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一夜のうちに起きた三人の変死事件を調査するため、英国から西インド諸島へ旅立った私立探偵。調べるほどに不可解さが増す事件の真相が鮮やかに明かされる「三人の死体」。鉄製のパイナップルにとりつかれた男の独白が綴られる、奇妙な味わいが忘れがたい「鉄のパイナップル」。不思議な能力を持つ孤独な教師の体験を描く表題作。そして〈クイーンの定員〉に選ばれた「フライング・スコッツマン号での冒険」など、『赤毛のレドメイン家』で名高い巨匠の傑作全6編を収める、いずれも初訳・新訳の短編集!/【目次】孔雀屋敷/ステパン・トロフィミッチ/初めての殺人事件/三人の死体/鉄のパイナップル/フライング・スコッツマン号での冒険/解説=戸川安宣
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Posted by ブクログ
フィルポッツの新訳、しかも短編集というのに驚き。
乱歩の選ぶベスト10にフィルポッツの『赤毛のレドメイン家』が選ばれていて、自分もそうだったが当時のミステリ好きならば大体読んでいたのが一昔前、いやもう二昔前のこと。『だれがコマドリを殺したのか?』が新訳で刊行されたときにも「今、フィルポッツ?」と思ったのだが、今度はまさかの短編集。時代で言えばホームズの頃なのだから、今読んだら古めかしいのではないかと若干危惧しながら読み始めた。
新訳ということで訳文、訳語自体に古さを感じさせないこともあり、全体としてとても面白く読むことができた。小説家としてミステリー以外にも多数の作品を書いているので、濃密な風景描写や心理描写にも味わいがあり、小説としての読み応えがある。
過去の出来事をまざまざと見ることのできる不思議な能力を持つ女教師の、過去と現在が交叉する体験を描く表題作『孔雀屋敷』、西インド諸島バルバロス島で起きた三人の変死事件を調査する部下の調査報告を基に、鮮やかな推理で驚きの真相を解明する『三人の死体』はミステリーとしての面白さに惹かれたし、何か一つのことに偏執的に取り憑かれてしまう性癖を持った男の告白「鉄のパイナップル」は、この時代にこんな性格の人物をこんな形で描いていたのかとの驚き!でお気に入り。
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