作品一覧
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-1~4巻737~990円 (税込)大正五年、帝都・東京で、複数の小切手詐欺事件が起こる。被害に遭った店の近くでは、黒く染まったすみれが見つかっていた――。人の悪意を養分として育つ寄生植物「異客」を発端とする事件の解決に挑むのは、人を寄せ付けない美貌を持つ白菊と、本業歯科医の好青年・花守。大正ノワール探偵譚、コミカライズ開幕!!
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3.7「怪盗になる」そう宣言した幼馴染の蓮に仲間として引き入れられ、安西省吾は東京地方裁判所検事局を辞めてともに欧州に渡った。異国で成功した手妻師とそのマネージャーという体裁で帰国した二人は、しばらく日本で休養するはずだったが……蓮は揉め事を起こさないという約束をはぐらかし、次々と不可解な出来事に首を突っ込んでいく。帝国ホテルから一晩で消えた金塊、名家に伝わる嫁入道具をめぐる騒動、すべて一等が出る駄菓子屋の籤の謎――怪盗ロータスの華麗なる推理綺譚。〈帝都探偵絵図〉シリーズ、待望のスピンオフ。/【収録作】「グランドホテルの黄金消失」帝国ホテルに持ち込まれた金塊が一晩で消えた。/「特等席」名家に伝わる嫁入道具・貝合わせの行方を追う。/「埋める者 暴く者」湯治のはずが、何故か埋蔵金探しに巻きこまれ……。/「すべて当たり籤」駄菓子屋の籤引きが思わぬ騒動を引き起こす。/「光と影のおむすびころりん」貧しかった寺男の遺品を盗んだ犯人の目的とは。
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4.31巻880円 (税込)大正時代・帝都。新富町で歯科医院を開く花守啓介は、治療で使う道具を追究するうちにある鍛冶職人の作品に興味を持つようになる。人づてに頼んで向島の指物師が持つ十本組のノミを見せてもらうが、その名品が忽然と消えた時、花守が犯人と疑われてしまった。現場を調査したのは、農商務省の嘱託・白菊芳史。彼は人の悪意を養分にする“異客”と呼ばれる寄生植物の対応に当たっていて……? 明朗快活な好漢と人を寄せ付けない美貌の男の出会いから始まる、謎めく植物をめぐる探偵譚。
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3.81巻660円 (税込)異国の美青年が語る〈帝都妖霊物語〉。 帝都・京橋区にある滝澤旅館の主人は、無口で無愛想な男、和恭。彼が時折、宿の中庭を眺めながら縁側でともに茶を飲むのは、しばらく前からこの宿に滞在している異国の青年サレハだ。 サレハは一年ほど前、遥か遠い砂漠の国から、主命により故郷の品を商うために帝都にやってきた。今は銀座の勧工場を借りて店を開き、故国の華麗な絨毯や優美な道具に囲まれて商売をしている。まるで人形のような美貌を持つサレハだが、意外にも人懐っこく話好きで、時間があれば故郷の風物や闇に沈む者たちの話を和恭に語って聞かせ、和恭も熱心に耳を傾けるのだった。 そんなふたりの周囲で、奇妙な出来事がたびたび起こり人々の心を惑わせる。人を若返らせる水差し、夜店の向こうにあるバザール、香りが消えた金木犀――山伏姿の警視総監・虚空に依頼され、サレハと和恭は、この地にやってきた異国の妖霊たちが関わっているらしき不思議な事件の謎を探ることに……。 人ならざるものを見る青年が帝都で語る、妖霊(ジン)たちの物語。
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5.0美しき王子の華麗なる冒険ミステリー! 心優しき美貌の第二王子アリーと、深い洞察力を持つ「観察術使い」のサリフ。二人は無二の親友だった。 ある日、どんな願いでも叶えてくれるという呪術師の噂を耳にし、そのからくりを解こうと二人は呪術の現場に潜入するのだが・・・・・・!? つぎつぎと謎の事件が起こり、次第に追いつめられていくアリーと、彼を守るために動くサリフ。 いったい誰が本当の味方で、誰が敵なのか。 そしてついに真の敵がその正体を現したその時、アリーとサリフに別れの時が訪れる――。 砂漠の都で、華麗にくり広げられる冒険ミステリー! ※この作品は底本と同じクオリティのイラストが収録されています。 ※対象年齢:高学年から
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4.0帝都を騒がす大怪盗ロータスが盗みに失敗した! 東京は浅草の高層建築「凌雲閣」。その一角に飾られた油絵を盗もうとした怪盗は、番人に見つかり絵を置いて逃げたというのだ。この椿事は記者の高広の耳にも届く。ロータスは高広とも天才絵師・礼とも因縁浅からぬ相手、ただ失敗したとは思えない。さらに凌雲閣を再訪すると予告状が出されたとの情報が入り、高広と礼が調査を始める。同じ頃、彼らが再会した安西はロータス一連の窃盗事件の主任検事となっていた。怪盗と検事、今は敵対関係にあるが、かつては友人であり並んで駆けた時代があった。決別した二人がついに相まみえる! 大好評〈帝都探偵絵図〉シリーズ第4弾。
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3.2
掲載誌
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ水仙に菫、つゆ草に菊。
馴染み深い花々の美しさ、事件の哀しさ、そして花守の底抜けの優しさが印象的な物語だった。
歯医者ながら人間の悪意を養分にする寄生植物「異客」を枯らすのではなく解いてしまう器用な手を持つ。
植物を愛しながらも枯らす手を持ってしまった白菊にとって、花守の手はまさしく救いの手だった。
彼の「花を守る」名に相応しい優しさも。
それゆえ、彼の「解く」行為に伴う代償怖さに、白菊は一度彼から離れようと決意してしまうが。
ここで、自分が傷つくことを恐れず、まして白菊に「僕が傷つく覚悟をしてくれないか」という花守。
この発言には驚いた。
ただ優しいというだけではない。
友を信じているから -
Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズが縁で知り合ったふたり、という前提を思い出させるような第2巻。
1巻同様にふたりが中心となった日常の事件を解決していくのかと思いきや、1巻で登場した人物の視点で描かれる作品あり、時系列の異なる作品ありで動きがあって面白い。
まだ親しくなる前のふたりも描かれるこの巻で、恵少年から見た「そばで見ていても眩しいくらいの信頼関係」というふたりの距離感も描かれるのが面映ゆくて良かった。
どの話も良かったけれど特に印象に残ったのは『生人形の涙』かな。あえてすべてを描かず余韻を残す結末。
時間の流れと信頼や絆を感じさせるお話がまとまっている巻だなと思う。