【感想・ネタバレ】孔雀屋敷 フィルポッツ傑作短編集のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年04月10日

短篇集。どれもミステリの仕掛けとしては古いと感じる人がいるかもしれませんが、とにかく小説としての描写がとても上手い。
物語の描き方というか、情景描写とか物事を描く順番(読者へ情報を提示していく順番)とかそういう点が素晴らしいので、そこを楽しむつもりで読むとグイグイ面白いですね。まぁ、この部分が肌に合...続きを読むわないと、なんだかちんたら冗長な描写が続く作品だなぁという印象になっちゃうのもそれはそれで分かるんですがね。私は好きです、こういう(あるいみ)文学的な小説。

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Posted by ブクログ 2023年12月11日

アイデアストーリーとしては古びてしまっているし、枝葉の部分が多すぎたりする筋の展開は、あまりにも悠長。昔のお話だなあという感じで、今時の読者にはいらつく人もいるだろう。そうしたことを全部ひっくるめて古き良き英国エンタメ小説として楽しめるか、といったところ。ホームズ譚とか好きな人なら逆にマスト。

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Posted by ブクログ 2023年12月08日

 フィルポッツの新訳、しかも短編集というのに驚き。
 乱歩の選ぶベスト10にフィルポッツの『赤毛のレドメイン家』が選ばれていて、自分もそうだったが当時のミステリ好きならば大体読んでいたのが一昔前、いやもう二昔前のこと。『だれがコマドリを殺したのか?』が新訳で刊行されたときにも「今、フィルポッツ?」と...続きを読む思ったのだが、今度はまさかの短編集。時代で言えばホームズの頃なのだから、今読んだら古めかしいのではないかと若干危惧しながら読み始めた。

 新訳ということで訳文、訳語自体に古さを感じさせないこともあり、全体としてとても面白く読むことができた。小説家としてミステリー以外にも多数の作品を書いているので、濃密な風景描写や心理描写にも味わいがあり、小説としての読み応えがある。

 過去の出来事をまざまざと見ることのできる不思議な能力を持つ女教師の、過去と現在が交叉する体験を描く表題作『孔雀屋敷』、西インド諸島バルバロス島で起きた三人の変死事件を調査する部下の調査報告を基に、鮮やかな推理で驚きの真相を解明する『三人の死体』はミステリーとしての面白さに惹かれたし、何か一つのことに偏執的に取り憑かれてしまう性癖を持った男の告白「鉄のパイナップル」は、この時代にこんな性格の人物をこんな形で描いていたのかとの驚き!でお気に入り。
 

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