作品一覧

  • ずっとお城で暮らしてる
    4.0
    1巻719円 (税込)
    あたしはメアリ・キャサリン・ブラックウッド。姉のコンスタンスといっしょに、他の家族が皆殺しにされたこの屋敷で、ずっと暮らしている……。惨劇の起きた資産家一族の生き残り。村人から忌み嫌われ、外界との交流も最低限に止める彼女たちは、独自のルールを定めて静かな生活を送っていた。しかし従兄チャールズの来訪をきっかけに、美しく病んだ箱庭世界は大きな変化をむかえる。“魔女”と称された異色作家が、超自然的要素を排し、無垢な少女の視点から人間心理に潜む悪意が引き起こす恐怖を描く代表作。/解説=桜庭一樹
  • 処刑人
    3.5
    ナタリーが大学に入学するまで三週間ほどを残して迎えた初秋の日曜日の午後。鼻持ちならない文筆家の父と、夫への軽蔑を隠さない母が催したホームパーティでの“悪夢”を経て、初めての寮生活を迎えた17才のナタリーは、大きく変わった生活環境に戸惑いを隠せないでいた。同年代の少女への優越感と劣等感の狭間で揺れ動く中、風変わりな女生徒トニーとの出会いによって真の安寧を手にしたかに見えたが……思春期の少女の危うい精神の揺らぎを、残酷さと一掬の愛情を交えて描く。『ずっとお城で暮らしてる』の著者の初期を代表する傑作長編小説。/解説=深緑野分
  • なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集
    3.8
    1巻1,300円 (税込)
    人間の裡に潜む不気味なものを抉り出し、独特の乾いた筆致で書き続けたシャーリイ・ジャクスンは、強烈な悪意がもたらす恐怖から奇妙なユーモアまで幅広い味わいの短編を手がけたことでも知られている。死後に発見された未出版作品と単行本未収録作を集成した作品集Just an Ordinary Dayより、現実と妄想のはざまで何ものかに追われ続ける女の不安と焦燥を描く「逢瀬」、魔術を扱った中世風暗黒ゴシック譚「城の主」、両親を失なった少女の奇妙な振るまいに困惑する主婦が語る「『はい』と一言」など、悪意と妄念、恐怖と哄笑が彩る23編にエッセイ5編を付す。本邦初訳作多数。/収録作=「序文 思い出せること」「スミス夫人の蜜月(バージョン1)」「スミス夫人の蜜月(バージョン2)――新妻殺害のミステリー」「よき妻」「ネズミ」「逢瀬」「お決まりの話題」「なんでもない日にピーナツを持って」「悪の可能性」「行方不明の少女」「偉大な声も静まりぬ」「夏の日の午後」「おつらいときには」「アンダースン夫人」「城の主」「店からのサービス」「貧しいおばあさん」「メルヴィル夫人の買い物」「レディとの旅」「『はい』と一言」「家」「喫煙室」「インディアンはテントで暮らす」「うちのおばあちゃんと猫たち」「男の子たちのパーティ」「不良少年」「車のせいかも」「S・B・フェアチャイルドの思い出」「カブスカウトのデンで一人きり」「エピローグ 名声」

ユーザーレビュー

  • ずっとお城で暮らしてる

    Posted by ブクログ

    読み手が"多数派視点"を持っているか、"少数派視点"を持っているかで捉え方が大きく変わるすごい作品だと思いました。
    私は後者の視点から読み、とても好きでした。
    現実か、妄想か?の境界線も曖昧でフワフワしていて、そのよく分からなさも怖い。
    読んだ方と感想を語りたい作品でした!

    あとがき(解説)に"弱者のとほうもない怖さ"とあり、この言葉がとても腑に落ちました。
    村田沙耶香さんの「コンビニ人間」と似た構造を感じました。(好きです)

    0
    2026年01月24日
  • ずっとお城で暮らしてる

    Posted by ブクログ

    人生ベスト入り作品に出会ってしまった。アルケミストとか遠い声、遠い部屋に並ぶくらいの感情を今抱いてる。
    あ〜〜〜この作品を表現するための語彙力がないのが悔しい!!!!

    信用できない語り手によって語られる、この2人の世界からしか見えない閉ざされた“お城”の中の世界の美しさ。その世界は狂っていて、恐ろしくて、暗くて、静かでとても美しい。その一方で、その外界には、普通で、明るくて、うるさくて醜い世界が広がっている。
    幻想的で独創的な美しい表現と2人だけの秘密をずっと垣間見ているドキドキに何度も鳥肌がたった。そして絶妙に予想できない展開にもずっとわくわくさせられた。
    メリキャット、コンスタンス……こ

    0
    2026年01月14日
  • ずっとお城で暮らしてる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    後からジワジワ怖くなってくるような小説でした。
    読んでいくうちに作品の悪意にのみこまれたのか、村人全員殺してしまえば良いのに、とまで思いました。しかし、メリキャットにとって意地悪な村人は、大好きなコニー姉さんと2人きりで暮らしていくためには必要なもの。外部を完全に遮断し2人で「幸せ」と言いながら暮らすラストは鳥肌ものでした。
    再読したいです。

    0
    2026年01月08日
  • ずっとお城で暮らしてる

    Posted by ブクログ

    メリキャットとコンスタンス、ジュリアンおじさんの暮らしにうっとりしながら読んだ。彼女たちなりの生活の秩序はとても美しく、メリキャットが大切な物を土に埋める場面がとくに好きだった。城が破壊されても「とってもしあわせ」に暮らせるふたりだけの世界は、もう外部の人間の接触も無い為メリキャットがよく語っていた〝月の上〟のような、理想の場所そのものになったのだと思う。彼女たちの生活は埋められた大切な物で キッチンは彼女たちを隠すやさしい土だから、このまま誰にも掘り起こされずに美しいまま守られていて欲しい。とても好みの文章と物語。この作品に出会えて本当にしあわせです。

    0
    2025年08月20日
  • ずっとお城で暮らしてる

    Posted by ブクログ

    最初から最後まで気味の悪さが漂う異質な、ヒビ割れたガラスのような物語。

    外界から鎖された箱庭。その箱庭の周囲を絶えず節足動物が這いずり回っているかのような嫌悪感。

    このガラスは最初から割れていたのかもしれない。最高だ。

    0
    2025年07月30日

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