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ここは多摩川のほとり、桃霞市。江戸川乱歩の少年ものに憧れる小学生が探偵団を結成した。自称探偵長のスレンダー美少女鳥居未菜美が幼なじみの歌川時雄を従え、転校生の月岡芳人を巻き込み、体格に恵まれた勝川章、パソコン使いの司馬遷太郎を加えて、メンバー五人で活動中。たかが子供の遊びと侮るなかれ、広大な桃霞市、推理力を駆使しなければ迷い犬の捜索だって不可能だ。それにしてもクリスマスに起こった尾形家の騒動は半端じゃなかった。何しろ御隠居さんが密室でこときれていたというのだから……。桃霞少年探偵団、活動開始!
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Posted by ブクログ
少年探偵団に憧れた僕の前に現れた転校生。彼はまさしく名探偵にぴったりの頭脳を持っていた。 謎と推理のバランスが絶妙なんですね。 初っ端は密室殺人事件を扱うのですが、それでも日常の延長線上に事件があるのです。その後の事件も同じく突飛になり過ぎない。でも魅力的である。 その上で謎を解く手がかりや道筋も...続きを読む、小学生離れし過ぎず、それでいて視点をずらすことの見事さにやられるのです。 名探偵ゆえの見えてしまう、わかってしまう苦悩も描く。子どもにそれを背負わせるのかと思わなくもないが、フォローもある。 何より仲間がそのことに気づき心を配る。そこもいいんです。 作者に数合わせと言われた子も、それぞれが語り手となって動くことで個性を発揮する。力自慢の子は人をよく見て観察しているし、情報係の子も頭でっかちなわけじゃない。 ひとりひとりが語ることで、グループとしての面白みも増す展開が素敵なのです。 だからこそ、最後のエピソードの最後に明かされる顛末が、きらり輝くのですね。
少年探偵団が登場するため、私の頭にとっさに浮かんだのはアニメの名探偵コナンだった。作者の秋梨惟喬さんは江戸川乱歩の少年探偵団を強く意識しているようで、作中でもたびたび言及がなされるのだが、少年探偵団シリーズを読んだことのない自分にとっては、コナンのほうがはるかに身近だったのだ。 けれど、本作は同じ...続きを読む殺人事件といっても、名探偵コナンのようにドロドロとはしていない。コナンでは犯人が殺人にいたった動機を深くり下げることが多いため、どうしても後味が悪くなりがちなのだけれども、本作では少年探偵団の小学生らしい微笑ましさ、その中で月岡くんが切れ味するどくくり出す推理がメインとなっているため、常にほのぼのとした空気が漂っていて、読んでいてとても心地が良い。 続編にして長編作品の「天空の少年探偵団」も気になるところ。
少年少女連作ミステリ。子供っぽさとか純粋さとか未成熟さとかもよく書けてると思う。ミステリとしてもよくできてる。 …だけなら よく出来ました なんだけど。名探偵としての自身に悩む月岡くんと仲間たち、の物語として読むとまた違った味わい。月岡くん以外の四人が作品ごとに語り手になっているのもその味わいを増す...続きを読む。そして、だからこそ探偵団なんだとも思う。探偵ではなく探偵団。
江戸川乱歩とか、特撮とか、ケーブルカーとか、作者の趣味が随所に現れているところが読んでいて面白かった。事件があって、謎があって、探偵がトリックを解明する、正統派だと思います。
【収録作品】クリスマスダンス/桃霞少年探偵団対清流戦隊/ルナティックを捕まえろ/不愉快な誘拐/異次元ケーブルカーの謎 明智小五郎と少年探偵団に触発されてできた少年探偵団。冷静な子どもたちの地に足の付いた活動が好もしい。文武両道型の勝川くんは頼もしいキャラだ。
秋梨惟喬を読むのは3冊目。 これまでの「もろこし銀侠伝」などの中国を舞台とした武侠小説風とは異なり、現代版少年探偵団モノとなっている。 連作短編集でそれぞれの短編の語り手を少年探偵団の面々が入れ替わり務めるスタイル。 主人公の月岡芳人は、探偵になるべく生まれた少年。詳しい内容は省略するけれど。登場人...続きを読む物の名前がすべて浮世絵などの絵師からとっている。主人公の名前を考えると、今後、このシリーズは続いていくのだけれど、何か暗い結末を暗示していそう。
なかなかの良作。 少年探偵団というものを現代に蘇らせ、小学生が名探偵の苦悩とか、いろいろありながら面白い。 名探偵とは宿命。ということであり、生まれた時から名探偵。
【内容】とある町の少年探偵団を構成するメンバーたちが、遭遇したいくつかの事件をそれぞれの視点から語る。 【感想】ミシェル・ビュトールの『時間割』って小説やったと思うけど、そのなかで、ミステリとは探偵による犯人の殺害という最後の殺人によって終わる物語というふうに語られていたような記憶がある。月岡クンは...続きを読むそのことの痛みを抱いてしまった探偵だと思う。その分ケレン味が減じ、ミステリのスッキリ感も減っていると思う。もっとコナンのようにノーテンキに悪を断罪できた方が作品としてはええんやろうけど、個人的にはこちらの方が共感できる。 とある二人が同一人物ではなかろうか?というのはぼくも何度か考えたことがあって、その結論は「たぶん、可能ではあるだろう。江戸川乱歩的なええかげんさと強引さを存分に発揮すれば」でした。 ▼少年探偵団についての簡単なメモ 【池野優雅】クラスメート。探偵団メンバーではない。体育では勝川クンとタメを張れる能力。普段はハイテンション。坊主頭なのでエヴァ零号機とか、細くてデカイのでアンガールズとか呼ばれてる。この話ではお笑い芸人に例えられる描写が多い。 【歌川時雄】物語開始時小学五年生。二話目からは六年生。少年探偵団に憧れ探偵団結成の言い出しっぺでありながらちょっと消極的な桃霞少年探偵団のメンバー。マイナス思考ぎみだが鳥居未菜美がイケイケ系なのでバランスが取れている。探偵団内でのワトソン役。 【歌川恵美】時雄の妹。月岡クンに気がある。出番はほとんどない。 【勝川章】桃霞少年探偵団のメンバー。小五にして高校生くらい大きい。爺ちゃんにおそわり相撲と古武道をたしなむ。パワー担当のように思われがちだが成績もよい。 【狩野雪世】クラスメート。探偵団メンバーではない。天然系。うふふと笑う。司馬遷太郎のゲーム友だち。家は狩野屋という昔ながらの食堂。あるとき「わたしは誘拐されたらしい」と言い出した。 【司馬遷太郎】桃霞少年探偵団のメンバー。いつもパソコンを持ち歩いている情報担当。 【鈴木】巡査部長。亮さんの上司。いつも笑顔を絶やさない。 【石灰石鉱山】このあたりはかつて石灰を掘り出すことで栄えていたらしい。それにかかわるケーブルカーもかつては多くあり、石灰をほとんど掘り出さなくなった今でも二本は稼働中。ついでにこのまちにはチンチン電車(路面電車)もあるし、JRも私鉄も走っている。 【曽我】タチのよくない二流のフリーライター。でも小学生と対等に付き合える大人ってけっこうすごい人やと思う。 【月岡芳人】桃霞少年探偵団の探偵役。記憶を重視しないので成績はそれほどでもないが考える力は抜群。母子家庭。全部わかるまで推理を明かそうとしないいかにも探偵って感じ。 【鳥居未菜美】歌川時雄と同じ歳の幼なじみ。時雄を子ども扱いする。桃霞少年探偵団の自称リーダー。学校一の美少女だが他人に厳しく自分に甘いタイプ。月岡クンが探偵っぽいことをするのを見てるのが好きだが恋愛感情ではないもよう。ファンって感じだろうか。 【ホンノンボ】ラテン系ロックグループ。言葉の意味は盆栽。桃霞市にゆかりがある。 【桃霞少年探偵団】みんなでつくってる探偵チーム。小学生の仲良しグループのひとつとも言えるが探偵団を結成する意図で結成したものではある。 【リバーレンジャー】環境を守る清流戦隊。桃霞市オリジナルヒーロー。今は三人だけだがいずれ増えるかもしれない。 【亮さん】鳥居未菜美の叔父で未菜美んちの二階に同居しているアニメ・特撮オタク。交番のお巡りさん。身長180cm体重100kgと巨漢。ドランクドラゴンの塚地に似てるらしい。 【ルナティック】怪人。せこい悪戯レベルの悪事をなすが、笑ってすませられない、死者がでてもおかしくないような凶悪さもある。犯行現場にカードを残す。
中国の仙道的な小説シリーズが他になかなかない面白さの作者の放つ少年探偵なお話。 でもどちらが先に書かれたんだろう?今作の一篇目はかなり昔に書かれたものを手直ししたとかあとがきで書いてあったような・・・そのせいかちょっと粗削りな印象でした。面白いことは面白いけど、登場人物や設定からすると妙にシリアスな...続きを読む感じが面喰うというか。もっとお気楽な日常の謎的な子供ミステリを予想したもので。。。 いろいろ掘り下げそうでいてそのままのものもあって、次回作もあるようなのでそちらもそのうち読んでみたいと思います。 キャラクターとしては「数合わせ」の勝川司馬くんあたりがいい味だしていて個人的には好みです。
大人の読み物というにはいささか子供じみてはいないだろうか。児童書でもよさそうな内容。章ごとにひとりひとりの視点で書かれているのはいいと思うが、少女の回は演技じみていてあまり好きにはなれなかった。二冊目を読むのはいつになることやら。さっさと消化してしまいたい気もする。
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