【感想・ネタバレ】憧れの少年探偵団のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年06月15日

少年探偵団に憧れた僕の前に現れた転校生。彼はまさしく名探偵にぴったりの頭脳を持っていた。

謎と推理のバランスが絶妙なんですね。
初っ端は密室殺人事件を扱うのですが、それでも日常の延長線上に事件があるのです。その後の事件も同じく突飛になり過ぎない。でも魅力的である。
その上で謎を解く手がかりや道筋も...続きを読む、小学生離れし過ぎず、それでいて視点をずらすことの見事さにやられるのです。

名探偵ゆえの見えてしまう、わかってしまう苦悩も描く。子どもにそれを背負わせるのかと思わなくもないが、フォローもある。
何より仲間がそのことに気づき心を配る。そこもいいんです。

作者に数合わせと言われた子も、それぞれが語り手となって動くことで個性を発揮する。力自慢の子は人をよく見て観察しているし、情報係の子も頭でっかちなわけじゃない。
ひとりひとりが語ることで、グループとしての面白みも増す展開が素敵なのです。
だからこそ、最後のエピソードの最後に明かされる顛末が、きらり輝くのですね。

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Posted by ブクログ 2012年12月31日

少年探偵団が登場するため、私の頭にとっさに浮かんだのはアニメの名探偵コナンだった。作者の秋梨惟喬さんは江戸川乱歩の少年探偵団を強く意識しているようで、作中でもたびたび言及がなされるのだが、少年探偵団シリーズを読んだことのない自分にとっては、コナンのほうがはるかに身近だったのだ。

けれど、本作は同じ...続きを読む殺人事件といっても、名探偵コナンのようにドロドロとはしていない。コナンでは犯人が殺人にいたった動機を深くり下げることが多いため、どうしても後味が悪くなりがちなのだけれども、本作では少年探偵団の小学生らしい微笑ましさ、その中で月岡くんが切れ味するどくくり出す推理がメインとなっているため、常にほのぼのとした空気が漂っていて、読んでいてとても心地が良い。

続編にして長編作品の「天空の少年探偵団」も気になるところ。

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Posted by ブクログ 2012年04月10日

少年少女連作ミステリ。子供っぽさとか純粋さとか未成熟さとかもよく書けてると思う。ミステリとしてもよくできてる。
…だけなら よく出来ました なんだけど。名探偵としての自身に悩む月岡くんと仲間たち、の物語として読むとまた違った味わい。月岡くん以外の四人が作品ごとに語り手になっているのもその味わいを増す...続きを読む。そして、だからこそ探偵団なんだとも思う。探偵ではなく探偵団。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年02月21日

好きでしたけど、登場人物を実在の芸人さんに例えるのがちょっと気になった。
ドランクドラゴンつかっちゃんアンガールズインパルス堤下はまだええけど、アジアン馬場園さんとか少年少女のアベちゃんとか、ちょっとマニアックでは…と思たけど、自分がテレビを手放した隙に有名になったのかな。
お笑い好きなんすね、きっ...続きを読むとね。
イメージ湧きやすかったけど、固定されてまうから、脳内映像化は芸人だらけ。それはそれでおもろいけど、新喜劇みたいやったな。
しかし、続編は期待してます。
もろこしなんてろも読もうかな。

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Posted by ブクログ 2012年01月14日

江戸川乱歩とか、特撮とか、ケーブルカーとか、作者の趣味が随所に現れているところが読んでいて面白かった。事件があって、謎があって、探偵がトリックを解明する、正統派だと思います。

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Posted by ブクログ 2011年12月26日

【収録作品】クリスマスダンス/桃霞少年探偵団対清流戦隊/ルナティックを捕まえろ/不愉快な誘拐/異次元ケーブルカーの謎
 明智小五郎と少年探偵団に触発されてできた少年探偵団。冷静な子どもたちの地に足の付いた活動が好もしい。文武両道型の勝川くんは頼もしいキャラだ。

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Posted by ブクログ 2011年12月21日

秋梨惟喬を読むのは3冊目。
これまでの「もろこし銀侠伝」などの中国を舞台とした武侠小説風とは異なり、現代版少年探偵団モノとなっている。
連作短編集でそれぞれの短編の語り手を少年探偵団の面々が入れ替わり務めるスタイル。
主人公の月岡芳人は、探偵になるべく生まれた少年。詳しい内容は省略するけれど。登場人...続きを読む物の名前がすべて浮世絵などの絵師からとっている。主人公の名前を考えると、今後、このシリーズは続いていくのだけれど、何か暗い結末を暗示していそう。

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Posted by ブクログ 2011年11月30日

なかなかの良作。
少年探偵団というものを現代に蘇らせ、小学生が名探偵の苦悩とか、いろいろありながら面白い。
名探偵とは宿命。ということであり、生まれた時から名探偵。

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Posted by ブクログ 2019年12月07日

【内容】とある町の少年探偵団を構成するメンバーたちが、遭遇したいくつかの事件をそれぞれの視点から語る。
【感想】ミシェル・ビュトールの『時間割』って小説やったと思うけど、そのなかで、ミステリとは探偵による犯人の殺害という最後の殺人によって終わる物語というふうに語られていたような記憶がある。月岡クンは...続きを読むそのことの痛みを抱いてしまった探偵だと思う。その分ケレン味が減じ、ミステリのスッキリ感も減っていると思う。もっとコナンのようにノーテンキに悪を断罪できた方が作品としてはええんやろうけど、個人的にはこちらの方が共感できる。

とある二人が同一人物ではなかろうか?というのはぼくも何度か考えたことがあって、その結論は「たぶん、可能ではあるだろう。江戸川乱歩的なええかげんさと強引さを存分に発揮すれば」でした。

▼少年探偵団についての簡単なメモ

【池野優雅】クラスメート。探偵団メンバーではない。体育では勝川クンとタメを張れる能力。普段はハイテンション。坊主頭なのでエヴァ零号機とか、細くてデカイのでアンガールズとか呼ばれてる。この話ではお笑い芸人に例えられる描写が多い。
【歌川時雄】物語開始時小学五年生。二話目からは六年生。少年探偵団に憧れ探偵団結成の言い出しっぺでありながらちょっと消極的な桃霞少年探偵団のメンバー。マイナス思考ぎみだが鳥居未菜美がイケイケ系なのでバランスが取れている。探偵団内でのワトソン役。
【歌川恵美】時雄の妹。月岡クンに気がある。出番はほとんどない。
【勝川章】桃霞少年探偵団のメンバー。小五にして高校生くらい大きい。爺ちゃんにおそわり相撲と古武道をたしなむ。パワー担当のように思われがちだが成績もよい。
【狩野雪世】クラスメート。探偵団メンバーではない。天然系。うふふと笑う。司馬遷太郎のゲーム友だち。家は狩野屋という昔ながらの食堂。あるとき「わたしは誘拐されたらしい」と言い出した。
【司馬遷太郎】桃霞少年探偵団のメンバー。いつもパソコンを持ち歩いている情報担当。
【鈴木】巡査部長。亮さんの上司。いつも笑顔を絶やさない。
【石灰石鉱山】このあたりはかつて石灰を掘り出すことで栄えていたらしい。それにかかわるケーブルカーもかつては多くあり、石灰をほとんど掘り出さなくなった今でも二本は稼働中。ついでにこのまちにはチンチン電車(路面電車)もあるし、JRも私鉄も走っている。
【曽我】タチのよくない二流のフリーライター。でも小学生と対等に付き合える大人ってけっこうすごい人やと思う。
【月岡芳人】桃霞少年探偵団の探偵役。記憶を重視しないので成績はそれほどでもないが考える力は抜群。母子家庭。全部わかるまで推理を明かそうとしないいかにも探偵って感じ。
【鳥居未菜美】歌川時雄と同じ歳の幼なじみ。時雄を子ども扱いする。桃霞少年探偵団の自称リーダー。学校一の美少女だが他人に厳しく自分に甘いタイプ。月岡クンが探偵っぽいことをするのを見てるのが好きだが恋愛感情ではないもよう。ファンって感じだろうか。
【ホンノンボ】ラテン系ロックグループ。言葉の意味は盆栽。桃霞市にゆかりがある。
【桃霞少年探偵団】みんなでつくってる探偵チーム。小学生の仲良しグループのひとつとも言えるが探偵団を結成する意図で結成したものではある。
【リバーレンジャー】環境を守る清流戦隊。桃霞市オリジナルヒーロー。今は三人だけだがいずれ増えるかもしれない。
【亮さん】鳥居未菜美の叔父で未菜美んちの二階に同居しているアニメ・特撮オタク。交番のお巡りさん。身長180cm体重100kgと巨漢。ドランクドラゴンの塚地に似てるらしい。
【ルナティック】怪人。せこい悪戯レベルの悪事をなすが、笑ってすませられない、死者がでてもおかしくないような凶悪さもある。犯行現場にカードを残す。

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Posted by ブクログ 2014年03月06日

中国の仙道的な小説シリーズが他になかなかない面白さの作者の放つ少年探偵なお話。
でもどちらが先に書かれたんだろう?今作の一篇目はかなり昔に書かれたものを手直ししたとかあとがきで書いてあったような・・・そのせいかちょっと粗削りな印象でした。面白いことは面白いけど、登場人物や設定からすると妙にシリアスな...続きを読む感じが面喰うというか。もっとお気楽な日常の謎的な子供ミステリを予想したもので。。。
いろいろ掘り下げそうでいてそのままのものもあって、次回作もあるようなのでそちらもそのうち読んでみたいと思います。

キャラクターとしては「数合わせ」の勝川司馬くんあたりがいい味だしていて個人的には好みです。

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Posted by ブクログ 2014年01月21日

大人の読み物というにはいささか子供じみてはいないだろうか。児童書でもよさそうな内容。章ごとにひとりひとりの視点で書かれているのはいいと思うが、少女の回は演技じみていてあまり好きにはなれなかった。二冊目を読むのはいつになることやら。さっさと消化してしまいたい気もする。

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Posted by ブクログ 2013年09月22日

幼い頃、『少年探偵団』に憧れた記憶がよみがえって面白かった。
表紙の印象からほのぼのした感じかとおもいきや、のっけから殺人事件もあってびっくりした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2013年07月30日

小学生の少年少女五人組が探偵団として活動する話。月岡くん以外の四人の視点で語られている。それぞれ解り易い役割が振られていて、視点が変わると物語が違う顔を見せてくれる。個人的にはラストのケーブルカーの話が好みだった。それほど重い話でもなく、トリックを解明するマイルドなミステリといったところ。小学生なら...続きを読むではのほのぼのとした内容でした。あと未菜美ちゃんみたいのはドSとはいわない。

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Posted by ブクログ 2012年11月28日

 この少年探偵団結成時のおはなしは、別にあるのかな? 一番はじめのおはなしではすでに「探偵団」があって、それを前提にはなしが進んでいくので、シリーズものは1作目から読みたい私にとってはそこが気になって気になって…笑 この文庫の全話で、毎回ちょこちょこ「こうこうこういうふうに、この探偵団はできて〜」と...続きを読む説明が入るのだけれど、じゃあその話読ませて〜となりました。笑
 そこが消化されれば、「少年探偵団」らしい事件度具合も良かったし、無理のないかんじが好印象でした。

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Posted by ブクログ 2012年06月10日

語り手が探偵団のメンバーでリレーしていく丁寧な作りに感心。普通にワトソン役らしき少年が語り続けたのでは多分途中で飽きてしまっただろう。謎の作りもギリギリ日常の謎とでも言うところか、最初の密室殺人を除くと、柔らかめの小学生向けの謎が並ぶ。そのバランス感覚はなかなかのもの。特撮、鉄道、お笑い芸人と作者の...続きを読む趣味がぎっしり詰まった感がある。肩肘張らずに書き上げたのだろう。これはこれで面白かった。ケーブルカーからの人間消失などいかにも鉄ならではの発想。誘拐事件の甘酸っぱいエンディングも悪くなかった。でもこの出来なら舞田さんのほうが上だったかな。

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Posted by ブクログ 2012年01月27日

多摩川のほとりに在する桃霞(とうか)市。ここで江戸川乱歩の少年ものに憧れる小学生が探偵団を結成した。
幼馴染の美少女鳥居未菜美(スタンスはしずかちゃん)
従者のごとく仕える歌川時雄(のび太)
転校生の月岡芳人(ドラえもん)
格闘家小学生勝川章(ジャイアン)
パソコン使いの司馬遷太郎(スネ夫...続きを読む、ではなくおばQのハカセらしい)
この5人が力を合わせて市内の事件を解決してゆく少年探偵団ミステリ。
資産家が密室で殺された事件を解く「クリスマスダンス」
着ぐるみショーの裏側で行われた傷害事件を解決する「桃霞少年探偵団対清流戦隊」
悪質ないたずらと残された一枚のカード「ルナティックを捕まえろ」
仕組まれた誘拐の本当の目的「不愉快な誘拐」
ケーブルカーから人が消える謎「異次元ケーブルカーの秘密」
この5つの事件を、それぞれのメンバーが一人ずつ語り手となっていく手法で進めていくのですが、メンバーの個性が現れてこれがまた面白くなっているのです。
未菜美の叔父の亮さんのアニメ特撮オタクっぷりも楽しいし、お巡りさん仲間の鈴木さんの優しさもほろり。勝川くんのおじいちゃんの格好よさにもしびれるわ(銀牌持ってないんですって、残念ww)。
主要メンバー以外の、脇役陣のキャラクターがいい味出してる点もポイント高いです。
そうかなとは思っていましたが、登場人物の名字が絵師に採られているのも個人的に好評価。
既に6年生になってしまっているので、年齢的に難しいのかもしれませんが、この少年団が気に入ってしまったので、できれば続編希望です。

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