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六公国を危機に陥れた外島人の“赤い船団”が撃退されて十五年。王ヴェリティが去ったあと、王妃が一粒種の王子を守り育てながら、なんとか平穏に国を治めてきた。一方、ヴェリティの兄であった第一王子の庶子フィッツ、暗殺者の弟子で、今やファーシーア一族の〈技〉を継承する唯一の生き残りとなった彼は、絆を結んだ狼と、訳あって育てている孤児の少年とともに、隠遁生活を送っていた。だが、かつての師シェイドの突然の来訪が、彼を再び運命の渦に投げこむことに……。圧倒的なスケールの異世界ファンタジー〈ファーシーアの一族〉続編、壮大な三部作、堂々開幕。
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Posted by ブクログ
ファーシーアの一族の続編。
30代半ばになったフィッツ。
静かに隠遁生活を送っていました。
が…恩師シェイドが訪ねてきて?
六公国を襲った外島人の「赤い船団」が撃退されて15年。
王ヴェリティが去った後、王妃が一粒種の王子を育てながら、六公国を統治していた。
ヴェリティの兄の庶子であるフィッツは、陰の存在としてシェイドに教育され、時には暗殺者として働いた過去が。
シェイドは今や王妃ケトリッケンの顧問として、表に出ている立場。
王子デューティフルの教育をフィッツに依頼に来る。
だがフィッツは表向きは処刑されているのだ。<気>をあやつった咎で。
この15年の間に、<気>はいちだんと疎まれ、リンチで八つ裂きにされるという事件さえ起きていた。
動物と絆を結ぶことが、一歩間違えば獣同然になってしまう可能性もあったのだ。
フィッツは狼のナイトアイズと絆を結び、時には共に狩りをし、共感する部分を持っている。
吟遊詩人の奔放な女性スターリングが気まぐれに訪れ、愛人となっていたが、実は都で結婚していたと知り、別れを決意するフィッツ。
養い子のハップの行く末も考える時期が来ていた。
そして、さらに訪問者が…?
Posted by ブクログ
15年後。フィッツ・シヴァルリ・ファーシーアは、貧しい農民トム・バジャロックとして、年老いた狼のナイトアイズ、もらわれ子のハップとともに暮らしていた。怒濤の前3部作に比べてずっと平和で穏やかな導入部。フィッツはすっかり大人というより爺さん化してきてるし、ナイトアイズは相変わらず。ただしこちらは本当に老いているようだ。
小屋には入れ代わり立ち代わり様々な客人が訪ねてくるが、フィッツの反応や感想が違うのがなかなか面白い。まったく歓迎されないシェイドは不憫だ。そしてスターリングの、どこか影のあるしたたかさは変わってない。
その間、前作では語られなかった空白部分が明かされる。
フィッツは今の穏やかな暮らしを手放すつもりはさらさらなく、ハップが一人前になれるよう、手助けしてやりたいと願っているから、物語は大きくは動かない。しかし、巻の最後に話が、フィッツがいよいよ動き出す。
この巻に限らないが、人間同士の関わりの描写がリアルだ。相手と意見が食い違い衝突したり、助けられたり、時には些細なことで腹をたてたり。100%の関係は存在せず、絆を結んだナイトアイズとの間にさえ、すれ違いが生じる。もどかしさややるせなさ。日常、他人に対してとりとめもなく抱く感情を思いおこすほど、リアル。
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