三木笙子のレビュー一覧

  • 百年の記憶 哀しみを刻む石

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    石が持つ記憶を受け継ぐ人たちの話。

    小学生の頃に『石文』と言うものを知り、何て純粋な世界なんだろうと石が大好きになった私。

    文字のない時代、大切な人に想いを伝える為に石が使われていたそうです。
    自分の気持ちとピッタリの石を探しに探して、相手へと送るんだそうです。
    私なら、どんな石を探すかなぁと良く考えたものです。


    本作のストーリーとしては荒削りなところもありましたが、充分に優しさが伝わってくる内容。
    終わり方も、ここで切るか!とも思いましたが
    これはこれで素敵。

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    2016年07月29日
  • 竜の雨降る探偵社

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    ネタバレ

    戦後の新宿にある探偵社が舞台の短編集。
    全体的に優しい雰囲気で静かな湖面を想わせる物語。リアルとファンタジーの狭間に在る感じが好みかな。
    友人のために大切なものを躊躇いも後悔もなく捨てた櫂の気持ちが温かい。
    子供の頃から自分を気遣ってくれた慎吾の幸せを思う気持ちが伝わってきた。
    干拓されてしまうけど、湖面は二人の中で静に波打ち続け、色んなものを運んでくれると思う。

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    2016年06月03日
  • 竜の雨降る探偵社

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    ふらりとよった書店で。何の因果かサイン本があったので買ってしまった。
    軽い読書にちょうどいい。読後感もなかなかいい感じ。
    昭和後期、新宿の片隅で小さな探偵社を営む主人公と幼なじみのバディもの。日常の謎系。なぜ郵便物がまちがって届くのか?友人が自殺した池のほとりに毎日現れる女の真意は?一件割りのいいバイトの募集の正体は?兄はなぜ弟を助けなかったのか。どの謎にもちゃんと一定悪意があるところに作者さんのこだわりを感じる。
    ほのかに感じる薔薇の匂いが女性の方に受けるのかしらん

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    2016年04月29日
  • クラーク巴里探偵録

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    ヨーロッパ巡業中の曲芸一座の敏腕番頭孝介と新入り晴彦。贔屓客から依頼されて厄介事の解決に乗り出していくが、二人は危険な計画に巻き込まれていく…。三木さんの作品はいつも雰囲気が好きで、今回もいつも通り安心の読後感。ただ、この作品はこれでおしまいと思われるので残念…

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    2016年02月11日
  • クラーク巴里探偵録

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    目の悪い自分は、読み始めるまで表紙の子はツインテールの女の子だと思っていたので(建物の影が絶妙に髪に見えた)本編の舞台がパリで、主人公が男だったことの衝撃を。ええ、大馬鹿者ですとも。

    1話め1行目から音と音楽が聞こえてきたので、ああこれは結界石や金木犀方面のお話だなとわかります。
    1話2話が淡々と静かに進み、最後がよりによってそれか!それ使うか!人としてアカンやつ使うか! とガツンとくるのが「三木笙子」らしさなのかな。女性の描く話は容赦なく残酷だっていわれるけれど、それかなと。

    不器用でやさしい少年(青年)たちが実に好ましい作品でした。


    ところで本編とは関係のない話なんですが、文字が大

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    2015年11月14日
  • 人魚は空に還る

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    イケメン天才絵師とお人好しの雑誌記者と愉快な仲間たちが帝都で起こる事件の謎を解く。
    絵師殿は最初引きこもりなのかと思っていたが結構アクティブだった。
    佐野が結構好き。
    ロータスのその後が気になるので続きが読みたい。

    表題作を読んだ期間にロトのCMに出てた米倉さんを見て、花遊鞠子のビジュアルイメージが確定した。笑

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    2014年06月12日
  • クラーク巴里探偵録

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    三木笙子新刊。今回は、気難しくてなかなか懐かない、頭のいい年下くん×秘密をかかえた万事そつのない、その従者くんのコンビです( ̄▽ ̄)。お料理上手なとこに萌え。餌付けは大事だ。

    舞台は巴里。まだ馬車が走り、阿片窟が残り、海外への渡航手段は客船、という時代。日本を離れても、こういう旧い都が舞台なのねー。

    まるで帝都シリーズの合わせ鏡のようなお話。探偵役こそ逆だけど、世知に長けた魅力的でアブナイおっさんが出てくるし、過去を引きずるキレ者の青年が出てくるし。もちろん大好物なんですがね。

    シリーズだけでなく、単発のこういう作品も面白い。次作楽しみに待ちます。

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    2014年04月12日
  • クラーク巴里探偵録

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    三木さんお得意の時代背景での探偵小説です。

    舞台は巴里。まずバケットがおいしそうと思う私はやはり食いしん坊です。

    勿論、内容は正当な探偵小説です。

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    2014年02月10日
  • 人形遣いの影盗み

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    割と短くてさっくり読める短篇が多め。
    でも少しあっさりしてるような気がして少し残念。
    とは言え、やはり高広と礼のコンビは読んでいて面白いです。

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    2014年02月10日
  • 人形遣いの影盗み

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    ネタバレ

    好きな事、大切にしたい人のために、何ができるか、何をするか――何をしたいか、読みながら思いめぐらさせられました。好きなものと望むままに共に在れるということは、とても稀有な幸運なのですね。

    そして、相変わらず礼が大切すぎる高広さんと、高広が自慢過ぎる礼を、微笑ましく読みました。しかし、高広さんったら、「――どちらも」とか「大丈夫、落ち着いて。俺がいる」とか、するっと惚れ惚れするようなこと言いますよね。父子膝突き合わせて、「女はわからない」談議してるときは、可愛らしいほどなのに。(^^;)

    それから、桃介さん――最強の大家さん!(><)/

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    2013年11月29日
  • 世界記憶コンクール

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    ネタバレ

    高広と礼がメインの物語も面白かったけど、高広の義父の若かりし頃の――危機に陥り、さらにはその刃を突きつけてくる相手に指摘されるまで、よし乃への自分の気持ちに気付かない、生真面目ぶりというか鈍ちんぶりがとても愛しく感じました。初めて出会ったとき、陽の光が射して思えた…なんて、素敵な一目惚れですよね。恵のその後のお話も――学生時代って、本当に何にも変えがたい時代だなぁ…と。よき友よき仲間たちと、謳歌してほしいと思いました。

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    2013年11月28日
  • 人形遣いの影盗み

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    帝都シリーズ第三弾。今回も、わくわくの短編集。面白かった!

    だんだん高弘くんの受難がツボにはいってきた。礼の傍若無人っぷりにも磨きがかかる。大臣夫妻もいいキャラだ。と、個性豊かなキャラクター小説みたいな設定なのに、なかなかミステリとしても優秀なのが、このシリーズのよいところ。

    やっぱり表題作、ロータス再登場の中編が珠玉。安西さんとなんかおいしそうな因縁があるんですね?!という、引きもあり。無影灯の仕掛けはすぐにぴんときたけど、まさかオチにまで絡んでくるとは。

    このシリーズに限らず、三木さんの作品は全体に漂う時代臭というか、世界の雰囲気というか、それがとっても心地いい。少し闇をまとって、ど

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    2013年11月04日
  • 人形遣いの影盗み

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    シリーズ三作目。
    一番好きかな。
    前2作より、情を感じる作品ばかりだったような気がします。

    そして、高広と礼の友情は相変わらず、こっぱずかしいわ。
    相変わらずというかますますというか・・・

    高広も礼も可愛いこと(笑)

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    2013年10月28日
  • 人魚は空に還る

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    不可思議な事件を不本意ながら解いていく記者のお話。
    短編集なので読みやすいですし、レトロな雰囲気も良いです。
    表題の「人魚は空に還る」が一番好きかな。見世物小屋で歌う人魚が本物か否か、探るお話です。

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    2013年09月07日
  • 人魚は空に還る

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    ネタバレ

    坂木司さんの引き籠もり探偵が好きだったらこちらもお勧めかも。
    ホームズ役がちょっとお人好しで、ワトスン役がやたら不遜ですが。
    時代背景や小道具も好み。
    読む前は幻想小説系も入るかと思いきや、ワトスン氏の美貌以外はそんなこともなかったです。
    続きの「世界記憶コンクール」も読み出し中。

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    2013年08月24日
  • 世界記憶コンクール

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    恵と、その友人幸生の物語が一番好きかな。
    全体的に、優しい風がふいているような物語群。


    でも、この人の文章・・・私、時々見失いそうになるんだけど、
    私の読解力が低すぎるのかな?
    よく、遡って読みかえしている^^;

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    2013年08月05日
  • 世界記憶コンクール

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    話は相変わらず面白いし、雰囲気も好きなんですけどやっぱり文章がちょっと読みづらいなあというのが残念です。
    でも登場人物は皆魅力的で、好きです。

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    2013年02月28日
  • 人魚は空に還る

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    ミステリーとして面白く読める。

    チョイスした時代がよい。

    難しい表現・熟語が端々に出てくるので日本語の勉強になる。

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    2012年09月18日
  • 世界記憶コンクール

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    前作のぎこちない感じが抜けて、いろんな視点からの帝都ミステリー。
    あんまり深刻にならないのは良さかな。とっても人情的。
    前のを読んだときは現代ミステリ寄りだと思ったんだけど、古い用語を使い倒した回りくどさが時代小説っぽい。でもまだ次作も読みたい。

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    2012年08月29日
  • 世界記憶コンクール

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    てっきり主人公固定と思いきや前作と違い主人公と時系列が1話毎に変わるので、また違った面白さがありました。巻末の解説にもありましたが、里見&有村シリーズではなく帝都探偵絵図だから帝都の人ならだれでも主人公になりうるって感じなんですかね

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    2012年07月19日