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門をいくつも抜け、曲がりくねった小径をたどった奥にある石の迷宮――ミルバンク監獄。1874年の秋、テムズ河畔にそびえるこの牢獄を慰問のために訪れたわたしは、不思議な女囚と出逢った。19歳のその娘シライナは、監獄じゅうの静けさをかき集めたよりも深い静寂をまとっていた。なぜこんな人が、こんなところに? すると、看守から聞かされた。あの女は霊媒なの。戸惑うわたしの前に、やがて、秘めやかに謎が零れ落ちてくる……。魔術的な筆さばきの物語が終局に至って突きつける、青天の霹靂のごとき結末。サマセット・モーム賞など多くの文学賞に輝く本書は、魔物のように妖しい魅力に富む、絶品のミステリ!
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年09月16日
これはなかなか読み応えがあってね。
いや文字多いわーってことでへこたれそうになるかと思いきやなんか上手いこと読ませてきて。そんなドラマチックな展開があるわけでもないようにも思うんだけど。。アレだ、言葉の魔術師。てきな。
で、何が読ませるって老嬢と呼ばれてしまう30女の悲哀というかもう男も女もこの年ま...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月20日
マーガレットは初めてミルバンク監獄にやってきた。囚われている女囚の慰問のために。盗人、赤ん坊殺し、詐欺、色々な過去を持つ女囚のなかで、一人静謐な雰囲気を持つ女囚がいた。その名はシライナ・ドーズ。霊媒だったという。彼女に引き寄せられながらマーガレットはミルバンク監獄に慰問に通う。そしてだんだんと生活の...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月05日
前半はめちゃくちゃ退屈、中盤で結末はハッキリと予想出来る(実際に何から何まで予想通りでした)
こんなんもう駄作確定じゃないですか
でも面白かったんだよなぁ
なんていうか凄い高級車な感じなんですよね
お、なんか上手い例えかもしれん
サラ・ウォーターズの文章は高級車を思わせる
洗練されていて美しく...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年02月11日
後半4分の1の面白さとそれまでの退屈さと極端な作品。以前読んだ『荊の城』が面白くて読んだのですが。1800年代半ばのヨーロッパの監獄に収監されている女囚の慰問を行う、平たく言えば、愚痴を聞く高貴な女性の話。愚痴を聞いているうちに、霊媒師の女囚を好きになって、二人で逃亡を企てる。ここまでが4分の3で、...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月06日
ダフネ・デュ・モーリアの「レベッカ」に勝るとも劣らないミステリアスな物語を読んだ。
19世紀の霧渦巻くロンドンのテムズ川河畔の監獄に収監されているうら若き女性の霊媒。そこを慰問に訪れる貴婦人は老嬢(といっても20代だろうが、今なら普通)、美しくないがゆえに、個性がありすぎるゆえに愛に飢えている。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年06月16日
少々頭のおかしいとされ抑圧されてるレズの女性の話がどう転んでいくんだろうと我慢しながら読み続けて、最後にようやく種明かし。読み返せばピーターが実在していて、最初からレズの話なんだとわかるけど、ピーターが実在するのかしないのかが最後まで分からない。降霊術を当時の人がどう捉えていたという設定なのかが分か...続きを読む
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