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Posted by ブクログ 2023年06月07日
ミステリとしても小説としても面白い。
一部二部構成になっていて、この二部のために一部があったのかと。
一部の展開から二部は全く想像できませんでしたし、二部の展開もよきです。
お気に入りの一冊になりました。
Posted by ブクログ 2023年05月09日
二部構成のミステリ。創作童話と見立て事件。
そしてその事件に関わった人々のその後の事件。
鳥肌が止まらない展開とタイトルが響いてくるラストの温度が最高です。
ロジカルな真相もですが、何よりも探偵の物語。
声が出てしまったわね。
Posted by ブクログ 2023年04月26日
童話『メルヘン小人地獄』をなぞるように発生した連続殺人を名探偵が推理する第一部。第一部は第二部のための大きな伏線であり、名探偵が見せた解決は第二部の悲劇のためのお膳立てである。この結末は予想できない。誰も救われない、名探偵に薔薇を贈りたいと思うのも当然である。また、この作品の結末は、『虚構推理』にも...続きを読む通じるものがあった。
Posted by ブクログ 2023年03月27日
真実が分かると本当に切ない。胸がつぶされるようだった。
探偵の苦悩も分かり、探偵の印象がガラッと変わる。
話の構成も工夫されており、最初と最後ではちがう話を読んでいたように思える。でもちゃんとつながりがある。面白かった!
Posted by ブクログ 2022年12月01日
以前から気になっていた本。2部構成になっていて、第一部メルヘン小人地獄は、謎の毒薬「小人地獄」(スゴイ名前だ)をめぐる殺人事件。第二部毒杯パズルは、それから2年後の「小人地獄」が使われた殺人事件。登場人物は重複しており、探偵役も同一人物である。
第二部こそがメインであり、第一部はプロローグにす...続きを読むぎないと思った。ラストは、何ともやるせない。メルヘンで始まり、メルヘンで終わるミステリ。第8回鮎川哲也賞最終候補作だが、受賞してもおかしくない作品だと感じた
Posted by ブクログ 2021年07月03日
このオチは読めない
名探偵が名探偵たり得るには部外者である必要があるということ
論理がしっかりしているのでパズル的なミステリー好きにおすすめです
Posted by ブクログ 2020年08月26日
ミステリとして、というより人間ドラマがとても良かった。第一部でミステリの印象を植え付けて第二部で実は名探偵へ捧げられた物語だったんだ、という構成。誰も幸せにならない真実を明らかにする必要性。確かになぁ。
Posted by ブクログ 2024年04月15日
『虚構推理』の城平京さんの長編デビュー作とのこと。そうと知って読んでいたので、その原型っぽさを噛み締めながら楽しんだ。第一部では、三橋の、一見不甲斐なさそうに見えて意外と冷静で頼れるところや、瀬川の、一見冷徹そうに見えて実は壊れやすい繊細さと優しさを抱えていそうなところなど、キャラクター造形にそれ...続きを読むを感じた。
そして第二部、次から次へと新たな〝真相〟が現れる、『ギリシャ棺の秘密』もびっくりの多段推理。解説では、この作品の生まれた経緯の一幕として、作者がどのようにして古今東西の名作ミステリーを吸収していったかも紹介されていたが(必ずしも、昔から好きでたくさん読んでいた、というわけではなかった)、数々の過去作品を踏まえて本作が生まれ、そして『虚構推理』に至るのかと、その道のりも興味深かった。
タイトルは、『エミリーに薔薇を』のオマージュだろうか。本作で「自分はこれまで名探偵をやってきたが」と職業のように「名探偵」という言葉が使われるのは、考えようによっては笑止なのだが、第二部のメインテーマは、推理機械などではない人間としての名探偵の苦悩である。私は名探偵がヒーロー的に大活躍する様を楽しみたくてミステリーを読んでいるタイプのミステリー好きだが、だからこそというか、「責任を感じる」とまでは言わないけれど、こういうテーマの追究には非常に興味がある。『虚構推理』、はじめの二作しかまだ読んでいないので、また続きも追いかけてみようかな。
グロテスク描写もありその内容的にはまあまあショッキングなので、苦手な方は要注意。ただ、私も苦手だけど、グロさで気を引いて面白がらせようという感じがしなかったので、意外と大丈夫だった。
Posted by ブクログ 2024年01月07日
虚構推理で有名な著者の長編デビュー作。
本作は二部構成となっていて、第一部は完璧な毒薬「小人地獄」と童話を用いた見立て殺人、そして話の後半に現れる名探偵の活躍といった、THE本格ミステリといった様相で面白かったです。
一転して第二部は名探偵、瀬川みゆきが語り手を務め、一部の名探偵の活躍とついになる...続きを読むような、名探偵の苦悩が話しの焦点となっています。
そして、最後に判明するタイトルの意味を知った時、切なく、やりきれない気持ちになりました...
"探偵"を描いた小説として、傑作です。
Posted by ブクログ 2023年11月10日
のっけから「どういうこと?」となり、引き込まれる。
一部はグロいというか感じたことのない気持ち悪さを感じるのは確か。二部に漂うドロっとした空気感はなんとも…
良くも悪くも心に残ってしまう。
Posted by ブクログ 2023年11月09日
探偵推理小説に登場する多くの探偵は、いわゆる変人というイメージがありながらも、完璧に推理し犯罪の形を明らかにするため、どこか強い印象がありました。
本書の探偵、瀬川みゆきも群れることなく容姿美人であるため、同じイメージで読み進めましたが違いました。ここまで儚く、辛い気持ちで探偵をしている人はいない...続きを読むでしょう。
この本の前半は正直普通の小説のように感じましたが、後半の瀬川の心情は虚しくも儚くもあり悲しい余韻を残しました。
Posted by ブクログ 2023年06月30日
登録前
スパイラルの原作者だ〜、と思って購入したのが悪かった。
そういえばスパイラルもラストはバッドエンドよりだったのを読んでから思い出した。
それくらい読後は暗鬱な気分になれる。
内容はとても面白かった。本当に面白かった。
最後まで読んでなるほどこの作品はこのタイトルしかないと納得した。
星...続きを読む4なのはあまりにも読後感が後味悪かったから。でも後味の悪さはいい意味でとてもよかった。
Posted by ブクログ 2023年02月24日
事前に何の情報もなく読んだのでびっくりしました。
なんとなくタイトルからは、ポップなライトノベルのようなイメージだったのです。
ところが。
すごくグロテスクな話なんですよ。
苦手な方はこの先ご遠慮ください。
私は終始脳内で『こびとづかん』の小人たちが蠢いていて、閉口しました。
「小人地獄」という...続きを読む究極の毒薬を巡る話です。
小人(実際は胎児や赤ん坊)の脳髄をどうにかして作る秘薬で、無味無臭、少量で人を死に至らしめ、その痕跡を残すことがないという究極の毒薬。
その毒薬造りを告発するのが、童話のかたちを借りた『メルヘン小人地獄』。
江戸川乱歩もびっくりなグロテスクな惨殺死体が出てきます。
これ系が苦手な私は、『第一部 メルヘン小人地獄』が本当につらかった。
けれど、『第二部 毒杯パズル』は二転三転する情報に名探偵が翻弄され、面白かったです。
最後まで頑張って読んでよかったな。
でも、再読はできないな。
グロいの苦手。
Posted by ブクログ 2022年06月07日
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これぞ、という部分もありつつ、ドロドロした若々しさ、歪さも感じられる、エキサイティングなミステリでした。『虚構推理』の初篇で感じた大きな、物語とミステリに対する恐ろしいまでの執着を確かに感じ、けれど探偵像のスタンスは正反対にも見え、それが対立しているわけではないのだなということを教えてくれ...続きを読むる。
因果な商売、と云ったりするけれどまさに。 フィクションの探偵の因果に挑みながら、キャラクタ小説としても魅力的でコンゲーム的な要素もある。
ところどころの大正浪漫的な語り口が、好き嫌いはありそうだけれど怪奇探偵的なイメージで悪くなかったです。グロテスクな部分を引き立てるのには良いのだなぁ。ふうむ!
☆3.6
Posted by ブクログ 2022年04月12日
『虚構推理』シリーズで知られる城平京さんの長編デビュー作だそうである。初版刊行は1998年。『虚構推理』シリーズが刊行される10年以上前である。書店を物色していてたまたま発見し、軽い気持ちで読み始めた。
帯によれば、本作は二部構成。曰く、第一部はただの傑作です。読み始めて早々に覚悟した。こりゃ...続きを読む今どき珍しいほど猟奇的描写がきつい。こうした表面的な派手さが本質ではないことは、苦笑しながら読み進むとわかってくるのだが。
『小人地獄』なる恐怖の毒物が物語のキーワード。効果もさることながら、製造方法が…。この毒物に絡んだ殺人事件が発生し、解決のために招聘された名探偵・瀬川みゆき。愛想はないが傲岸不遜ではない。ストイックな流儀を貫くらしい。
ビシッと解決して第一部は終わり、特に言うことはない。ところが、第二部早々においおいおいおい…何だよこの一族は? 再び招聘された名探偵・瀬川みゆき。名探偵として、苦悩するが妥協はできない。ずっとそうして生きてきたのだから。
本作は、元々は第8回鮎川哲也賞最終候補作だが、前例があるとして受賞は逃している。前例とは、探偵にこのような役回りを担わせることなのか? 確かに、異例ではあるが、こういうパターンもあったような気がしないでもない。
「普通」のミステリーである第一部は、第二部の前振りだったわけである。自分なりに解釈すると、推理よりはストーリー性やロマンス重視か。『名探偵に薔薇を』というタイトル通り、詩的ではあるが、誰も救われない。探偵役自身も。
瀬川みゆきが名探偵として迂闊なのは否めないが、面目を潰すような使い方はどうなのだろうと思わなくもない。こういう構図では、最初から手の打ちようがなかったのだ。名探偵が見抜けなければ、当然自分も見抜けなかった。
どちらかといえばキャラを前面に出している『虚構推理』シリーズとは、毛色が異なるのは確かである。映像化されるとしたら、瀬川みゆきを誰が演じるのか想像は尽きない。いや、舞台向きか。再登場は望み薄なのだろうなあ。
Posted by ブクログ 2022年02月23日
虚構推理を読んでからたどり着いた作品である。
内容的には少しファンタジー的な要素もあり、2部構成となっている。
この作品は推理小説と言うよりは、名探偵の孤独感なるものに重きをおいた作品と感じた。
世に名探偵は沢山いるが、あまりこのように孤独さを感じさせることはない。
実は名探偵は辛く悲しいのだと感...続きを読むじた。
その上で、帯にあった
「タイトルはこれ以外ありえない」
そう、この作品は
名探偵に薔薇を
である。
読後に意味がわかり、納得のいく帯である。
説明
怪文書『メルヘン小人地獄』がマスコミ各社に届いた。その創作童話ではハンナ、ニコラス、フローラが順々に殺される。やがて、メルヘンをなぞったように血祭りにあげられた死体が発見され、現場には「ハンナはつるそう」の文字が……。不敵な犯人に立ち向かう、名探偵の推理は如何に? 第八回鮎川哲也賞最終候補作、文庫オリジナル刊行。
Posted by ブクログ 2022年01月05日
少量だと無味無臭、自然死にみえ検知不能、大量だと苦くて摂取できず、症状も激烈かつ容易に検知可能というデジタルな特性を持つ毒薬「小人地獄」。
この特性と開発者の子孫家族周辺の人間関係に基づき推理が展開していく。
終盤の2転、3転、4転?する状況はやり過ぎかという気もするが、作者の誠意の表れと取れば好...続きを読むましいし、何より納得的だ。
Posted by ブクログ 2021年04月24日
まず、第一部が普通に面白い。
そして第二部を読んで一部が盛大な序章だったことが分かる。
この動機は既に何作かあるらしいが、どれも読んだことがなかったので、衝撃的だった。
あまりにも単純。だからこそ驚きが大きい。
Posted by ブクログ 2020年01月13日
随分前に買っていて半分読んで放置していたので最初から再読。面白かったです。古典的語り口で、乱歩や横溝みたいで快感。一部と二部でテイスト全く変わるのもいいですね。グロな描写も印象的でした。二部のお嬢様ってのが実にクラシカル。
Posted by ブクログ 2023年08月02日
帯につられて手に取った作品でした。
ミステリですが軽めのミステリ?という印象です。謎解きもあっさりでトリックがすごい!っていう感じではなかったです。
また一部から二部の流れで答えがなんとなくわかってしまう…
そろそろ帯につられて買うのをやめたいです笑
Posted by ブクログ 2022年12月01日
城平京。第一部と第二部に分かれており、前半はメルヘン小人地獄と呼ばれるおとぎ話に沿って次々に人が殺される
しかし小人地獄と呼ばれる毒薬は本当にあったのだ。殺されたのはその毒薬の開発者に関係のある人たち。容疑者らしき人物が見つかったが、決定的なものがなく捜査は難航する。そこに名探偵があらわれる。
後半...続きを読むはその数年後の話であり、同じ登場人物がまたその毒薬に振り回される話。
名探偵の苦悩については読者それぞれ思うところがあるだろうが、探偵がただの推理装置でなく1人の人間だとしっかりと描写しているのは良かった。
Posted by ブクログ 2022年03月13日
第一部、昭和っぽい猟奇的な殺人事件でゾクゾクした。怖くて面白かった。第二部は、なんとなく、もしかしたらと思ったことが当たりだったが救いがなく、しんどかった。夢中になって読んだものの、全体的に張り詰めた雰囲気で、名探偵に救いを与えて欲しくて、ああ、タイトルはその暗喩だったかと納得した。
Posted by ブクログ 2021年09月01日
面白かった。ちょっと独特な雰囲気があった。ことばの言い回しは少し気取ってる感じ。キザっぽいというか。文庫が出たのが1998年のようだから、古さもあるのかな。
「メルヘン小人地獄」という童話。むかしばなしによくあるような流れではあるけれど、『ほぼ完璧な毒』から始まる展開がおぞましい。
第一部では、...続きを読む「メルヘン小人地獄」の内容をなぞるような事件が発生。三橋荘一郎という男の視点で描かれる。後半で出てくる名探偵が、あっという間に事件を解決してみせたのがかっこよかった。鮮やか。
第二部は、二年後。瀬川みゆきの視点から。新たな事件が起こりその解決に向かっていきつつも、名探偵のつらい記憶や苦しい思いが語られる。
私はあまり自分で推理を頑張りながら読む方ではないので、どちらの事件の種明かしも楽しめた。楽しい結末ではなかったけどねー。あの後の展開に救いがあるといいなと思った。
本についていた帯に「タイトルはこれ以外ありえない!」と書かれていたのだけれど、読み終えてもあまりピンと来なかった。なぜに薔薇??
Posted by ブクログ 2021年05月10日
小人地獄なる究極の毒薬を巡って巻き起こる2つの事件 現れるのは名探偵
幼児に対するグロテスク描写という禁忌
毒薬の現実離れしたその作用に説得力を持たせる製法だったのかもしれないけどさすがにキツイ
童話になぞらえて行われていく殺人
人が死んでいる事件でまだ犠牲者が出る恐れのある中で警察が悠長過ぎるよう...続きを読むに思えた
動機というのがかなり重要になる第二編
二転三転する真相に驚かされたけどそれは名探偵らしい瀬川さんにもそうだったようで名探偵感は皆無
彼女が名探偵である事それ故の苦悩がテーマだったように思えるけど一つの事件にこんなに振り回されてるようじゃちょっと厳しい
真相を暴く事が正しい事なのかという事だったけど、いずれの犯人の動機も身勝手で、別に同情は出来ない
めちゃくちゃやべえ毒薬を自室に保管しておくのもイカれてる 話の都合の為の無理のある行動に思えた
ただ愛する人の為なら、他がどうなろうと構わないという風な事を誰かが語った部分は共感
Posted by ブクログ 2020年07月17日
この著者の作品は初読み。二部構成になっており両方とも完璧に限りなく近い毒薬「小人地獄」を前提として話は進む。文体はどちらかというと装飾過剰でちょっと私の好みには合わなかったが一部も二部も事件の謎とトリックは真相を看破した後になってみると簡単に感じられるが読んでいる時は深部まではわからず。