創元推理文庫の検索結果
検索のヒント
検索のヒント
■キーワードの変更・再検索
記号を含むキーワードや略称は適切に検索できない場合があります。 略称は正式名称の一部など、異なるキーワードで再検索してみてください。
■ひらがな検索がおすすめ!
ひらがなで入力するとより検索結果に表示されやすくなります。
おすすめ例
まどうし
つまずきやすい例
魔導士
「魔導師」や「魔道士」など、異なる漢字で検索すると結果に表示されない場合があります。
■並び順の変更
人気順や新着順で並び替えると、お探しの作品がより前に表示される場合があります。
■絞り込み検索もおすすめ!
発売状況の「新刊(1ヶ月以内)」にチェックを入れて検索してみてください。
-
図書室の怪 四編の奇怪な物語
中世史学者のジャック・トレガーデンは、オクスフォード大学時代の友人サイモンから、久々に連絡を受けた。サイモンが住むアシュコーム・アビーの図書室の蔵書目録の改訂を任せたいというのだ。稀覯本に目がないジャックはふたつ返事で引き受ける。だが、アシュコームに到着したジャックを迎えたのは、人が変わったようにやつれ、衰えた友人の姿だった。そこで彼に見せられた、彼の亡き妻の手記には騎士の幽霊を見た体験が書かれていた。表題作「図書室の怪」を始め4編を収録。ポオの研究家でもある著者が描く、クラシックな香り高い英国怪奇幻想譚。/【収録作】「図書室の怪」/「六月二十四日」/「グリーンマン」/「ゴルゴタの丘」 -
願いの桜
「“願いの桜”の話って本当だと思う?」駄菓子屋兼骨董店を営む宗助は、馴染の中学生亜咲美からそう聞かれた。通学路から離れた寂しい場所に一本だけ立つ桜の木、その木に願い事をすると叶うことがあるという。奇妙な言い伝えや曰くつきの品物に目がない宗助は、早速その桜を調べ始める。まもなく亜咲美の周辺で理由もなく体調を崩した生徒がいることを知り、嫌な予感を覚えた宗助は、祖父の代からの知り合いで呪物に詳しい少年朱鷺に助けを求めた。呪物を捜して旅をする少年と獣の姿をしたその兄が遭遇する不思議な出来事を綴るシリーズ第2弾。 -
大忙しの蜜月旅行
とうとう結婚へと至ったピーター・ウィムジイ卿と探偵小説作家のハリエット。披露宴会場から首尾よく新聞記者たちを撒いて、従僕のバンターと三人で向かった蜜月旅行(ハネムーン)先は、〈トールボーイズ〉という古い農家。ハリエットが近くで子供時代を送ったこの家を買い取っており、ハネムーンをすごせるようにしたのだ。しかし着いてみると、家は真っ暗で鍵がかかっており、待っているはずの前の所有者は見当たらず。訝りながらも滞在していると、地下室で死体が発見されて……。シリーズ最後の長編が創元推理文庫についに登場! 後日譚の短編も収録。/解説=三橋曉 -
文豪たちの怪しい宴
討論会の帰り道、ふと立ち寄ったバー〈スリーバレー〉。そこでの女性バーテンダーとの会話から、彼女が以前から感じていた夏目漱石の『こころ』に関する疑問点に答える羽目に。文学部教授である私が、こんな場末のバーで講義することになるとは。しかも、途中からやってきた宮田という男が、あろうことか『こころ』を百合小説と断言したことで議論は白熱し……。太宰治『走れメロス』はセリヌンティウスの夢だった? 『銀河鉄道の夜』は宮沢賢治と父親の物語? 芥川龍之介『籔の中』の真犯人は誰? 文学談義4編で贈る、『邪馬台国はどこですか?』シリーズ第5弾! -
休日はコーヒーショップで謎解きを
拳銃を持って押し入ってきた男は、なぜ人質に“憎みあう三人の男”の物語を聞かせるのか? 意外な真相が光る「二人の男、一挺の銃」をはじめ、腕利きの殺し屋に次々と降りかかる予測不可能な出来事を描く「残酷」、殺人事件が起きたコーヒーハウスで、ツケをチャラにするため犯人探しを引き受けた詩人が探偵として謎解きを繰り広げる黒い蘭中編賞受賞作の「赤い封筒」など9編。正統派推理短編、私立探偵小説、ヒストリカル等、『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』で人気を博した短編の名手が贈るとっておき! ごゆっくりお楽しみください。【収録作】まえがき/「ローズヴィルのピザショップ」/「残酷」/「列車の通り道」/「共犯」/「クロウの教訓」/「消防士を撃つ」/「二人の男、一挺の銃」/「宇宙の中心(センター・オブ・ザ・ユニバース)」/「赤い封筒」/編訳者あとがき -
自殺予定日
「美しく強かな継母が父を殺した」再婚してわずか一年半足らずで父が急死。遺産とビジネスを受け継ぎ生き生きと活躍する継母の姿に、女子高生の瑠璃はそう確信した。彼女は自らの死をもって継母の罪を告発しようと決意する。しかし自殺の名所として有名な山奥の森で首を吊ろうとしたところ、かつて同じ森で首吊り自殺したという“幽霊”と出会い、裕章と名乗る彼に継母の罪の証拠を一緒に探そうと提案される。瑠璃が決めた期限以内に見つからなければ、その時死ねばいいと。六日後──それが瑠璃の自殺予定日となった。継母の罪を暴き、父の無念を晴らせるのか?! すべての予想を裏切る、一気読み必至の傑作ミステリ!/解説=池上冬樹 -
蛇苺の魔女がやってきた
ディアーヌ学院での水晶玉占いの授業中、綾乃は突然気を失う。雪之丞の心配をよそに、その後の夏至祭も大成功に終わり、期末テストを終えれば楽しい夏休み……のはずだった。ところが気になる噂が綾乃の耳に入る。群馬県の山奥にある五郎丸湖で、ネッシーに似た生物が目撃されているというのだ。忘れもしない二年前の夏、故郷の角田村で綾乃を襲った首長竜、あれは確かにアロウが倒したはずだ。そんなとき、綾乃たちは五郎丸温泉にある先輩の別荘に招待される。妖怪と人間が共に学ぶ魔女学校を舞台にした、人気の学園ファンタジイ第3弾! -
有栖川有栖の密室大図鑑
本格ミステリの魅力的な要素のひとつ、密室トリック。犯行状況を思い浮かべたり、作品に挿入されている図版に心躍らせたりする読者の方も多いはず。本書は、1892年~1998年に発表された国内外の名短編、名長編、中でも魅惑的な密室が登場する作品を有栖川有栖がセレクトし、磯田和一の詳細なイラストとともに贈るブックガイドである。発表順に“世界最初の長編密室ミステリ”といわれるイズレイル・ザングウィル『ビッグ・ボウの殺人』をはじめとした海外20作、横溝正史『本陣殺人事件』など国内20作、さらに有栖川作品から磯田がセレクトした『スウェーデン館の謎』を加えた全41作を紹介する。密室ファン必携の書。/【目次】/はじめに/新潮文庫版まえがき/ビッグ・ボウの殺人/十三号独房の問題/黄色い部屋の謎/急行列車内の謎/八点鐘/犬のお告げ/密室の行者/エンジェル家の殺人/三つの棺/帽子から飛び出した死/チベットから来た男/妖魔の森の家/北イタリア物語/51番目の密室/帝王死す/はだかの太陽/ジェミニー・クリケット事件/そして死の鐘が鳴る/投票ブースの謎/見えないグリーン/D坂の殺人事件/蜘蛛/完全犯罪/燈台鬼/本陣殺人事件/刺青殺人事件/高天原の犯罪/赤罠/赤い密室/名探偵が多すぎる/花の棺/ホロボの神/求婚の密室/天外消失事件/人形はテントで推理する/緑の扉は危険/哲学者の密室/ローウェル城の密室/すべてがFになる/人狼城の恐怖/スウェーデン館の謎/あとがきに代えて……=磯田和一/参考文献/創元推理文庫のためのはしがき/創元推理文庫版解説=松浦正人 -
退職刑事5
父が状況を聞いて事件を再構成する力に、私は幾度舌を巻いたか知れない。硬骨の刑事魂は、退職したところで一向錆びつきはしないのだ。私の現職刑事ぶりが気になって、足繁く団地へ話しに来るのもわかる。しかし「わたしが俳句に凝ったりしたら、お前が困るだろう、事件の解決が長びいて」などと言われると立つ瀬がなくなってしまう……。退職刑事若かりし頃の事件「凧たこあがれ」や、何とも皮肉な結末に問題発言が飛び出す「Xの喜劇」など、8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第5集。/【収録作】「落葉の墓」/「凧たこあがれ」/「プールの底」/「五七五ばやり」/「闇汁会」/「遅れた犯行」/「あくまで白」/「Xの喜劇」/解説=津田裕城 -
黒いハンカチ
住宅地の高台に建つA女学院――クリイム色の壁に赤い屋根の建物があって、その下に小さな部屋が出来ていた。屋根裏と云った方がいいそこがニシ・アズマ女史のお気に入りの場所だった。ちっぽけな窓から遠くの海を眺め、時には絵を描いたりもしたが、じつは誰にも妨げられずに午睡ができるからだった。だが、好事魔多し。そんな彼女の愉しみを破るような事件が相次ぐ。そしてニシ先生が太い赤縁のロイド眼鏡を掛けると、名探偵に変身するのだ。飄飄とした筆致が光る短編の名手の連作推理。/【収録作】「指輪」/「眼鏡」/「黒いハンカチ」/「蛇」/「十二号」/「靴」/「スクェア・ダンス」/「赤い自転車」/「手袋」/「シルク・ハット」/「時計」/「犬」/あとがき/解説=新保博久 -
モリアーティ秘録
20世紀前半にロンドンの大銀行の貸し金庫に預けられた謎の回想録。その執筆者はセバスチャン・モラン大佐――ジョワキ戦役の英雄で賭博狂の大物ハンター、そして犯罪王モリアーティの右腕として活躍した傑物であった。犯罪商会(ザ・フアーム)の首魁として様々な犯罪のコンサルティングをこなすジェイムズ・モリアーティが相対してきた個性豊かな犯罪者たちと怪事件。世紀の悪党たちの知られざる活躍を、大胆な発想と魅力的なキャラクターをもって描いた、〈ドラキュラ紀元〉クロニクルで熱狂的支持を受ける博覧強記の著者による破格のホームズ・パスティーシュ。 -
魔術師の夜
往年の名人もステージに立つ《マンハッタン・マジック・ホリデーズ》。伝説のマジシャン、マックス・キャンドルが遺した“失われたイリュージョン”が今、旧友オリバーによって演じられようとしている。が、TVカメラと観客たちの前で、拘束された彼はクロスボウの矢に射抜かれた! マックスの従弟チャールズのもとに集う老マジシャンたちが胸に秘める第二次大戦下の出来事とは? その一人マラカイを狂気に駆り立てた、彼の妻ルイーザの死の真相は? マロリーを嘲笑うように、新たな罠を仕掛ける殺人鬼。つきまとうルイーザの幻影。いま直面しているのが彼女にとって最大の事件になるとは、マロリーはまだ知らない。 -
翼をください
愛らしい笑顔と親身な気遣いで、周囲の男たちから好意を寄せられる女子大生・石元陽菜。だがその本性はきわめて自己中心的なものだった。最近ストーカーの無言電話に悩んでいた陽菜は、受話器に罵詈雑言をぶつける中で憂さ晴らしに、周囲の人びとから聞き出した「秘密」を暴露するようになる。一方電話の向こうでは、信頼して打ち明けた自分の秘密を軽々しく漏らされたストーカーが怒りに震えていた。この秘密を守り抜くためには、彼女を殺さなければならない――あまりに意外な犯人の正体、そして戦慄の真相。濃密な人間関係に仕掛けられた大胆なトリックをあなたは見抜けるか? -
星を拾う男たち
1963年に第2長編『死の内幕』を上梓した天藤真は、第3長編『鈍い球音』が刊行される71年までの8年間、中短編のみを発表することになる。4時起きで仕事に向かう勤勉な拾い屋コンビが出くわした朝一番の収穫は、二階屋の窓から落ちてきた死体だった――表題作「星を拾う男たち」のほか、旧〈宝石〉終刊号を飾った“史上最も完全な予告殺人”を描く「極楽案内」や、シリーズキャラクターのひとり、中央探偵社の仙石達子部長が登場する「密告者」「重ねて四つ」など、短編集成2巻目となる本書には、63年~66年発表の11編を収める。【収録作】「天然色アリバイ」「共謀者」「目撃者」「誘拐者」「白い火のゆくえ」「極楽案内」「星を拾う男たち」「日本KKK始末」「密告者」「重ねて四つ」「三匹の虻」 -
海賊島の殺人
〈王国〉の海域を荒らす海賊たちを討伐した功績で名を馳せる海軍提督バロウズ卿が、海賊連合〈南十字星〉の首魁アルバート・リスターに誘拐された――提督救出の密命を受けた若き海軍大尉アランは、天才を自称する元役者の中年男ソープの助力を得て海賊に変装し、〈南十字星〉への潜入を試みる。それぞれ個性豊かな海賊の長たちを束ねる謎の青年リスターらに囲まれた状況下での困難な任務に留まらず、アランたちは〈南十字星〉の本拠地の孤島で起きる連続殺人事件を解く羽目に陥ってしまう。鮮やかな謎解きと爽快な読後感の海洋冒険ミステリ!/解説=宇田川拓也 -
日曜の午後はミステリ作家とお茶を
「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」そう宣言しているミステリ作家のシャンクス。しかし実際は、彼はロマンス作家である妻のコーラと一緒にいくつもの謎や事件に遭遇し、推理を披露して見事解決に導いているのだ。取材を受けているときに犯罪の発生を見抜いたり、殺人容疑で捕まった友人のため真相を探ったり、犯人当てイベント中に起きた『マルタの鷹』初版本盗難事件に挑んだり、講演を依頼された大学で殺人事件に巻き込まれたり……。結婚20年余りになる作家夫妻の日常と謎解き。図書館司書の著者が贈る連作ミステリ短編集。/解説=大矢博子 -
こめぐら
【倉知淳ノンシリーズ作品集成第二弾】必要か不必要かはどうでもいいのだ。したいからする。着けたいからつける。これは信念なのだ――密やかなオフ会でとんでもない事態が発生、一本の鍵を必死に探し求める男たちを描く「Aカップの男たち」をはじめ、うそつきキツネ殺害事件の犯人を巡ってどうぶつたちが動機のあげつらいと推理を繰り広げる非本格推理童話「どうぶつの森殺人(獣?)事件」、B級時代劇におけるあまりにも意外な犯人消失の真相を描いた「さむらい探偵血風録」など5編に加え、猫丸先輩探偵譚「毒と饗宴の殺人」を特別収録。【収録作】「Aカップの男たち」「「真犯人を探せ(仮題)」」「さむらい探偵血風録 風雲立志編」「遍在」「どうぶつの森殺人(獣?)事件」「毒と饗宴の殺人」/単行本版あとがき -
タラント氏の事件簿[完全版]
メトロポリタン博物館から忽然と消えた古写本、ペントハウスで起きた密室殺人、乗る者を次々死に追いやるボートの怪、古詩のとおりに消失と出現を繰り返す竪琴……いずれ劣らぬ怪事件に理知の光を当てて真相をあばくのは、日本人執事カトーを従えた謎の紳士トレヴィス・タラントである。巨匠クイーンが「当代におけるもっとも想像力に富んだ探偵小説」と評し、〈クイーンの定員〉に選出した傑作短編集に、その後に発表された「消えたスター」「危険なタリスマン」など4編を追加収録し、不可能趣味に満ちたシリーズ全作品を網羅した文庫決定版!/解説=千街晶之 -
雪の夜は小さなホテルで謎解きを
12歳のマイロの両親が営む丘の上の小さなホテル、〈緑色のガラスの家(グリーングラス・ハウス)〉。クリスマス前の冬の日、ホテルに5人の奇妙な客が現れる。彼らは全員が滞在予定日数を告げず、他の客がいることに非常に驚いていた。なぜ雪に閉ざされたこのホテルにわざわざやってきたのだろう? 5人のうちの誰かが落としたと思しき、古い紙片に描かれた海図らしきものを手がかりに、宿泊客たちの目的を探ることにしたマイロ。だが、客たちの謎は、このホテルに隠されたとてつもない秘密につながっていた……? MWA賞受賞、心あたたまる聖夜の物語をお贈りします。 -
犯罪心理捜査官セバスチャン 少女
父親、母親、そしてふたりの息子。その家では一家四人が無残な死体で発見された。凶器は散弾銃、怪しい人物はすぐに挙がった。違法狩猟をめぐって、殺害された一家ともめていた男がいたのだ。だが、事件への関与を証明するのは困難。現場のトシュビー市の市長の夫で、捜査責任者のエリック・フロディーン警部は外部から応援を要請する決心をした。昇進したての彼は、なんとしてでも早急に事件を解決し、自分の昇進が妻のコネではないことを証明したかった。そこで呼ばれた最高の人材、それがトルケル率いる国家刑事警察殺人捜査特別班だった。凄腕の迷惑捜査官、本領発揮! 人気シリーズ第4弾。 -
怪盗の伴走者
帝都を騒がす大怪盗ロータスが盗みに失敗した! 東京は浅草の高層建築「凌雲閣」。その一角に飾られた油絵を盗もうとした怪盗は、番人に見つかり絵を置いて逃げたというのだ。この椿事は記者の高広の耳にも届く。ロータスは高広とも天才絵師・礼とも因縁浅からぬ相手、ただ失敗したとは思えない。さらに凌雲閣を再訪すると予告状が出されたとの情報が入り、高広と礼が調査を始める。同じ頃、彼らが再会した安西はロータス一連の窃盗事件の主任検事となっていた。怪盗と検事、今は敵対関係にあるが、かつては友人であり並んで駆けた時代があった。決別した二人がついに相まみえる! 大好評〈帝都探偵絵図〉シリーズ第4弾。 -
007/カジノ・ロワイヤル【井上一夫訳】
英国が誇る秘密情報部。そのなかでもダブル零(ゼロ)のコードをもつものはどんな状況でも冷静に切り抜ける腕ききばかり。ソ連の工作員で、フランス共産党系労組の大物ル・シッフルが、党の資金を使い込み、カジノの勝負で一挙に挽回をはかろうとしているらしい。それを阻止すべく英米仏三国の共同戦線のもと、カジノ・ロワイヤルに送り込まれたのはジェームズ・ボンド。007のコードをもつ男。華麗なカジノを舞台に、巨額の賭け金をめぐる息づまる勝負の裏で密かにめぐらされる陰謀。007ジェームズ・ボンド登場。映画『007/カジノ・ロワイヤル』原作。/解説=杉江松恋 -
魔物のためのニューヨーク案内
その求人広告は冴えない書店の掲示板に貼られていた。まさにゾーイが求めていた仕事。地方都市で雑誌の仕事をしていたが、既婚者の上司と恋愛関係になった挙句、ぼろぼろになってニューヨークに帰ってきた。大好きなこの街のガイドブックの仕事ができれば、願ったりだ。大喜びで応募したゾーイだったが、なぜか会社側はゾーイでは会社に馴染めないの一点張り。経歴も実力にも自信のあるのになぜ? 食い下がって面接にこぎつけたものの、そこで彼女が目にしたのは、とんでもない世界だった。おしゃれな街NYを舞台にしたポップなファンタジー。 -
ボレアの妖月
風の巫女アルマンドラと婚姻し、ボレアの台地の将軍となった、精神感応能力者シルバーハット。台地民の尊敬を集め、よく地を制していたが、探索の途中で、地平線の彼方に墜ちゆく物体を目撃する。それこそは、アンリ‐ローラン・ド・マリニーの乗った時空往還機であった! だが、墜落の際、時空往還機がイタカ軍の手に落ちてしまう。これなくしては、ボレアからの脱出も、邪教集団との闘いも困難を極める。シルバーハットは、ド・マリニーと共に奪還を決意するが、風の邪神イタカの魔手が、ボレアに、そして愛するアルマンドラに迫りつつあった。邪神と人類の闘争を描きクトゥルー神話体系に新風を巻き起こした伝奇ホラー、長編第5弾。/解説=鵺沼滑奴 -
卯月の雪のレター・レター
両親を亡くした後、就職を機に「わたし」は妹を引き取る。ふたりで懸命に生きてきたが、最近になって妹が不可解な行動を取るようになり……。姉妹のあやうい関係を描く「小生意気リゲット」。教育実習先の小学校で出会った、嘘つき呼ばわりされる少女。彼女の言葉の真意を実習生が読み解く「狼少女の帰還」。祖父宛に届いた、六年前に亡くなった祖母からの手紙。それに込められた秘密を女子高生が追う表題作ほか、揺れ動く少女たちの心と、温かさや切なさに満ちた謎を叙情豊かに描いた全5編を収録。青春ミステリの名手が贈る珠玉の短編集。/解説=紅玉いづき -
この世にひとつの本
「ユーレイが消えた!」――著名な書家の幽嶺が、山奥の庵から忽然と姿を消した。後援していた大塔印刷では、御曹司の三郎に捜索をまかせることに。だが、工場でもあいついで病死者が出るという異常な事態が起こっていた。これは会社存亡の危機だ! いささか頼りない三郎は、有能な社長秘書の南知子と、切れ者ながら史上最速で窓際族になった社史編纂室の建彦の助けを借り、事件を探りはじめる。病死はただの偶然か、それとも無版印刷をめぐる陰謀なのか? そして、一見まったく関係がなさそうなそれぞれの事件は、世界に一冊しかないある書物へと、つながっていき――。「文字」を愛する活字中毒者に贈る傑作ミステリ。/解説=古山裕樹 -
血の色の記憶
色覚障害者のサイト〈ランボー・クラブ〉。仲間を探す不登校の中学生・菊巳が偶然見つけた、そのサイトのトップに掲げられたアルチュール・ランボーの詩。フランス語など習ったこともないのに、なぜ僕はこの原語の詩を読めるのだろう? 「Aは黒、Eは白、Iは赤、Uは緑、Oは青……」。その時、僕にあるはずのない、鮮やかな血の色を見た記憶が蘇った。そして後日、何者かによってサイトの詩が書き換えられ、詩になぞらえた死体が発見された! 色覚障害の少年をめぐる事件の、驚くべき真相とは? 鮎川哲也賞受賞作家が贈る、傑作本格ミステリ。/解説=大矢博子 -
白の予言者
六公国の王子デューティフルと、かつての宿敵である外島人の族姫エリアニアとの婚約。互いに根強い恨みと反感を抱く二つの国に平和を打ち立てんとするこの縁組みを成立させるためには、黒いドラゴン、アイスファイアの首を落とさねばならない。約束を守るために、王子は神呪字諸島に向け出航する。お供は王妃の顧問官シェイド、王子の従者シック、身分を隠したままのフィッツ。さらに古き血族のウェブや〈気〉をもつ貴族シヴィルも乗りこんでいる。航海の行く手に待つものは。壮大な異世界ファンタジー〈道化の使命〉最後の幕があがる。 -
れんげ野原のまんなかで
新人司書の文子がこの春から所属されたのは、のどかな秋葉図書館。ススキ野原のど真ん中に建つこの図書館は利用者もまばら、暇なことこのうえない。しかし最近妙な闖入者が現れた。小学生が閉館後も居残るために、あの手この手で図書館員たちの裏をかこうとしているらしい。いったいなぜ? 文子はかねてよりその博識ぶりを崇拝している先輩司書・能勢の力を借りて、小学生たちの企みをつきとめようとするが……。季節の折々に、小さな図書館を訪れる人たちがもたらすささやかな謎の数々。すべての本好き、図書館好きに捧げる、やさしいミステリ。/解説=大崎梢 -
白の祝宴 逸文紫式部日記
時は平安。都の人々の注目を集めているひとりの女性がいた――その名は紫式部。かの『源氏物語』の著者だ。式部には、あまり知られていない顔がある。彼女は都の謎を鮮やかに解き明かす名探偵でもあったのだ。折しも、帝が寵愛する女性が待望の親王を出産し、白一色で飾られ沸き立つ土御門邸。しかし、そのきらびやかな祝宴のさなか、都を騒がせている怪盗が逃げこんだとの報が入る。彰子にこわれて出仕していた式部は、『紫式部日記』編纂のかたわら、推理をめぐらせるのだが……。怪盗の行方は? そして書物にこめた式部の思いとは? 第13回鮎川哲也賞受賞作家が描く王朝推理絵巻、第2弾。/解説=細谷正充 -
刑事失格
鴬橋派出所管内で発見された死体の後頭部には、大きな裂傷が刻まれていた。間違いなく他殺だ。――刑事になることを目標とする外勤警官・阿南は、その遺体に残された、謎の噛み傷に疑問を抱く。いなくなった飼犬捜し、夜ごと駅前にたむろする子供たちへの苦情処理など、煩雑な日常業務に忙殺されながら、阿南は個人的にその事件を追う。だが、見回り中に起きた新たな殺人をきっかけに、彼は複数の事件の思わぬ繋がりに気がつく。常に“正しくあること”を求める阿南が見出した、残酷な真実。ひとりの青年の不器用な歩みを描き上げる太田忠司のライフワーク・シリーズ、鮮烈なる第1弾。/解説=池上冬樹 -
バルーン・タウンの手毬唄
睡眠薬で眠り込んだ妊婦を取り巻くのは薔薇のつぼみ、交差する二本の泥つき牛蒡、小魚に胡麻。しかも妊婦は服の上からスマイルマークのTシャツを着せられて――名探偵・暮林美央が奇怪な手毬唄連続見立て事件の顛末を回想する「バルーン・タウンの手毬唄」、アリバイを立証してくれるはずの謎の妊婦の消息を追う「幻の妊婦」、バルーン・タウンを舞台にした本格ミステリ短篇の謎解きに暮林美央が挑む「読書するコップの謎」、街角で耳にした不可思議な会話と密室盗難事件の謎解きが意外な結末に辿り着く「九か月では遅すぎる」の4編を収録した、バルーン・タウンの事件簿第3弾。 -
夜の床屋
慣れない山道に迷い無人駅での一泊を余儀なくされた大学生の佐倉と高瀬。だが深夜、高瀬は一軒の理髪店に明かりがともっていることに気がつく。好奇心に駆られた高瀬が、佐倉の制止も聞かず店の扉を開けると……。第4回ミステリーズ!新人賞受賞作「夜の床屋」をはじめ、子供たちを引率して廃工場を探索する佐倉が巻き込まれる、ある夏の日の陰謀劇「ドッペルゲンガーを捜しにいこう」など全7編。奇妙な事件に予想外の結末が待ち受ける、新鋭による不可思議でチャーミングな連作ミステリ。(単行本版タイトル『インディアン・サマー騒動記』改題・文庫化したものを電子書籍化しました) -
虚ろな感覚
「飯田さん──いらっしゃいませんか? 警察のものなんですけど」相手が『飯田さん』と呼びかけたことに、志穂はぎくりとした。チェーンを掛けたままドアを開くと、相手の女は一枚の紙をドアの隙間から差し入れてきた。『中に誰かいますか? イエスならウインクを』何かあったのかと訝る志穂に、女は『殺人事件の容疑者が、この建物に逃げ込んだんです』と告げる。慌ててチェーンを外しドアを開けた志穂に、女は──。二人の女のスリリングな心理闘争を描く充実の傑作「幻の男」など、サスペンスの名手が贈る七つの巧緻な逆転劇。記憶は、感覚は、秘かにあなたを裏切るかもしれない。 -
蒼志馬博士の不可思議な犯罪
私は殿島直紀、弁護士である。今にして思えば、私の事務所の隣に住む綾子が姿を消したことが事件の発端だった。いっしょに暮らしていた孤児たち四人を残して消えた綾子。私が密かに思いを寄せていた彼女は、姿を消す前に米軍接収地でトラブルに巻き込まれていた――。同時期、米軍宛に蒼志馬博士を名乗る人物から脅迫状が届く。「粗暴な米軍は即刻去るべし。さもなくば私の開発した殺人兵器で死にゆく運命にある」と。綾子の失踪に蒼志馬博士なる人物は関係しているのか?キザで眉目秀麗な荒城、学ランの義手探偵・真野原の活躍を洒脱に描く、本格ミステリ連作集。シリーズ第三弾。 -
警官レイチェル&看護師サラの事件簿
婚約者に裏切られ、深く傷ついた警察官のレイチェルは、豪華客船で看護師として働く親友のサラに誘われて、2週間の地中海クルーズに参加した。素敵なディナーや美術品オークションなどで船旅を楽しんでいたが、寄港したリスボンで、同じ船の乗客が何者かに突き飛ばされ、トラックの下敷きになるという事件が発生。レイチェルは船で親しくなった男性が現場から走り去っていく姿を見て不審に思い、サラと協力しつつ、事件を調べ始める。――でも船内で、どうやって捜査すればいいの? 警察官と豪華客船つきの看護師、親友同士の女性たちが謎に挑むコージーミステリ・シリーズ開幕! -
平凡すぎて殺される
28歳のポールの特徴は“平凡すぎる”顔だ。わけあって無職のまま、ボランティアで病院を訪れて、彼を自分の息子や甥と思いこんだ老人たちを癒す日々を送っている。ある日、末期ガンの老人を見舞うと、錯乱した彼に誰かと間違われてナイフで肩を刺されてしまう。老人は亡くなり、警察は恐ろしい事実に気がついた。彼は悪名高いギャングで、有名な誘拐事件の関係者だったのだ。警察に衝撃が走る一方、ポールは爆弾で命を狙われ、さらに……。身を守るには逃げながら誘拐事件の真相を探るしかない!? 巧みな構成が光るノンストップ・ミステリ! -
屋上物語
デパートの屋上、それはかつて人々の憩いの場であった。遊園地あり、レストランあり、舞台でのショーありと、まさにエンターテインメントの集う場所だった。とあるターミナル駅に隣接する有名デパートの屋上には、知る人ぞ知る讃岐うどんの名店がある。老若男女のファンが、安くてうまいうどんの味を求めてやって来るが、同時に不思議な謎や事件も集まってくるのだ。うどんを提供するのと同様に、素早く謎解きするのは、通称「さくら婆ァ」。デパートの屋上で繰り広げられる様々な人間模様を、魔術師・北森鴻が丁寧に描いた8篇を収録した、連作ミステリ。装いも新たに贈る、決定版。/【目次】はじまりの物語/波紋のあとさき/SOS・SOS・PHS/挑戦者の憂鬱/帰れない場所/その一日/楽園の終わり/タクのいる風景/解説=愛川晶/創元推理文庫版解説=村上貴史 -
ヘビイチゴ・サナトリウム
「なんでもない透明なものになるの」「なんでもない透明なもの?」「世界に身をまかせればいいのよ。自分が自分でいられるにはどうしたらいいか考え続けていく方が、ずっとたいへんじゃない?」夏休みが明けてすぐ、次いで年が明けた二月に、少女が校舎の屋上から墜落死する。ふたりは中高一貫の女子校で同じ美術部に所属する高校三年生だった。時を置かずして、学園では三度目の墜死が。遺された未発表の小説、アルファベット・ビスケット、密室殺人、そして「ヘビイチゴ・サナトリウム」――少女期の心理のゆらぎを鮮烈に描出する長編ミステリ。/解説=笠井潔・久美沙織 -
天の川の舟乗り
金塊を祭る金延村に怪盗マゼランを名乗る人物から届いた『祭の夜 金塊を頂く』という予告状。実際は金色に塗っただけの石なのだが、それが知れると観光客が来なくなると危惧した村の有力者の娘は名探偵音野順と推理作家の白瀬白夜に監視を依頼する。しかし、警戒する二人の前で起こったのは密室殺人で……空飛ぶ舟や湖の巨大生物が目撃されるこの村で何が起こっているのか? 大胆なトリックと切実な動機が胸を打つ表題作のほか、事件の影響で祭が廃止された村で観光客の遺体が発見される「マッシー再び」など4編を収録。引きこもりがちな名探偵が活躍する人気シリーズ第3の事件簿。/【目次】人形の村/天の川の舟乗り/怪人対音野要/マッシー再び/解説=青柳碧人 -
ウェッジフィールド館の殺人
ジェーンは英国の領主屋敷(マナーハウス)に滞在していた。いっしょに旅行している叔母が館の主である男爵とかつて恋仲で、ふたりのあいだに生まれた娘が男爵の養女になっていたのだ。ある晩、館の使用人が主の車を運転中に事故で死亡。車を調べてみると、ブレーキに細工されていたことがわかる。娘の身を心配する叔母に頼まれたジェーンは、折よく館を訪ねてきたレドヴァースと事件を調べはじめる。だが、ジェーンが操縦を教わっている複葉機の部品が壊されたり、怪しい人影が目撃されたりと不審な出来事が続き……。アガサ賞最優秀デビュー長編賞受賞シリーズ。 -
原野の館
母が病で亡くなり、叔母ペイシェンスの住むジャマイカ館に身を寄せることになったメアリー。だが、原野(ムーア)のただ中に立つ館で見たのは、昔の面影もなくやつれ、怯えた叔母と、その夫だという荒くれ者の大男ジョスだった。寂れ果てた館、夜に集まる不審な男たち、不気味な物音、酔っ払っては異様に怖がるジョス。ジャマイカ館で何が起きているのか? メアリーは勇敢にも謎に立ち向かおうとするが……。『レベッカ』「鳥」で知られる名手デュ・モーリアが、生涯の多くの時を過ごしたコーンウォールの原野を舞台に描くサスペンスの名作、新訳で登場!/解説=瀧井朝世 -
開化鉄道探偵
明治12年晩夏。鉄道局技手見習の小野寺乙松は、局長・井上勝の命を受け、元八丁堀同心の草壁賢吾を訪れる。「京都―大津間で鉄道を建設中だが、その逢坂山トンネルの工事現場で不審な事件が続発している。それを調査する探偵として雇いたい」という井上の依頼を伝え、面談の約束を取りつけるためだった。井上の熱意にほだされ、草壁は引き受けることに。逢坂山へ向かった小野寺たちだったが、到着早々、工事関係者の転落死の報が……。「このミステリーがすごい!2018」トップ10にランクインした、時代×鉄道ミステリの傑作。/【目次】第一章 最後の八丁堀/第二章 逢坂山/第三章 十四尺の洞門/第四章 鉄道嫌い/第五章 火薬樽/第六章 一触即発/第七章 特別臨時急行/第八章 大物登場/第九章 発破用意/第十章 トンネルを守れ/第十一章 一枚の切符/第十二章 ただ鐵(くろがね)の道を行く/あとがき/解説=香山二三郎 -
集結
独自の捜査方針を貫く切れ者ロヤコーノ警部は、ピッツォファルコーネ署への異動を命じられる。そこはナポリでもっとも治安の悪い地区にある分署で、捜査班の大半が汚職で逮捕されたため、早急に人員を補充する必要があった。ロヤコーノのほかに送り込まれたのは、暴力沙汰を起こした男性刑事、署内で発砲した女性刑事、スピード狂の巡査と、いずれも能力はあるが各分署が持て余した者たち。彼らは着任早々、スノードーム蒐集が趣味の女性資産家殺しをはじめ、いくつもの事件に直面する。イタリア発の警察小説、21世紀の〈87分署〉シリーズ始動。/解説=吉野仁 -
凍った夏
12月、イーリーの公営アパートで、デクランという男が肘掛け椅子に座ったまま死んだ。閉所恐怖症の彼は扉を外し、窓を開け放したまま寝たために凍死したらしい。自殺の可能性が高いとされたが、取材に訪れた新聞記者のドライデンは疑問をおぼえる。デクランは金に困っていたが、部屋のコイン式電気メーターには硬貨がたっぷり補充されていた。自殺する人間がそんな行動をとるだろうか? 小さな謎は思いもかけない真相の手がかりだった。ドライデンの丹念な調査と明晰な推理によって少しずつ解かれていく人々の秘密。端正な英国本格ミステリ。/解説=若林踏 -
ブラウン神父の童心
奇想天外なトリック、痛烈な諷刺とユーモア、独特の逆説と警句で、ミステリ史上に燦然と輝くシリーズの第一集。小柄で不器用、団子のように丸く間の抜けた顔。とても頭が切れるとは思われない風貌のブラウン神父が事件の真相を口にするとき、世界の風景は一変する。レストランの塩と砂糖を入れ替えるなど、奇妙な痕跡を残していく二人連れの神父を追う名刑事ヴァランタン。その背景には何が? ブラウン神父初登場の「青い十字架」のほか、大胆なトリックが炸裂する「見えない男」、あまりに有名な警句で知られる「折れた剣」など12編を収める。【収録作】「青い十字架」「秘密の庭」「奇妙な足音」「飛ぶ星」「見えない男」「イズレイル・ガウの誉れ」「狂った形」「サラディン公の罪」「神の鉄槌」「アポロの眼」「折れた剣」「三つの兇器」/解説=戸川安宣 -
ささやかで大きな嘘
最初は子供同士のトラブルだった……。海辺の公立幼稚園、その夜のパーティに子供たちの歌声はなく、聞こえるのは罵り言葉と保護者の乱闘の音。そして保護者の一人が死亡。事故か? 殺人か? ……事の起こりは六カ月前、シングルマザーのジェーンの息子ジギーにいじめの疑いがかかった。本人はきっぱり否定するが、保護者たちは騒然。ジギーをいじめっ子と決めつける者、ジギーの言葉を信じる者に分かれ、険悪な雰囲気に。ジェーンは園で知り合った二人の友人とともに事態に立ち向かう。31カ国で翻訳、英米で150万部突破の傑作ミステリ登場。 -
放課後スプリング・トレイン
四月のある日、福岡市内の高校に通う私は、親友・朝名の年上の彼氏を紹介される。そのとき同席していた大学院生の飛木さんは、私の周りで起こる事件をさらりと解き明かしてみせる不思議な人だった。天神に向かう電車で出会った奇妙な婦人、文化祭で起きたシンデレラのドレス消失事件……。福岡の街で私はたくさんの答えを探している。解くことが叶わなかった問題も、真相に辿り着けなかった謎も、すべて覚えておこう。今日は見えずとも、形を変えて色を変えて、いつの日か扉を開ける鍵が手に入ると信じて。福岡・天神を舞台に贈る、透明感溢れる青春ミステリ。 -
ご近所美術館
国道沿いのビル群の間にひっそりと建つペンシル・ビル。その二階に“美術館”はあります。のんびり寛げるラウンジは憩いの場として親しまれ、老館長が淹れるコーヒーを目当てに訪れるお客もちらほら。しかし、この度館長が引退することに……。後任としてきたのは、稀に見る美貌を持つ川原董子さん。そんな彼女に、常連の海老野くんは一目惚れしてしまいます。董子さんを振り向かせたい一心で、彼女の妹あかねさんの助けを借りつつ、来館者が持ちこむ謎を解決していく海老野くん。果たして、彼の恋の行方は? 恋する青年が美術館専属の探偵となって奮闘する、ほんわか連作ミステリ。/解説=大矢博子 -
ぬいぐるみ警部の帰還
殺人現場にぽつんと遺されたぬいぐるみ。そのぬいぐるみは、いったい何を語る? イケメン警部・音無美紀の密かな楽しみは、ぬいぐるみを愛でること。遺されたぬいぐるみから優れた洞察力で、事件解決の手がかりを発見する――。そして、男勝りの言動の一方で音無にぞっこんの則竹女史。さらに実はミステリおたくの江角刑事や、若手の桂島刑事など、個性派キャラクターが脇を固める連作短編集。「お弁当ぐるぐる」(『赤い糸の呻き』所収)で初登場した、音無&則竹コンビが遭遇した不可能犯罪の数々。〈ぬいぐるみ警部〉シリーズ、記念すべき第1弾。解説=霞 流一 -
松谷警部と目黒の雨
目黒本町のマンションで殺害された小西のぞみの身辺を調べていくと、武蔵学院大学アメフト部「ボアーズ」との関連が浮上、更にはボアーズの仲間内でこの5年に複数の変死者が出ていると判明した。これらは繋がっているのか。松谷警部は白石巡査らと捜査に当たるが、のぞみの事件についてボアーズ関係者のアリバイはほぼ成立し、動機らしきものも見当たらない。過去の事件は不可解な点を残しながらも既決事項となっている。白石巡査は「動機は後回し」と地道に捜査を進め、ついに犯人がわかったと宣言。松谷の自宅で清酒「浦霞」を傾けながら、白石の謎解きが始まる。果たして真相は?犯人当ての妙味に富んだ本格ミステリ。解説=村上貴史 -
本を隠すなら本の中に
「いますぐわたしの家から出ていって!」大学時代のルームメイト、パミーが家に転がり込んで二週間、我が物顔で家を占領するだけでなく、トリシアの大事な城であるミステリ専門書店に出て客に迷惑をかけるにいたって、ついに堪忍袋の緒が切れた。ところがトリシアが追い出したその日のうちに、こともあろうに人手不足に悩むカフェの店主でトリシアの姉アンジェリカが、うっかりパミーを雇ってしまったのだ。だがそのパミーが店の裏で殺された……。古書と専門書の町、読書家の聖地ストーナムで起こる事件を描く、ライトミステリ。本の町の殺人シリーズ第3弾。アガサ賞候補作。 -
もろこし桃花幻
時は元末。世情不安の折から陶華は科挙受験を断念し、蜀への帰路を辿っていた。従者とはぐれ路銀乏しく道のり遠く、途方に暮れる陶華に声をかけたのは、愛くるしささえ感じさせる不思議な女道士。続いて二人の行者、こましゃくれた少女、後ろ暗そうな商人、人の好さそうな侠客、と道連れが増えていく。やがて桃源郷かと見まがうばかりの農村に行き着き、宿を求める。ところが旅の疲れを癒す間もなく一行の世話係が殺され、村人が多数遺体となって見つかるという事態に発展。陶華らの中に下手人がいるはずだと、詮議が始まって……。『銀侠伝』『紅游録』に続くシリーズ第3弾、初の長編で登場。 -
ホペイロの憂鬱
僕がホペイロ(roupeiro:ポルトガル語で用具係のこと)を務めるプロサッカークラブ・ビッグカイト相模原では、奇妙な事件がわんさか起きる。J2昇格を目指して新シーズンが始まったのに問題山積だ。まったく傷んでないのに頻繁にスパイクを交換したがるエース、窃盗容疑で逮捕されたナイジェリア人助っ人、名物サポーターの大フラッグの盗難……。その度に、僕に謎を解かせようとするんだ。選手のスパイクの手入れが本職なのに! 日本フットボールリーグ(JFL)所属のサッカークラブを舞台に、ホペイロの奮闘を描く、ほのぼの連作ミステリ。 -
理由あって冬に出る
某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい――。吹奏楽部は来る送別演奏会のための練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。かくなる上は幽霊など出ないことを立証するため、部長は部員の秋野麻衣とともに夜の芸術棟を見張ることを決意。しかし自分たちだけでは信憑性に欠ける、正しいことを証明するには第三者の立ち合いが必要だ。……かくして第三者として白羽の矢を立てられた葉山君は夜の芸術棟へと足を運ぶが、予想に反して幽霊は本当に現れた! にわか高校生探偵団が解明した幽霊騒ぎの真相とは? 第16回鮎川哲也賞に佳作入選したコミカルなミステリ。 -
九年目の魔法
ため息をつき、本をベッドに伏せる。前に読んだはずだけど、こんな題名だったろうか? 壁にかかった写真の額を見上げる。これもこんな写真じゃなかったはず。この九年間で本当にあったことと、今おぼえていることが喰い違っている。まるで過去が変えられてしまったかのよう。大学生のポーリィは、十歳のころの思い出をたぐり寄せた。そうだ、近くの屋敷でお葬式が! そこで、あの人、リンさんと出会って、ずっと歳上の男の人なのに仲良しになって、それから……それから、とても恐ろしい何かが起こりはじめた……失われた時を求める少女の、愛と成長と闘いをつづる現代魔法譚!/解説=三村美衣 -
偽悪病患者
「佐治は偽悪病患者だ。接近させてはいけない」兄の警告を妹は一笑に付したが……犯罪の萌芽から事件発生と解決まで往復書簡形式で語られるモダン探偵小説の表題作、犯行に至る殺人者の心理を克明に描き、“なぜ殺したか”の謎を追求した「死の倒影」「情獄」、掘り出し物の骨董をめぐる奇譚「金色の獏」、都市伝説めいた怪現象が連続猟奇殺人に発展する犯罪幻想譚「魔法街」他、全九篇。日本探偵小説草創期に江戸川乱歩、甲賀三郎とともに絶大な人気を博した巨匠、大下宇陀児の多彩な作品を紹介する短篇傑作選。/【目次】偽悪病患者/毒/金色の獏/死の倒影/情獄/決闘介添人/紅座の庖厨/魔法街/灰人/〈エッセイ〉探偵小説の型を破れ/探偵小説不自然論/解題/解説=長山靖生 -
偽のプリンセスと糸車の呪い
ルーシーと親友のドーンは明日16歳の誕生日を迎える。これまで毎年いっしょに誕生日を祝ってきたというのに、今年はそれができなくなった。ドーンが育ての親である3人のおばたちに、明日一日家から出ることを禁じられたのだ。ドーンとは会えないし、運転免許の最終試験だしで、誕生日だというのにルーシーの気分はさえない。でも、本当の災難はそのあとに待っていた。ルーシーは試験会場に向かう途中、騎馬の男たちに拉致されてしまう。巨大な光る門を通ってたどり着いたのは、まるでおとぎ話(フェアリーテイル)の世界で……。〈(株)魔法製作所〉の著者が贈る、スイートでロマンチックなファンタジー。 -
壊れた世界で彼は
ニュージーランドの小さな町で人質事件が発生。未明、夫婦と娘ふたりがいる民家に、銃を持った男たちが立てこもったという知らせを受けて、刑事ニックは現場に急行する。警官に囲まれた家から大音量で音楽が流れ、銃声がしたのをきっかけに、狙撃班が銃弾を浴びせたところ、今度は大爆発が! 機動隊が妻と娘たちを救出。爆発跡から地元のギャング5人の死体が見つかるが、夫の姿はない。警察は、生き残った犯人グループのひとりが夫を連れて逃亡したと考え、大規模な捜索を開始するが……。『死んだレモン』の著者が贈る意外性抜群の衝撃作!/解説=村上貴史 -
シャーロック・ホームズたちの冒険
シャーロック・ホームズとアルセーヌ・ルパン――ミステリ史に名を刻む両巨頭の知られざる冒険譚「「スマトラの大ネズミ」事件」と「mとd」。大石内蔵助が率いる赤穂浪士の討ちいりのさなか、雪の降り積もる吉良邸で起きた密室殺人「忠臣蔵の密室」。実はシャーロキアンだったアドルフ・ヒトラーがナチス・ドイツの戦局を左右しかねない事件に挑む「名探偵ヒトラー」。日本を訪れたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が“怪談”の数々を解き明かす「八雲が来た理由」――在非在の著名人たちが名探偵となって競演する全五編。異才が虚実を織り交ぜ纏めあげた、奇想天外な本格ミステリ短編集。/解説=北原尚彦 -
深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説
昭和12年(1937年)5月、銀座で似顔絵描きをしながら漫画家になる夢を追いかける那珂一兵のもとを、帝国新報(のちの夕刊サン)の女性記者が訪ねてくる。開催中の名古屋汎太平洋平和博覧会の取材に同行して挿絵を描いてほしいというのだ。超特急燕号で名古屋へ向かい、華やかな博覧会を楽しむ最中、一報がもたらされた殺人事件。名古屋にいた女性の足だけが東京で発見された!? 同時に被害者の妹も何者かに誘拐され――。名古屋と東京にまたがる不可解な謎を、一兵はどんな推理を巡らせて解くのか? 空襲で失われてしまった戦前の名古屋の町並みを、総天然色風に描く長編ミステリ。/解説=大矢博子