作品一覧

  • 思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選
    3.8
    1巻950円 (税込)
    「犯人は読者だ」で話題をさらった『仮題・中学殺人事件』から50年、ミステリ作家デビュー以来、本格もの、ユーモアものをはじめ、様々なスタイルの作品を提供し続けてきた辻真先。中でも、鉄道ミステリは、著者自身が長年の鉄道ファンであることも広く知られており、多くの読者に親しまれてきた。シリーズキャラクターである、トラベルライター・瓜生慎ものを筆頭に、自らも鉄道愛好家でもある、ミステリ評論家・戸田和光が選んだ珠玉の12編。すでに廃線となった路線、企画列車なども登場する、辻ファン、鉄道ミステリファン必携の一冊。/【目次】お座敷列車殺人号/夜行急行殺人号/ブルートレイン殺人号/α列車殺人号/郷愁列車殺人号/白い闇の駅/オホーツク心中/遠い日、遠いレール/終電車の囚人/鉄路が錆びてゆく/東京鐵道ホテル24号室/轢かれる/解題=戸田和光
  • ダミー・プロット
    3.7
    1巻1,300円 (税込)
    自分とそっくりな女に出会い、替え玉に仕立てようとする岸浜涼子。友人を殺人容疑の圏外に連れ出すべく、策を巡らす風山秀樹。大阪の街を移動し、アリバイ工作に勤しむ大幹昌雄。それぞれが、それぞれの思惑を抱き行動したあと、まず発見されたのは切断された死体だった。岸浜の夫が経営する会社に手首が届き、地下鉄の網棚の上に置かれたバッグからは顔を潰された首が、そして占い教室から胴体が見つかる。これらはすべて同一人物のものと特定されたが――この死者は誰なのか? 本格推理の極北を歩み続けた孤高の作家、山沢晴雄。その幻の代表長編をついに創元推理文庫に収録する。/【目次】[ダミー・プロット]序章/第一章 奇妙な契約/第二章 犯行以前/第三章 首/第四章 二つの死体/第五章 アリバイ/第六章 殺意の接点/第七章 昏迷/第八章 録画は語る/第九章 壬庚子の秘密/終章/[推理クイズ]賭博/おんぼろバス/探偵学初歩/アリバイ/[エッセイ]本格のトリックは出つくしたか?/トリック問答/想い出五十年/編者解題=戸田和光/盤上のメトロポリス――山沢晴雄小論=芦辺拓
  • 死の黙劇
    3.0
    1巻999円 (税込)
    月のない夜、華奢な欄干を破り、一台のタクシーが崖下に転落した。運転手は一命を取り留めたが、乗客の男は即死する。死者は顔いちめんに包帯を巻きつけていたものの、その下にはなぜか傷ひとつなかった。さらに死者の所持品からは探偵砧順之介の名刺が発見されたが、その名刺を死者が所持することは論理上不可能だった――奇怪な謎が読者を魅了する表題作ほか、書籍未収録の犯人当て短編などを所収。職業作家の道を選ばず、生涯に亙って緻密極まりない作品を執筆、巨匠鮎川哲也も畏敬した本格推理作家、山沢晴雄。その作風を一望できる作品を精選して贈る〈山沢晴雄セレクション〉。/【目次】砧最初の事件/死の黙劇/銀知恵の輪/金知恵の輪/見えない時間/ふしぎな死体/ロッカーの中の美人/密室の夜/京都発“あさしお7号”/編者解題=戸田和光

ユーザーレビュー

  • 思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選

    Posted by ブクログ

    氏の過去の鉄道ミステリ集。
    瓜生夫妻もの、懐かしいなぁ。辻作品に触れるきっかけは、赤川次郎氏の三毛猫ホームズに対抗した『迷犬ルパン』シリーズだったのを思い出す。
    収録の作品は、ホラー?と思わせるものもあったりして、テイストが色々で楽しい。
    1作、先日TVで見た星新一氏の作品の結末を連想するものもあり、ちょっとにやり。
    収録作品に登場する路線も全国あちこちだし、今となってはすっかり見かけない「急行列車」も登場して懐かしい。
    新シリーズの発表も続いていることだし、迷犬ルパンシリーズも復刊してくれるのを期待しちゃおう。

    0
    2022年09月30日
  • ダミー・プロット

    Posted by ブクログ

    現代では無くかなり昔にこの小説を書き上げた事に驚いた!

    緻密に書かれた物語とトリックには脱帽だ。
    まだまだ知らない作品で名作にであえるのは幸せです!

    0
    2024年08月22日
  • ダミー・プロット

    Posted by ブクログ

    ザ・本格推理小説。
    文体や描写に歴史を感じるものの、一度読み進めてしまうと止まらなくなる。
    冒頭に作者からの挑戦状があるので、「なにかあるな」という気持ちで読んでいくスタイル。

    トリック自体がとても良い出来!

    0
    2024年01月23日
  • 思い出列車が駆けぬけてゆく 鉄道ミステリ傑作選

    Posted by ブクログ

    今でもヒット作を上梓する息の長いミステリー作家、短編の中から鉄道をテーマとした作品だけを集めた作品。

    全て短編、短い中にどんでん返しをうまく散りばめた名人芸が楽しめる。1980年代の作品も多くそれだけで郷愁を掻き立てられる。

    大垣夜行からムーンライトながら、そして父子の葛藤を描いた「遠い日、遠いレール」が絶品。

    0
    2023年03月20日
  • 死の黙劇

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    知らない作家さんだったが、評判がよかったので気になっていた作品。

    これは小説ではなくミステリだ。
    トリックが先行するストーリーなので、小説として読むと期待外れかもしれない。また、登場人物がやけに多かったり、同じようなトリック・状況が堂々と用いられていたりと、俗にいう「ミステリ小説」とはかなり異なる短編集だが、作者がトリックを主役に据えている点を考えると、実に実直な作品でかなり好印象なミステリである。


    最初は読みにくかった登場人物の多さも、慣れてしまえば、多くの人間(事件とは無関係な人間も含めて)の思惑が交錯する事件であることで、味気のない単調な読み物になりがちなミステリの欠点を補っている

    0
    2024年03月19日

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