三木笙子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シリーズ2作目。
今回のテーマは親子の恩讐という感じか。
文庫化で追加された5話以外は親子関係が物語りに深く根ざしている。
『世界記憶コンクール』
一目見ただけで文章を覚えることが出来る質屋の息子。
父に勧められ、新聞広告の求人に応募し記憶力を鍛える訓練を受けるが、その内容がいかにも怪しく雑誌記者の高広に相談を持ちかける。
ホームズの『赤毛商会』を下敷きにしている。
2組の親子を通して子を思う親の心も表現されていて味のある話である。
ミステリとしてはうまくいきすぎか。
今回は1巻と時系列が逆転している2話が収録されていて
『氷のような女』は高広の義父基博の話、
『生 -
Posted by ブクログ
ネタバレ雑誌記者の高広と、仕事相手で友人でもある美貌の天才絵師・礼のコンビがさまざまな事件を解決するミステリ。
デビュー作の短編4作と、文庫化にあたり礼のキャラクタを深めるエピソードが追加されている。
行方不明の兄を探す小学生の手伝いをする第一作『点灯人』で主要人物が出切って、伏線にしてもよかったと思う高広の出自が明らかになり、彼は浅見光彦みたいな立場なのだなとわかる。
この設定で多少の都合のよさは黙認され、大掛かりな事件に携わる素地完成。よくできている。
消えた真珠の謎を追う『真珠生成』は、誰が真珠を盗んだのかという謎の核心と真珠というモノが生成される過程をうまーく絡めている。
『人 -
Posted by ブクログ
表紙を見て今流行のBL風味なのかもしれないなあ、と恐れながら購入したがとんでもない。
とても心地よい物語がつまっていた。
気取るわけでもなく、しったかぶりの知識をひけらかすわけでもなく
淡々と綴られる小さな物語たち。
いろんなものが繋がって、「ああ、そういうことね」と
作者の頭に蓄えられた様々な出来事や事実がきれいにまとまっている。
読み終え、実に「気持ちのよい男たち」だ、と某映画の台詞を呟いてしまう。
最近、これが小説を名乗って出版されていいのかと疑問に思うものに多く出会っていたため、なんだかほっとしたよ。
ぜひ続編を読みたいと思う。 -
Posted by ブクログ
ホームズ&ワトソンものは少なからず読んできたつもりですが、これは新しい!
「思わせぶりイヤミホームズ」「読者以下の推理力しかない卑屈ワトソン」の定型を覆す、「腰の低いホームズ」と「上から目線な美男絵師ワトソン」です(笑)。
いやー、ビックリしました( ^ ^ )この部分は、ミステリスキーなら楽しめるカタストロフィではないでしょうか(笑)。何が面白いって、ワトソンに役を譲りたがるホームズのヘタレっぷりや、自分の画力と美貌を武器に事件にズカズカ口を出すワトソンの強かさですよ(笑)。
誰も死なない謎解きものと言えば最近は「日常の謎」ものが人気ですが、今作は失踪・盗難・密室からの消失ときて、極め付け -
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