イーアン・ペアーズの作品一覧

「イーアン・ペアーズ」の「指差す標識の事例」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 指差す標識の事例 上
    3.4
    1~2巻1,300円 (税込)
    1663年、クロムウェルが没してのち、王政復古によりチャールズ二世の統べるイングランド。医学を学ぶヴェネツィア人のコーラは、訪れたオックスフォードで、大学教師の毒殺事件に遭遇する。誰が被害者の酒に砒素を混入させたのか? 犯人は貧しい雑役婦で、怨恨が動機の単純な殺人事件と目されたが──。衝撃的な結末で終わる第一の手記に続き、同じ事件を別の人物が語る第二の手記が始まると、物語はまったく異なる姿になり──。『薔薇の名前』とアガサ・クリスティの名作が融合したかのごとき至高の傑作!

ユーザーレビュー

  • 指差す標識の事例 下

    Posted by ブクログ

    歴史の転換期に立ったイングランドを舞台に、多数の実在の人物を壮大なフィクションの世界に引きずり込んで繰り広げられる謀略の物語。上巻で積み上げられた謎を下巻で解き明かしていく構成で、正直、上巻はかなり忍耐力が必要でした。

    書物と宗教的背景が絡んでくるためウンベルト・エーコ『薔薇の名前』が引き合いに出されていますし、「犯人探し」の体裁を取ってもいますのでクリスティも言及されています。が、おそらく読書子各位はそれが作品を皮相的に捉えただけの惹句であろうことを、早々に見抜いた上で読み進められたことと思います。

    そういう意味では、クリスティもエーコも「レッド・ヘリング」だったと言えるかも知れませんね

    0
    2025年11月24日
  • 指差す標識の事例 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    下巻は暗号解読の達人である幾何学教授の手記から始まる。
    上巻は、まずヴェネツィア人の医学生であるコーラの手記から始まったのだが、真面目でお人好しの好青年と思われた彼の姿は、ふたり目の法学生プレストコットの手記によって、いささか様相が変わってくる。
    重大な事柄の記述漏れ、明らかな噓。
    コーラはなぜ、ロンドンではなくオックスフォードにやってきたのか。

    しかしプレストコットの手記も変だ。
    尊敬する父の汚名を返上するための彼の行動は、どう見ても常軌を逸してきている。
    ヒステリックなその行動を、彼は、さらに魔法をかけられたからだと思い、その魔法から逃れるために、サラを無実の罪に陥れ、死刑へと向かわせる

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    2023年04月07日
  • 指差す標識の事例 下

    Posted by ブクログ

    各章の語り手のミソジニーとパターナリズムに辟易しながらも、語り口と構成に乗せられて一気に上下二巻を読み通してしまいました。
    読後感も程よく、面白かった!

    0
    2022年05月08日
  • 指差す標識の事例 下

    Posted by ブクログ

    長い。
    ちょっとした知識どころか、相当念入りに勉強してから挑んだほうがいい。
    下巻最後の人物解説、年表、訳者解説を最初に読んだ方が楽しめるような気もしました。
    かなり読み手を選ぶとは思うけど、個人的にはがんばって読んでよかったかなって感じでした。
    歴史、宗教絡みのネタに微塵も興味を感じない人には全くおすすめできないし、おもしろくないと思います。

    0
    2021年02月10日
  • 指差す標識の事例 下

    Posted by ブクログ

    第三の手記は幾何学教授ウォリス、最後は歴史学者アントニー・ウッド。
    四部それぞれ翻訳者が違うという趣向がまた面白い。「信用できない語り手」、楽しいなあ。

    0
    2020年11月28日

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