【感想・ネタバレ】孔雀屋敷 フィルポッツ傑作短編集のレビュー

あらすじ

一夜のうちに起きた三人の変死事件を調査するため、英国から西インド諸島へ旅立った私立探偵。調べるほどに不可解さが増す事件の真相が鮮やかに明かされる「三人の死体」。鉄製のパイナップルにとりつかれた男の独白が綴られる、奇妙な味わいが忘れがたい「鉄のパイナップル」。不思議な能力を持つ孤独な教師の体験を描く表題作。そして〈クイーンの定員〉に選ばれた「フライング・スコッツマン号での冒険」など、『赤毛のレドメイン家』で名高い巨匠の傑作全6編を収める、いずれも初訳・新訳の短編集!/【目次】孔雀屋敷/ステパン・トロフィミッチ/初めての殺人事件/三人の死体/鉄のパイナップル/フライング・スコッツマン号での冒険/解説=戸川安宣

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

読み終わってしまった。フィルポッツがロシア的な作品書いてたなんて。凄いのは別人が書いたかのような、ロシア的な、ものだったこと。個人的にはショックだったけど(ロシア作品は読む前に覚悟が要る)、驚いた。
それにしてもまだ未和訳が沢山あるらしいので期待。

0
2025年10月26日

Posted by ブクログ

短篇集。どれもミステリの仕掛けとしては古いと感じる人がいるかもしれませんが、とにかく小説としての描写がとても上手い。
物語の描き方というか、情景描写とか物事を描く順番(読者へ情報を提示していく順番)とかそういう点が素晴らしいので、そこを楽しむつもりで読むとグイグイ面白いですね。まぁ、この部分が肌に合わないと、なんだかちんたら冗長な描写が続く作品だなぁという印象になっちゃうのもそれはそれで分かるんですがね。私は好きです、こういう(あるいみ)文学的な小説。

0
2024年04月10日

Posted by ブクログ

ミステリ。短編集。
有名だが初めて読む作家。
事件自体は起きるが、ミステリ的な謎解き要素は薄め。
情景や人の感情を丁寧に描いている印象を受けた。
「三人の死体」は謎解き要素が強めだが、被害者の性格を根拠に事件を解決するというのは、登場人物を丁寧に描く著者の特徴が出ているようにも思う。

0
2025年02月12日

Posted by ブクログ

アイデアストーリーとしては古びてしまっているし、枝葉の部分が多すぎたりする筋の展開は、あまりにも悠長。昔のお話だなあという感じで、今時の読者にはいらつく人もいるだろう。そうしたことを全部ひっくるめて古き良き英国エンタメ小説として楽しめるか、といったところ。ホームズ譚とか好きな人なら逆にマスト。

0
2023年12月11日

Posted by ブクログ

 フィルポッツの新訳、しかも短編集というのに驚き。
 乱歩の選ぶベスト10にフィルポッツの『赤毛のレドメイン家』が選ばれていて、自分もそうだったが当時のミステリ好きならば大体読んでいたのが一昔前、いやもう二昔前のこと。『だれがコマドリを殺したのか?』が新訳で刊行されたときにも「今、フィルポッツ?」と思ったのだが、今度はまさかの短編集。時代で言えばホームズの頃なのだから、今読んだら古めかしいのではないかと若干危惧しながら読み始めた。

 新訳ということで訳文、訳語自体に古さを感じさせないこともあり、全体としてとても面白く読むことができた。小説家としてミステリー以外にも多数の作品を書いているので、濃密な風景描写や心理描写にも味わいがあり、小説としての読み応えがある。

 過去の出来事をまざまざと見ることのできる不思議な能力を持つ女教師の、過去と現在が交叉する体験を描く表題作『孔雀屋敷』、西インド諸島バルバロス島で起きた三人の変死事件を調査する部下の調査報告を基に、鮮やかな推理で驚きの真相を解明する『三人の死体』はミステリーとしての面白さに惹かれたし、何か一つのことに偏執的に取り憑かれてしまう性癖を持った男の告白「鉄のパイナップル」は、この時代にこんな性格の人物をこんな形で描いていたのかとの驚き!でお気に入り。
 

0
2023年12月08日

「小説」ランキング