三木笙子のレビュー一覧
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「米国帰りの探偵と謎の美青年が横浜を守る!」(文庫オビより)ついでに身辺の世話を焼いてくれるかわいい少年も出てきます。
というわけで三木先生お得意の、美青年二人の(一人は渾名が「プリンス」の探偵、もう一人は見事な女装と潜入活動が得意な隠密…)ブロマンス謎解きモノ! 時代描写も素晴らしく、今回は舞台が横浜です。その時代・舞台ならではの謎の描き方から伏線の折り込み方まで美しくまとまっていて、申し分なく面白かったです。
今回の二人組はやや一方通行ぎみ(というか、反対向きの方はツン気味なのであまり表に出てこない…)のがこれまた良い感じにブロマンスのツボを突いてきてたまりませんね。
シリーズ化希望! -
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月にまつわる民話伝承、何でも取り扱う部署に
配属されてしまった主人公。
そこで起こった、月に関する謎4つ分、の話。
元々配属されていた月狂いの人が探偵で
新人たる主人公は情報収集?
最初の話はこっているな、という反面
そこまでするか?! の驚きが。
これで大事にするならともかく、これでは
譲ろうという気にならないのは確かです。
一体自分は何が大事なのか。
それが気づけたのは、よい事なのでは? な2話目。
生涯、それに気が付かない場合もあるわけですし
そう考えると幸せです。
これだ! と利用できた人達もいたわけですし。
突如もて始めたら、何を一番疑うか。
落ちを見て、もしかして…という疑いがあったのか。
まぁそれがなくても、あからさまに怪しいですが。
そもそもこれで舞い上がるのは、10代か
もてたいと思っている人だけでは?
そして最後。
詐欺って恐ろしい…のもありますが、アイデアが凄い。
ここまで大規模だと、確かにばれません。
という4編ですが、ここまですべて
気が付いた人も凄いですが。 -
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三木先生の今までのシリーズ(帝都探偵絵図やクラーク巴里)では、探偵役とその相棒との間には揺るがない信頼関係があり、その関係性の中で描かれる物語だったのですが、今回の待宵と桂との間にはそれがまだない。この本に収録されてる4つのお話を通してそれが徐々に構築されていっていく途上、みたいな感じですね。
その結果、二人の捜査行動がバラバラで(桂の手のひらの上で待宵が踊らされているだけのようにも見える……)、男同士の友情に悶えたい私としてはちょっと物足りない(笑)
ミステリのネタ自体は三木先生お得意の、史実と人の心の機微・思惑が絡み合った結果発生する物語、といった感じで。(あとこれは完全に個人の趣味ですが、JAXAの関連会社設定など完全に現代の物語なんですが、先生の文章が醸し出す持ち味が大正レトロな感じゆえ、読んでる間中、違和感がつきまとうというか、この時代設定にした必然性がイマイチ判らず常に背中がモゾモゾする感じを受けながら読んでました) -
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発売日に買いに行ったら見つからなくって、
店員さんが「さっきあたし販売したんです。だからもう一冊はあるはずなんですぅぅぅ」
二人で必死で探したけどやっぱり見つからなくって、すぐに支店から取り寄せてもらうという、手に入れるのに一手間かかった人気本!(以降、予約することにしました)
このシリーズは、他の作品と違うところがひとつあって。
たとえばお話って一つの円みたいに収束しますよね。
ぐるっとめぐって、円になって終わる。結末は動かない。しっかり読者に結果をしらしめる。
でも、巴里でのお話は完全には終わらない。神様の気まぐれで変わっちゃうかもしれない。流れから言うとこうなるはずだけど、(実際そうなんだけど)女性が刺されて終わるかもしれない。大地震が起こって皆が思う終わり方をしないかもしれない。世の中何が起こるかわかりませんものね。
解決の一歩手前で、(放って置いても流れはエンディングに向かうまでは描かれていますが)そうと匂わせるところで終わっています。疑い深い私はちゃんと解決するのかな、とハラハラ感が残ります。終わるんですけどね、後日談がちらっと他のお話で出たりしますからね、ただ自分が心配症なだけで。
長くなっちゃうのでココらへんで。
数少ない新刊おっかけてる作家さんなので、今後もどんどん本を出してほしいなって思ってます。 -
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前作で一度帰国した晴彦が三年半ぶりに那須一座へ復帰。パリでの孝介との活躍再び。
今回、晴彦がちょっと大人しいなぁ(影が薄いなぁ)と思いながら読んでました。(晴彦の世話を焼くのと、人に気に入られやすいキャラを生かしての必要な情報収集のためのツールみたいな使われ方……一方通行ぎみだしね)そこら辺をふまえてのこの連作(?)短編の4作目を読むと、ここへ至るための布石だったのかなぁとも思いつつ、ちょっと二人の関係を楽しみにしてたので物足りない部分も。
でも毎度のことながら、この時代の出来事などを上手に事件や物語に組み込んでくる手腕は流石です。(飛行機とか、ルビーの話の奴はレーヨンですかね)
オンブルと孝介の関係もまだ不明点があるので、このシリーズは続刊が出るのかな。楽しみにしてます。 -
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どうか、この心を、誰かがわかってくれますように。
超絶美形の天才絵師・有村礼と、雑誌記者・里見高広の“帝都探偵絵図”シリーズ第一作。礼がこよなく愛するホームズの物語を翻訳する、それが高広の役割。そして、二人が出会った謎を、優しく解き明かす高広。ちょっと不思議なホームズとワトソンの物語。短編集で、どの物語も、切なさと優しさに満ちている。ままならぬ浮世で、それでも優しく、誠実に生きようとする、不器用な切なさに。
「人魚は空に還る」浅草で話題の興業「蝋燭座」の出し物の目玉は人魚。しかし、人魚を買い取る人が現れ――。空に還った人魚の秘密とは。さりげなく小川未明が登場する表題作。真相を見抜いた高広は、しかしその罪を問おうとはしない。彼が真相を語るのは、礼のため。