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運行しているはずのない深夜バスに乗り、彼は摩訶不思議な光景に遭遇した――奇妙な謎とその鮮やかな解決を描く表題作、中学生の淡い恋と不安の日々が意外な展開を辿る「猫矢来」、〈読者への挑戦〉を付したストレートなフーダニット「ミッシング・リング」、怪奇小説と謎解きを融合させた圧巻の一編「九人病」、アリバイ・トリックを用意して殺人を実行したミステリ作家の涙ぐましい奮闘劇「特急富士」。あの手この手で謎解きの面白さを提供する、著者会心の〈ミステリ・ショーケース〉。いいミステリ、あります。/【目次】Y駅発深夜バス/猫矢来/ミッシング・リング/九人病/特急富士
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中央アフリカで発見された謎の病、アブバジ病に罹患したパストゥール研究所の学者フランソワ。病床の彼から預かった資料を、ナディア・モガールと矢吹駆は、フランソワの師・マドック博士に届けるため、アテネへと旅立った。しかし博士は、エーゲ海の孤島・ミノタウロス島に渡っていた。彼を追うナディアと駆。島の館・ダイダロス館には、二人を含む十人の男女が集まったが、嵐で島は孤立、ギリシア神話をなぞるように装飾された客たちの死体が次々に発見される。奇怪な連続殺人の真相は? シリーズ中白眉といわれる、記念碑的傑作本格ミステリ。/解説=飯城勇三
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冷戦下のアメリカ。ロシア移民の娘であるイリーナは、CIAにタイピストとして雇われる。だが実際はスパイの才能を見こまれており、訓練を受けて、ある特殊作戦に抜擢された。その作戦の目的とは、反体制的だと見なされ、共産圏で禁書となっているボリス・パステルナークの小説『ドクトル・ジバゴ』をソ連国民の手に渡し、言論統制や検閲で迫害をおこなっているソ連の現状を知らしめることだった。そう、文学の力で人々の意識を、そして世界を変えるのだ。一冊の小説を武器とし、危険な極秘任務に挑む女性たちを描く傑作長編!/解説=大矢博子
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わたしが結婚し、そしてこの手で殺した男は、背が高くて東大出だった――高学歴かつ高収入、長身の彼とゴールインし、少女時代からの夢を叶えたわたし。ところが結婚生活はあまりに散文的で、理想と現実の逕庭は蔽うべくもない。台風の迫る山荘の一夜を経て、衝撃的な手記を綴ることになろうとは……表題作「背が高くて東大出」のほか、実体験に材を得、長編化もされた「日曜日は殺しの日」や、殺人の目撃者捜しが二転三転、意想外の結末にもつれこむ「死神はコーナーに待つ」など、短編集成五巻目となる本書には、七一年~七六年発表の十編を収める。/【収録作】背が高くて東大出/父子像/背面の悪魔/女子高生事件/死の色は紅/日曜日は殺しの日/三枚の千円札/死神はコーナーに待つ/札吹雪/誰が為に鐘は鳴る
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文字を持たぬ辺境の島に生まれ、異国の師に導かれて書物に耽溺して育った青年は、長じて憧れの帝都に旅立つ。だが航海中、不治の病に冒された娘と出会ったがために、彼の運命は一変する。世界じゅうの書物を収めた巨大な王立図書館のある島で幽閉された彼は、書き記された〈文字〉を奉じる人々と、語り伝える〈声〉を信じる人々の戦いに巻き込まれてゆく――デビュー長編にして世界幻想文学大賞、英国幻想文学大賞、ジョン・W・キャンベル新人賞、クロフォード賞の四冠を制覇した驚異の新人による、書物と言葉をめぐる傑作本格ファンタジイ。/解説=乾石智子
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精霊の恵み豊かな地、遠谷(おちだに)。そこは“流れ神”がこの世にあらわれる地でもあった。遠谷に生まれ、薬の行商で各地をまわる真人(まひと)は、祭りのために帰郷した。だが、祭りを目前にしたその日、村を正体不明の武士の集団が襲った。彼らは村人を殺し、神域を穢し、神社から御神刀を奪っていった。それだけでなく、真人の大切な友、颯(はやて)も彼らに連れていかれてしまったらしい。友を救うべく、真人は刀に引き寄せられてきた流れ神と一緒に、武士たちが向かったとおぼしき鎌倉を目指す。二代将軍頼家の時代の鎌倉を舞台にした、華麗なファンタジイ絵巻登場。
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文京区の長い路地を抜けるとバーだった。大学教授の曽根原は、ふと気づくとバー〈スリーバレー〉に足が向いている。女性バーテンダー・ミサキの魅力なのか、文学談義のせいなのかは判らない。ある晩、まだ客の少ない時間にミサキが繰り出した質問は、川端康成の『雪国』についてだった。登場人物の行動から『雪国』はミステリではないか、というミサキの疑問に、途中からまたしても入店してきた宮田が、珍妙な説を披露し始めて……。『雪国』に加え、田山花袋『蒲団』、梶井基次郎『檸檬』、三島由紀夫『金閣寺』と、日本文学界の名作の新解釈で贈る、鯨統一郎最新作。
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双眸に星を宿した天の申し子。人々を真なる道に導く――そう予言され生まれてきた柳宮家の嫡男白珠は、ある事件をきっかけに右目ばかりか宮城内での地位もすべて失い、世捨て人のような生活を送っていた。だが、妹の代わりに旧都香久の御所守を買ってでたことから、運命の歯車は大きく回り始める。うち捨てられ、鬼の巣窟となったかつての都。そこに巣くっていたのは、元は人でありながらも妄執に囚われ鬼と化した、鬼の王陽炎だった。『星砕きの娘』から遡ること数百年、星の目を持つ男と鬼との壮絶な闘いを描いたファンタジイ大作!/解説=東雅夫
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カンボジアの地を彷徨う日本人少年は、現地のストリートチルドレンに拾われた。「迷惑はな、かけるものなんだよ」過酷な環境下でも、そこには仲間がいて、笑いがあり、信頼があった。しかし、あまりにもささやかな安息の日々は、ある朝突然破られる――。彼らを襲う、動機不明の連続殺人。少年が苦悩の果てに辿り着いた、胸を抉る真相とは? 激賞を浴びた第5回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、連作化した『叫びと祈り』で2011年本屋大賞にノミネートされた俊英が放った、渾身の第一長編。第16回大藪春彦賞受賞作。/解説=吉田伸子
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高校二年生の夏、私は自身の進むべき道が決められず悩んでいた。将来を見定め進路を決める友人たちの姿にますます焦る私の前に、次々と謎が現れる。三年生の生徒手帳を持ち歩く同級生。追試でもないのに一人だけ試験を受ける先輩。少年の言う「全部黄色い駅」とは? 真相に辿り着けない私が相談するのは、ひょんなことから知り合ったQ大大学院生の飛木さんだ。彼はその知識と論理的思考でどんな謎も解き明かしてみせる不思議な人だ。やがて夏が終わり、秋になる頃、私が見つけた進路の答えは――。福岡を舞台に贈る、透明感溢れる青春ミステリ。
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轢き逃げや通り魔事件の動画をSNSにアップしたことから死の女神と崇められ、過激な動画の投稿がやめられなくなり、暴走してゆく女。仲間外れの黒い羊になることを恐れ、仲間の死を願う女子高校生。家にいる男は夫ではないと怯える妻と困惑する隣人。年齢も育ちも違う羊たちの運命が交錯し、そして絡み合う。その影に蠢くのは、“羊目の女”なのか。かつて美人姉妹が殺し合ったという、いわくつきの洋館で、“羊目の女”に「私の身代わりの羊は××です」と殺したい人間の名前を三度唱えると……。『強欲な羊』の恐怖はまだ終わっていなかった。著者の真骨頂を文庫オリジナルで贈る。
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ホームレスを強制退去させた公園の治安を守るため、ボランティアで見回り隊が結成された。ある夜、見回り中の吉森は、公園にいた奇妙な来訪者たちを追いだす。ところが翌朝、そのうちのひとりが死体で発見された! 事件が気になる吉森に、公園で出会った昆虫オタクのとぼけた青年・エリ沢が、真相を解き明かす。観光地化に失敗した高原での密かな計画、〈ナナフシ〉というバーの常連客を襲った悲劇の謎。5つの事件の構図は、エリ沢の名推理で鮮やかに反転する! 第10回ミステリーズ!新人賞を受賞した表題作を含む、軽快な筆致で描くミステリ連作集。/【収録作】「サーチライトと誘蛾灯」/「ホバリング・バタフライ」/「ナナフシの夜」/「火事と標本」/「アドベントの繭」/あとがき/解説=宇田川拓也
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十六年前に謎の死を遂げた親友ミルドレッドの夫である医師アンドルー・モローと再婚したルシールは、一見平穏なその生活の裏側で、アンドルーを溺愛する義妹や自分から距離を置く継子たちとの関係に悩み続けていた。そんなある冬の日、謎めいた男がモロー家を訪れ、ルシール宛の小箱を渡して立ち去った。その箱を開いた後、彼女は何も言い残さず、行方をくらましてしまう。なぜ彼女は姿を消したのか。その箱の中身はいったい何だったのか。心理ミステリの巧手ミラーの初期を代表する傑作、待望の新訳で復活。/解説=春日武彦
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周囲を雪と氷に覆われた山。両親の車から降りた5歳の少女は、次の瞬間深い森に消えていた。折しも降り始めた雪は吹雪となり少女の足跡を消して、捜索を困難にした。3年の月日がむなしく過ぎ、みな少女は死んでしまったものと考えた……少女の両親以外は。そして両親は、“子ども見つけ屋(チャイルド・ファインダー)”のナオミに最後の望みを託した。自らも過去に消すことのできない傷を負ったナオミは、行方不明の子どもを見つけ出すことに自分のすべてを捧げていた。生きていようが死んでいようが、必ず見つけ出す。深い森に閉ざされた山のなか、ナオミの闘いが始まる。
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「美しく強かな継母が父を殺した」再婚してわずか一年半足らずで父が急死。遺産とビジネスを受け継ぎ生き生きと活躍する継母の姿に、女子高生の瑠璃はそう確信した。彼女は自らの死をもって継母の罪を告発しようと決意する。しかし自殺の名所として有名な山奥の森で首を吊ろうとしたところ、かつて同じ森で首吊り自殺したという“幽霊”と出会い、裕章と名乗る彼に継母の罪の証拠を一緒に探そうと提案される。瑠璃が決めた期限以内に見つからなければ、その時死ねばいいと。六日後──それが瑠璃の自殺予定日となった。継母の罪を暴き、父の無念を晴らせるのか?! すべての予想を裏切る、一気読み必至の傑作ミステリ!/解説=池上冬樹
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アメリカ北西部のレブンワースは、ドイツのバイエルン地方に似た風景が広がる、ビールで有名な小さな町。町で一番のブルワリーを夫とその両親と一緒に切り盛りするわたしは、幸せな日々を過ごしていた――夫の浮気が発覚するまでは。わたしは家から夫を追い出し、町に新しくオープンするブルワリーで働くことにした。フルーティーながらもすっきりした後味のビールや、腕によりをかけたわたしの料理がうけて、開店初日は大成功! しかし翌朝、店で死体を発見して――。愉快でおいしいビール・ミステリ登場!
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かつては硬骨の刑事、今や恍惚の刑事になりかかった父親が、捜査一課の現職刑事である息子の家を頻々と訪れる。五人いる息子のうち、唯一同じ職業を選んだ末っ子から現場の匂いを感じ取りたいのだろう。その息子が目下捜査中の事件について話を始めると、父親はあれこれと突っ込みを入れ、あげく真相を引き出してしまうのだった……。記念すべき第一作「写真うつりのよい女」をはじめ、推理の過程が秀逸な「ジャケット背広スーツ」など、七編を収録。国産の《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第一集。/【収録作】「写真うつりのよい女」/「妻妾同居」/「狂い小町」/「ジャケット背広スーツ」/「昨日の敵」/「理想的犯人像」/「壜づめの密室」/あとがき=都筑道夫/解説=法月綸太郎
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優等生だがほかに取り立てて特徴のない高校生・開沢恭平は、日曜日に幼なじみの青柳菜加に呼びつけられ、一方的に相談された。昨日渋谷の雑踏で母親から置き去りにされた幼児を保護し、家まで送り届けたが、荒れ果てた無人の室内に危機感を覚え自宅に連れてきたという。これまでにも猫や犬、果てはアルマジロと様々な生き物を拾っては周囲を奔走させてきた前科を持つ菜加は、事の重大さをまったく認識していなかった。「誘拐罪。おまえがやったのは、れっきとした犯罪だ」――警察を含めた大人たちを頼らず、幼児を然るべき場所に送り届けるため、恭平たちの波瀾の一週間が幕を開ける!/解説=光原百合
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そこはとても奇妙な学校だった。入学してくるのは、妖精界や菓子の国へ行った、不思議の国のアリスのような少年少女ばかり。彼らは戻ってはきたものの、もう一度彼らの“不思議の国”に帰りたいと切望している。ここは、そんな少年少女が現実と折り合っていくすべを教える学校なのだ。死者の殿堂に行った少女ナンシーも、そんなひとりだった。ところが死者の世界に行ってきた彼女の存在に触発されたかのように、不気味な事件が起き……。不思議の国のアリスたちのその後を描いた、ヒューゴー、ネビュラ、ローカス賞受賞のファンタジー3部作開幕。
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ショッピングサイト《ほしがり堂》を経営する深町ユリオは、古い家電や顔ハメ看板など、ガラクタにしか見えないモノをほしがるマニアックなコレクター。しかしそれらに価値を見出して、お宝として売り捌く彼は、事件を解決する名探偵でもあった! カウボーイグッズを身につけた男が落馬めいた死を遂げた事件、判じ絵ネタをする芸人宅で発見された、被害者の傍にあった道具に隠されたメッセージ、食品サンプルコレクターの告別式で食品サンプルがばらまかれた謎など、全5編を収録。謎解きもお宝にまつわる雑学も楽しい、ポップな連作ミステリ。
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ある日、ヒースロー空港のバーで、離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに声をかけられる。彼は酔った勢いで、1週間前に妻のミランダの浮気を知ったことを話し、冗談半分で「妻を殺したい」と漏らす。話を聞いたリリーは、ミランダは殺されて当然と断じ、殺人を正当化する独自の理論を展開してテッドの妻殺害への協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され、決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の攻防が語られる鮮烈な傑作犯罪小説。/解説=三橋曉
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小説でしか表現できない〈奇妙な味〉が横溢した、短いけど忘れがたい、不思議なお話を読んでみませんか?――子供じみた嫉妬から仕掛けられた「いじわるゲーム」の行方、夜更けの酒場で披露される「怖い話」の意外な結末、バスの車内で静かに熾烈に繰り広げられる「勝負」、あなたの日常を見守るけなげな「洗面台」の独白、「鍵のかからない部屋」から出たくてたまらない“私”の物語――日常と非日常のあわいに見える18の情景をさまざまな筆致で描きだす、『青空の卵』や『和菓子のアン』の名手が贈る珠玉のショートストーリー集。巻末に「ホリデーが肉だと先生が困る」を特別併載。/解説=東雅夫
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法廷弁護士にして裁判官の資格を持つ美貌の修道女フィデルマ。彼女がまだ修道女になる前、モラン師が学院長をつとめるタラの学問所に入学した時に出合った、フィデルマ最初の事件「化粧ポウチ」、フィデルマが学問所の最終試験として出された事件の謎を解く「痣」、ドーリィーの資格を得、修道女になってからの事件、三晩続けて聞かれた死を告げるバンシーの声の正体「バンシー」、有名なローマ第九ヒスパニア軍団の鷲の謎にフィデルマが挑む「消えた鷲」など全6編を収録。若き日のフィデルマに会える、人気シリーズ日本オリジナル短編集第4弾。/解説=大矢博子
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豪商天鵺家の跡継ぎ、鷹丸の遊び相手として迎え入れられた勇敢な少女茜。だが、屋敷での日々は、奇怪で謎に満ちたものだった。天鵺家に伝わる数々のしきたり、異様に虫を恐れる人々、鳥女と呼ばれる守り神……。茜がようやく慣れてきた矢先、屋敷の背後に広がる黒い森から鷹丸の命を狙って人ならぬものが襲撃してくる。それは、かつて富と引き換えに魔物に捧げられた天鵺家の女、揚羽姫の怨霊だった。一族の跡継ぎにのしかかる負の鎖を断ち切るため、茜と鷹丸は黒い森へ向かう。〈妖怪の子預かります〉シリーズで人気の著者が放つ時代ファンタジー。/解説=井辻朱美(単行本版タイトル『鵺の家』を改題した文庫版を底本といたしました)
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風力発電施設建設会社のビルの中で、夜警の死体が発見された。一見、階段を踏み外したための事故死に思われたが、監視カメラに侵入者が写っていたことで、にわかに殺人の様相を呈する。奇妙なことに、社長室のデスクの上になぜかハムスターの死骸が残されていた。これは一体何を意味しているのか? 風力発電の利権をめぐって次々に容疑者が浮かびあがり、さらに第二の殺人が。再生可能エネルギーにかかわる国家的犯罪なのか? 人々の欲望と、巨大な陰謀に呑み込まれる刑事オリヴァーとピア。〈ドイツミステリの女王〉による新たな傑作が誕生!/解説=大矢博子
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マロリーが殺された? 部下の報告で検視局に駆けつけたライカーが見たのは、彼女の名前の入ったブレザーを着た別人の死体だった。身元を突き止めたマロリーとライカーは、被害者アマンダ・ボッシュの住居を調査する。くまなく掃除された部屋。消去された名簿ファイル。彼女自身のことを書いたと思われる小説原稿。そして猫――唯一の目撃者? マロリーは復元した名簿を手がかりに高級コンドミニアムに潜入し、容疑者たちに仮借ない捜査の手を伸ばす。上流階級の虚飾の下に澱む策謀と欲望。ひとりの女を死に追いこんだ「嘘つき」は誰なのか? 善悪の彼岸に立つ、非情にして無垢なヒロインの活躍を描く、シリーズ第2弾!/解説=川出正樹
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夏祭りにやって来た、裏染天馬と柚乃たち風ヶ丘高校の面々。たこ焼き、かき氷、水ヨーヨー、どの屋台で買い物してもお釣りに五十円玉が含まれるのはなぜ? 名作『競作 五十円玉二十枚の謎』をモチーフに挑んだ表題作ほか、“若き平成のエラリー・クイーン”が日常の謎に挑戦。学食のすぐ外に放置されていたどんぶりの謎を鮮やかに解く「もう一色選べる丼」、吹奏楽部内でのトラブルを描く「針宮理恵子のサードインパクト」、さらに天馬の妹・鏡華の華麗な謎解きを加えた全5編。『体育館の殺人』『水族館の殺人』に続くシリーズ第3弾は、痛快推理連作集。/解説=村上貴史
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ナタリーが大学に入学するまで三週間ほどを残して迎えた初秋の日曜日の午後。鼻持ちならない文筆家の父と、夫への軽蔑を隠さない母が催したホームパーティでの“悪夢”を経て、初めての寮生活を迎えた17才のナタリーは、大きく変わった生活環境に戸惑いを隠せないでいた。同年代の少女への優越感と劣等感の狭間で揺れ動く中、風変わりな女生徒トニーとの出会いによって真の安寧を手にしたかに見えたが……思春期の少女の危うい精神の揺らぎを、残酷さと一掬の愛情を交えて描く。『ずっとお城で暮らしてる』の著者の初期を代表する傑作長編小説。/解説=深緑野分
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スペインはミハスに住まう大富豪に突如呼び寄せられた青年、ジュアン。面識もない老紳士が語るのはジュアンの亡き母との苦い記憶だった。三十年の月日を隔てて密室殺人の謎が明かされる表題作の他、青年と警察の視点で綴るストックホルムの悲劇的な殺人、疑惑の未亡人を探るサンフランシスコの保険調査員、ジャカルタで発生した連続娼婦殺人事件、カイロを訪れたアメリカ人美女の秘密など、ストーリーテリングの名手が異国を舞台にその土地で生きる人々の悲痛な叫びをすくい取る。あまねく襲う衝撃の結末が深い余韻を残す、至高のミステリ全5編。/解説=村上貴史
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天文学者サラ・ディライト・ローウェル博士は、自分の住む孤島で毎年、天体観測の集いを開いていた。ネット上の天文フォーラムで参加者を募り、招待される客は毎年、ほぼ異なる顔ぶれになるという。それほど天文に興味はないものの、家庭訪問医の加藤盤も参加の申し込みをしたところ、凄まじい倍率をくぐり抜け招待客のひとりとなる。この天体観測の集いへの応募が毎年驚くべき倍率になるのには、ある理由があった。孤島に上陸した招待客たちのあいだに静かな緊張が走るなか、滞在三日目、ひとりが死体となって海に浮かぶ――奇蹟の島で起きた殺人事件を描く、俊英会心の長編推理!
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ダーラが経営するニューヨークの書店では、最近、店のマスコットの黒猫ハムレットの元気がない。愛想がないのはいつもどおりだけれど、お客をひとりも追い出していないし、買い物袋を爪で引き裂いたりもしていない。これはおかしい。“猫の行動の共感力者”と名乗る猫のセラピストによると、自分を出来損ないのように感じているという。あのふてぶてしいハムレットがそんなふうに思っているとは! 愕然とするダーラだったが、通っている武術道場で、さらに驚きのできごとが……。名探偵(かもしれない)黒猫が大活躍するコージー・ミステリ! シリーズ第2弾。
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1947年、ロンドン。第二次世界大戦の爪痕が残る街で、人々はしぶとく毎日を生きていた。戦争を通じて巡り合ったケイ、ジュリアとその同居人のヘレン、ヴィヴとダンカンの姉弟たちも。今日もまた、一日が終わり――夜が来る。彼女たちが積み重ねてきた歳月を、容赦なく引きはがす夜が。想いは過去へとさかのぼり、隠された真実を、心の傷を、さらけ出していく。『半身』『荊の城』で示したたぐい稀なる語り口にはさらに磨きがかかり、読者をとらえて放さない。ウォーターズが贈る、めくるめく物語が、いまここに。ブッカー賞、オレンジ賞最終候補作。
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唐島英治クインテットのテナーサックス奏者・永見緋太郎は、天才的な技術とは裏腹に、相変わらず音楽以外に興味を持たない日々。しかし、ひとたび謎や不思議な出来事に遭遇すると、大胆にも的確にその真相を突いてくる。名古屋のライヴハウスに現れたという伝説のブルースマンにまつわる謎、九州地方の島で唐島と永見が出合った風変わりな音楽とのセッションの顛末、“密室”から忽然と消失したグランドピアノの行方、など7編に、特別編「さっちゃんのアルト」を収録。ライヴ感溢れる、日常の謎的ジャズミステリ〈永見緋太郎の事件簿〉第2弾。/解説=山田正紀
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昭和27年の夏休み。14歳だった「私」こと進と一彦は、六甲山にあるヒョウタン池のほとりで、不思議な雰囲気を纏った同い年の少女と出会う。池の精を名乗ったその香という少女は、近隣の事業家・倉沢家の娘だった。三人は出会った翌日からピクニックや山登りを通して親交を深めてゆく。自然の中で育まれる少年少女の淡い恋模様を軸に、昭和10年のベルリン、昭和15年の阪神間を経由して、物語は徐々にその相貌を明らかにしてゆく。そして、最後のピースが嵌るとき、あらゆる読者の想像を超える驚愕の真相が描かれる。数々の佳品をものした才人による、工芸品のように繊細な傑作ミステリ。/解説=戸川安宣
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再読必至。誰にも真相は見抜けない!2002年、シエラレオネで5人の女性が殺害された。現地の元少年兵3人が起訴されるが、ロイター通信社の記者コニーだけはイギリス人のマッケンジーを疑っていた。2年後、バグダッドでマッケンジーに遭遇したコニーは、嗜虐趣味を持つ彼に拉致監禁されてしまう。3日後に解放されイギリスに戻った彼女は、マスコミを逃れて田舎町に隠れ住む。解放時にほぼ無傷だったうえに、あいまいな証言ばかりで監禁中の出来事を警察に話さないコニー。彼女はいったい何を隠しているのか? 圧巻の心理描写と謎解きの妙味を堪能できる英国ミステリの女王による渾身のサスペンス。/解説=松浦正人※紙書籍版とはカバー画像が異なります。
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問答無用の面白さ、騙される快感!泡坂ミステリのエッセンスが詰まった名作品集。困っているときには、ことさら身なりに気を配り、紳士の心でいなければならない、という近衛真澄の教えを守り、服装を整えて多武の山公園へ赴いた島津亮彦。折よく近衛に会い、2人で鍋を囲んだが……知る人ぞ知る逸品「紳士の園」や、加奈江と毬子の往復書簡で語られる南の島のシンデレラストーリー「閏の花嫁」、大火災の実況中継にかじりつく警部と心惹かれる屍体に高揚する鑑識官コンビの殺人現場リポート「煙の殺意」など、騙しの美学に彩られた8編を収録。/収録作=「赤の追想」「椛山訪雪図」「紳士の園」「閏の花嫁」「煙の殺意」「狐の面」「歯と胴」「開橋式次第」
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思いかえせば、戦友の臨終になど立ちあわなければよかったのだ。どうせ葬式でたっぷり会えるのだから。捕虜収容所でユダヤ人のわたしに“親切とはいえなかった”ナチスの将校が生きているかもしれない――そう告白されたところで、あちこちガタがきている87歳の元殺人課刑事になにができるというのだ。だがその将校が金の延べ棒を山ほど持っていたことが知られて周囲が騒がしくなり、ついにわたしも、孫に助けられながら、宿敵と黄金を追うことに……。武器は357マグナムと痛烈な皮肉。最高に格好いいヒーローを生みだした、鮮烈なデビュー作!2013年マカヴィティ賞新人賞受賞作、『IN★POCKET』2014年文庫翻訳ミステリーベスト10/読者部門第1位。
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高級老人ホーム〈海の上のカムデン〉にちょっとした変化が起きた。長年暮らしていたトッツィが、近くにできた老人ホーム〈黄金の日々〉に引っ越したのだ。そして三週間がたち、〈カムデン〉に勇名を轟かすアンジェラとキャレドニアのもとを、そのトッツィが相談に訪れる。どうやら〈黄金の日々〉に幽霊が出るらしく、正体を見極めてほしいと言うのだ。かつて同じ屋根の下にいたよしみで……というよりは退屈しのぎが目的で、名物コンビふたりは体験入居を装い“潜入捜査”を開始するが、思わぬ大事件が待っていた!老人探偵団シリーズ第7弾。
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ウィーンに住むフリーランスの保険調査専門探偵ホガートは、大手国際保険会社支社長からある依頼を受けた。ウィーンの美術館がプラハの展覧会に貸し出した絵画が焼失、調査に派遣した絵画専門の調査員は、焼失した絵画はすり替えられた偽物だったとの報告を残し行方不明になった。その調査員を見つけだしてほしいというのだ。プラハに飛んだホガートは、ひとりの女探偵に出会う。彼女が調査しているプラハの連続殺人事件の話を聞くうち、ホガートはとんでもない事実に気づく。『夏を殺す少女』で衝撃的なデビューを飾った、オーストリア・ミステリの名手が仕掛ける巧妙な罠とは?
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年もおしつまったある日、埼玉県岩槻市の川土手で、自動車教習所の配車係が死体で発見された。男には職場の同僚と悪質なギャンブルを行なっていた疑いが浮上する。そして年が改まったとたん、教習所の技能主任が密室状況下の建物の中で撲殺される。さらに指導員の男が自宅マンションの駐車場にカバーをかけて駐めてあった自分の車の中で殺されていた!! 自動車教習所に通う教習生と指導員――その絡み合いの中からあぶり出される複雑な人間関係。やがて捜査線上に浮かんだ容疑者には、二重三重の鉄壁なアリバイがあった……!? 『模倣の殺意』の著者・中町信が本格ミステリの王道〈密室+アリバイ破り〉に挑んだ傑作長編推理。
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三皇五帝のひとり黄帝が造った銀牌は何千年も受け継がれてきた天下御免の証、これを持つ侠客の前には皇帝の勅命とて無力である。仙人めいた老人かと思えば若き豪傑であったり、はたまた美しい少女であったりする“銀牌侠”は、明晰な頭脳と無敵の武術を具えた謎の存在として、今日も旅の空で弱気を助け強きを挫く。蘇州では饅頭の売り上げを奪われかけた十歳の少年を助けてやり、お礼をしたいからと家に誘われたところが……。第3回ミステリーズ!新人賞受賞作「殺三狼」に始まった“銀牌侠”伝説、戦国から民国時代の中国を舞台に描く第2集。
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後楽園のゴミ捨て場に遺棄された死体は、なぜか頭頂部の髪を無惨に刈り上げられていた。事件を担当するのは所轄の刑事三瓶と格闘技マニアの新人・城島のコンビ。被害者はカタナという名の気鋭レスラーではないか――城島の推測を元に二人は事件関係者の聴取に奔走するが、次いで被害者の出自を知る男が自殺を遂げ、捜査は難航する。老練の刑事である三瓶も頭を抱える最中、城島は不思議な魅力を湛えた新人レスラー・犬飼の鋭い指摘を受けて事件を追ううちに、意外な目撃証言を手にするが……。覆面レスラー殺人事件と、容疑者の怪死が描く構図が推理を経て鮮やかに反転する「覆面」ほか、トリッキーな試み溢れる本格推理連作集。
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父が行方不明になってから五年が経った冬。高校一年生のわたし・倉西美波は、不可抗力により「二日で五万円」という超破格のバイトをすることになった。山奥に踏み込んでは廃墟を撮影するというカメラマンの助手を請け負うことになったのだけれど、向かった先は危険だらけ。やっぱり楽には稼げないと落胆するも、なんと、ボロボロの屋敷でミイラ化した死体を発見してしまった! しかもそれが十二年もの間行方が知れなかった、カメラマンの母親だというからさらに驚いてしまって……。降りしきる雨の中、閉ざされた廃墟で次々と人が死んでいく。清新な筆致と、大胆なトリックで贈る、注目のシリーズ第三作。
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明治11年夏、奥州を縦断して蝦夷地を目指す英国人女性がいた。その名はイザベラ・バード。お供は通訳兼従者の若者伊藤鶴吉と英国からついてきた小妖精ディル&ジンジャーだ。一行は行く先々で妖怪に出くわし、思わぬ事件に巻きこまれる。本当に恐ろしいのははたして妖怪か人間か。旅を続けるうち、好奇心旺盛なイザベラと無口な鶴吉は少しずつ心を通わせていくが、鶴吉はある秘密を抱えていた。ヴィクトリア朝の英国を飛び出した実在の女性旅行家(レディ・トラベラー)が、日常と非日常のあわいをたゆたう謎に挑む、レトロで新鮮な正統派歴史冒険ファンタジイ!/解説=小出和代
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スウェーデン南部スコーネ地方の風光明媚なエステリエンで、不動産開発を目論んでいた不動産ブローカーでテレビタレントの女性が死亡した。開発に反対する地元住民を懐柔するために購入した彫刻の上に転落したのだ。事故かはたまた殺人か。事件を担当するのは、原因不明の失神発作の療養のために現地に滞在していたストックホルムの国家殺人班の敏腕捜査官と地元警察署の駆け出し女性刑事。お洒落な都会のエリート刑事と、やる気はあるが経験の足りない田舎の刑事。馬は合わないのに意見は合ってしまう二人は、容疑者だらけの事件を解決できるか。
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第二次世界大戦で戦死した夫の遺産が12ドルと知り、メープル・ビショップは絶句した。医師だった夫は慈悲深かったが、診療所は赤字だったのだ。バーモント州の家を守るためにメープルが選んだ仕事は、趣味を生かしたドールハウスの制作と販売。スタートは上々だったが、商品の配達先で農場経営者の死体を発見してしまう。自殺と見ているらしい警察に納得できない彼女は、保安官を説得しようと事件現場を得意の記憶力と技術で再現する――。才気煥発な主人公が活躍するコージー・ミステリ・シリーズ開幕!/解説=大津波悦子
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大正8年(1919年)東京・本郷区駒込団子坂、平井太郎は弟二人とともに《三人書房》という古書店を開く。二年に満たない、わずかな期間で閉業を余儀なくされたが、店には女優・松井須磨子の遺書らしい手紙をはじめ、奇妙な謎が次々と持ち込まれた──。同時代を生きた、宮沢賢治や宮武外骨、横山大観、高村光太郎たちとの交流と、数々の不可解な事件の顛末を、若き日の平井太郎=江戸川乱歩の姿を通じて描く。第18回ミステリーズ!新人賞を史上最高齢の69歳で受賞した著者による、滋味深い連作集。/【目次】三人書房/北の詩人からの手紙/謎の娘師/秘仏堂幻影/光太郎の〈首〉/文庫版あとがき/解説=辻真先
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ため息をつき、本をベッドに伏せる。前に読んだはずだけど、こんな題名だったろうか? 壁にかかった写真の額を見上げる。これもこんな写真じゃなかったはず。この九年間で本当にあったことと、今おぼえていることが喰い違っている。まるで過去が変えられてしまったかのよう。大学生のポーリィは、十歳のころの思い出をたぐり寄せた。そうだ、近くの屋敷でお葬式が! そこで、あの人、リンさんと出会って、ずっと歳上の男の人なのに仲良しになって、それから……それから、とても恐ろしい何かが起こりはじめた……失われた時を求める少女の、愛と成長と闘いをつづる現代魔法譚!/解説=三村美衣
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岡山の名士が遺した二通の遺言状。一通目の遺言に従って、一族の面々は瀬戸内の孤島・斜島に集められた。行方を晦ましていた怪しげな親族も姿を見せるなか、巨大な球形展望室を有する異形の館・御影荘でもう一通の遺言状が読みあげられた翌朝、相続人の一人が死体となって発見される。折しも嵐によって島は外界から隔絶される事態に。館に招かれた私立探偵・小早川隆生と弁護士・矢野沙耶香の二人を奇怪な事件が待ち受ける。鬼面の怪人物の跳梁、密室から消える人影、二十三年前の悲劇――続発する怪事の果てに明らかとなる驚愕の真相は。謎解きの興趣を隅々まで凝らした本格推理長編。/解説=大山誠一郎
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昭和36年のテレビ草創期、中央放送協会(CHK)でプロデューサーとなった大杉日出夫の計らいで、ミュージカル仕立て、生放送のミステリドラマの脚本を手がけることになった風早勝利。四苦八苦しながら脚本を完成させ、ようやく迎えた本番。アクシデントを乗り切り、さあフィナーレという最中に主演女優が刺殺体となって発見された。現場は衆人環視下の放送中のスタジオ。駆け出しミステリ作家・風早と那珂一兵が、テレビ局内の殺人事件の謎解きに挑む。『深夜の博覧会』『たかが殺人じゃないか』に続く、“昭和ミステリ”シリーズ完結篇。/解説=小山正
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1994年、緑のジャングルと茶色い川をかかえる亜熱帯の町に、理解不能な言葉を話す9歳から13歳の子どもたちの集団がどこからともなく現れた。その存在は徐々に大人たちの日常に罅を入れていき、やがてスーパー襲撃事件という大事件を起こす。そして数ヶ月後、32人の子どもたちは一斉に命を落とすに至った──。社会福祉課長としてこの出来事に関わった語り手が、22年後のいま語る、その顛末。現代スペインを代表する作家が描く、子どものかわいらしさと暴力性、野生と文明、そして保護と支配。一読忘れがたき恐るべき寓話が、待望の文庫化。
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セント・アガサ・カレッジは、ケンブリッジ大学屈指の貧乏学寮。その学寮付き保健師(カレッジ・ナース)イモージェン・クワイのもとに、卒業生で国際的大企業の経営者の訃報が届いた。アルコール依存症の治療施設に入っていたところ、誤って崖から転落したという。だがその数か月前に、イモージェンは彼から、さまざまな相手に命を狙われていると打ち明けられていた。イモージェンはその死に疑念を抱いて調べはじめるが、事件はカレッジにとんでもない危険をもたらす……。『ウィンダム図書館の奇妙な事件』にはじまる、〈イモージェン・クワイ〉シリーズ第3弾!/解説=若林踏
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大昔、日本は北と南でアジア大陸と地続きだったが、温暖化によって……。ところで「日本」はニホンかニッポンか、日本人の要件って何だろう? バーのカウンター席で始まった歴史談義は、漠然と受け止めていたけれど実は全然知らなかったんだと気づかされることのオンパレード。八幡平や桶狭間などの現地踏査も交え、数々の不思議に理論で迫る。原日本人、邪馬台国、柿本人麻呂、空海、織田信長、東州斎写楽、太平洋戦争――日本人なら知っておきたい七つのテーマに、鯨史観は如何なるアプローチを試みるか。好評を得た『邪馬台国はどこですか?』『新・世界の七不思議』に続く、第3弾。/【目次】原日本人の不思議/邪馬台国の不思議/万葉集の不思議/空海の不思議/本能寺の変の不思議/写楽の不思議/真珠湾攻撃の不思議/*本電子書籍は『新・日本の七不思議』(創元推理文庫 新装新版 2024年8月30日初版発行)を底本としています。
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ミステリ作家の卵であるアニーは、大叔母の住むキャッスルノール村に招かれた。大叔母は16歳のときに占い師から告げられた、いつかおまえは殺されるという予言を信じつづけており、大邸宅に住む奇妙な老婦人として知られている。屋敷を訪れると、大叔母は図書室で死んでいた。両手には血の痕があり、床には茎の長い白薔薇が落ちていた。予言が的中して自分が殺されてしまったときのために、大叔母は約60年をかけて親族や村人たちを調査していた。その膨大な調査記録を手がかりに、アニーは犯人探しに挑む。新鋭が贈る犯人当てミステリの大傑作!/解説=千街晶之
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被害者は、2月5日、火曜日の午後4時5分に空から降ってきた。喉には無惨な切り傷。落下してきたと思われたその男のフラット5階、バルコニーのある部屋は無人で、しかも玄関ドアは内側から釘と板で封じられていた。この不可解な密室殺人に臨むのは、サセックス警察のテス・フォックス警部補。彼女はしかし、被害者の名を知って愕然とする。その男は15年前、妹セアラを救うために罪を犯したあの夜の関係者だった。詐欺師として自分と正反対の世界で生きる異母妹を救うために……。意外な展開を見せる事件に姉妹が挑む、新シリーズ開幕!
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「……被告は良心の呵責もなく、情け容赦なく、いともたやすく人の命を奪った……」ビル・ホルトは冷酷な殺人犯として投獄された。不倫相手の女性を殺害し、さらにその二週間後、事件の手がかりをつかんだと思しき私立探偵をも、計画的に殺害したとして。状況証拠は完璧としか言いようがなかったが、彼は無実だった。十六年後、仮釈放を認められたホルトは、復讐を誓い、真犯人を捜し始める。自分を陥れたのは誰だったのか? 次々に浮かび上がる疑惑と目眩く推理。そして、最終章で明かされる驚愕の真相! 現代本格ミステリの旗手、衝撃の出世作。/解説=法月綸太郎
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19世紀ヴィクトリア朝、文化・産業ともに飛躍を遂げた大都市ロンドン。その栄華の陰では、犯罪のもたらす恐怖、そして超自然がもたらす恐怖が蔓延していた――晴れ渡ったケンジントン・ガーデンズの一角で目に見えぬ何かと交信する、美しき寡婦を巡る愛憎劇を主軸とした出色のサスペンス「ザント夫人と幽霊」。アイルランドのバンシー伝説を背景に、野心家の外科医が運命の奇蹟に遭遇する「ハートフォード・オドンネルの凶兆」。周囲から憧憬を集めた愛らしい令嬢が、死に際に抱いた最後の願いを描く「揺らめく裳裾」ほか、魔都ロンドンを舞台に贈る様々な趣向のゴースト・ストーリー13篇を収録する。集中12篇が本邦初訳。/【目次】ザント夫人と幽霊 ウィルキー・コリンズ/C―ストリートの旅籠(はたご) ダイナ・マリア・クレイク/ウェラム・スクエア十一番地 エドワード・マーシー/シャーロット・クレイの幽霊 フローレンス・マリヤット/ハートフォード・オドンネルの凶兆 シャーロット・リデル/ファージング館の出来事 トマス・ウィルキンソン・スペイト/降霊会の部屋にて レティス・ガルブレイス/黒檀の額縁 イーディス・ネズビット/事実を、事実のすべてを、なによりも事実を ローダ・ブロートン/女優の最後の舞台 メアリ・エリザベス・ブラッドン/揺らめく裳裾(もすそ) メアリ・ルイーザ・モールズワース/隣牀(りんしよう)の患者 ルイーザ・ボールドウィン/令嬢キティー ウォルター・ベサント、ジェイムズ・ライス/編者あとがき――魔の都(みやこ)、霊の市(まち) 夏来健次
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高校生のピップにある招待状が届いた。高校卒業および大学受験に必要な試験のひとつが終わった6月末、友人宅で架空の殺人事件の犯人当てゲームが開催されるという。舞台は1924年の孤島に建つ大富豪の館という設定だ。参加者は同級生とその兄の7人。ゲーム開始早々、館の主が心臓を刺されて殺されているのが発見される。試験後に着手すべき自由研究が気になり、当初は乗り気でなかったピップは、次第に夢中になり、主の姪に扮してゲームを進めていく。ピップの明快な推理を堪能できる、爽やかで楽しい『自由研究には向かない殺人』前日譚!/解説=瀧井朝世
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その女性は湖のほとりのサマーハウスで首を吊っているのを友人に発見された。夫によると、数年前に親密だった母親を病で失って以来、彼女は精神的に不安定になっていたらしい。また死後の世界に興味を抱き、降霊術師のもとに出入りしていたことも。自殺に見える。いや、本当にそうなのだろうか? レイキャヴィク警察の捜査官エーレンデュルは疑問を感じ、一人地道な捜査を進める。暴かれる悲痛な過去、明らかになる驚愕の真実に、心の奥底までゆさぶられる。アイスランド推理小説大賞受賞。北欧ミステリの巨人による好評シリーズ第6弾。
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一夜のうちに起きた三人の変死事件を調査するため、英国から西インド諸島へ旅立った私立探偵。調べるほどに不可解さが増す事件の真相が鮮やかに明かされる「三人の死体」。鉄製のパイナップルにとりつかれた男の独白が綴られる、奇妙な味わいが忘れがたい「鉄のパイナップル」。不思議な能力を持つ孤独な教師の体験を描く表題作。そして〈クイーンの定員〉に選ばれた「フライング・スコッツマン号での冒険」など、『赤毛のレドメイン家』で名高い巨匠の傑作全6編を収める、いずれも初訳・新訳の短編集!/【目次】孔雀屋敷/ステパン・トロフィミッチ/初めての殺人事件/三人の死体/鉄のパイナップル/フライング・スコッツマン号での冒険/解説=戸川安宣
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パールは大忙しだった。クリスマスの飾りつけはまだだし、家族へのプレゼントも買ってないし。そんなとき、友人のネイサンから新聞の文字を切り取って貼った、彼を中傷する内容のクリスマスカードを受け取ったと相談される。同様のカードが他にも三人に届いているらしい。クリスマス前に探偵業はなし、と考えていたにもかかわらず、気になって調べ始めるパール。だが、教会のイベントで殺人が起き、驚くことに、その被害者も例のカードを受け取っていた……! 英国のリゾート地を舞台に、シェフ兼探偵のパールが活躍する好評シリーズ第二弾。
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小説・文芸M・リッカート / エリザベス・ハンド / ショーニン・マグワイア / カルメン・マリア・マチャード / カッサンドラ・コー / ジョン・ランガン / カレン・ヒューラー / ベンジャミン・パーシィ / ジョイス・キャロル・オーツ / リチャード・キャドリー / ポールトレンブレイ / スティーヴン・グレアム・ジョーンズ / ジェフリー・フォード / ジェマ・ファイルズ / ジョシュ・マラーマン / ジュヌヴィエーヴ・ヴァレンタイン / レアード・バロン / ケリー・リンク / 新井なゆり / 市田泉 / 井上知 / 小野田和子 / 佐田千織 / 谷垣暁美 / 中村融 / 原島文世 / 渡辺庸子 / エレン・ダトロウ3.51巻1,599円 (税込)『丘の屋敷』『ずっとお城で暮らしてる』『処刑人』「くじ」など数々の名作を遺した鬼才シャーリイ・ジャクスン。日常に潜む不安と恐怖、目には見えない邪悪な超自然的存在との出会いや家族間の複雑な関係、人間心理の奥底に流れる悪意を鮮やかな筆致でえぐりだした彼女に敬意を表し、ケリー・リンク、ジョイス・キャロル・オーツ、ジェフリー・フォード、エリザベス・ハンドら当代の錚々たる幻想文学の名手たちが書き下ろした傑作18編を収録する、珠玉のトリビュート・アンソロジー。シャーリイ・ジャクスン賞特別賞、ブラム・ストーカー賞受賞作。/【目次】序文=エレン・ダトロウ/弔いの鳥=M・リッカート/所有者直販物件=エリザベス・ハンド/深い森の中で――そこでは光が違う=ショーニン・マグワイア/百マイルと一マイル=カルメン・マリア・マチャード/穏やかな死者たち=カッサンドラ・コー/生き物のようなもの=ジョン・ランガン/冥銭=カレン・ヒューラー/鬼女=ベンジャミン・パーシィ/ご自由にお持ちください=ジョイス・キャロル・オーツ/パリへの旅=リチャード・キャドリー/パーティー=ポール・トレンブレイ/精錬所への道=スティーヴン・グレアム・ジョーンズ/柵の出入り口=ジェフリー・フォード/苦悩の梨=ジェマ・ファイルズ/晩餐=ジョシュ・マラーマン/遅かれ早かれあなたの奥さんは……=ジュヌヴィエーヴ・ヴァレンタイン/抜き足差し足=レアード・バロン/スキンダーのヴェール=ケリー・リンク/謝辞/解説=深緑野分/編者紹介/訳者紹介
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ジェーンは英国の領主屋敷(マナーハウス)に滞在していた。いっしょに旅行している叔母が館の主である男爵とかつて恋仲で、ふたりのあいだに生まれた娘が男爵の養女になっていたのだ。ある晩、館の使用人が主の車を運転中に事故で死亡。車を調べてみると、ブレーキに細工されていたことがわかる。娘の身を心配する叔母に頼まれたジェーンは、折よく館を訪ねてきたレドヴァースと事件を調べはじめる。だが、ジェーンが操縦を教わっている複葉機の部品が壊されたり、怪しい人影が目撃されたりと不審な出来事が続き……。アガサ賞最優秀デビュー長編賞受賞シリーズ。
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遺品博物館は、その名のとおり遺品を収蔵する博物館です。古今東西、さまざまな遺品を蒐集しております。選定基準については諸事情によりお話しできません。ただ、その方の人生において重要な物語に関わるものを選ぶことになっております……生前に約束した遺品の寄贈を受けるため、契約者の遺族の元を訪れる遺品博物館の学芸員、吉田・T・吉夫。この男が収蔵品として選ぶのは、死者自身の人生のみならず、遺された人々の人生にとっても重要な意味を持つ品々だった。彼が遺品と引き換えにもたらすのは、救済か、破局か――。熟練の技巧がえぐり出す、死者と生者を繋ぐ八つの謎物語。/【目次】川の様子を見に行く/ふたりの秘密のために/燃やしても過去は消えない/不器用なダンスを踊ろう/何かを集めずにはいられない/空に金魚を泳がせる/時を戻す魔法/大切なものは人それぞれ/解説=三島政幸
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クレメットとニーナは、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドにまたがるサーミ人居住地でトナカイ関連の事件を扱うトナカイ警察の警察官。二人が配置されたノルウェーのカウトケイノで、サーミ人のトナカイ所有者マッティスが殺された。直前にクレメットたちが、隣人からの苦情を受けて彼のもとを訪れたばかりだった。トナカイ所有者同士のトラブルが原因なのか? サーミ人を排斥しようとする勢力、サーミ人の権利を主張する勢力、様々な思惑が入り乱れるなか彼らは捜査を進めるが……。フランス批評家賞など23の賞を受賞した傑作ミステリ。
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わたし、海砂真史(うみすなまふみ)の幼馴染み・鳥飼歩(とりかいあゆむ)はなぜか中学校に通っておらず、頭は切れるが自由気儘な性格で、素直じゃない。でも、奇妙な謎に遭遇して困ったわたしがお菓子を持って訪ねていくと、話を聞くだけで解決してくれた。彼は変人だけど、頼りになる名探偵なのだ。歩の許に次々と新たな謎――洋菓子店の暗号クイズや美術室での奇妙な出来事――を持ち込む日々のなかで、ふと思う。依頼人と探偵として繋がっているわたしたちは、友人とは言えない。ただ、わたしは謎がなくても、友人らしい理由で歩に会いたいと思っているのに。シリーズ第2弾!
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リーランは、富豪のリン家が彼女を亡き息子の花嫁に望んでいると父に言われる。年ごろの娘にとって幽霊の花嫁(ゴーストブライド)なんてあんまりな話だ。おまけに数日後リン家に招待された彼女は、そこで当主の甥である青年と恋に落ちる。彼が結婚相手ならよかったのに。やがてリーランは毎晩夢の中で、リン家の亡き息子に結婚を迫られるようになる。恐ろしさから病の床についた彼女だったが、霊媒からもらった薬のせいで幽体離脱してしまう。生霊となったリーランはどうにかして幽霊との結婚から逃れようとするが……。死者と生者の世界が交錯する幻想的な恋物語。
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鎌倉在住の女性薬膳研究家・藤野真彩と知り合った柚木草平。10年前、高校二年生の時に失踪した同級生の目撃情報がこのところ増えているので調べてほしいと彼女はいう。早速、柚木は鎌倉に〈探す会〉事務局を訪ねるが、これといった話は聞けなかった。しかしその晩、事務局で詳細を尋ねた女性が何者かに殺害された――。急遽、殺人事件に調査を切り替えた柚木が見つけた真実とは? 娘の加奈子や、月刊EYESの小高直海らおなじみのキャラクターに加え、神奈川県警の女性刑事など今回も美女づくし。円熟の筆致で贈る〈柚木草平シリーズ〉最終巻。/解説=杉江松恋
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自分とそっくりな女に出会い、替え玉に仕立てようとする岸浜涼子。友人を殺人容疑の圏外に連れ出すべく、策を巡らす風山秀樹。大阪の街を移動し、アリバイ工作に勤しむ大幹昌雄。それぞれが、それぞれの思惑を抱き行動したあと、まず発見されたのは切断された死体だった。岸浜の夫が経営する会社に手首が届き、地下鉄の網棚の上に置かれたバッグからは顔を潰された首が、そして占い教室から胴体が見つかる。これらはすべて同一人物のものと特定されたが――この死者は誰なのか? 本格推理の極北を歩み続けた孤高の作家、山沢晴雄。その幻の代表長編をついに創元推理文庫に収録する。/【目次】[ダミー・プロット]序章/第一章 奇妙な契約/第二章 犯行以前/第三章 首/第四章 二つの死体/第五章 アリバイ/第六章 殺意の接点/第七章 昏迷/第八章 録画は語る/第九章 壬庚子の秘密/終章/[推理クイズ]賭博/おんぼろバス/探偵学初歩/アリバイ/[エッセイ]本格のトリックは出つくしたか?/トリック問答/想い出五十年/編者解題=戸田和光/盤上のメトロポリス――山沢晴雄小論=芦辺拓
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半七、銭形平次、顎十郎ら捕物帖でおなじみの“名捜査官”が江戸を騒がす奇怪な謎を追う「黎明篇」。軍靴の足音響く東京で、ナチスが探す“輝くトラペゾヘドロン”を巡る国家的謀略に巻き込まれた法水麟太郎・帆村荘六らの活躍を描く「戦前篇」。空襲の傷が癒えぬ東京で、神津恭介が“あべこべ死体”に遭遇し、明智探偵事務所宛の依頼を受けた小林少年が奇禍に見舞われ、帝都を覆う巨大な陰謀に、警視庁捜査一課の名警部集団のほか、大阪など各都市からも強力な援軍が駆けつけ総力戦を挑む「戦後篇」。五十人の名探偵たちの活躍を描く空前絶後のパスティーシュ三編に、「黒い密室――続・薔薇荘殺人事件」を特別収録する。
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明治18年。6年前に逢坂山トンネルの事件を解決した元八丁堀同心の草壁賢吾は、井上勝鉄道局長に呼び出された。大宮駅で何者かによって貨車が脱線させられ、積荷から、謎の千両箱が発見された事件について調査してほしいと。警察は千両箱を、江戸幕府の元要人にして官軍に処刑された、小栗上野介の隠し金と見ているらしい。草壁と相棒・小野寺乙松鉄道技手は荷積みの行われた高崎に向かうが、乗っていた列車が爆弾事件に巻き込まれてしまう。更に高崎では、千両箱を狙う自由民権運動家や没落士族たちが不審な動きを見せる中、ついに殺人が!/解説=西上心太
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30歳で夭折した天才作家が創造し、すべてのヒロイック・ファンタジーの源となった傑作シリーズを、最新の校訂研究にもとづいて贈る第5集。本集には新訳となる3編を収録した。宝物を狙う海賊たちとの死闘を描いた「黒い異邦人」。最初に発表されたシリーズ作品として読者の熱狂を呼んだ、王となったコナンの物語「不死鳥の剣」。強大な敵の手に落ち囚われの身となったコナン王が、獄中で伝説の魔道士と遭遇する――一大合戦絵巻が繰り広げられる表題作等傑作揃い。/【収録作】「黒い異邦人」/「不死鳥の剣」/「真紅の城砦」/資料編「ハイボリア時代の諸民族に関する覚え書き」/「西方辺境地帯に関する覚え書き」/「辺境の狼たち(草稿)」/解説=中村融
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生徒の不審死、さらに容疑者の失踪と、エリンガム・アカデミーでの事件が相次ぎ、スティヴィは無理やり家に連れもどされてしまう。せっかく学校にも馴染み、念願だった80年前の事件の再捜査も進んできたところなのに。そこに上院議員のエドワード・キングが現れ、息子のデヴィッドが放校されないように協力してくれるなら、スティヴィを学校に戻してやると言ってきた。他に手はなく、役目を引き受けたスティヴィだったが、アカデミーでさらなる事件が……。天才を集めた学校での事件に挑む、少女探偵スティヴィの活躍を描いたシリーズ第2弾。
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中世史学者のジャック・トレガーデンは、オクスフォード大学時代の友人サイモンから、久々に連絡を受けた。サイモンが住むアシュコーム・アビーの図書室の蔵書目録の改訂を任せたいというのだ。稀覯本に目がないジャックはふたつ返事で引き受ける。だが、アシュコームに到着したジャックを迎えたのは、人が変わったようにやつれ、衰えた友人の姿だった。そこで彼に見せられた、彼の亡き妻の手記には騎士の幽霊を見た体験が書かれていた。表題作「図書室の怪」を始め4編を収録。ポオの研究家でもある著者が描く、クラシックな香り高い英国怪奇幻想譚。/【収録作】「図書室の怪」/「六月二十四日」/「グリーンマン」/「ゴルゴタの丘」
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「“願いの桜”の話って本当だと思う?」駄菓子屋兼骨董店を営む宗助は、馴染の中学生亜咲美からそう聞かれた。通学路から離れた寂しい場所に一本だけ立つ桜の木、その木に願い事をすると叶うことがあるという。奇妙な言い伝えや曰くつきの品物に目がない宗助は、早速その桜を調べ始める。まもなく亜咲美の周辺で理由もなく体調を崩した生徒がいることを知り、嫌な予感を覚えた宗助は、祖父の代からの知り合いで呪物に詳しい少年朱鷺に助けを求めた。呪物を捜して旅をする少年と獣の姿をしたその兄が遭遇する不思議な出来事を綴るシリーズ第2弾。
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1663年、クロムウェルが没してのち、王政復古によりチャールズ二世の統べるイングランド。医学を学ぶヴェネツィア人のコーラは、訪れたオックスフォードで、大学教師の毒殺事件に遭遇する。誰が被害者の酒に砒素を混入させたのか? 犯人は貧しい雑役婦で、怨恨が動機の単純な殺人事件と目されたが──。衝撃的な結末で終わる第一の手記に続き、同じ事件を別の人物が語る第二の手記が始まると、物語はまったく異なる姿になり──。『薔薇の名前』とアガサ・クリスティの名作が融合したかのごとき至高の傑作!
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とうとう結婚へと至ったピーター・ウィムジイ卿と探偵小説作家のハリエット。披露宴会場から首尾よく新聞記者たちを撒いて、従僕のバンターと三人で向かった蜜月旅行(ハネムーン)先は、〈トールボーイズ〉という古い農家。ハリエットが近くで子供時代を送ったこの家を買い取っており、ハネムーンをすごせるようにしたのだ。しかし着いてみると、家は真っ暗で鍵がかかっており、待っているはずの前の所有者は見当たらず。訝りながらも滞在していると、地下室で死体が発見されて……。シリーズ最後の長編が創元推理文庫についに登場! 後日譚の短編も収録。/解説=三橋曉
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イタリア・アルプス山麓の美しい町アオスタに、ある事件がきっかけでローマからとばされてきた副警察長ロッコ・スキャヴォーネ。彼は、スキー場で圧雪車に轢かれた遺体発見との知らせを受ける。それは単なる事故ではなかった。ほとんどの住人が親戚どうしという小さな町で起きた殺人事件! 定年後は妻と南仏で暮らすのが夢だったロッコは、目的のためには犯罪にすら手を染める男だ、彼自身の信条に従って。女には手を出す、マリファナタバコは吸う……、だが警察官としての腕は誰もが認めざるを得ない、荒技も辞さないローマ男が難事件に挑む。
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職を失いロンドンの街をさまよっていた私ペネロピー・ハクスリーは、ふとしたことからアイリーン・アドラーという美女と知りあい、生活をともにすることになる。彼女は女優であり、オペラ歌手であり、そしてときには探偵でもあった。宝石商ティファニー氏からマリー・アントワネットゆかりのダイヤモンド捜しの依頼を受けたアイリーンは、私を助手に調査を始めるが、それは数年にわたる壮大な冒険の始まりだった! 名探偵ホームズに敬意をいだかせた唯一無二の女性を主人公にした魅惑のシリーズ〈アイリーン・アドラーの冒険〉、ここに開幕。
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討論会の帰り道、ふと立ち寄ったバー〈スリーバレー〉。そこでの女性バーテンダーとの会話から、彼女が以前から感じていた夏目漱石の『こころ』に関する疑問点に答える羽目に。文学部教授である私が、こんな場末のバーで講義することになるとは。しかも、途中からやってきた宮田という男が、あろうことか『こころ』を百合小説と断言したことで議論は白熱し……。太宰治『走れメロス』はセリヌンティウスの夢だった? 『銀河鉄道の夜』は宮沢賢治と父親の物語? 芥川龍之介『籔の中』の真犯人は誰? 文学談義4編で贈る、『邪馬台国はどこですか?』シリーズ第5弾!
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イタリアのクレモナに住む名ヴァイオリン職人のジャンニは、国際ヴァイオリン製作学校の講師でもある。20年前の教え子であるノルウェー人のリカルドが学校で講演を行い、その夜に殺害されてしまう。そして彼が持っていた、ヴァイオリンに似た楽器ハルダンゲル・フィドルが消えていた。犯人はなぜ、さしたる値打ちもない楽器を奪ったのか? ジャンニは捜査を進める友人の刑事グァスタフェステと恋人のマルゲリータとともに、リカルドの葬儀に参列するためノルウェーへ旅立つ。だが新たな殺人事件が……。人気シリーズの日本オリジナル最新作!
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拳銃を持って押し入ってきた男は、なぜ人質に“憎みあう三人の男”の物語を聞かせるのか? 意外な真相が光る「二人の男、一挺の銃」をはじめ、腕利きの殺し屋に次々と降りかかる予測不可能な出来事を描く「残酷」、殺人事件が起きたコーヒーハウスで、ツケをチャラにするため犯人探しを引き受けた詩人が探偵として謎解きを繰り広げる黒い蘭中編賞受賞作の「赤い封筒」など9編。正統派推理短編、私立探偵小説、ヒストリカル等、『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』で人気を博した短編の名手が贈るとっておき! ごゆっくりお楽しみください。【収録作】まえがき/「ローズヴィルのピザショップ」/「残酷」/「列車の通り道」/「共犯」/「クロウの教訓」/「消防士を撃つ」/「二人の男、一挺の銃」/「宇宙の中心(センター・オブ・ザ・ユニバース)」/「赤い封筒」/編訳者あとがき
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ディアーヌ学院での水晶玉占いの授業中、綾乃は突然気を失う。雪之丞の心配をよそに、その後の夏至祭も大成功に終わり、期末テストを終えれば楽しい夏休み……のはずだった。ところが気になる噂が綾乃の耳に入る。群馬県の山奥にある五郎丸湖で、ネッシーに似た生物が目撃されているというのだ。忘れもしない二年前の夏、故郷の角田村で綾乃を襲った首長竜、あれは確かにアロウが倒したはずだ。そんなとき、綾乃たちは五郎丸温泉にある先輩の別荘に招待される。妖怪と人間が共に学ぶ魔女学校を舞台にした、人気の学園ファンタジイ第3弾!
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本格ミステリの魅力的な要素のひとつ、密室トリック。犯行状況を思い浮かべたり、作品に挿入されている図版に心躍らせたりする読者の方も多いはず。本書は、1892年~1998年に発表された国内外の名短編、名長編、中でも魅惑的な密室が登場する作品を有栖川有栖がセレクトし、磯田和一の詳細なイラストとともに贈るブックガイドである。発表順に“世界最初の長編密室ミステリ”といわれるイズレイル・ザングウィル『ビッグ・ボウの殺人』をはじめとした海外20作、横溝正史『本陣殺人事件』など国内20作、さらに有栖川作品から磯田がセレクトした『スウェーデン館の謎』を加えた全41作を紹介する。密室ファン必携の書。/【目次】/はじめに/新潮文庫版まえがき/ビッグ・ボウの殺人/十三号独房の問題/黄色い部屋の謎/急行列車内の謎/八点鐘/犬のお告げ/密室の行者/エンジェル家の殺人/三つの棺/帽子から飛び出した死/チベットから来た男/妖魔の森の家/北イタリア物語/51番目の密室/帝王死す/はだかの太陽/ジェミニー・クリケット事件/そして死の鐘が鳴る/投票ブースの謎/見えないグリーン/D坂の殺人事件/蜘蛛/完全犯罪/燈台鬼/本陣殺人事件/刺青殺人事件/高天原の犯罪/赤罠/赤い密室/名探偵が多すぎる/花の棺/ホロボの神/求婚の密室/天外消失事件/人形はテントで推理する/緑の扉は危険/哲学者の密室/ローウェル城の密室/すべてがFになる/人狼城の恐怖/スウェーデン館の謎/あとがきに代えて……=磯田和一/参考文献/創元推理文庫のためのはしがき/創元推理文庫版解説=松浦正人
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父が状況を聞いて事件を再構成する力に、私は幾度舌を巻いたか知れない。硬骨の刑事魂は、退職したところで一向錆びつきはしないのだ。私の現職刑事ぶりが気になって、足繁く団地へ話しに来るのもわかる。しかし「わたしが俳句に凝ったりしたら、お前が困るだろう、事件の解決が長びいて」などと言われると立つ瀬がなくなってしまう……。退職刑事若かりし頃の事件「凧たこあがれ」や、何とも皮肉な結末に問題発言が飛び出す「Xの喜劇」など、8編を収録。国産《安楽椅子探偵小説》定番中の定番として揺るぎない地位を占める、名シリーズ第5集。/【収録作】「落葉の墓」/「凧たこあがれ」/「プールの底」/「五七五ばやり」/「闇汁会」/「遅れた犯行」/「あくまで白」/「Xの喜劇」/解説=津田裕城
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住宅地の高台に建つA女学院――クリイム色の壁に赤い屋根の建物があって、その下に小さな部屋が出来ていた。屋根裏と云った方がいいそこがニシ・アズマ女史のお気に入りの場所だった。ちっぽけな窓から遠くの海を眺め、時には絵を描いたりもしたが、じつは誰にも妨げられずに午睡ができるからだった。だが、好事魔多し。そんな彼女の愉しみを破るような事件が相次ぐ。そしてニシ先生が太い赤縁のロイド眼鏡を掛けると、名探偵に変身するのだ。飄飄とした筆致が光る短編の名手の連作推理。/【収録作】「指輪」/「眼鏡」/「黒いハンカチ」/「蛇」/「十二号」/「靴」/「スクェア・ダンス」/「赤い自転車」/「手袋」/「シルク・ハット」/「時計」/「犬」/あとがき/解説=新保博久