三木笙子のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
悪女
さほさんが恐すぎた。他人に罪を着せるのも大人しく優しいと思わせて周りも騙すのも罪悪感なんて一切なく「あら、何がいけないの?」ってあっけらかんとしてる感じ。
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明治時代の東京を舞台にした連作ミステリー。それなりに有名な小説家・仙道湧水が世話になっている下宿屋は、年若い大家の梨木桃介の甲斐甲斐しさと料理上手のおかげでとても住み心地が良い。我儘で横暴な湧水も、桃介には頭が上がらない。湧水のところに次々と持ち込まれる"謎"を、桃介の手前、解いてみせることとなる。
面白かった。明治時代の東京にはまだまだ下宿屋さんが多かったんだな。家の掃除とか食事の世話とか身の回りのことをやってくれる下宿屋が、小説家とかの仕事をしている人にとっては便利なんだろう。他の人たちには、割りと強気な湧水が桃介には一生懸命気を遣っている様子がおかし -
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ネタバレ水仙に菫、つゆ草に菊。
馴染み深い花々の美しさ、事件の哀しさ、そして花守の底抜けの優しさが印象的な物語だった。
歯医者ながら人間の悪意を養分にする寄生植物「異客」を枯らすのではなく解いてしまう器用な手を持つ。
植物を愛しながらも枯らす手を持ってしまった白菊にとって、花守の手はまさしく救いの手だった。
彼の「花を守る」名に相応しい優しさも。
それゆえ、彼の「解く」行為に伴う代償怖さに、白菊は一度彼から離れようと決意してしまうが。
ここで、自分が傷つくことを恐れず、まして白菊に「僕が傷つく覚悟をしてくれないか」という花守。
この発言には驚いた。
ただ優しいというだけではない。
友を信じているから -
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シャーロック・ホームズが縁で知り合ったふたり、という前提を思い出させるような第2巻。
1巻同様にふたりが中心となった日常の事件を解決していくのかと思いきや、1巻で登場した人物の視点で描かれる作品あり、時系列の異なる作品ありで動きがあって面白い。
まだ親しくなる前のふたりも描かれるこの巻で、恵少年から見た「そばで見ていても眩しいくらいの信頼関係」というふたりの距離感も描かれるのが面映ゆくて良かった。
どの話も良かったけれど特に印象に残ったのは『生人形の涙』かな。あえてすべてを描かず余韻を残す結末。
時間の流れと信頼や絆を感じさせるお話がまとまっている巻だなと思う。 -
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知識と伝手とたゆまぬ情報収集と信頼を取り得る美貌と名声が揃ってる二人が成り行きで身の回りの事件を解決してゆくお話。並び立ててみるとなかなかにチートなスペックだと思う。
美貌の天才画家に振り回される主人公という紹介を読んで、どんな破天荒な造形のキャラが出てくるかと思いきや、意外と人間味にあふれていて社交的。主人公の実直な人柄も相俟って大変好感の持てるコンビだった。腰が低く誠実な探偵役と面白がってけしかける助手役という対比も面白い。
話の内容も地に足がついていて、大きな起伏はないもののそれが良い、という雰囲気。今ではない時代を感じさせる空気感の表現もよくて、落ち着いて読み進められる。
一番好きな -
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毎度毎度ジュンク堂の作戦に乗ってしまうんですが、
同じ本を複数回買ってしまうことがよくあります。
好きな作家さんのが平積みになってたら、そりゃあ手に取りますよね。
でもさ、自分がバカなんだけどさ。
この本(単行本の方)の発売をブログで知って1週間位前からフラゲできるんじゃないかとジュンク堂通いつめてさ、前日もダメでさ、当日「ヒャッホー!」って買った本を
「しまった、持ってないかも!」
って2度買いするかね普通。自分の記憶力に愕然としたさ。せめて中開け、裏のあらすじ読め。
帰宅後、目次をみて
「びいどろ池……知ってる……このびいどろ池の景色鮮明に脳裏に焼き付いてる……。読んでないのに知っ -
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明治40年代の東京を舞台に、雑誌記者の高広と天才絵師の礼のふたりが謎に挑む。
ミステリのネタとしては至極真っ直ぐでトリックもわかりやすいのですが、その世界観にぐいぐい読ませる力があります。明治という時代や道具立てもさるものながら、この作品の魅力の第一は高広と礼のコンビでしょう。
稀代の天才絵師にして超絶美形しかもエキセントリックな性格となれば、どう考えても探偵(ホームズ)役となりそうですが、彼の方が自らワトソン役を買って出ているのが面白いです。こんな偉そうなワトソンは初めてですよ。そのふたりが挑むのは、盗まれた真珠、天に消えた人魚、美術品を狙う怪盗などなど。大仰さが話を盛り立てます。 -
Posted by ブクログ
高広と礼の出会いの話とか高広の義父の話など時系列的には前作よりも前の話が入っていたり、恵の話は時系列的には前作よりも後のものなど入っていたりと、時系列は飛びますが、あまり気になりませんでした。
特に高広の義父の話や恵の話は殆ど高広は出てこなかったりするのですが、私は高広や恵が出てこない事にイライラする事なく、楽しく読めました。
二人の出会いの話はさりげなくて、あとがき読んで気がつきました。そう思って読むと、確かに、出会いです。そう思うと、ちょっと変な感じのした場面がキラキラするので不思議です。
『人形遣いの影盗み』も読みたいのですが、なかなか見つからない…店頭じゃなくて、ネットで探した方が良い