三木笙子のレビュー一覧

  • 人魚は空に還る

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    ネタバレ

    創元推理から出ていても、ミステリ小説というよりは時代物の浪漫譚。
    そしてこれが最高に面白い。

    貧乏だけど人情家でお人好し、でありながら頭脳明晰・腕っ節も強い探偵と、自分に自信ありまくりの超美形売れっ子絵描きの男二人コンビという、
    また女子の大好きな設定だなぁ…と思いながら、ちょっとそっち系に媚びた作風を邪推して読んだのだけど、とても期待を裏切ってくれた。

    不可思議な出来事と、そこに潜む人たちの不器用な想い、ままならない出来事への主人公たちの憤りや心配や思いやりがまっすぐ心に届く作品。

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    2012年01月07日
  • 月世界紳士録

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    月にまつわる道具や出来事を中心として巻き起こる日常ミステリの連作。なんとなく、価値観が独特な登場人物が多くて感情移入が難しかったものの、慣れてきた後半辺りから、むしろこの独特な感じが楽しかった。ミステリ要素はかなり薄くて、「まあ多分こういうことだろう」くらいに予想していたら、それが当たって、詳細を種明かししてくれるような感じ。

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    2025年05月08日
  • 招かれざる客~黒の大正花暦~《コミック版》(5)

    mu

    ネタバレ 購入済み

    終わっちゃった

    黒幕が恐すぎた。人を襲わせといてほんとどんな気持ちで談笑してたん。しかも蕁麻疹出る茶葉…こわ。最後は廃人みたいになって逃げっぽくてすっきりしないな~それで罪を償う?うーん…勝手にやったこととは言え彼も責任感じちゃうんじゃない?子供の頃の美しい思い出が…でも謎を紐解いていくのは面白かったので楽しい作品だった。

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    2025年01月12日
  • 招かれざる客~黒の大正花暦~《コミック版》(3)【電子限定おまけ付き】

    mu

    購入済み

    続く

    大正時代というのも良いし、絵が上手で素敵。
    そんなに難しそうな事件じゃないと思ったら解決しないまま続く~


    0
    2023年02月11日
  • 招かれざる客~黒の大正花暦~

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    ネタバレ

    なんて綺麗で静かな文章なんだろう
    人に寄生し悪感情を増幅、養分とする寄生植物異客を見つけ取り除く二人の出会いと想いの物語

    言葉や文字が草花を表すような雰囲気があってイラストもとても合っていました

    自身の命の危険に対して、大丈夫や平気だ、ではなく、(君が)傷付く覚悟をしてくれないか、と返す場面にぐっときました

    異客の事件は終わらないと思うので、続編あったら嬉しいな!

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    2022年09月22日
  • 帝都千一夜 美男のシェヘラザード

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    読みやすい

    遠く離れた国の人が帝国に住んで…
    というところは想像してたけど、まさかの血を引く存在で、色々不可思議なことを解決していくとは!
    最初に想像していたのとは違った内容だったけどもともと好きな種類の話なのでさらっとあっという間に読めました。一つ一つのお話が短めで読みやすいです。

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    2021年12月01日
  • 帝都千一夜 美男のシェヘラザード

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    サレハが帰らなくて良かった。これで続編ありですね。ぜひお願いしたいです。こういう設定とお話しは好きです

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    2021年09月26日
  • 竜の雨降る探偵社

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    昭和の新宿を舞台にした連作短編。元神主の探偵・櫂と、幼馴染で大家で建築会社社長な助手役・慎吾。神主から探偵に転職というのは珍しいと思ったが、最後まで読むと表題の意味も含めて諸々納得。「竜の雨降る探偵社」間違って届く郵便物の謎。「沈澄池のほとり」友の死を悼む女性の真意と消えた手帳の謎。「好条件の求人」奇妙にして大胆な手口。「月下の氷湖」理屈じゃないんだろうな。少しは慎吾の心も軽くなればいいけど。

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    2021年09月10日
  • 帝都千一夜 美男のシェヘラザード

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    ネタバレ

    千一夜ということで、各話は短めで数多め。
    妖霊に関わる多種多様の話が読めて楽しかった。
    出てくる妖霊たちは、段々と人間臭くなるというか、異国の妖霊なのに日本に慣れている感じなのも面白かった。
    大正時代の日本と異国が混ざり合って不思議な世界観になっているというか。

    和恭が無愛想ながら妖霊の憑代になれるほど居心地のいい人で、サレハも惚れこむほどのいい人。
    てっきり最初から心が綺麗な人なのかと思っていたら、彼の過去に驚かされることに。

    考えてみれば、最初から心が綺麗な人というのは、汚れをまだ知らないというだけで、いざその汚れなり穢れなりを前にしたとき耐性がないから、容易に染まるか折れるかしてしま

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    2021年07月18日
  • 帝都一の下宿屋

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    表紙のイケメンに魅かれて。
    美味しい食事を出してくれる下宿屋、最高ーじゃん。
    出ていきたくない気持ちわかる。
    別に猫かぶらなくてもいいような気もするんだが。

    若干安楽椅子探偵っぽい話かな。
    一応捜査、というか、色々調べてはいるけど、
    読み感としては、そっち。
    軽く読めるミステリー。
    おもしろかった

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    2021年03月09日
  • 帝都一の下宿屋

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    ネタバレ

    装丁が素敵だなぁと思って読みました。

    うっすら謎解きほっこり下宿物語。
    湧水さんが桃介さんのことを大好きすぎていじらしい。もはやこれは恋では!笑

    そして坂口さんの毒舌に対して何かにつけて本を投げつけちゃう湧水さんに思わず笑ってしまったり。

    たぶんこちらの作家さんの本は2冊目くらいなのだけど、読みやすくて登場人物が素敵で良いなぁと思います。

    桃介さんと湧水さんと坂口さん、もう少し見ていたいなぁと思わせてくれるお話でした。

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    2021年02月27日
  • 帝都一の下宿屋

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    帝都探偵絵図のスピンオフ?
    口の悪い作家、出不精のようにいってましたが、フットワーク軽くいろいろ出かけてました。
    三木笙子さんの書く人間が好き

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    2019年03月13日
  • 月世界紳士録

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    面白かった。続きほしいくらいには好きだわ。
    いい感じに二人がでこぼこで、それでいて噛み合ってくるのが楽しいよ。

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    2019年01月04日
  • 人魚は空に還る

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    ネタバレ

    表題作「人魚は空に還る」の最後、小川が筆名を明かすところでアッと膝を打った。ただ「赤い蝋燭と人魚」は笑顔になりようのない物語だったと記憶しているのだが。

    すっきりした文章で、全体が穏やかにまとまっている。ミステリを期待すると今ひとつかもしれない。系統としては坂木司さんの作品に近いが、やや及ばない印象。ホームズ役とワトソン役の逆転がキモなので、その新鮮さがどれだけ読ませるか。今後に期待。

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    2018年10月18日
  • 怪盗の伴走者

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    今回は事前予約をしていなかったので、手に入るかドキドキしながら発売翌日にいつもの本屋さんへ。

    まさかのサイン本が並んでいてラッキー。

    シリーズ1,2冊めの時のような冷たく音のない清冽な印象は薄れてしまいましたが(あの空気が大好きだった)、
    全て終わったあと、最後の文章が書かれた左側に真っ白なページが残されていて
    これだって満足感がありました。
    伝わらないかもしれませんが、これが余韻なんだよこれを求めていたんだよ、と。
    ただ終わるのではなく、ゆっくり息を吐きながら閉じることのできる静かな空気、それを含めて1作なんだ。そう感じました。



    ※スカイツリーよりも、凌雲閣を今一度作ってほしかった

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    2017年12月18日
  • 月世界紳士録

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    月にまつわる物語なんて、自分のためにあるようなものではないかと歓喜して購入しました。

    「月」に関係するお話というだけあって、登場人物もなにかしら「月」を連想する名前だったり。
    どんなに科学技術が発達し、衛星として、「モノ」として明らかになっていく月。
    それでも見上げて手を伸ばしても決して届かない月。
    恋しくても触れられない、ほのかな光で地上を照らす存在に止まぬ憧れをもつのは、人が人としてある限り永久にある感情でしょう。

    月をめぐる、人が編み出したミステリー。

    全編に「びいどろ池」の景色がただよっているような、同じ空気を感じました。改めてタイトル確認したら「びいどろ池の月」なんですね、これ

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    2017年08月28日
  • 人魚は空に還る

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    明治時代の帝都東京で不思議な事件に巻き込まれるお人好しの雑誌記者と美貌の天才絵師。絵師が探偵役かと思いきや、お人好しで優しい記者が探偵役(しかも武芸にも通じているらしいという)というギャップ。殺伐とした事件ではなく、ちょっと不思議な幻想的な出来事が題材で、人情味があって優しい雰囲気に仕上がっている。事件が当時の時勢を反映しているのも面白い。
    切なく幻想的な雰囲気の第三話「人魚は空に還る」と、鮮やかな怪盗の手口を通して被害者側の行動の謎が明かされる第四話「怪盗ロータス」が好みです。
    読み口は軽めで、登場人物に嫌味がなく読後感が非常に爽やか。
    続編も読みたい。

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    2017年07月09日
  • 水の都 黄金の国

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    明治のはじめ、遠いヴェネチアで日本語を教える日本人。
    セイが不思議な物事を解き明かす。

    日常系ミステリー。
    町並みがとてもきれいです。

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    2016年10月04日
  • 水の都 黄金の国

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    読み飛ばしてしまったのか、2話まで時代がよくわかんなかった。現代かな? 近代かな?って。現代でもそういう表現することあるから。
    2話で近代かとわかったのはいいのだけれど、清人を「清の人」としばしば読んでしまい、そうよね極東だもんね、ヴェネツィアの人にはごっちゃになるかもね、なんて解釈してとんだ斜め上の読み方をしておりました。なにやってんだろ。

    セリフでは人々は生きているんだけれど、地の文が音のしない無機質で突き放した冷静さを常に保ち、独特の雰囲気を作り上げているのは作家さんの多分特徴で、

    読んでる方も常に客観的に誰かに入れこむことなく、世界の上からながめることができて。

    それはまた、感情

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    2016年09月11日
  • 水の都 黄金の国

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    ネタバレ

    明治時代のヴェネツィアを舞台に日本語講師の誠次郎と下宿先の料理店で働くイタリアの青年ルカが謎を解いていく話。
    日本人に馴染みの深いマルコ・ポーロやガリレオが題材なので、歴史に弱い私でも読みやすい。
    共通の友人を失った二人が悲しみを乗り越えようと葛藤する様子が切ない。
    変わることを恐れるルカに少しずつ語りかける誠次郎が温かく優しい。
    決して叶う事のない夢だったけど、幸せな夢だった。

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    2016年08月02日