無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
千九百四十九年も押し詰った鬱陶しい日の午後、汐留駅前交番の電話のベルが鳴り、事件の幕が切って落とされた。トランクに詰められた男の腐乱死体。荷物の送り主は福岡県若松市近松千鶴夫とある。どうせ偽名だろう、という捜査陣の見込みに反し、送り主は実在した。その近松は溺死体となって発見され、事件は呆気なく解決したかに思われた。だが、かつて思いを寄せた人からの依頼で九州へ駆けつけた鬼貫の前に青ずくめの男が出没し、アリバイの鉄の壁が立ち塞がる……。巨星、鮎川哲也の事実上のデビュー作であり、戦後本格の出発点ともなった里程標的名作。綿密な校訂による決定版!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新鮮なミステリー
本の半分くらい(たぶん)を主人公が頭の中で推理していく話なのですが、こういうタイプのミステリーを読むのははじめてだったので新鮮でした。自分も主人公と一緒に推理してるような気分にひたれて楽しかったです。しかし!トリックは理解できませんでした。僕の頭が悪いのでしょうか?
Posted by ブクログ
戦後、間もないころの香りが漂う物語
作者は鮎川哲也
その名は東京創元社主催の推理小説新人賞「鮎川哲也賞」でおなじみ。
彼の1956年の出世作で、今もって名作とされる物語。
ようやく復興の進んだ東京の汐留駅に、異臭を放つ黒いトランクが届けられた。
事件は九州での捜査により一旦解決を見るも、とある依頼から警視庁の刑事により再捜査が始まる。
物語は次第に、トランクと駅、鉄道、不審人物の行方の謎が絡み合って、少しずつ異なった様相を示し始める。
描かれているのは戦後まだ国内航空便が再開されておらず、鉄道や汽船が重要な移動手段とされていた時期。
描写の中にも、戦後間もないころの情景があちこちにちりばめられている。
そういったところは横溝正史の描く時代背景にも共通するが、どちらかというと都会的な雰囲気が、場面や登場人物への色付けに施されているところに独特のものがある。
ここに、「戦後の本格推理小説の原点」といわれる所以があると思う。
この後、鉄道を使って数々の“旅する刑事”が作り出されていく……。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸