あらすじ
19世紀後半、ジン(精霊)の世界の扉が開かれ、世界は一変。魔法と科学の融合により急速な発展を遂げたエジプトの世界都市カイロで、錬金術・魔術・超自然的存在省の敏腕女性エージェント・ファトマが難事件に立ち向かう……ファトマと恋人の女性シティの出会いを描く前日譚の表題作など3編を収録。ネビュラ賞、ローカス賞など4冠&『SFが読みたい!』ベストSF2024海外篇第1位に輝いた『精霊を統べる者』シリーズ最新刊!/【目次】カイロの死せる精霊(ジン)/ハーン・アル=ハリーリの天使/空中ケーブル〇一五号憑依事件/解説=勝山海百合
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Posted by ブクログ
エジプトおもろー!
はい超絶面白かった『精霊を統べる者』の前日譚となる短編集とのことですが、もう明らかに整理されてない!w
世界観が整理されてない!
詰め込みすぎ!
もうごちゃごちゃ!
スチームパンクだし、アラビアンだし、天使出てくるし、魔法だし、錬金術だし、呪術だし
でも、そもそも舞台になってる”エジプト”がもうぐちゃぐちゃなんよね
現在は国民の9割はイスラム教徒なんだけど、古いキリスト教が栄えてたときもあるし、その前はもちろん古代エジプトの神々よね
なにしろ三千年栄えエジプト文明よ
簡単にまとめると
古代エジプト文明 → ギリシャ系のプトレマイオス朝 → ローマ帝国 →キリスト教文化 → イスラム文化 → オスマン帝国 → イギリスの影響
って歴史を辿ってるのよな
そりゃあもう面白いのてんこ盛りのお国柄なわけね(面白いのてんこ盛りのお国柄てなんやねん)
あらためてエジプトに興味盛り盛りのわいです
よしゃー、なんかエジプト関連のもの読もー!
Posted by ブクログ
前作『精霊を統べる者』《錬金術省》シリーズの続編、頭を空っぽにしてファンタジックな世界観に飛び込もう
■きっと読みたくなるレビュー
19世紀のエジプト、伝説の魔術師によって精霊との扉を開かれた世界の物語。『精霊を統べる者』《錬金術省》シリーズの続編です。
本シリーズは精霊や魔法など超自然的存在と共存する幻想的な雰囲気、前作では魔術省の女性エージェント・ファトマが活躍する長編小説でした。本作では世界観はそのままに、ファトマが主人公の作品をはじめ、合計3つの短編が収録されている作品集です。
■各短編の簡単レビュー
●カイロの死せる精霊
失血死した精霊の謎を追うファトマと警察アアシムの物語、前作でファトマと恋人だったシティが登場。
文字だけでファンタジーを表現するのって高難易度だと思うんだけど、本作ではいとも簡単にやってくれるんだよなー。現実と仮想の距離感が近いのと、設定やら現象やらひとつひとつの解像度が高いんすよね。
さらにアクションもテンポがいいし、会話も洒落が効いてるし、プロが幻想世界をエンタメで表現するとこうなるんかと感心しきりでしたね。
●ハーン・アル=ハリーリの天使
死にかけている姉を救いたい少女アリアは、天使〈探求者〉に助けをもとめるが…
追い詰められた少女と、謎多き天使の会話が続く。まるで黄泉の国で審判をうける、魂と閻魔様のようです。天使は少女の心の奥底に潜む罪の意識を赤裸々にするんですが…
読んでると何だか、おまえも苦しいことから逃げてんじゃねぇぞって言われてる気がするんすよね。天使の言う通り、魂の重荷をおろしことで心って軽くなるだよね。
●空中ケーブル〇一五号憑依事件
公共交通機関の空中ケーブルに何やら取りついてしまったという事件、魔術省エージェントのハメドとオンシが解決に挑む。
引き続きファンタジックな世界観ではあれど、人間関係やら予算やら参政権やら、やたら現実的な課題がテーマになっている作品。事件が徐々に拡大していくのですが、エージェントふたりも活気づいていく様子に力が入りますね。
また終始女性の参政権にまつわるシーンが挟まれおり、社会課題への意識を感じます。そしてラストは前作に繋がるエピソードもあり、青春っぽさもあって、ほっこりしちゃいました。
■ぜっさん推しポイント
まるでゲームの世界に飛び込んだような作品なんですが、描かれている本質は現実世界のこと。特に本作で感じるのは、女性の扱いについて課題提起をされているように思います。普段つい見過ごしている歪みを、より生々しく気づかさせてくれました。