三木笙子のレビュー一覧

  • 世界記憶コンクール

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    ネタバレ

    謎の背景には、親子の絆。

    お得意の分野、明治+美形+ホームズ&ワトソン。〈帝都探偵絵図〉シリーズの第二弾。とはいえ、実は小説で読むのは初めて。会話中心で読みやすかった。主人公コンビである雑誌記者の里見高広と美貌の天才絵師有村礼が直接かかわらない話もあり。何組かの親子が出てきて、それぞれの関係がある。優しいものも、厳しいものも。親が子を、子が親を、思っている、だけではない。でも全体的な雰囲気は、優しく、後味もよい。

    「第一話 世界記憶コンクール」まさに「赤毛組合」でした。似たような条件が揃ったらわくわくしちゃう有村先生の気持ち、わからんでもないホームズファン。

    「第三話 黄金の日々」過去の事件の関係者・東京美術学校予科の森恵と、その学校で出会った西洋風の顔立ちの同級生・唐澤幸生。これまた主人公コンビとは違うけれど、興味深い二人。西洋の血を引き、養父に有名な陶工を持つ、しかし家族の縁には薄い幸生。二人に共通するのは、彫刻への愛情と、家族への複雑な想い。でもきっと情熱を注げるものと、一緒に精進する仲間が、二人を守ってくれる。

    ホームズ&ワトソンっていうと、ホームズ(=探偵役)が傍若無人の天才肌っていうイメージになりがちだけど、高広はむしろ礼のために(そして関係者のために)事件を解いている感じがあるよね。優しいホームズは苦労するんだろうな、と。

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    2016年07月31日
  • 百年の記憶 哀しみを刻む石

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    ネタバレ

    守れない約束に後悔し続けた良治。
    約束を信じて待ち続けた伝。
    立場が違えば見えるものも違う。憎しみが生まれるはずがないことは分かっているけど、二人の記憶を受け継いだ者達が苦しんでいるのは辛かった。
    世代を越えて遠い日の約束を果たした徹と大地の絆は揺らぐことがなく強い。
    良治と伝は思いを石に託して再会することを強く願い続けていたんだと思う。
    大地の手を握り返した徹の手に新たな始まりを予感させる。

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    2016年05月31日
  • 百年の記憶 哀しみを刻む石

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    この物語は、三世代に渡る少年同士の友情の物語です。(そしてその三世代、三組の少年同士がそれぞれ血縁関係でないのに、結果的に巡り会うという因業めいた展開がニクい)
    お互いがお互いを思う故、あのような結果に終わってしまった「伝」の世代、「航」の世代、そしてその連鎖を断ち切ろうとする徹と大地の葛藤。
    ラストのあの展開には、賛否両論出そうなのには納得。ただ、あえて描かない選択をした事について、私は好意的に受け止めています。読者の心の中で続きが展開していけば良いのでは、と。
    蛇足ですが、せっかく地学部なんだから、もっと石の種類出して貰えると、石マニアとしては嬉しかったかな…w

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    2016年03月13日
  • 百年の記憶 哀しみを刻む石

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    文庫化してただけだったうっかりしてた。とうに読んでた。

    いつもの作品よりも静謐さがなく、中高生にとっつきやすい作品になっているような気がする。
    あの静かで冷たい風の音のする作品が好きなものには多少の場違いさを感じてしまうことだろう。

    ただ、ラスト。

    ここで切るのが三木笙子作品の醍醐味なのだ、彼女の作品の冷たさとぬくもりなのだ。

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    2015年10月28日
  • 百年の記憶 哀しみを刻む石

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    ネタバレ

    読み始めた時は、心が躍るのをとめられなかった。

    石に宿る 遠い過去を生きた人の記憶。
    このモチーフだけでも展開に強く思いを馳せてしまう。

    さらに冒頭の地学部の部室がある旧校舎の描写や
    登場人物がとても魅力的で 期待が高まった。

    しかし後半は急ぎすぎたのだろうか。
    しっくりこないままで終わってしまった。

    伝と良治の繋がりはとても強い。
    第三者の立場で見ていても 良治のしたことを
    伝が恨んでいるとは思えなかった。
    仮に恨んでいたとしても そのことを
    後悔しているはずの良治の記憶が 
    そこから逃れたいと思っているとは 
    やはり考えられなかった。
    むしろ あえて伝の前に進み出て
    ひれ伏して詫びるのではないだろうか。

    伝の記憶を継いだ大地と良治の記憶を継いだ徹。
    やがてそのことを互いに知ることになる二人の
    不思議な巡りあわせの必然性や
    時代を超えて再会の喜びを心から分かち合う
    大地の中の伝 と 徹の中の良治 を描いて
    くれるものだと思っていた。

    良治の恩人である医師の姓 久守と
    徹の義父 航の姓 久守との関連性も
    語られていなかったように思う。

    どこか腑に落ちず 前半の筆者の筆力からすると
    もっと心震えさせてくれたはずだと思っている。
    少し残念だ。。

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    2015年10月15日
  • クラーク巴里探偵録

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    明治時代(たぶん…)のパリを舞台に、ヨーロッパ巡業中の曲芸一座の番頭・孝介と新入りの晴彦。贔屓客から依頼される事件の解決に奔走するーーという連作短編集。

    三木さんの作品は心底からの悪人ってのが出てこないので(必ず背後にはやむにやまれぬ事情がある)読んでて心が荒まなくていいです。
    最終話での高瀬がすごくイイですね。(細かくは書きませんが)あの思考過程、なるほど理解です。

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    2015年05月29日
  • クラーク巴里探偵録

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    日露戦争直後のパリ、日本の曲芸一座の二人が贔屓客から頼まれた厄介事の始末に奔走するという連作短編集。
    ミステリとしては薄味だが当時の巴里の雰囲気を楽しめる感じ。特に第3話の騙し絵の家は見てみたいと思った。

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    2015年05月01日
  • クラーク巴里探偵録

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    【収録作品】第1話 幽霊屋敷(メゾンアンテー)/第2話 凱旋門と松と鯉/第3話 オペラ座の怪人/第4話 東方の護符

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    2015年02月09日
  • 人魚は空に還る

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    なんとなく衝動買い。全体読みやすく面白いと思います
    。
    このシリーズは初めてだったので油断していましたが、少しキャラクターが綺麗すぎると申しますか漫画的な空気感なのが個人的には少し苦手でした。

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    2014年07月25日
  • 人魚は空に還る

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    幻想的な事件を廻る、お人好しなホームズ・高広(雑誌記者)と美形ワトソン・礼(売れっ子天才絵師)。一話完結短編集。
    最初、美形な方がホームズでお人好しの方がワトソンかと思ったけど、違いました。
    ちゃんとその理由も、文庫版の書き下ろしで説明されているので、読むなら文庫がお薦め。
    *
    全体的に題材が綺麗で幻想的だと思いました。舞台が明治時代というのも相まって、良い雰囲気を醸し出しています。私は「人魚は空に還る」と「点灯人」が好き。特に「人魚~」の方はトリックや内容が気になって夢中になって読みました。
    *
    p114〈『じゃが、美しいものは美しいから価値があるのではないぞ。美しいものに接した人間が、勇気づけられ、正しい心を持てるから価値があるんじゃ。だがそれをいちいち説明しておると面倒じゃから、簡単に「綺麗なものはよい」と言っておるのだろうな』〉
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    この小説内では特に「美しいものを大切にする」ということを意識している印象を受けました。礼の絵や容姿は何かと美しいと言われるし、各章でも何かしら「美しいもの」が注目され、それについて語ることがあったので。
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    主役コンビが付かづ離れず(しかし離れる事を心配しつつ)展開してますのでそういう人物関係が好きな人も楽しめるのでは。

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    2014年05月20日
  • クラーク巴里探偵録

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    表向きの設定だけのほうがよかったような、それだけでは退屈だったような。年齢設定が老けてるような若いような・・・。

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    2014年03月26日
  • クラーク巴里探偵録

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    面白かったですが、状況描写というか、説明が不足気味で突然な事が多くて、??ってなりながら読んだ部分が多かったような感じです。
    話は面白かったので少し残念。
    でも最後はほっこりして、清々しい気持ちになりました。

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    2014年03月01日
  • 人魚は空に還る

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    明治40年代の帝都東京、雑誌記者と天才絵師が数々の謎を解き明かす連作短編集。

    クールビューティの天才と心優しい凡人のコンビであるならば、天才が探偵役、凡人が記述者役になりがちであるが、今作は「あえて」凡人を探偵役にしている。
    だが、その代わりに、あまり天才が機能していないようにも思える。

    表題作で、人魚が空へ≪還る≫景色は、本当に美しかった。

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    2014年02月18日
  • クラーク巴里探偵録

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    誰かが誰かを大切に思っていて。
    そのために自分を投げ打って。
    三木さんのお話は、読み終わったときには、やっぱり悪人がいないんですよね。ほぉ…って、静かなため息で余韻を味わう感じ。

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    2014年02月11日
  • 人魚は空に還る

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    明治を舞台の日常ミステリ。

    探偵側が視点のミステリって珍しい。
    高飛車なワトソンくんに振り回されるホームズ(笑)

    どちらもなんだか可愛いな。

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    2013年07月30日
  • 人魚は空に還る

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    明治、帝都と時代背景的にはすごく好きな雰囲気。
    起こる事件もそれほど生臭くはなく、ゆったり楽しめる人には面白いかも。
    個人的にはもうちょっとひねりが欲しかったかなーという印象です。

    あと毎回出てくる有村先生の美貌褒め称えが、どうにも気になって気になって。
    そんな小さなとこ気にして、すみません…。

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    2013年03月20日
  • 人魚は空に還る

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    時代は明治、人のいい新聞記者と美貌の人気絵師…と設定だけ聞くと軽い感じだったけど、読んでみるとホームズとワトソン役が想像と逆だったり、登場人物達も厭味がなくて続編も気になる。

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    2013年01月17日
  • 人魚は空に還る

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    雰囲気もあって題材もよいのに、なぜか読みにくい部分がちらほら。
    唐突だったり、話が飛ぶ感じがし、世界観に浸り切れなくて残念

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    2012年09月17日
  • 人魚は空に還る

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    時代背景がわからないとちょっととっつきにくいところはあるけど、ガッチガチの推理ものは正直苦手なので、さらっと読める感じがよかったです。逆を言うと本格志向の人には向いてないのかも?

    腰の低いホームズと高飛車なワトソン

    と作中でたとえられていますが、まさに、ですかね。個人的には高飛車でツンデレなワトソンだったと思います

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    2012年07月02日
  • 世界記憶コンクール

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    明治が舞台の『帝都探偵絵図』シリーズ第二作。作品のイメージと表紙絵が見事に一致しているので、表紙買いしてもOKな作品です。
    美しくて清廉、人情味が溢れるミステリというより、もはや群像劇。
    今回は高広の養父の過去話が出てきたり、前作のあのキャラが主役になったりと、『帝都探偵絵図』シリーズの世界が一回り広がっていった感じです。
    明治の、あの雑然としていて近代化されつつ古い時代の空気も残っている雰囲気が大好きなので、このシリーズお気に入りです。
    ミステリのトリックの奇抜さではなく、物語としての美しさやキャラ萌えで読ませる作品集です。

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    2012年05月23日