19世紀半ばのロンドン。17歳になる孤児スウは、下町の故買屋の家に暮らしていた。ある冬の晩、彼女のもとに顔見知りの詐欺師がやってくる。さる貴族の息子というふれこみで、〈紳士〉とあだ名されている、以前スウの掏摸の腕前を借りにきたこともあった男だ。彼はスウにある計画を持ちかける。とある令嬢をたぶらかして結婚し、その巨額の財産をそっくりいただこうというのだ。スウの役割は、令嬢の新しい侍女。スウはためらいながらも、話にのることにするのだが……。CWAヒストリカル・ダガー受賞&第1位「このミステリーがすごい! 2005年版」海外編ベスト10。
Posted by ブクログ 2021年05月21日
すべてが終わった後に回想しているような描写がされている
スウがお嬢様に添い寝するシーンの「睫毛が羽のように咽喉をなでる」て表現めちゃめちゃ良いな・・・
初読なんですけど『お嬢さん』で大筋知ってるので実質2回目みたいなもんなので、これ初回と2回目で全然印象かわるだろうなってシーンばっかりでうわーうわ~...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年01月10日
ホラー風味のミステリというよりミステリ仕立てのホラーものといった趣で
あいかわらずミステリ読者のミステリ認定幅の広いことよということと
ヴィクトリアンに限らずこういう旧家の因習的な素材はなぜイギリスなのか
フランスとかアメリカとかイタリアとかドイツとかロシアとかアラビアとかでないのは
やはり各国の文...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年05月01日
一大詐欺によって出会ったスウとモードは、互いに惹かれはじめていきます。けれど、着々と計画は進行していくのです。2人の友情を越えた想いがどこまで続くのか、この小説のひとつの見所です。読んでいくうちに、濃厚な濁流の渦にねっとりと巻き込まれていき、何が真実なのか分からなくなってきます。誰が味方なのか、裏切...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年01月19日
『半身』もそうだったけど、この人の作品は前ふりが長い。途中で盛大などんでん返しがありそうな気配に、それまでのじわじわとしか進まない展開を読者は辛抱強く待たなければいけない。その辛抱がつまりスリルであり、サスペンスであり、ミステリーなのだけれども。
舞台は英国。ロンドンっ娘の気性がなんとも愛らしくて惹...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
2004年の「このミス」「週刊文春ミステリベストテン」で堂々第一位となった人気作。本国ではCWAのヒストリカル・ダガーを受賞。一読おくあたわずとはこの本のことでありましょう。こんなに面白い本は暫く出ないかな、というくらいの傑作。原題は「fingersmith」、スリのことです。下町娘でスリのスウは歳...続きを読む
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