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始まりは、各種メディアに届いた『メルヘン小人地獄』だった。それは、途方もない毒薬をつくった博士と毒薬の材料にされた小人たちの因果を綴る童話であり、ハンナ、ニコラス、フローラの三人が弔い合戦の仇となって、めでたしめでたし、と終わる。やがて童話をなぞるような惨事が出来し、世間の耳目を集めることに。第一の被害者は廃工場の天井から逆さに吊るされ、床に「ハンナはつるそう」という血文字、さらなる犠牲者……。膠着する捜査を後目に、招請に応じた名探偵の推理は? 名探偵史に独自の足跡を印す、斬新な二部構成による本格ミステリ。
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Posted by ブクログ
1. はじめに
2部構成の本格ミステリ。
1部では童話に見立てられた猟奇殺人を名探偵が鮮やかに解決する。
そして第2部、二転三転する状況下で名探偵の前に現れるあまりにも美しい真相と悲しい事実に心突かれる作品だった。
2. あらすじ
「小人地獄」という非現実的に作られた毒物を中心に物語が進み、シンプルな殺人事件を奥深く流れて行くような作品で面白かった。
3. 心に残ったポイント・印象的なシーン
物語の冒頭「小人地獄」の製造過程のシーンで多くの生まれたての子どもが犠牲となり作られているシーンは想像に絶えうる内容で中々出会わない設定だと思った。
また「小人地獄」に関わってきた人たちが無惨に殺されるシーンも印象的であった。
4.おすすめしたい読者
ミステリー小説が好きな人で非現実的な物語を求めている人。
5.まとめ(一言で魅力を伝える)
「小人地獄」という薬を中心に多くの人が悩み、迷いう心情、そして事件が起こりそれを解決していく物語が面白かった。
シンプルな構成ながらも多くの複雑な心情描写が多く、物語に没入できる作品であった。
Posted by ブクログ
『虚構推理』の城平京さんの長編デビュー作とのこと。そうと知って読んでいたので、その原型っぽさを噛み締めながら楽しんだ。第一部では、三橋の、一見不甲斐なさそうに見えて意外と冷静で頼れるところや、瀬川の、一見冷徹そうに見えて実は壊れやすい繊細さと優しさを抱えていそうなところなど、キャラクター造形にそれを感じた。
そして第二部、次から次へと新たな〝真相〟が現れる、『ギリシャ棺の秘密』もびっくりの多段推理。解説では、この作品の生まれた経緯の一幕として、作者がどのようにして古今東西の名作ミステリーを吸収していったかも紹介されていたが(必ずしも、昔から好きでたくさん読んでいた、というわけではなかった)、数々の過去作品を踏まえて本作が生まれ、そして『虚構推理』に至るのかと、その道のりも興味深かった。
タイトルは、『エミリーに薔薇を』のオマージュだろうか。本作で「自分はこれまで名探偵をやってきたが」と職業のように「名探偵」という言葉が使われるのは、考えようによっては笑止なのだが、第二部のメインテーマは、推理機械などではない人間としての名探偵の苦悩である。私は名探偵がヒーロー的に大活躍する様を楽しみたくてミステリーを読んでいるタイプのミステリー好きだが、だからこそというか、「責任を感じる」とまでは言わないけれど、こういうテーマの追究には非常に興味がある。『虚構推理』、はじめの二作しかまだ読んでいないので、また続きも追いかけてみようかな。
グロテスク描写もありその内容的にはまあまあショッキングなので、苦手な方は要注意。ただ、私も苦手だけど、グロさで気を引いて面白がらせようという感じがしなかったので、意外と大丈夫だった。
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