創元推理文庫の検索結果
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第三閲覧室
誠和学園大学図書館の第三閲覧室は、大学の正式な施設でありながら、内実は学長の稀覯本コレクションを収めた個人的な書庫と化していた。その室内で有毒ガスを吸い込んだ死体が発見される。事件の背景にあるのは学内の複雑な人間関係か、それとも膨大な数の稀覯本か? 図書館運営主任に嫌疑がかけられるなか、彼の無実を確信する古書店主が事件の調査に乗り出す。第三閲覧室周辺で目撃された謎の女性や奇妙なダイイング・メッセージなど、事件には不可解な点が散見されて……。本に関するさまざまな情報のなかに緻密な企みを埋め込んだ、紀田ミステリを代表する傑作長編本格推理。 -
十三番目の王子
古の神の眷属と信じられている『神王』一族が治めるシオン神王国。その最北に位置するラダッカでは、原因不明の死病が流行していた。極北での任務から帰還した〈蛇の目〉団の若き長ソローは、神王家から派遣された地形官の護衛と監視を命じられる。百二十年ごとに繰り返される吹雪と死病の原因は、神王国の根幹に関わる秘密にある、と地形官は語る。ラダッカを襲う異変はソローのみならず、彼の幼なじみ――騎士を目指す少女エネミアと、神王国を守護する〈剣の天使〉の後継者という宿命を負うゼンの未来をも変えようとしていた。圧倒的筆力で描く、ヒロイック・ファンタジーの傑作。解説=三村美衣 -
人形の部屋
ねえ、お父さん。この謎、解ける? きっかけはほんのちょっとした小さな謎。だが、八駒家の食卓にのぼると、それは一篇のミステリに姿を変える――家主の敬典は、旅行会社の有能なる社員から、専業主夫に転身。家事に追われながらも平和な日々を過ごしていたが、ある日、元先輩が可憐なフランス人形を持ちこんできた。それも、左足の先が粉々に砕けた人形を。なんとかしてくれと懇願され、持ち主まで怒鳴りこんできても、敬典はなぜか悠然とかまえている。そんな父に、中学生の娘つばさは憤慨するが、敬典の頭にはある推理が浮かんでいた……。父と娘が織りなす、温かなおうちミステリ。 -
ロマネスク
讃大仁(サンドニ)の英雄バシリスクは盗まれた秘宝を捜す旅の途上、ケ・イキョー国に足を止めた。前王ヨードの崩御に始まる内紛と外敵の脅威に揺れるその国には三択の刑があり、重罪を犯した者は『胡戎魯(コジユール)の迷宮』『芽出臼(メデイウス)の回廊』『占犂牟(ウラリム)の坩堝(るつぼ)』から一つを選ばねばならない。暫定王位に就いているレツと、ヨードの子ライモスを推す老臣エゼカイオらとの確執に巻き込まれたバシリスクは三択の刑を科され、まず回廊に、次いで迷宮に挑む。自身の使命を全うできず焦りを募らせながらも、ケ・イキョーの行く末を案じて幾多の謎に立ち向かうバシリスク。秘宝は見つかるのか、そして王位は誰の手に?架空の国を舞台に展開する、ファンタスティック・ミステリ!解説=城平京 -
ボディ・メッセージ 被砥功児の事件簿
アメリカはメイン州・ベックフォード、ディー・デクスター探偵社に一本の電話が入る。探偵二名をある家によこしてほしい、そこで一晩泊まってくれればいいという、簡単だが奇妙な依頼。その家に向かったスタンリーとケンウッドに、家人は何の説明もなく、仕方なく二人は酒を飲んで寝てしまう。しかし、未明に大きな物音で目覚めた二人は、一面の血の海に四人分の切断死体が転がっているのを発見。罠かもしれないと、ディーの家に急行し警察とともに再び現場に戻ると、何と死体が消失していた――。大胆かつ奇怪な事件の謎で読者を魅了する、第20回鮎川哲也賞受賞作、大幅改稿で登場。 -
殉教カテリナ車輪
東条寺桂――制作期間わずか五年の間、憑かれたように五百余点の絵を描き上げ、やがて自殺を遂げた画家。彼に興味を持ち、作品について調べ始めた学芸員、矢部直樹の前に浮かび上がったのは、意外にも数年前の聖夜に起きた二重殺人の謎だった。二つの部屋でほぼ同時に、しかも同一の凶器で行われた不可能極まりない密室殺人の真相とは。そして桂が遺した二枚の絵、《殉教》《車輪》に込められた主題とは何だったのか――。図像解釈学とミステリの邂逅により生み出された、緻密にして哀切感漂う本格推理。作者自身の筆による絵が添えられた点でも話題を呼んだ、第九回鮎川哲也賞受賞の傑作。/解説=有栖川有栖、新版解説=若林踏/※紙書籍版とはカバー画像が異なります。 -
卯月の雪のレター・レター
読書好きだが八歳年上の姉へのコンプレックスを抱える、おとなしい高校生・小袖。母方の祖母の七回忌で、祖父のもとを訪ねた際に、今春から同じ高校に通うことになる従妹から奇妙な質問をされる。「死んだ人から、手紙って来ると思う?」祖父宛に最近届いたという手紙は不可解な内容だったが、亡くなった祖母が昔に書いたもののようだ。それがなぜ今頃になって? 誰かの悪戯なの? 思い悩んだ小袖は、その手紙の謎をある人物に話すことに……。美しい情景描写が魅力の表題作をはじめ、揺れ動く少女たちの心理を巧みに描いた五編を収録する短編集。/【目次】小生意気リゲット/こそどろストレイ/チョコレートに、躍る指/狼少女の帰還/卯月の雪のレター・レター/解説=紅玉いづき/*本電子書籍は『卯月の雪のレター・レター』(創元推理文庫 新装版 2026年9月30日初版発行)を底本としています。 -
帝都一の下宿屋
時は明治──銀座は南紺屋町に、「静修館」という古いけれど居心地のいい下宿屋がある。大家の梨木桃介はまだ若いが無類の世話好きで、料理をはじめ家事万端を見事にこなす界隈の名物男だった。その働きぶりの前では、下宿人のひとりである小説家の仙道湧水も我が儘を封印し、規則正しく生活するほどだ。そんな静修館には、なにかと謎が持ち込まれる。桃介も愛用する醤油にかけられた偽装疑惑、好条件にもかかわらず借り手が決まらない貸家。「先生なら助けてあげられるかもしれないね」という桃介の一言に促され、湧水は謎解きに奔走するが……。/【目次】永遠の市/障子張り替えの名手/怪しの家/妖怪白湯気 -
乱菊物語
戦乱の室町時代、瀬戸内の美しい海と島々を背景に、羅綾の蚊帳の由縁とともに絢爛たる伝奇絵巻が開かれる。播州の太守赤松家と代官浦上家の確執に端を発し、両家の侍が京を駆け巡る狂騒の美女捜し。御家騒動には室の港に君臨する遊女かげろう御前、幻術を駆使して民を翻弄する幻阿彌法師、果ては一切を謎に包みし海龍王までが運命の糸を縺れさせる――史実や伝説をまじえ文豪が悠揚たる筆致で読者を誘う、永遠に終わることなき物語の愉楽。奔放な想像力が築く谷崎文学の隠れた山嶺が、ここに姿を現す。/解説=東雅夫 -
わたしが幽霊だった時
季節は夏。昼下がりの林道は家に続いている。歩きながら(事故だわ!)ふいにそう思った。なにかが変。事故に遭ったって思うんだけど、頭がぼやけてて何も思い出せない。気がついたら、ここ歩いてるんだもの。あたしいま何着てるんだろう。わからないから下を見た。体がない! あたしは生垣を通り抜け、ドアを通り抜けて家のなかに入った。宙に浮きながら。部屋じゃ、だいっ嫌いな姉さんや妹たちが相変わらずのけんか。誰もあたしのこと気づきゃしない。あたし、幽霊になっちゃったんだ……でも、なぜ? 現代英国を代表する著者が贈る、おかしくてほろ苦くも暖かい時空を超えた物語。/解説=金原瑞人 -
星天の兄弟
ある王国の田舎の村に高潔な学者が住んでいた。学者には母親のちがう息子が二人おり、兄は賢く弟は美しかった。ある時、王国の第二王子が学者の評判を聞きつけ、自分の家庭教師にと招いた。王子は聡明で学者も喜んで教えたが、王子に父王に対する反乱を企んでいるとの疑いがかけられ、学者も捕らえられてしまう。幼くして罪人の子という重い軛(くびき)を背負うことになってしまった兄弟。互いを思いやりながら別々の道をゆく二人の運命は? 〈天山の巫女ソニン〉シリーズで人気の著者が家族とは何か、絆とは何かを問う感動のファンタジイ。 -
〈邪馬台国はどこですか?〉シリーズ
和歌山に、ある宗教団体の御神体の取材へ向かう早乙女静香と、量子力学研究機関の代表へインタビューをしに行く宮田六郎。宿泊するホテルへの道すがら、まるで大きな八咫烏のような姿が目の前に出現した……。宮田がインタビュー予定だった男性がビルから落下したのだと判明、警察は自殺だと決めつけるが、前日にもオンラインで打合せを済ませ、インタビューを楽しみにしていたはずなのになぜ? 一方で、静香も取材先で御神体が消失するという事件の現場に居合わせることになる。熊野を舞台に、二つの事件の真相と八咫烏神話の謎に迫る、『邪馬台国はどこですか?』に連なる最新長編。創立70周年記念、文庫書き下ろし。 -
〈邪馬台国はどこですか?〉シリーズ
崇徳院は保元の乱に敗れ、配流の地で憤死して怨霊になったという。星城大学の研究者早乙女静香は、ひょんなことから宮田六郎と京都へ旅することになり、かねて興味を抱いていた崇徳院について調べようとする。その矢先、宮田の知人である京都在住のジャーナリストが失踪、静香を敵視していた歴史学者が遺体となって崇徳院ゆかりの白峯神宮で見つかるなど、二人と接点を持った人物が奇禍に遭う。そして知り合ったばかりの社長令嬢も……。警察に疑惑の目を向けられながら事件を解明すべく奔走する宮田と静香。歴史上の謎に通じるその真相とは?/解説=新保博久/*本電子書籍は初版時タイトル『崇徳院を追いかけて』を改題した新装新版(創元推理文庫 2024年8月30日初版発行)を底本としています。 -
ダムゼル 運命を拓きし者
イノフェ公国は貧しかった。干魃で農耕ができず、経済は物々交換に依存する始末。そんな公国のプリンセス、エロディに、豊かな島国オーリア国の王子から結婚の申しこみがあった。エロディが嫁いでくれば、公国を援助してくれるというのだ。豪華な婚礼衣装、贅を尽くした料理、オーリア国は母国とは天と地ほども異なっていた。おまけに夫となる王子はうっとりするほど素敵なのだ。だがエロディはどこか違和感を覚えていた。そして結婚式の夜……。貧乏国のプリンセスが機知と勇気で運命を切り拓く、Netflix映画原作の異世界ファンタジイ登場! -
おれの眼を撃った男は死んだ
自分を救ってくれた兄に付き従ううち、いつしか銀行強盗に加担することになった西部の少女。ろくでなしの父親を探すため、拳銃を隠し持ってヒッチハイクをくり返す女性。ぶかぶかの袖口で鼻血をぬぐい、裸足で列車を待つ少年。根拠薄弱な治療の果てに母親が病死し、医者に苛烈な復讐心を抱くようになった双子の妹――。時を選ばず、突如として眼前に現れる犯罪と暴力。その無秩序に翻弄され、血まみれになりながらも生きてゆく人々の息遣いが、気高く、美しく描き出される。O・ヘンリー賞受賞作を含む10編収録、凄絶な迫力を放つ傑作短編集!/【目次】よくある西部の物語/アデラ/思いがけない出来事/外交官の娘/オリンダ・トマスの人生における非凡な出来事の奇妙な記録/ジェイムズ三世/蜻蛉(スネーク・ドクターズ)/死を悼む人々/認識/われらはみなおなじ囲いのなかの羊、あるいは、何世紀ものうち最も腐敗した世界(オ・セキュラム・コラプティシマム)/謝辞/訳者あとがき/解説=杉江松恋 -
図書館島異聞 翼ある歴史
帝国オロンドリアを二分した大乱は、書物と言葉を巡る戦いでもあった。そのただ中を生きた四人の女性たち――貴族出身ながら戦いにその身を投じた剣の乙女、彼女を愛した遊牧民の歌い手、帝国を支配する思想を創り上げた男を父に持つ女司祭、そして反乱の指導者である王子の秘密を知る王家の娘。彼女たちは正史から葬られようとしているそれぞれの物語を、自らの言葉で語り始める。響きあう四つの物語からやがて立ち上がるのは――デビュー長編にして世界幻想文学大賞など四冠『図書館島』の著者が贈る、書物と言葉を巡る傑作本格ファンタジイ。/解説=河野聡子 -
怪異筆録者
仕事に行き詰まっていたホラー作家の津久田舞々は、担当編集者の勧めで、駅前に自販機すらない過疎の町・古賀音を訪れた。そして町長直々に、この町のことを書き残してほしいと依頼を受ける。なぜわざわざホラー作家に頼むのか訊ねたところ、町長はこう答えた――ホラーを書いていらっしゃる方でしたら、そういう方面の耐性がおありだと思いまして。到着したその日から立て続く怪奇現象、次々姿を現す妖との共同生活、かつて古賀音に財をもたらした奇人の遺した謎。気弱な怪奇小説家が目にする、田舎町に秘められた想像を絶する「真実」とは? 稀代の物語作家が贈る、世にも不思議なジェントル・ゴースト・ストーリー!/解説=似鳥鶏 ※単行本『優しい幽霊たちの遁走曲』の改題・文庫版を底本としました。 -
雪旅籠
江戸時代末期、北町奉行所定町廻り同心の戸田惣左衛門は、若かりし日より悪人の捕縛や吟味に辣腕を振るい、『八丁堀の鷹』と謳われてきた。妻に先立たれ、園芸と囲碁を趣味にする惣左衛門と、やり手の父親を持ちながらどうにも気弱な息子清之介。対照的な同心親子が、時代に翻弄されながらも、遭遇した謎に真摯に対峙する。大老井伊直弼が暗殺された桜田門外の変を題材にした「逃げ水」、雪に閉ざされた旅籠での殺人事件の謎を描く表題作「雪旅籠」など全八編。惣左衛門親子に加え、惣左衛門の後添えとなる花魁お糸の推理もますます冴え渡る。時代ミステリ『恋牡丹』姉妹編、登場。【収録作】「埋み火」/「逃げ水」/「神隠し」/「島抜け」/「出養生」/「雪旅籠」/「天狗松」/「夕間暮」/後書き -
おめざめですか、アイリーン
1888年夏。鉄道事故で“死亡”したオペラ歌手アイリーン・アドラーは、夫のゴドフリーと親友ネルの三人で、パリ郊外の村で静かに暮らしていた。だが、持ち前の好奇心が、ふたたび彼女を冒険と推理の旅へといざなう。セーヌ川から引き上げられた男の死体にあった謎の入れ墨、ゴドフリーが命を救った若い女性ルイーズの“死”……アイリーンたちはこれらの真相を追い、モンテカルロへと赴く。かの地で待つのは、さらなる事件と謎、そして同じく事件解決に乗り出した名探偵ホームズとの再会……稀代のヒロインによるヴィクトリア朝ミステリ第2弾。/解説=池澤春菜 -
血染めの旅籠 月影兵庫ミステリ傑作選
徳川11代将軍家斉の時代。時の老中・松平伊豆守信明を伯父にもつ、明朗で人懐っこい青年剣士・月影兵庫。彼は伯父の秘命を帯びた道中や、相棒の安との旅路で様々な事件に遭遇する。その度に、兵庫は鋭い洞察と上段霞切りを始めとした武芸を駆使し、解決していく。大雨で足止めを食らった人々が滞在する旅籠で、殺人が起こる「血染めの旅籠」。盗賊が豪商から盗み出した千両箱の在処を探す「偉いお奉行さま」。行方不明になっていた村で評判の美人が4年ぶりに帰還。それを機に奇怪な殺人が起きる「帰ってきた小町娘」など、傑作17編を収録する。/【収録作】「上段霞切り」/「通り魔嫌疑」/「血染めの旅籠」/「首のない死体」/「大名の失踪」/「二百両嫌疑」/「森の中の男」/「偉いお奉行さま」/「帰ってきた小町娘」/「掏摸にもすれないものがある」/「私は誰の子でしょう」/「鬼の眼に涙があった」/「乱れた家の乱れた話」/「ただ程高いものはない」/「理窟っぽい辻斬り」/「殺したのは私じゃない」/「殺しの方法は色々ある」/編者解説=末國善己 -
ネクロスコープ
1971年、ソビエト連邦の首都モスクワ。超常諜報戦術開発局に所属するボリス・ドラゴサニは極秘施設で、機関の長ボロウィッツの命令により、裏切り者の死体に特殊な“能力”を用いようとしていた。一方、英国の炭鉱町で育った夢見がちな少年ハリー・キーオウは、ある日を境に突如として数学の才を発揮するようになる。二人には、ある共通点があった――それは死者、あるいは死体の記憶や能力を自らのものとして活用するという、類い稀且つ恐るべき異能だった! 冷戦下のソ連と英国の間で巻き起こる霊的諜報戦を描いた、〈タイタス・クロウ・サーガ〉の著者を代表する一大伝奇ホラー! -
泡坂妻夫引退公演 絡繰篇
緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。著者の生前、単行本に収録されなかった短編小説などを収めた作品集を、二分冊にしてお届けする。『絡繰篇』は、大胆不敵な盗賊・隼小僧の正体を追う「大奥の七不思議」ほか、江戸の雲見番番頭・亜智一郎が活躍する時代ミステリシリーズ、五節句の紋をあしらった着物にこめられた想いを読み解く「五節句」ほか、紋章上絵師たちのシリーズ、背中に見事な彫物を持つと評判の美女を巡る「荼吉尼天」といったノンシリーズなど17編。/【収録作】〈亜智一郎〉「大奥の七不思議」/「文銭の大蛇」/「妖刀時代」/「吉備津の釜」/「逆鉾の金兵衛」/「喧嘩飛脚」/「敷島の道」/〈幕間〉「兄貴の腕」/〈紋〉「五節句」/「三国一」/「匂い梅」/「逆祝い」/「隠し紋」/「丸に三つ扇」/「撥鏤」/〈幕間〉「母神像」/「荼吉尼天」/中入り 解説屋さん口お閉じ=新保博久 -
星水晶の歌
季節外れの嵐、雨のない雷、全てを覆い尽くす白い霧。世界を襲う異常気象は、アトーリス王国が秘密裏に開発した兵器〈氷河〉の影響か。敵国ギルデアがその兵器を奪おうと画策するなか、王室の諜報員ステランは危機感を募らせる。内外から迫る脅威。立ち向かうすべはあるのか。ランドリアはひとつの覚悟を胸にギルデアに赴き、ウィルナーは故国の激戦に身を投じる。一方、サラファーンの星の雫を預言の英雄に届ける途上、砲弾に倒れたジョーは、九死に一生を得るが……。戦乱に翻弄されながら精一杯いまを生きる人びとを描く壮大な四部作ついに完結。 -
玉妖綺譚3 透樹の園
妖力を奪われ眠りについた相棒の玉妖を目覚めさせる方法を知る唯一の人物、難波俊之の行方を捜し“はざま”をめぐっていた彩音は、ある“はざま”で奇妙な光景を目にする。男たちが異界妖を檻に追い込み、こちらの世界に連れ込んでいたのだ。妖は人間界では実体をもたず、檻をすり抜けてしまうのに、なぜ? 折しも都では“はざま”や異界妖の出現が増え、その存在を隠そうとする政府を悩ませていた。俊之捜しを続ける彩音は、いつの間にか遷都をめぐる陰謀に巻き込まれる羽目に……。石に宿る精霊、玉妖と驅妖師の絆を描く、シリーズ第3弾。 -
忘却のパズル
かつて整形外科医だったジェニファーは、現在アルツハイマー病を患っている。そんな彼女に殺人容疑がかけられてしまう。殺されたのはジェニファーの親友である女性で、なぜか死体の右手は4本の指が切断されていた。手を専門としていたジェニファーは重要参考人として事情聴取を受けるが、病気のせいで記憶が曖昧になっており、体調次第では親友のことさえ思い出せない。彼女の記憶や独白、ノートの文章、介護人や子供たちの伝言など、パズルのピースのように断片的な記述が描き出す驚愕の真相とは。記憶を失っていく語り手が紡ぐ衝撃のミステリ!/解説=吉野仁 -
ハリー・クバート事件(上下合本版)
【驚異のメガヒット! 徹夜の覚悟なしに読み始めないで下さい!!】デビュー作の大ヒットで一躍ベストセラー作家となったマーカス・ゴールドマンは、第二作の執筆に行き詰まり、大学の恩師で国民的作家、ハリー・クバートに悩みを打ち明け助言を求めていた。しかし、そのハリー・クバートが、33年前に失踪した美少女ノラ殺害の容疑で逮捕されてしまう。彼の家の庭に埋められていたノラの白骨死体が発見されたのだ! 師の無実を信じるマーカスは、事件について独自に調べはじめ、それを師に教えられた小説作法に従って、一冊の本にまとめあげることにしたのだったが……。次々に判明する新事実、どんでん返しに次ぐどんでん返し、世界40か国以上で刊行され、眠れぬ夜を過ごす人々を続出させたスイス発のメガヒット・ミステリ。アカデミー・フランセーズ賞、高校生が選ぶゴンクール賞同時受賞の傑作。/解説=川出正樹※本電子書籍は『ハリー・クバート事件 上・下』を1冊にまとめた合本版です。 -
技師は数字を愛しすぎた
パリ郊外にある原子力関連施設で、突然銃声が鳴り響いた。人々が駆けつけると、技師長のソルビエが撃ち殺され、金庫からは重さ二十キロほどの核燃料チューブが消えていた。そのチューブは、パリ市民を核爆発、放射能汚染の恐怖にさらす危険物だった。司法警察の捜査が開始されたが、なんと犯行現場は完全な密室状況にあったことが判明する。その部屋には、誰も入っていかなかったし、そこから誰も出てはこなかったのだ! 更に重なる不可能状況での事件……。フランス・ミステリ界を代表するコンビ作家による、密室テーマの傑作本格ミステリ。/解説=戸川安宣 -
樹霊
植物写真家の猫田夏海は北海道の撮影旅行の最中、「神の森で、激しい土砂崩れにより巨木が数十メートル移動した」という話を聞き、興味を覚えて日高地方最奥部の古冠村へ向かう。役場の青年の案内で夏海が目にしたのは、テーマパークのために乱開発された森だった。その建設に反対していたアイヌ代表の道議会議員が失踪する。折しも村では、街路樹のナナカマドが謎の移動をするという怪事が複数起きていた。三十メートルもの高さの巨樹までもが移動し、ついには青年の墜落死体が発見されたとき、夏海は旧知の〈観察者〉に助けを求めた! 〈観察者〉探偵・鳶山が鮮やかな推理を開陳する、謎とトリック満載の本格ミステリ。/解説=村上貴史 -
落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館
落ちこぼれネクロマンサーのワードと死から蘇った美女シーリアは、彼女の父親、闇社会のプリンス殺しの濡れ衣を着せられてしまう。暗殺者に追われ這々の体で飛びこんだ先が邪悪な黒魔術師マセリオの屋敷。どうやらワードはマセリオの弟子候補と間違えられているらしい。となればさっさと逃げたほうが身のためだ。なのにいきなり現れた旧知の猟官には盗みを命じられ、召使の娘には助けを求められ、どんどん深みにはまっていくワード。気が弱いくせに正義感が強く頑固なワードにシーリアは苛立ちを隠せない。闇と魔法の異世界ファンタジー第2弾。 -
疑惑の墓標
失踪から2カ月、トランク詰めにされた高見沢妙子の遺体が西伊豆で見つかった。愛人関係にあったカメラマンの浅倉が容疑者とされたが、人となりを知る田辺は浅倉の無実を信じて調査を始める。一方、鳴子温泉近くの林で不審な死を遂げた塾講師、坂口三郎。新妻の陽子は夫を殺した男を捜そうと手始めに遺品を整理する。二人のアマチュア探偵の行動はやがて重なり合い、事件の不可分な関係が浮かび上がった。更なる究明を委ねられた捜査一課の相沢と菊地は、墓標に託されたメッセージを通じて真相に至る。藤雪夫との共著『獅子座』『黒水仙』に続くシリーズ第3作にして桂子単独名義の処女作。