作品一覧

  • ハリケーンの季節
    4.3
    1巻3,410円 (税込)
    とある村で、〈魔女〉の死体が見つかる。彼女は村の女たちに薬草を処方し、堕胎もしてやっていた。彼女を殺したのは一体誰か--。暴力と貧困がはびこる現代メキシコの田舎を舞台に狂気と悲哀を描き、名だたる文学賞候補となった西語圏文壇新星による傑作長篇
  • 小学館世界J文学館 プラテーロとぼく
    -
    1巻880円 (税込)
    ※本作品は『小学館世界J文学館』(紙版)に収録されている同タイトルの作品と同じ内容です。 スペインで最も愛されたロバの散文詩。 詩人の「ぼく」は心を病み、故郷のスペインの村、モゲールで療養する。「ぼく」の相棒は、やわらかい毛並み、黒い宝石のような瞳を持つ小さなロバ、プラテーロ。素朴で純粋な心の持ち主として、「ぼく」はプラテーロといっしょに喜んだり、驚いたりしながら、見たもの・聞いたものをプラテーロに語りかけていく。 ノーベル文学賞作家、ヒメネスの代表作。飾らないことばで綴られた138編の散文詩は、読む人の脳裏に舞台となっているスペイン、アンダルシア地方の青い空、家々の白い壁をあざやかによみがえらせる。そして小さな喜びと悲しみに満ちたモゲールの日々が、たまらなく愛おしくなってくるにちがいない。全詩編をていねいに訳した決定版新訳。早川世詩男のイラストレーションも作品世界にぴったり! (新訳) ※この作品は一部カラーが含まれます。
  • きらめく共和国
    3.8
    1巻1,899円 (税込)
    1994年、緑のジャングルと茶色い川をかかえる亜熱帯の町サンクリストバルに、理解不能な言葉を話す子どもたちがどこからともなく現れた。彼らは物乞いをしたり盗みを働いたりして大人たちを不安に陥れ、さらにスーパーを襲撃した。そして数ヶ月後、不可解な状況で32人の子どもたちが一斉に命を落とした。子どもたちはどこから来たのか。どうして死ぬことになったのか。社会福祉課の課長として衝撃的な出来事に関わった語り手が、22年後のいま、謎をひもといていく──。現代スペインを代表する作家が奇妙な事件を通して描く、子どもの無邪気さと暴力性、そして野生と文明、保護と支配の対比。純粋で残酷な子どもたちの物語。
  • ハリケーンの季節

    Posted by ブクログ

    魔女殺し の真相。
    と言ってもミステリーの範疇に収まらない。
    メキシコのある村を覆う絶望。
    そこで暮らす人々には日常だとしても、かなりヘヴィな日常。諦念。
    胃にずっしりくる。

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    2024年04月07日
  • きらめく共和国

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    『ある町にどこからか現れた、理解不能な言葉を話す子どもたち。奇妙な子どもたちは、盗み、襲い、そして32人が、一斉に死んだ。』

    本書の帯に書かれたこの短い文章が、物語で起きる全てのことを端的に表し、事件の渦中にあった1人の人物が22年後に述懐していく構成となっています。
    うつくしい亜熱帯の国の景色と貧困問題を抱えるサンクリストバルは、架空の都市でありながら私たちの世界にも必ず存在する場所です。つまり存在しない物語でありながら、32人の子供たちを産む土壌はこの世界に存在するのです。現代への予言とも呼べるかもしれません。
    サンクリストバルの貧困は日本の中の貧困とは性質がまったく異なります。最初に出

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    2022年09月01日
  • きらめく共和国

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    架空の街とそこを流れる大河と隣接するジャングルを舞台にある男の回顧録として語られるこの物語は一種、ファンタジーのような、それでいて犯罪事件録にも読み取れる。
    小鳥の囀りのように~とも表現される子どもたちの言語のことや、並べられた彼らの遺体という表現から、謎を突き止めたくて読む手が止まらない。

    街で暮らす親のいる子どもたちもその奇妙なある意味、毒を持つ集団へ惹かれてゆくのは容易に肯ける。
    子どもたちはなぜ家を出たか、なぜコミュニティを造ったか多くは語られてはいないけれど大人の一人として考えを深めてゆかなくては。

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    2021年06月11日
  • ハリケーンの季節

    Posted by ブクログ

    少年たちが用水路で「魔女」と呼ばれている人物の腐乱死体を発見するところから物語が始まるので、この「魔女」の人生が語られるのかと思ったらそうではなかった。
    簡単に言えば殺人までの過程を様々な人物の目からたどる小説。
    ジェンダーや性的少数者への差別、貧困、虐待、薬物依存などが当たり前の貧しい村で、それぞれの人物が何を感じ、どう生きているのか。そこには選択肢なんて初めからない。学校もろくに行かないし、幼いうちから性的な話題や行為に晒されていて、自分が虐待されていることすら気づかない。
    はっきりとは語られないが、人種も多様で、その中での差別もある。
    物語の構成、語り口が素晴らしく、実に才能のある作家だ

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    2024年09月16日
  • きらめく共和国

    Posted by ブクログ

    あらすじからホラー要素がある作品かと思いきやファンタジー要素が強い作品だった。
    パンズ・ラビリンス的な「子どもしか知らない世界」のようであるけれども本当に何があったのかとかは語られないので、好き嫌いは分かれると思う。
    ここまで極端な形ではなくても自分も子どもの時に大人たちには秘密の世界を作っていたことを思い出したり、自分はいつからそういう世界を持たなくなったんだっけ、と感傷的な気分になったりした。

    0
    2024年04月21日

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