カイロの死せる精霊

カイロの死せる精霊

小説・文芸
2,600円 (税込)

13pt

19世紀後半、ジン(精霊)の世界の扉が開かれ、世界は一変。魔法と科学の融合により急速な発展を遂げたエジプトの世界都市カイロで、錬金術・魔術・超自然的存在省の敏腕女性エージェント・ファトマが難事件に立ち向かう……ファトマと恋人の女性シティの出会いを描く前日譚の表題作など3編を収録。ネビュラ賞、ローカス賞など4冠&『SFが読みたい!』ベストSF2024海外篇第1位に輝いた『精霊を統べる者』シリーズ最新刊!/【目次】カイロの死せる精霊(ジン)/ハーン・アル=ハリーリの天使/空中ケーブル〇一五号憑依事件/解説=勝山海百合

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カイロの死せる精霊 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    いやーー良いですねえーーー。
    ザッツエンターテイメント。
    「精霊を統べる者」の番外編というかスピンオフというかの3つの短編が収録されてます。
    書かれたのはこのファトマとシティの出会いを描いた表題作の短編「カイロの…」のほうが先らしいけど、「精霊を…」を読んでからのほうがむしろニヤニヤしながら読めるかも。
    物語的にも長編の「精霊を…」のほうが複雑だし世界観の完成度とかも高い気がするんだけど、こっちはちょい厨二感というか、漫画っぽいわかりやすい展開で、これはこれで楽しかった。いろいろ謎だったこともつながるし。
    2つめの短編、「ハーン・アル=ハリーリの天使」は、この世界で結構重要な「天使」っていう存在の得体の知れなさ、邪悪さみたいなのがじわじわ伝わってくる。人間ではどう足掻いても太刀打ちできないであろうという、なんというか絶望感を与えてくる感じが気持ち悪くて良い。
    そして3つめの「空中ケーブル〇一五号憑依事件」。これはハメドとオンシっていう、「精霊の」にも出てくるファトマの同僚が活躍するんだけど、キャラクターがめっちゃ好きだったー。「精霊の」事件の時のオンシくんも、脇役ながら良い味出してるなあと思ってたんだけど、今回はまた彼の魅力が味わえる。かわいいんだよなあ。
    シリーズもっと読みたい!って久しぶりに思える作品でした。

    0
    2026年08月12日

    Posted by ブクログ

    短編だし、先に書いた物だし、「精霊を総べるもの」のおまけぐらいにしか期待していなかったが、単独でもとても面白い。絵を描くような描写のクオリティーも変わらない。「精霊を統べるもの」で良くわからない設定の理解も深まる。
    なにより、長編で一番謎だった“天使“の設定に奥行きが出た。多分作者は“天使“に思い入れがあるのだろう。<あの連中は天使じゃないわよ。天使はすべて神とともに天にましますのだから><真の天使は自由意志を持たないのだから、自ら選んで定命なるもののもとにやってくることはできない>。作品と離れて、天使とはなんなのか?考え悩んだことのある人から出てくる一節。“天使“を追ってジェリ・クラークさんの新刊が出たら必ず読もう。

    0
    2026年09月04日

    Posted by ブクログ

    大好きな要素が詰まった「魔術省ユニバース」の続編短編集。
    今回も魅力的な世界観が見事に活かされており、
    新たな物語が紡がれるたびにもっとこの世界を覗いてみたい気持ちが強くなった。
    特にラストを飾る物語の展開が素晴らしく、
    世界がさらに広がっていく大きな可能性を感じさせてくれて最高だった。
    この著者の作品にはまだまだ面白いものがたくさんあるので、
    今後もぜひ邦訳のラインナップを増やしていってほしいと切に願う。

    0
    2026年08月15日

    Posted by ブクログ

    「精霊を統べる者」の続編と思いきや、スピンオフ的な中短編が3つ収められている。正直続編への期待が大きかっただけに少し肩透かしをくらった気になったものの、読んでみると「ジン」と呼ばれる精霊たちや機械人形の存在や、舞台となる19世紀後半のエジプトの都市カイロのアラビアンナイト+メカトロニクス+ファンタジー+アクションごった煮の世界観が、より明確に理解できるようになるので、もう一度「精霊たち〜」を読み返してみると新たな発見もありそうだと思える。単体で物語としても楽しめるが、やはりセットで読むのをおすすめしたい。

    0
    2026年07月14日

    Posted by ブクログ

    褐色スーツ姿の男装麗人のファティマが活躍する精霊を統べる者の短編集。ファティマが登場する前巻で語られる天使との因縁と、心理劇の一遍と、ファティマ以外の魔術省職員のバディ物の三編。
     この世界は、ごった煮で情報過多感が無きにしもあらずで、世界観がまとまりきれてない感もあるが、逆にそのような過渡期の世界観こそがファンタジィには必要だと思うし、魅力を感じる。人が考えた(完璧だと思っている)世界観は所詮限界があり、過渡期とか、まだ考えていないとかで、結果として未知、未定、曖昧だからこそそこに対する興味がセンスオブワンダーを引き起こし、作られた世界に魅力を与えると思う。

    0
    2026年07月06日

    Posted by ブクログ

    エジプトおもろー!

    はい超絶面白かった『精霊を統べる者』の前日譚となる短編集とのことですが、もう明らかに整理されてない!w

    世界観が整理されてない!
    詰め込みすぎ!
    もうごちゃごちゃ!
    スチームパンクだし、アラビアンだし、天使出てくるし、魔法だし、錬金術だし、呪術だし

    でも、そもそも舞台になってる”エジプト”がもうぐちゃぐちゃなんよね
    現在は国民の9割はイスラム教徒なんだけど、古いキリスト教が栄えてたときもあるし、その前はもちろん古代エジプトの神々よね
    なにしろ三千年栄えエジプト文明よ

    簡単にまとめると
    古代エジプト文明 → ギリシャ系のプトレマイオス朝 → ローマ帝国 →キリスト教文化 → イスラム文化 → オスマン帝国 → イギリスの影響
    って歴史を辿ってるのよな

    そりゃあもう面白いのてんこ盛りのお国柄なわけね(面白いのてんこ盛りのお国柄てなんやねん)

    あらためてエジプトに興味盛り盛りのわいです
    よしゃー、なんかエジプト関連のもの読もー!

    0
    2026年06月23日

    Posted by ブクログ

    #カイロの死せる精霊
    #精霊を統べる者

    スピンオフの短篇・中編を3作集めたもの。ファティマとシティの出会いが描かれる表題作をはじめ、物語の世界観を補強・補完してくれる秀作ばかり。早くファティマとシティの活躍が見られる長編の続編を読みたいね。

    #読書好きな人と繋がりたい

    0
    2026年09月08日

    Posted by ブクログ

    「精霊を統べる者」(2021)の続編…かと思ったら、実はこっちの方が先だった!

    ①「カイロの死せる精霊」(2016)
    ②「ハーン・アル=ハリーリの天使」(2017)
    ③「空中ケーブル015号憑依事件」(2019)

    ①と②は短編。③が中編。従って、この3作の続編が長編「精霊を統べる者」だったのだ。日本での出版順序が逆だったのだ。なるほど、納得。

    魔術省捜査官ファトマと、のちにパートナーとなるシティの出会いが語られる①。失血死した精霊の謎を追う物語。
    カイロの街ハーン・アル=ハリーリで、天使に願い事を叶えてもらおうとする少女。天使は少女に代価を求める②。
    ファトマと同期の捜査官ハメドと新人オンシが空中ケーブルに取り憑いた魔物を退治する③。二人を陰から支えるシティ。のちの物語に繋がるエンディングになっている。

    …やっぱりこっちから先に出版すべきだったんじゃないですか?創元社さん!
    世界観もずっと一貫してますもの。やっぱりネビュラ賞とか獲った長編を優先したのかなぁ。でもこっちを先に読んでいれば、あんなに混乱しないで済んでたような気がするぞ!

    0
    2026年07月31日

    Posted by ブクログ

    前作『精霊を統べる者』《錬金術省》シリーズの続編、頭を空っぽにしてファンタジックな世界観に飛び込もう

    ■きっと読みたくなるレビュー
    19世紀のエジプト、伝説の魔術師によって精霊との扉を開かれた世界の物語。『精霊を統べる者』《錬金術省》シリーズの続編です。

    本シリーズは精霊や魔法など超自然的存在と共存する幻想的な雰囲気、前作では魔術省の女性エージェント・ファトマが活躍する長編小説でした。本作では世界観はそのままに、ファトマが主人公の作品をはじめ、合計3つの短編が収録されている作品集です。

    ■各短編の簡単レビュー
    ●カイロの死せる精霊
    失血死した精霊の謎を追うファトマと警察アアシムの物語、前作でファトマと恋人だったシティが登場。

    文字だけでファンタジーを表現するのって高難易度だと思うんだけど、本作ではいとも簡単にやってくれるんだよなー。現実と仮想の距離感が近いのと、設定やら現象やらひとつひとつの解像度が高いんすよね。

    さらにアクションもテンポがいいし、会話も洒落が効いてるし、プロが幻想世界をエンタメで表現するとこうなるんかと感心しきりでしたね。

    ●ハーン・アル=ハリーリの天使
    死にかけている姉を救いたい少女アリアは、天使〈探求者〉に助けをもとめるが…

    追い詰められた少女と、謎多き天使の会話が続く。まるで黄泉の国で審判をうける、魂と閻魔様のようです。天使は少女の心の奥底に潜む罪の意識を赤裸々にするんですが…

    読んでると何だか、おまえも苦しいことから逃げてんじゃねぇぞって言われてる気がするんすよね。天使の言う通り、魂の重荷をおろしことで心って軽くなるだよね。

    ●空中ケーブル〇一五号憑依事件
    公共交通機関の空中ケーブルに何やら取りついてしまったという事件、魔術省エージェントのハメドとオンシが解決に挑む。

    引き続きファンタジックな世界観ではあれど、人間関係やら予算やら参政権やら、やたら現実的な課題がテーマになっている作品。事件が徐々に拡大していくのですが、エージェントふたりも活気づいていく様子に力が入りますね。

    また終始女性の参政権にまつわるシーンが挟まれおり、社会課題への意識を感じます。そしてラストは前作に繋がるエピソードもあり、青春っぽさもあって、ほっこりしちゃいました。

    ■ぜっさん推しポイント
    まるでゲームの世界に飛び込んだような作品なんですが、描かれている本質は現実世界のこと。特に本作で感じるのは、女性の扱いについて課題提起をされているように思います。普段つい見過ごしている歪みを、より生々しく気づかさせてくれました。

    0
    2026年06月29日

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