三木笙子のレビュー一覧

  • 世界記憶コンクール

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    静謐で、それこそ竹のようにすっと背筋を伸ばして
    凛と冷えた空気が流れ

    小説って作者による音楽がずっと奏でられているものだけれど
    このシリーズでは音のない音楽があって
    登場人物の動作による音しかきこえない。

    あと風景の音と。

    風であったり舗装されていない土の上をゆく足音や
    大八車、紙に鉛筆を走らせる音、
    ため息や白菜の芽が顔を出す音。

    気持ち良い男たちによる清々しい物語。


    やっぱ好きだなあ、このお話たち。



    そう、意外に礼ってかわいいらしいんだ。
    聞き耳たててたんだね。

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    2012年06月18日
  • 世界記憶コンクール

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    シリーズ2作目。
    今回のテーマは親子の恩讐という感じか。
    文庫化で追加された5話以外は親子関係が物語りに深く根ざしている。


    『世界記憶コンクール』
    一目見ただけで文章を覚えることが出来る質屋の息子。
    父に勧められ、新聞広告の求人に応募し記憶力を鍛える訓練を受けるが、その内容がいかにも怪しく雑誌記者の高広に相談を持ちかける。
    ホームズの『赤毛商会』を下敷きにしている。
    2組の親子を通して子を思う親の心も表現されていて味のある話である。
    ミステリとしてはうまくいきすぎか。

    今回は1巻と時系列が逆転している2話が収録されていて
    『氷のような女』は高広の義父基博の話、
    『生

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    2012年05月24日
  • 人魚は空に還る

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    ネタバレ

    雑誌記者の高広と、仕事相手で友人でもある美貌の天才絵師・礼のコンビがさまざまな事件を解決するミステリ。
    デビュー作の短編4作と、文庫化にあたり礼のキャラクタを深めるエピソードが追加されている。

    行方不明の兄を探す小学生の手伝いをする第一作『点灯人』で主要人物が出切って、伏線にしてもよかったと思う高広の出自が明らかになり、彼は浅見光彦みたいな立場なのだなとわかる。
    この設定で多少の都合のよさは黙認され、大掛かりな事件に携わる素地完成。よくできている。

    消えた真珠の謎を追う『真珠生成』は、誰が真珠を盗んだのかという謎の核心と真珠というモノが生成される過程をうまーく絡めている。

    『人

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    2012年05月22日
  • 人魚は空に還る

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    表紙を見て今流行のBL風味なのかもしれないなあ、と恐れながら購入したがとんでもない。
    とても心地よい物語がつまっていた。

    気取るわけでもなく、しったかぶりの知識をひけらかすわけでもなく
    淡々と綴られる小さな物語たち。
    いろんなものが繋がって、「ああ、そういうことね」と
    作者の頭に蓄えられた様々な出来事や事実がきれいにまとまっている。


    読み終え、実に「気持ちのよい男たち」だ、と某映画の台詞を呟いてしまう。


    最近、これが小説を名乗って出版されていいのかと疑問に思うものに多く出会っていたため、なんだかほっとしたよ。
    ぜひ続編を読みたいと思う。

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    2012年05月02日
  • 人魚は空に還る

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    ホームズ&ワトソンものは少なからず読んできたつもりですが、これは新しい!
    「思わせぶりイヤミホームズ」「読者以下の推理力しかない卑屈ワトソン」の定型を覆す、「腰の低いホームズ」と「上から目線な美男絵師ワトソン」です(笑)。
    いやー、ビックリしました( ^ ^ )この部分は、ミステリスキーなら楽しめるカタストロフィではないでしょうか(笑)。何が面白いって、ワトソンに役を譲りたがるホームズのヘタレっぷりや、自分の画力と美貌を武器に事件にズカズカ口を出すワトソンの強かさですよ(笑)。

    誰も死なない謎解きものと言えば最近は「日常の謎」ものが人気ですが、今作は失踪・盗難・密室からの消失ときて、極め付け

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    2012年02月27日
  • 人魚は空に還る

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    2、3巻を積読しているうちに1巻が文庫で出ちゃった。文庫で読み返したからこの流れで2、3巻も読もう。

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    2012年07月22日
  • 怪盗の伴走者

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    今回はどんなストーリーなのかと期待したが、最後まで展開が読めなかった
    というか、ロータスの長期に渡る策略に狂気さえ感じた

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    2025年06月11日
  • 水の都 黄金の国

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    要素としてBLぽい話かと思ったけどBLではなかった(笑)
    それはそれとして、題材と話運びはとても良く、それなりにお勧めです。

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    2025年01月26日
  • 露西亜の時間旅行者 クラーク巴里探偵録2

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    晴彦がパリに戻ってきた第2巻。
    きらびやかな巴里で贔屓筋の困り事を解決していく有能番頭とその補佐のお話。

    強烈な憧れと敬愛、尊敬を心の真ん中に置いて生きている人が多い印象。それはメイン二人だけでなく、困り事を解決していく中で関わってくる人達も同様。
    時にはそれがよくない方向に進むこともあるけれど、美しい生き様だなと思います。

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    2024年06月27日
  • クラーク巴里探偵録

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    ヨーロッパ巡業中の曲芸一座の敏腕番頭と新入りくんが、贔屓客から持ち込まれる謎を解いていく連作短編。
    敏腕番頭の過去と新入りくんの訳あり事情が絡み合って陰謀が展開されていきます。
    誰も幸せにしない陰謀の帰結はちょっと切ない。

    淡々としているようで愛情深い番頭さんと、派手で華のある豪快な座長さんとの過去が気になるところ。

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    2024年06月15日
  • 招かれざる客~黒の大正花暦~

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    人に寄生する黒い花の植物の栄養は、人の悪意。

    庭に一輪あったら…な、恐ろしい花、ではありますが
    悪い事を考えていなければ、寄生されない??
    寄生された人が悪事を働くのか、働こうとするから
    黒くなって寄生されるのか。

    操られているわけでもないので、事件としては
    普通にまっとう(?)な内容でした。
    短編で分かりやすく読みやすく。
    ものが植物なので、それほどまでの大事件に
    なる事もなく、でした。

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    2024年03月26日
  • 怪盗ロータス綺譚 グランドホテルの黄金消失

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    〈帝都探偵絵図〉シリーズのスピンオフ。欧州に渡った怪盗ロータスと幼なじみの省吾が帰国し、不可解な出来事に出会う短編集である。
    怪盗というより探偵として詐欺師を騙す詐欺師みたいになっていて楽しい。
    それにしても蓮の変装術はルパン並みですごい。

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    2023年06月15日
  • 怪盗ロータス綺譚 グランドホテルの黄金消失

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    【収録作品】グランドホテルの黄金消失/特等席/埋める者 暴く者/すべて当たり籤/光と影のおむすびころりん

    コン・ゲーム。怪盗としての仕事じゃないので、ただ楽しく読める。
    本編はどうなったのだろう。

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    2023年03月18日
  • 竜の雨降る探偵社

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    三木さん独特の透明感のある作品です
    表題の意味は最後まで読まないと分かりません
    ミステリーとしては物足りなさを感じましたが、最後まで読むと、なるほどと思います

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    2023年02月18日
  • 月世界紳士録

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    概念としての月……幻想的で美しい月のイメージが、月にまつわる話とともに楽しめる良作だとおもいます。ただ、全体的な雰囲気は幻想的ですが、起こる事件の真相は人の欲にまみれていて生々しい。

    この方の書くお話は、きれいで上品な雰囲気が好きです。

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    2022年06月19日
  • 帝都一の下宿屋

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    最初の人物紹介、背景を読んで、何か読んだ事があるなぁと思い、似たような本を読んだのか?或いはまた同じ本を手に取ったのか?
    途中、やはりこれは読んだ事があるぞとなり、しかしどんな話だったっけ?と思い、結局最後まで読んだ。自分の記憶力の無さにあきれ、ある意味読んだと分かったのだからまだましか?と自分を慰める。
    梨木桃介のような人物になりたい、もしくは静修館に住みたいと思う。

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    2022年05月13日
  • 露西亜の時間旅行者 クラーク巴里探偵録2

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    二人の関係性を忘れてしまった。過去の出来事を覚えていたほうが面白かったかも。プラントハンターってそんな昔からあったのか。

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    2022年04月04日
  • 帝都千一夜 美男のシェヘラザード

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    異国から来た美男のところに持ち込まれた不思議な事件。日本なのにアラビアンナイトが紛れ込んだような…。タイトルと表紙がキラキラしすぎてちょっと恥ずかしいかも。

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    2022年02月03日
  • 帝都一の下宿屋

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    2022-12これはシリーズにするのかな。主人公のキャラが弱く、周りの登場人物と並列くらいになっているのが残念です。でもこの時代の雰囲気が少し感じられて良作です。

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    2022年01月27日
  • 世界記憶コンクール

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    最初の作品とは視点を変えた作品が集められている
    欲張りな一冊になっているかな
    2冊目から読んでもいいかも

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    2021年02月04日