あらすじ
海に浮かぶ街、ヴェネツィア。この地で友を亡くし、同じ悲しみを知る君と出会った。――時は明治。日本語講師としてイタリアに赴任した誠次郎は、下宿先の料理店で働く美青年・ルカとともに、迷宮都市で起きる様々な怪事件にかかわることになって――?
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Posted by ブクログ
読み飛ばしてしまったのか、2話まで時代がよくわかんなかった。現代かな? 近代かな?って。現代でもそういう表現することあるから。
2話で近代かとわかったのはいいのだけれど、清人を「清の人」としばしば読んでしまい、そうよね極東だもんね、ヴェネツィアの人にはごっちゃになるかもね、なんて解釈してとんだ斜め上の読み方をしておりました。なにやってんだろ。
セリフでは人々は生きているんだけれど、地の文が音のしない無機質で突き放した冷静さを常に保ち、独特の雰囲気を作り上げているのは作家さんの多分特徴で、
読んでる方も常に客観的に誰かに入れこむことなく、世界の上からながめることができて。
それはまた、感情の自由度を高めることにもつながって。
作者に押し付けられることのない、自分自身の感じる意思を持つことができて。
で、まあ、淡々と終わっちゃうのかなあ。1冊が続編のための伏線とかだったら少々アレかなあ……と油断させておいて
僕はね、エピローグでやられましたよ。ああもう!
(´;ω;`)ブワッってこのためにあるんだってもんですよ。ちょっとクヤシイ。
おかげでそっとページを閉じることができたんで嬉しいんですけれど、ああやっぱり1冊通してちゃんとお話になってたんだなあってそういうのも。
日本・フランス・イタリアときて……次はどこかな? 次作も楽しみです。
Posted by ブクログ
明治時代のヴェネツィアを舞台に日本語講師の誠次郎と下宿先の料理店で働くイタリアの青年ルカが謎を解いていく話。
日本人に馴染みの深いマルコ・ポーロやガリレオが題材なので、歴史に弱い私でも読みやすい。
共通の友人を失った二人が悲しみを乗り越えようと葛藤する様子が切ない。
変わることを恐れるルカに少しずつ語りかける誠次郎が温かく優しい。
決して叶う事のない夢だったけど、幸せな夢だった。
Posted by ブクログ
(01)《ここはヴェネツィアですから》p.177。街が主人公なのかもしれない。でも、たとえば塩野七生さんで読んだようなヴェネツィアの雰囲気はあまり感じられず、言葉で説明されてるだけの感じがある。
(02)おそらく明治期。古水清人の夢。イタリアの人びとに愛され優秀だったが何も成し遂げられないうちに死んだ彼は、腕のいい料理人ルカに慕われ、幼馴染の誠次郎の憧れだった。
(03)贋金事件。金貨をバラ撒く怪人。現代(この時点)のカサノヴァ。望遠鏡を逆さに見たせいで消えた男。
■ヴェネツィアについての簡単な単語集
【ヴェネツィア】ジャンニいわく《キヨ先生は言うとったな。水は異なる世界へつながる道、ヴェネツィアの無数の運河と、そこを行き来しているゴンドラを見ていると、生きている者と死んだ者の境目が薄れていって、過去と今が混じり合っているように思えると》p.92。《元々が魔術的な街だが、夜のヴェネツィアはなおさら異界めいて見える。》p.122。《ヴェネツィアの邸では湿気を嫌って一階に住居部分がない。》p.130。《ここはヴェネツィアですから》p,177。《ヴェネツィアでは歩くことそのものが喜びだった。》p.188。
【ヴェネツィア人】宗教と商売を切離して考えるドライなところがある。
【エンリコ】小物鉄細工の工房の主。《古い物は古いまま残しておくんだ》p.22
【カサノヴァ】稀代の女たらし。醜聞も多い。脱獄不可能と言われていた「鉛の監獄」に囚われるも脱獄した。
【カバリーニ】ヴァレリオ・カバリーニ。日本名誉領事。著名な日本学者。
【カンティーナ】誠次郎の下宿先の店。ルカが料理人をしている。店主ジャンニの人柄や話のうまさとルカの料理の美味さで繁盛している。夜は酒場。
【ジジ】〈カンティーナ〉の客。野次馬気質。女好きでカサノヴァこそ理想の生き方。《恋人の数は男の勲章だぜ。》p.109
【ジュデッカ島】「スクード」という軍事工業会社など様々な工場が建てられている。この島の形はなんとなく日本列島に似ているような気がする。
【誠次郎】館下誠次郎。主人公。〈カンティーナ〉に下宿している。伊太利人が好きなので伊太利人が困っていたら助けようと心に決めており探偵役をするハメにおちいる。亡くなった古水清人の幼馴染。ヴェネツィアで日本語を教えている。そのかたわら美術学校に通う。
【バーカロ】日本なら「縄のれん」と言えるような酒場。〈カンティーナ〉はこのタイプ。
【パオロ】〈カンティーナ〉の常連。なにもかも丸くできている大福のような男。いかにもなヴェネツィア人。《そこはうまくやらなきゃ。世の中いろんな人がいるんだし、学者だって世渡りが大事だよ》p.168
【古水清人】誠次郎の幼馴染にして前任者。故人。非常に優秀で真摯だった。人柄もよくヴェネツィアの人びとに深く愛されていた。
【ルカ】誠次郎の下宿先の料理店〈カンティーナ〉の料理人をしている青年。誠次郎の相棒的存在になっている。古水清人を慕っていたので日本人に幻想を抱いており誠次郎にはガッカリ? 金髪碧眼。非常にまじめで堅物。
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時は明治の頃、水の都ヴェネツィア。亡き旧友が没したこの地に日本語講師として赴任した主人公が、旧友を知る下宿先の青年と共にこの地で起きる怪事件にかかわる――
三木先生の作品は、青年が、もう一人の青年に心酔して慕う関係性を描かれる事が多い印象ですが、今作はちょっと変わってて、心酔先の相手が既に死没してるという状況。そこで残された、同じ痛みを持つ二人の青年の関係がどう進展していくのか…というワクワク感が良かったですね。
Posted by ブクログ
明治時代に日本語講師としてヴェネツィアに赴任した誠次郎が、さまざまな事件を体験する短編集。
ヴェネツィアの風景や人々の人情が美しくしんみりする話。ゴンドラに乗った仮面姿の怪人が金貨をばら撒くなんて想像するだけで楽しい。最初は頼りなさげだった誠次郎が成長していくのもよかった。前任者の清人について描写があまりないので、それほど皆に慕われるのがピンとこなくて、そこは残念。
Posted by ブクログ
ヴェネツィアを舞台に、日本語講師として滞在中の誠次郎を探偵役として、様々な事件の謎解きを描く。
富豪の人探し、ヴェネツィア版ねずみ小僧の登場、カサノヴァの異名を持つ謎の人物と人間消失、ガリレオの望遠鏡に纏わる伝説と人間消失その2。
ミステリーとしては軽い。
帝都シリーズを思わせる、友情ともそれ以上とも付かない萌え関係。誠次郎のキャラクターがやや薄いのが残念。シリーズとして続くのなら良いけれど。今は亡き清人を思い続けながらも誠次郎に傾倒していきそうなルカが切ない。
Posted by ブクログ
作中でルカが指摘されているし本人も自覚している、分かったうえで書かれているんだけど、誠次郎と清人を比べるのはあまり良い気分ではないかな。最後まで読めばちゃんとルカの気持ちも分かるんだけど、若干のもやもやは否めない。
Posted by ブクログ
明治時代とか、軽い謎解きとか、好きだけど
清人をリスペクトしまくるルカとか必要かな?
物語に絡んで来るのかと思えばそうでもないし
中途半端なBL要素っぽさが、却って邪魔
物語としては、ない方がすっきりすると思う
Posted by ブクログ
ヴェネツィアと日本。
明治時代に日本から日本語講師としてヴェネツィアにやってきた誠次郎は、下宿先の料理人ルカと共に事件の謎を解いていく。
三木さんの描く、このつかず離れずみたいな男子2人の関係と気持ちのいい読後感の話が大好きです。