蝶のいた庭

蝶のいた庭

小説・文芸
1,222円 (税込)

6pt

FBI特別捜査官のヴィクターは、若い女性の事情聴取に取りかかった。彼女は〈庭師〉と呼ばれる男に拉致された10名以上の女性とともに警察に保護された。滝や小川があり、蝶が飛びかう楽園のような〈ガーデン〉――完全防音で随所に監視カメラが設置され、外界から隔離された秘密の温室に、彼女たちはコレクションとして軟禁されていたのだ。女性の口からじわじわと明かされていく事件の全貌に、恐ろしい犯罪に慣れているはずの捜査官たちが戦慄する。おぞましくも美しいこの地獄でいったい何が起きたのか。一気読み必至、究極のサスペンス!

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蝶のいた庭 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    正しく狂気で素晴らしかった。幻想的な光景を作り出しながら人間の狂気と醜悪さを露出してくるマジで変態を描いた作品。

    0
    2025年04月25日

    Posted by ブクログ

    ミステリ。サイコサスペンス。
    一冊のほとんどが事情聴取という構成。
    残酷で幻想的で耽美。
    正直、"庭師"の長男以外の全ての主要登場人物に感情移入できてしまう。
    正義とは何なのか、ずっと考えさせられた。
    サイコな感じの作品が好きな自分としては、かなりの高評価。

    0
    2021年12月30日

    Posted by ブクログ

    この本に送る私からの最大の賛辞は、
    「超絶胸糞悪かったけど読み切ってしまった」
    である

    ああよくもまあこんなに微妙に異なるイカれた連中を描き分けられたものだなぁと感心しつつ、
    胸糞悪すぎて途中で本を閉じること数回。

    それでも、読み切ってしまったのは、
    FBIに取り調べを受けてる「マヤ」と呼ばれる謎の少女の語りに引き込まれてしまったからだ。

    どこか飄々としていて掴みどころのないマヤ。
    でも、彼女には、絶望の淵を覗き込んでなおしたたかな強さと他の者を勇気づける生命力が備わっている。

    マヤの存在が、この暗く深い絶望の物語のひとすじの清涼剤となって、読み進めてしまうこと間違いなしだ。

    0
    2024年01月04日

    Posted by ブクログ

    数年前の「このミス」にランクインしていた本。
    グロテスクでおぞましく、でも美しい「箱庭」で暮らす蝶……少女たちの話。

    時系列を前後しつつ、少しずつ明らかになっていく真相にぞっとします。
    事情聴取を受けている女性が、またしたたかで美しく、素敵。ほかの少女たちもそれぞれ美しさや強さ、弱さを持っていて可愛らしい。
    グロテスクで残酷、そしておぞましい話ながら、文章や情景は耽美で綺麗です。
    だからこそ、「庭師」の歪さや恐ろしさが際立つのだとも言えますが。

    0
    2022年06月21日

    Posted by ブクログ

    耽美で、とてつもなく残酷な雰囲気の作品。
    でもご安心ください。
    この作品の猟奇的な部分は、文体によってかなり緩和されています。
    執拗に暴力要素を細かく書くこともありません。
    時に作者にそういう趣味があるのかと訝しむ作品もありますが、この小説の描写は必要最低限のものにとどまっています。
    それでも、女性たちに起きた信じられないような出来事は、確かに残酷だと感じさせる。
    酷い、おぞましい、その狂気が確かに感じられる作品です。


    すでに被害女性たちは救出されていて、なんだかわからないままに、リーダー格の女性を、FBIが取り調べをするという、なかなか斬新な形式が特徴です。
    リーダー格の女性、通称マヤが、また魅力的。
    取り調べに協力的と言うわけでもなく、非協力というわけでもない。
    一筋縄ではいかない、とても強かな女性です。

    彼女が体験した”ガーデン”での出来事は、耐えがたい異常な場所。
    “庭師”と呼ばれる男が作り上げたガーデンは、美しいけれど、そこに囚われた女性たちは蝶の翅を背中に彫られ、外の世界には出られない。
    徐々に明らかになる彼女たちの残酷な運命、庭師の家族、とにかく酷い出来事が、マヤの口から語られていく。

    読み手はそこで起こった出来事、彼女たちに起こった残酷な運命を知りたくなり、どんどん読んでしまうのですが、マヤの話は時系列が飛び飛びで、時折、マヤ自身の出自の話も入り混じります。

    読み進めるに従い、マヤという人物の過去を知り、彼女の人柄も理解できてくる。

    なにかびっくりするような、ミステリ的な魅力的謎があるわけでもないし、女性たちが救出されていることも明らかであるのに、どんどん読みたくなる感覚はとても新鮮でした。

    レイプ、誘拐、殺人、暴力、といった猟奇的で気持ちの沈む要素が含まれながら、さらっと読めたのは驚き。
    囚われた女の子たちの個性や、マヤの性格、語り口のおかげか。

    ガーデンに囚われた女の子たち、どの子も反応や性格が違って、人物の描き方がとても良かったと思います。
    取り調べをしているFBIの冷静なヴィクターと、熱くなりやすいエディソンも。
    会話劇がユニークで、酷い事件なのに時折クスッと笑える場面も多い。

    読後感もなかなかよかった。

    0
    2020年01月08日

    Posted by ブクログ

    ドット・ハチソン『蝶のいた庭』創元推理文庫。

    物語はFBI特別捜査官ヴィクターによる拉致監禁から10名以上の女性と共に救出されたマヤへの事情聴取から始まる。少しずつ明らかになるマヤたちを拉致監禁した犯人『庭師』と監禁場所『ガーデン』の実態とは……

    へどが出そうになる程のおぞましい物語なのだが、全体的には山も無ければ谷も無いといったストーリーが続き、最後にちょっとした驚愕の山場があり、静かな結末を迎える。直接的な表現は控えめで、徹底的に遠回しなオブラートに包まれた表現に踏み込みの甘さを感じた。

    0
    2018年07月30日

    Posted by ブクログ

    読むのを止められなかった…何があったのかどういうことかわからないまま彼女の話に耳を傾ける。もしかして、と想像しながら答え合わせをしていく感じ。
    面白かった、という感想が適してないように思えるほど苦しい内容ではあるけれど、惹きこまれた。
    彼女を迎えに来てくれる人がちゃんといて良かった。何度も出て来た彼女の過去でやっと全てがひとつの線になった。よかった、と心から思えた。

    0
    2018年05月16日

    Posted by ブクログ

    事件を追う特別捜査官のコンビ
    事件が終わって取り調べに応じている謎の女
    "庭師"と呼ばれる女性達を監禁する殺人鬼
    そしてその息子達
    取り調べ室の場面と、彼女の語る
    庭での監禁生活、事件が交互に差し込まれていく
    手法…大好物です。
    だんだんと狂っていく雰囲気とか
    取り調べをする刑事コンビのやりとりとか
    独特な空気を持つ作家さんです。
    海外ものが苦手な方でなければ必読

    0
    2018年01月23日

    Posted by ブクログ

    さらわれた少女たちが、協力しあって生きていく姿が切なかった。頭の良い主人公が、誘拐犯の息子がこれを知っていながら、行動を起こさないことに対し、「選択をしないことが選択なの。中立っていうのは事実じゃない。実際に中立で生きられる人間なんていないの」と言い放つ。中立というのは、確かに都合の良い言葉だし、自分を守る技術でしかないのかもしれない。見て見ぬふりをする罪、知りたくないことは、聞かない冷たさ、誰しも持っているものだが、それがどれだけの悪なのか、考えさせられた。

    0
    2025年08月09日

    Posted by ブクログ

    FBIの取調べ室。特別捜査官のヴィクターが対峙する一人の女性。彼女の呼び名はマヤ。マヤは何年も拉致監禁され、救出された10名以上の女性の中の一人。
    彼女たちは庭師と呼ばれる男によって拉致され、ガーデンと呼ばれる秘密の庭に「蝶」として監禁されていた。背中にそれぞれ蝶の翅のタトゥーをされて。
    一体ガーデンで何が行われていたのか?一体何人の女性が拉致されていたのか?そして、そこから逃げのびることができた理由は?
    全編ほぼ捜査官ヴィクターの取調べに答えるマヤの独白という形式で進む。
    「美しい世界でどんなおぞましい地獄があったのか…」といった感じの宣伝文句が付けられてますが、最近のサイコパス系の犯罪のフィクションや、ノンフィクションに比べて、この小説が特におぞましいという事はない。
    しかし、独白系の進行と、マヤのキャラクターが読者を惹き込む。また、最後に明かされる事実が、そうだったのか!とさせる佳作。

    0
    2019年11月19日

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