白いのだが、やはり時刻表アリバイトリックはリアルタイムで読むほうが楽しめるものなのだろう。
    作中では1949年の日本が描かれているが、当時の常識も70年を経た今では変わ

    0
    2019年09月01日

    Posted by ブクログ

    トリックの中のトリック。華麗なる盲点とでも言おうか。モノの「すり替え」を考える時、どこが変化点になっているか、を、つい大局的に見てしまうところをうまくついてきている。「え?そこ?」と言いそうになりながらも秀逸さに負けた。

    0
    2017年01月09日

    Posted by ブクログ

    派手さはなくとも、トリック一つと丹念な描写でこれだけのものが出来上がるということを示してくれている。

    0
    2016年12月24日

    Posted by ブクログ

    何枚もメモ書きながら読んだが途中で投げ出す。火サスの再放送の鬼貫さんに嵌り読み始めたので時刻表のトリックには覚悟をしてのぞんだのだが。混乱の糸で読者の頭をぐるぐるにひっ絡めてやるぞ!いう作者の執拗な思いを感じずにはいられない。トリックの複雑さでしんどくなったが意外と内容はシンプル。ドラマもそうだった

    0
    2016年09月19日

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