無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
門をいくつも抜け、曲がりくねった小径をたどった奥にある石の迷宮――ミルバンク監獄。1874年の秋、テムズ河畔にそびえるこの牢獄を慰問のために訪れたわたしは、不思議な女囚と出逢った。19歳のその娘シライナは、監獄じゅうの静けさをかき集めたよりも深い静寂をまとっていた。なぜこんな人が、こんなところに? すると、看守から聞かされた。あの女は霊媒なの。戸惑うわたしの前に、やがて、秘めやかに謎が零れ落ちてくる……。魔術的な筆さばきの物語が終局に至って突きつける、青天の霹靂のごとき結末。サマセット・モーム賞など多くの文学賞に輝く本書は、魔物のように妖しい魅力に富む、絶品のミステリ!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
これはなかなか読み応えがあってね。
いや文字多いわーってことでへこたれそうになるかと思いきやなんか上手いこと読ませてきて。そんなドラマチックな展開があるわけでもないようにも思うんだけど。。アレだ、言葉の魔術師。てきな。
で、何が読ませるって老嬢と呼ばれてしまう30女の悲哀というかもう男も女もこの年までモニャモニャしてるとろくな事にならないというか厨二病的な情けなさを持って同じく厨二病を患う読者の心にグイグイくる。
最後もまぁ酷いというか切なくなるわけで、こういう暗いというかパーティーピーポーには分からないぜこの気持ちみたいなのは小説の醍醐味ではないか。
Posted by ブクログ
ダフネ・デュ・モーリアの「レベッカ」に勝るとも劣らないミステリアスな物語を読んだ。
19世紀の霧渦巻くロンドンのテムズ川河畔の監獄に収監されているうら若き女性の霊媒。そこを慰問に訪れる貴婦人は老嬢(といっても20代だろうが、今なら普通)、美しくないがゆえに、個性がありすぎるゆえに愛に飢えている。
美しい霊媒の女囚「シラナイ」に傾斜していく。いや、ゆがんだ愛ゆえに嫉妬に狂い、正気を失うヒロイン「マーガレット・ブライア」。
ミルバンク監獄の不気味さに(史実という)ぞっとし、霊媒というまがまがしさに迷わされ、ヒロインと女囚の交互に書かれる日記形式の構成の巧みさに、いよいよ謎が濃くなってくる。
後半すっかり夢中になって一気に読んだ。人間の性質の不思議さ。他人の行動を感知してしまう鋭い人が必ずいるのだ。
だましがこの世から無くならず(現実のあとを絶たない詐欺被害事件など)、だます人が多いなら、だまされる人ももっと多いのにかねがね不思議に思ってきたが、サラ・ウォーターズに完璧脱帽。
そくそくと迫るミステリが好きなら、おすすめ。
ミステリばかりではなく女性なら関心のあるもどかしいばかりの自己確立の物語でもある。何層にも意味が取れる内容に筆者の非凡さをみる。また、伏線がいたるところにあったということが後でわかり読み返したくもなる。
次作『荊の城』期待してしまう。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸